おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
山盛りの刑、と聞いて戦々恐々としていたけどただの買い物でございました。
呼び出し場所がいつものスーパーだったからなぜかと思ったけど、セールだからいっぱい買うし手伝ってくれってさ。
八神家はなかなか大所帯であるため、なんやかんやで買う量が多いのだ。
「しかし人気者だな」
「ちょっと前まで車椅子だったんがてくてく歩いとるからなぁ」
「いや、オレの話」
「ナルシストが過ぎん?」
冗談だよ。
確かに今は【翠屋のアイドル】を引退してる俺より、二本足で歩けるようになったはやての方が声を掛けられている。
「ただまあ、一番目立ってるのはリインの方だけどな」
「……普通にしているだけだが」
一緒に来ていたリインが首を傾げる。
なんかよくわからんけど、リインってこう、威圧感があるんだよな。
銀髪赤目で釣り目気味で身長もそれなりにあって、悪役的というかラスボスちっくというか。そんな顔立ちだし。
平和主義者な性格をしてるのになぁ。
せめて目にハイライト入れてくれ。
「もうちっと笑ってさ。こんにゃろめ、うりうり」
「せやで、せっかく綺麗な顔しとるんに勿体ない。うりうり」
「主はやてがそうお望みになるのであれば」
「命令やなくてな、もう少し気を抜いて欲しいんや」
そうそう。もっとラフに行こうぜ。俺を見習えよ。
「よしリイン。アークス式交流術を教えてやろう」
「アークス式?」
「なんやそれ」
相手がフレンドやチームメンバーでない場合、その場でぐるぐる走り回りながらジャンプしたりして存在感をアピールします。
それに乗ってきた場合は踊ったり座り込みましょう。相手も真似して何かしらロビアクを披露するはず。
「チーム?」
「リイン、そんな落ち着きない真似したらダメやで」
「ここまでは会話もないからコミュ力関係なく誰でもできるんだけどな」
「アークスって蛮族なん?」
蛮族であるのは間違っていない。
レア武器とユニットの為に原生生物とボスを蹂躙する事しか考えてないし。
「ステップその2」
「あ、続くん」
ロビアク中は手が空くので、その隙にお相手のアークスカードを拝見しましょう。
その際に間違ってアイテムトレードをしないようにしてくださいね。
チームの勧誘待ちとあればチャンスです。少し言い方は悪いですが、所謂“地雷”と言われる性格に難ありな方はビジフォンで手当たり次第に申請を送っている(統計無し、経験測)ので、絶対とは言えませんが遭遇率は低いと思います。
というか勧誘待ちな時点でぐいぐい来るタイプじゃないと思うんで大丈夫っしょ。ノリは良いけど一歩を踏み出せないタイプ的な?
「後はまぁ、流れでフレンドになったり?」
「急に雑なった。てか、それ最近リコちゃんが暇潰しにやっとるオンラインゲームの話やないん?」
「肝心である表情を和らげる方法が一切ないのだが……」
そこなんだけど、俺もようわからんわ。
気が付いたらだんだん柔らかくなると思うよ(投げやり)
「今のオレの話に対してはやてが突っ込み入れてたじゃん? 掛け合いしてればあれくらいできるようになるさ。すぐとは言わず年単位で考えてみ」
そのはやては最初からこんな感じだった気がするけど。
「年単位、か」
「無理にとは言わんが練習としてオレを雑に扱ってみ。ちょっとやそっとじゃ怒らんしイラつかんから」
「初めて会った時に“頭おかしいんはあんたやー”言うても動じひん位の大物やで」
というかカムバックする前日の会話で俺ちゃんを宇宙に追放しようとしてたじゃん。あれくらいの悪ノリでカモン。
実はあれ、夜天の魔導書を通して見てたんだぞ。
「聞いとったん!?」
「それ以前にも偶に覗いて、オレの葬式ムードを見て、戻りにくいなって……」
「自爆だな」
そうそう。それよそれ。
でも自分がどういわれてるとか気になるじゃん!
「はぁーよいせっと。これも買っとく?」
「待ち、お米30キロを軽々持たんでや。しかも2つ」
「もしかしたら主はやては御覧になっていないのでしょうが、リコは以前に巨大なマグロを振り回しておりました」
そのマグロ、今もう出せないんだけどな。
フォトンと身体が吹っ飛んでアイテムパックも消えたし。
「気になるわぁそれ」
どっかに映像残ってたと思うよ? クロノが管理局に報告する時にスクショと動画送ってたみたいだし。
会計を済ませてリインと分担して荷物を持ち、申し訳ないと気の休まらないはやてには軽い物を。
といってもまあアークスパワー自体は残ってるんで、積載量が頭ひとつずば抜けている人間重機である伝説の運び屋な俺ちゃんがほとんど持つんだけど。
はやてが転びそうになったらリインが支えるって役割だしこれが丁度いい。
「端から見るととんでもない光景やで。山岳の修行僧みたい」
「まだもう2シャマルくらいは余裕でイケル」
「2シャマルってなんやねん。ほんまに大丈夫? 無理せんでな」
へーきへーき。
スペースツナどころかなんなら鉄の塊のランチャーをバットに野球もできるぞ。
む、もしやサッカーだけでなく野球もできるな。
ミートB、パワーS、走力Aのパワーヒッター持ち。謙虚に5番辺りでどうすか。
「フォトン無くなったんにそんなできるんは、やっぱ素の能力なん?」
あー。それなんだけどさ、なんか魔力で代用できてるっぽい。
魔法の使い方なんぞ全く分からんからフォトンの感覚でやってみたらできちゃった感じ。
「えぇー」
「ちなみにこの事をクロノに報告したらデバイスくれる流れになった」
「良かったやん」
「前言ってたユニゾンデバイス? と2つ持ちになっちゃうけど大丈夫かな」
「ええんやない?」
「完成にはまだかかる。デバイスに慣れておくことも重要だ」
今のところ箒を持つのすら精一杯な戦闘に難ありデューマン(元)なのに、どう礼を返したものか。
「いや、リコちゃん自分がどんな活躍したか分かっとるん?」
「んー。総重量十数キロを軽々と運送している?」
「そこやないねん」
真面目に考えても、闇の書を夜天の魔道書に戻したり地球爆発を阻止したり?
行き当たりばったりだし運しかなかったけど。
「それや!」「それだ」
「うわっとと、突っ込み入れたいのは分かるがどつくな。バランスが……!」
積んであるものが崩れて潰れても知らんぞー!
「そうだ。はやてを肩に搭載して荷物支えてもらうか」
「ただでさえ見た目とんでもないのに目立つから却下や」
「では私が乗ろう」
「リインは無理だなぁ」
「……私がシャマルより重いと?」
ちゃうねん。バランスを考えてくれ。
背中に座席作ればワンチャンいけるが。
バンピートロットってゲームにそんな装備あったな。背中に座席用意するやつ。
あんな感じで。
「荷物で目立つの嫌ならシグナムも呼べば良かったじゃん」
「護衛を自重する言うて来んかった」
「またオレのせいと申すか」
「せやで」
ザフィーラもどこいったよ。
あいつの筋肉を今こそ見せる時だろ。
「ザフィーラなら既に帰還した。理由はシグナムと同じだ」
「オレも帰るか……」
「帰っとる途中と違うん?」
せやな。
「あ、せや。リコちゃんて泳げるん?」
「本当に突然だな。どうしたよ」
「来月から水泳の授業始まるやん、泳げるなら教えて欲しいな思うて」
うーむ。どう返そう。カナヅチではないはずだが。
少なくても平泳ぎとクロール程度は分かる。
バタフライ? デジモンの事かな。俺あれ今でも歌えるわ。
「ふむ」
歩くのもまだまだなはやてに泳ぎねぇ。
現実的に考えて筋肉の付き具合的に無理とは言いたいが、それは無粋というもの。
チャレンジ精神は貶すものではない。
「屋内プール的なのどっか探してみるわ。水に慣れる位から始めてこうぜ」
「ありがとな」
「へけっ、その感謝で充分さ」
……ん?
もしかしてこれ、水着回的な奴か?