おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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6 モタブ増殖バグ

「んで、明日ははやての誕生日だ」

 

 カレンダーを見たら6月4日にケーキのシールが貼られてたし間違いない。

 

「ここで何も渡さないのはただのアークス。そしてオレは洗練されたアークス」

 

 アイテムパックから取り出すのは翠屋のショートケーキ。

 あとクラリスクレイスのチョコもあるけどこれはもうネタ的にも飽きたしいいか。また寝かせておこう。

 

 そっと取り出して、冷蔵庫に追加しておく。

 ふははは、あとはプレゼントに……。

 

「寝ているはやての枕元にラッピーミニドール」

 

 を、はやての年齢分だけ置いておく。洗脳の儀式の様だ。

 写真を見せた時に気に入ってたし、起きた時嬉しいだろうな。

 あとは俺もリビングでラッピースーツ着て待機しておくか。

 

「じゃ、おやす――」

 

 はやての本棚が光り輝き、一冊の本が飛び出た。

 なんだあれ、何で光ってるんだ。モタブか、モタブなのか?

 

「おいおいおいおい……ケーキ追加かこれは……?」

 

 そして光の中から現れたのは、4人の人間。

 ヒューマン3人に、種族の分からんムキムキおっさんが1人。なんだこのパーティ。どこから出てきた。

 あとおっさん、あんただけ作品間違えてんぞ。ここはPSO2だ。ビーストはユニバースへ帰って貰おう。

 

「……貴様は、何者だ?」

「いやそれオレの台詞なんだけど。お前らどっから出やがった」

 

 立ち上がった4人はどこから取り出したのか、武器を構えている。

 俺も応戦できるようにウォンドを構える。

 ここで戦うのは得策ではないけれど、はやてに危害を及ぼすなら容赦はしない所存だ。

 

「いいか、オレはこの家ではやてと暮らしている……。何だろう、ヒモ?」

「いや、我らに問いかけられても」

「オレはともかくとして、はやてを狙わんとするなら容赦はしないぞ。オレのウォンドが火を噴くぜ」

 

 殴りテクターだし火を噴くのはインパクトの瞬間だけどね。

 

「で、やるのかい? 部屋を犠牲にして。はやてを戦いに巻き込んで」

「――主の家族であるのならば、非礼を詫びる。私はシグナム、烈火の将だ」

 

 サバイブ烈火ぁ? これまた。

 はやての眠りを妨げるのも悪いので、リビングに移動して話をする。

 ピンクのポニテボインはシグナム、どことなくクラリスクレイスと似てる俺とどっこいなちっこいのがヴィータ、金髪の優しそうなテク職がシャマル、最後に残ったおっさんビーストはザフィーラと言うらしい。

 ちなみにザフィーラは狼形態になってる。やっぱりビーストじゃねぇか。

 

「闇の書にしゅごキャラねぇ」

「魔法の存在しない次元世界であるなら、信じがたいと思うが……」

「うんにゃ。オレも深遠なる闇とか守護輝士とかいる世界に身を置いてたからなぁ」

「なあリコ、お前って何なんだ? 管理局じゃないし、言ってることも分かんねぇし」

「オレはアレだよ、平行世界から飛んできたアークスだよ」

 

 皆に首を傾げられた。

 軽くアークスの説明をするけど、やっぱり分からないらしい。

 そうだ、丁度いいしこの世界に存在してないか聞いてみよう。

 

「せっかくだから聞くけど、ハンターズとかガーディアンズとかリトルウィングとかも知らない?」

「聞いたことないな。惑星探査や犯罪者の逮捕は全て管理局の仕事だ」

「じゃあ、フォトンって分かるか?」

「知らない」

 

 パーティリーダーのシグナムさんが代表して話してくれるけど、やはりこの世界にはファンタシースターの連中は微塵もいないらしい。

 溜息。

 

「な、なぁ、どうしたんだよそんな落ち込んで」

「そのだなヴィータ。この世界に俺の元いた職に繋がる組織がないと、永遠にオレってはやてのヒモなんだよ。良くて居候」

 

 で、ある。

 フォトンと魔法が別物なら、管理局に入ったところで「何それ」と言われ門前払いされるだろう。

 つまるところエターナルロリータの俺は働くこともできず、大人になれずこのままニートしかできない。

 

「それに、人が増殖したのはやてになんて説明しよう……」

「それが一番重要なんじゃねぇのかよ!」


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