おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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何で油断するとシリアス色が強くなるん?
この頭リトマス紙野郎が!(精一杯の暴言)


EX.2 戻ってこい日常

「最近ヴィータと一緒に寝てるんだけどさ、ソファに無理に収まろうとするから狭いのなんの」

「幸せで良かったじゃん」

 

 ちげーよアリサ。俺の発言から意図する答えを見つけ出せ。

 

「いや無理よ」

 

 本日お邪魔しているのはアリサ宅。

 学校から帰る際、学校近くまでお迎えに来ていたアリサタクシーに無理やり乗り込む形でここまで来たのだ。

 今はアリサのバカ広い部屋で犬を撫でながらティータイムと洒落込んでいるが、先程の発言から俺の悩みすべてを察することができなかったらしい。

 

「いやね、学校の行き帰りはシグナムの護衛でしょ? 散歩に行こうとすればザフィーラが付いてくる。家ではお風呂に入ろうとすればシャマルが来るし、ベッドつかソファにはヴィータがやってくる。この心は?」

「幸せで良かったじゃん」

 

 そうじゃねーよ! 

 

「つまりみんながね! オレにね! すげぇ過保護なの! すっげぇ優しいの!」

「幸せで良かったじゃんって」

 

 botか!? botかてめぇ! 

 リコちゃん幸せbotかぁ!? 

 いやまぁ家族に囲まれてるのが幸福であろうことは否定しませんがねぇ! 

 

「帰ったら?」

「待て待て待て待て待て、待て待てアリサ。アリサ様、今帰ったら確実にしばかれる」

「何がしたいのあんた……」

 

 一応連絡してるとはいえ返答待ちせずにはやてを置いて学校出ちゃったし。

 あ、ちなみにアリサは共犯者って事にします。メールにもそう書いてある(転送済み)

 

「何勝手に巻き込んでるのよ!」

「オレの悩みを解決したら弁解すると約束しよう」

 

 弁解できるとは言ってない。

 

「はぁ……分かったわよ。で、その幸せリコはどうしたいの」

 

 過保護な今をどうにかしたい。

 たぶんというか確実に、以前のごたごたで居なくなった時の事が原因……。

 ──あ。そういやアリサって魔法の事っつうか事件のことはどれくらいまで聞いてるの? 

 

「どのくらいって、事件に関してはリコが洗脳されてたとか闇の書? が云々って」

「そそ。でさ、そん時一回死んじゃったーみたいな感じになって、心配かけちゃったのが……」

「死んだってどういう事!?」

 

 半径100Km超を消滅させるアルカンシェルとかいうのが皆様の目の前で直撃いたしまして。

 

「アースラから見てたわよ! あのドラゴンみたいなの、あれってあんただったの!?」

 

 気軽に振舞ってるけど当時を思い出して罪悪感がやばい。手が震える。ネタではなくガチで。

 あとアリサさん、揺するのやめて貰っていいっすかね。懺悔と合わさって吐きそう。

 

「じゃ、じゃあ、すずかと一緒になってなのは達を応援してたあたしって……あんたを……」

 

 まああの場はダークファルスを倒すというか意識弱体化まで持ち込めなければ地球も吹っ飛ぶやべーことになってたし。

 俺もずっと前から犠牲になる覚悟はあったから、なのは等を応援してもらってたのは別に気にしてないぜ。

 

「あたしが気にするのよ……」

「その台詞を生で聞くとは思わなかった」

「あんたちょっと立場代わりなさいよ」

 

 そこはいいんだよ! 

 

「いや良くないわよ」

 

 今生きてるからいいじゃんかさ。

 

「生きててよかったけど……というかむしろそんな威力のを撃たれてどうやって生還したのよ」

「かくかくしかじか」

「その台詞を生で聞くとは思わなかった……」

 

 パクられた。

 正確に言うとアルカンシェル撃たれる前に離脱してたから俺には当たってないんだけどね。

 

「問題はさ、そんなこんなでめっさ心配かけたオレちゃんを、みんなが過保護気味にしてるって事だ」

 

 話を戻そう。

 なんというかその、信頼されてないっていうかさ。

 俺はもう一人で抱え込むなんて事しないって。そう言ってるのに、ちゃんと悩みがあれば人に相談するように善処もしてるってのに、片時も目を離してはいけないって勢いで皆常にそばにいる。

 いつも通りの日常を取り戻したかったのに、いつも通りとはまだちょっと違う日常。

 表面整えて裏じゃ抱え込むって、オレの役割をシグナム達が引き継いだだけじゃねぇか。

 

「それ、あたしじゃなくて直接言いなさいよ」

「そうなんだけどさぁ。正面からやめろとも言いにくいし……」

「というか、さっきから撫でてるのザフィーラよ?」

 

 は? 

 

「シグナムから聞いて、先回りした」

 

 えええ!? 

 ざ、ザフィーラお前ェ!? 

 というかこの家のセキュリティてめぇ! 

 聞いてください! こいつ狼なんです! 

 

「最初に見た時から何となく察してたわよ。どう見ても狼だし」

「ぐぉおおお……」

 

 どこだ、どこに間違いがあった……。

 

「幸せ者ね」

「ここまでくるとストーカーじゃね?」

「酷い言われようだ」

 

 女の子二人の空間におっさんが犬のフリして紛れ込むのは重罪だと思う。

 俺も中身はおっさんじゃないかって? 知らねぇよ、俺はめちゃんこ可愛い幼女だ。

 

「はぁ……」

「しかし、そうか。どこぞでリコがまた勝手に暴走しないかと皆で警戒していたのだが、杞憂だったようだ」

「あー、その、だ。オレは平気だ」

「そうか」

 

 低く唸るようなその一言は、それ以上にない充分な納得の意を示していた。

 

「これで元通りね」

「迷惑をかけたなアリサ。帰るかザフィーラ」

「承知した」

 

 ん? はやてからメールだ。

 なんだ……ろ……。

 

「なあアリサ、今晩泊めてくれない?」

 

 送られてきたメールにただ一言、「山盛りの刑」って書いてあったら警戒するに決まってんじゃん! 

 ザフィーラ助けて!

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