おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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2-26 マターボード

 ――ぱんっ!

 

 

 謎の破裂音で目が覚めた。

 

「……ここ、どこ?」

 

 何してたんだっけ……。

 なんで知らん人の家に……。

 

「や、やあ、起きたかい、リコ」

 

 んー……なんでクロノがおるん……?

 

「リコちゃん平気!? クロノくんに何かされなかった!?」

「……なんの話さね」

「だから僕は何もしてないって言ってるだろう!」

 

 エイミィさん元気だねぇ。

 ちゅーかここクロノん家? なんで俺ここにおるん。

 

「なぜって、ダークファルスの話をしてて……」

 

 ダークファルス?

 

「あー。そうだ、そうだった」

「しっかりしてくれ」

 

 で、なんでクロノっちは綺麗な紅葉をほっぺに付けてるんです?

 まさかアルティメットシャイニングサバイヴブラスターキングかわいいリコちゃんが寝てる所に襲い掛かろうとしたか? 命知らずめ。

 戦場に身を置いていたリコボディは寝起きこそ悪いが寝ている時以外はいつでも迎撃できるようになっているぞ。

 

「それってつまり寝てるときは隙だらけって事でしょ? クロノくんったらソファで寝てるのを良いことにリコちゃんの顔をじっと見つめて……」

「う、うなされてたみたいだから、心配していただけだ!」

 

 浮気現場押さえられた人みたい。

 

「残念ながらリコちゃんは稼働して5年程度の幼女なので立派な犯罪だぞ。諦めな」

「だから違うと……待て、稼働ってなんだ」

 

 ぱちっと俺も頬を叩き、目覚まし完了。

 さて、えっとなんだっけ。

 

「そうだ。提督さんかまな板の話だ」

「流すのか……。ーー向こうはまだ仕事があるみたいだから、先にエイミィに板を持ってきて貰っていた」

 

 で、その待ち時間に寝ている俺に惚れちゃったと。

 いやあ照れるね。見納めになるから写真撮りたいなら一枚無料で良いぜ。

 友達料金だ。

 

「縁起でもない事を言うな」

「いいじゃん。で、その板って?」

「これ。リコちゃん分かる?」

 

 エイミィから半透明な板を――

 

「嘘だろ?」

 

 物理的に渡されたそれは、見間違いなくかつて色々と仕様的に苦しめられたマターボードだった。

 

「知ってる物?」

「あ、ああ……」

 

 ゲーム的にはストーリーを進めるのに必要なもの。

 そしてストーリー的には、歴史の改変と歴史の進行に必要だったもの。

 

 シオンやシャオが未来を目指すために演算で生み出す物が、なぜここに?

 そして、どうして物理的な形を持って存在している?

 

「簡単でいいから説明してくれないか」

「これは物語を進めるために使われたもので、これに沿って行けば物語は完結する」

「物語?」

「うーん、メタ的な考えだよ。例えば……」

 

 例が思いつかねぇ……! え、えっとね。

 このマターボードって13個の黄色いマスがあるでしょ?

 で、今は5個めまで埋まってる。

 

「今クロノ達が担当してる闇の書関連を13話のアニメと仮定したときに、マターボードはその進行具合を示してるって感じ」

 

 マターボードを使ってる人以外にとっては進行に加担してるかどうかわからないから、仮に見せてもどれくらいで解決するのかの指標にしかならないし間違った説明ではない……と思う。

 にしても、このマターボードは誰が作ったんだろ。

 リコじゃなくてプレイヤーの勘的に製造元が違う気がする。

 

「未来を読んでいるのか……?」

「それ割と正解だわ。全知の存在が演算で未来予知して作ったから」

「全知って、神様が作ったって事? そんなロストロギア聞いた事がないよ……」

「僕もだ。ファンタシースターっていうのはとんでもないな」

 

 へへ、照れるね。

 けどそれくらいのチートがバックについてても割とギリギリな戦いをずっとしてるけど。

 ギリギリっていうか、宇宙ぶっ飛んだけど。ナム。

 

「でも割と違和感あるんだよなぁ」

「そうなのか?」

 

 メインストーリーのマスが13個ある以外は何もないシンプルなものだ。

 不慣れな模倣というか、急いで作ったのか。ともかく、ファンタシースターの製品ではあるけどオラクルの正規品ではない。

 シオンやシャオのはブーイングの起きる面倒な仕様だったし、似ているとすれば滅茶苦茶整理されてやりやすくなったEP4のストーリーボードか。

 

「オレでもわからん事はある」

 

 ちゅーか、なんでそんなものをそっちの人間が持ってたんだ?

 どっから拾ったんだか。

 誰だっけそれ持ってたの。今はどこにおるん。

 

「プレシアは、もう」

 

 あっ、りょかいっす。

 

「フェイトとアルフにも何か知らないか聞いてみたが、有益な情報はなかったな」

「そうねぇ。事件の時に言ってた何たらの存在も意味が分からないし」

 

 おいちょい待てやおふたりさん。そこ重要よ、この美少女探偵リコちゃんに話してみ。

 普通これ知らないって聞く場面でしょうが。

 

「確か、母なる存在から賜った……だっけ」

「だったはず。すまない、脱出中の出来事だから忘れかけていた」

 

 むぅ。ママンなる存在だ?

 

「ああ。プレシアがそう言っていた」

 

 マターボードに似たものを生み出せる母なんて心当たり一つしかないんだけども。

 

「全知を模倣して作られて失敗して捨てられたマザーってのが地球に辿り着いてたとは思うけど、それはファンタシースターに存在する地球だしなぁ」

「うん、待ってくれ。当然のようにロストロギアを作らないでくれ。そして気軽に破棄しないでくれ」

 

 同じ地球同士境界線が緩かったんかな。

 緩かった結果ならアークスシップに歌の上手いサラリーマンが現れたのにも納得いくね(雑)

 

「で、プレシアママはどうやって使おうとしたんだ?」

「ジュエルシードの魔力を使って過去へ飛ぶと言っていたが、そんなこと可能なのか?」

 

 過去へ行くこと自体は場合によっちゃできるよ。

 時間溯行をして歴史を改変するのがマターボードを進めるために必要なら。

このマターボード、若干進んでるけど元からこんな?

 

「いや、数日前……丁度なのはが襲われたり君がマグロでサーフィンをしていた頃から少しずつ光が増えてる。最初は一つも光っていなかったんだけど」

 

 プレシアが持ってた頃にひとつも進んでないなら、それはそのマターボードに記されてるシナリオ外の事。

 残念な言い方になるけど、プレシアはどうやったところでそれを使うことはできない。

 

「……フェイトとアルフには言わないでおこう」

「そういやさっきからその名前出してるけど、関係あるん?」

「お母さんだよ」

 

 へー。ママンなのか。

 そいつぁ言わんのが正解かね、亡くなったママンの持ってたのが無意味な物だったとは。

 

「リコちゃん本当に子供? 冷静すぎて怖いけど」

「はぁい! 美少女系リコちゃんです! ぶい!」

 

 クロノは目を伏せてお茶を飲んだ。

 エイミィは空いたコップにお茶を注いだ。

 

「待ってよ。振っておいてそりゃないよ」

「あまりにも痛々し過ぎて見てられない」

「ね」

 

 ちょ、ちょっと待て、ここでも俺そういう扱い?

 はやてやなのはだけでなく、ここでも?

 

「フェイトのおかんの事を冷静に流したの謝るから! オレちゃんって純培養で今まで親知らず(物理)だから疎いの!」

 

「さらっと黒い事を言うなよ!」

 

「クロノだけに!?」

 

「掛けてない! ふざけるな!」

 

 ガチギレっぽいから普通に謝ろう。

 上目遣いにごめんなさい。

 

「うっ。ぼ、僕も言い過ぎーー」

 

 ーーエイミィのビンタ!

 

「なんで……」

 

 クロノダウン。

 

「く、クロノーーー!」

 

 これが、嫉妬ってやつなのか……!

 

「違うよ」

「そう言いながらオレに近づくのやめてくれま……やめ、オレのそばに近づくなぁーー!」




次回! やっとこさ提督によるエミリア話!
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