おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
その後は特にこれと言ってめぼしい情報もなく、ただの雑談と相成った。
そこで聞いたことによれば、割とこっちの世界に来てからすぐに俺の存在自体は察知していたらしい。
仮面=グレアムの部下説が増したけど、クロノ達がいる手前黙っておこうと心に決めた。余計なごたごた増えてもしょうがないし。構ってらんないぜ。
後で仮面にちょっと確認のメールしとこう。
遠回しに聞くには俺に気が付いてからすぐ対処しようと思ったけど、想像以上に敵意もないしで躊躇いが加速したっぽい。
自分が絶対倒したる! って思ってたら拍子抜けした上、標的の美幼女から覚悟ガンギマリの告白よろしくバッチコイされるしグレアムさんの精神が風邪引きそう。
あとファンタシースターへの憧れは本物だったらしくて、スクショ見せたら喜んでくれた。流石にロビーで躍り狂うアークスの姿や溶岩風呂を楽しむアークスの姿は見せられなかったけど。
スペース・ツナについては突っ込みを食らった。
念入りにメイン武器がラヴィス=カノンであることをプッシュしておいたけど、伝わってくれただろうか。
「――病気?」
「そうらしい。純培養とも言っていたし、そう短命に生まれてしまっていたのかも……」
えー、現在はですね、聞き耳を立てて嘘寝中です。
途中までガチ寝してたけどね、気が付いたらクロノとエイミィが俺について話してたのでつい。
あとてめぇクロノトリガー。余計な考察でややこしくするな。
種を撒いたのは俺だけど!
与えた設定が具現化してるリコではあるけど、短命設定を入れた覚えはないです。
直接の描写はされないけどモノローグでその後亡くなった事を仄めかされるのは性癖だけど、今になってそれのために設定を追加しなくて良かったって思ってる。
寿命が長かろうが短ろうがすぐ散りそうなんですがね、我が命。
「小さいのに、使命を果たそうとしているのね」
「自分たちの世界にしかいないはずのダークファルスを、責任だからと背負わせるのは重すぎる」
「ユーノくんが無限書庫で何か持って帰ってきてくれるといいけど……」
「ああ」
瞼を閉じているので真っ暗で分からないけど、今俺の頭を撫でたのはエイミィじゃな?
「今は平気みたいね」
「エイミィが帰ってくる前もさっきみたくうなされていたんだ。覚悟をしていても、やっぱりまだ子供だ」
大丈夫? 前にシグナムに話しかけたみたいな喋りしてない?
わざわざ繰り返し寝言を言ってもくれなさそうだ。気になるんだけど。
「あ、起きた」
気が付かれたのでエイミィさんおはよう。
良い撫で方だったぜ。
「起こしちゃった?」
「へーき」
のびー。
さってと、情報も集まったし一回帰りますか。
欠片がどこにあるかも探さないといけないしね。
「っとと」
ふらついたぜ。
「起きたばっかりなんだ。少し休んでいった方がいい」
「お茶いれるね」
「悪い」
あ、砂糖はいれないでね。ゲロ甘いのを飲むのは社交だけなんで。
ソファに座り直して欠伸しつつもういっかい伸びてると、子犬が走ってきた。
「犬ドッグなんて飼ってたんだ」
「なんだその呼び方。アルフだよ」
アルフってなんだっけ。こんな子犬は知らんぞ。
てか、シャベッタアアアアアア!
「覚えてないのかい? ほら、フェイトの」
「……ああー。あ、アルフかぁ。ひ、久しぶりだね」
ええ、自己紹介したっけ。
全く思い出せないんだけど。あれ、俺もしかして記憶力もやばい?
「ちなみにあたしとは初対面だよ」
「鎌かけるんじゃねぇ!」
俺は、俺は犬にしてやられたのか……ッ!
「犬犬って失礼だなぁ。あたしは狼だよ」
大神? マジかよ。失礼しました!
飛び上がり空中で捻りを加えながらゆっくりと着地し、フォトン光を輝かせながら土下座。
これがSジャンプと土下座の合わせ技だ!
「うおっ! な、何をしたらそんな……って土下座!?」
大神ってすげえ奴じゃん。ゲーム的に。
コラボアイテムでミュージックディスクください。
マイルームっていうか八神家に奏でたい。
あいつらに布教するんだ。大神はいいぞ(ダイマ)
「なんの話だい……。あたしはフェイトの使い魔だから、そんなしなくていいよ。それとも、そっちの世界じゃ使い魔は偉いのかい?」
使い魔……サポートパートナーか。
「偉くはないな。名実共にパシりだし」
「その一言で立場がわかったよ」
つかアルフっていたの?
姿を見てなかったんだけど。
「真面目な話するからってリコが来る前にクロノが追い出したんだよ」
「へー、フェイトも?」
「フェイトは学校」
残念だ。
フェイトの声ってなんか凄い親近感と言うか、偉大なる先輩の声に似てるからお聞きしたかった。
「ちなみにクロノは兄になる予定だよ」
「マジかよ。クロにぃ」
「誰が君の兄だ」
髪色的に黒髪クロノが兄なのは違和感しかない。
むしろ姉妹になるなら俺だろう。道を違えばフェイトの妹になれた。
あいつは優しいから、きっと俺の扱いが良くなるはず……!
「金髪なの一部だけじゃないか。それと、妹じゃなくてあたしの下な」
ワンコロより下なの俺。
「んだよ。あーあ、じゃあアリサのところ行くわ」
「あそこも犬ばっかだから、たぶん立場変わらないと思うよ。一番下」
ワンコロ達より下なの俺。
「もうまぢむり。今いる家最高だわ……」
「そういやあんた次元漂流者なんだろ? 家はどうしてるんだい」
話をしたついでの流れでリビングのソファをくれました。
部屋を割り振られそうになったりもするけど、それは断ってる。
「へー、良い人もいたもんだ。部屋って、犬小屋?」
ついにワンコロ扱いなんだけど。やったねランクアップじゃん(ポジティブ)
ひどくね?
八神家での俺の扱いは……。
「あれ、犬とどっちが上なんだろうオレ」
下手するとザッフィーの方が良い待遇なんじゃなかろうか。
ザッフィーもガチ犬じゃないから犬のフリをしてるだけで他の面々と扱いは変えてないけど。
あれ、地位が低いの俺だけ?
「で、でもほら、オレの方が寝てる座標上だし」
「物理的な上下じゃないよ」
本気じゃないじゃれつきの悪ノリなのは知ってるから、別にいいんだけどね。