おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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EX.5 ファッション

 突然だが好きなモビルスーツはと聞かれて何と答えるだろうか。

 シーンを含めてやパイロット、デザインが好き等色々理由があるだろう。

 それらを掲げ上げ、我ら所謂オタクというものは好きな事となれば語り尽くしたくなる生物。

 

 所謂一般人と呼ばれる、ロボットを全てガンダムと呼ぶ層へそれらを叩きつけた所でうわあってされるだけ。

 めんどくさいオタクに絡まれる心理というのは、興味のないことに付き合わされるとはこういうことなのだろうか。

 今現在、身をもって味わっている。

 

「オレは適当な服でいいって……」

「あかん。リコちゃんほっとくとずっとジャージやんか」

「だって着飾るにもめんどいんだもん」

「アークス式の着替えに馴れ過ぎ」

 

 今日はプールに着ていく水着を選び少し遠出してデパートへやってきたのだが、折角ここまで来たしついでだからと気が付いたら俺の洋服選びが始まってしまった。

 子供とはいえ女性の買い物。多少長くなるのは読めていたしまあいっかと思っていたが、まさかこれ程とは……。

 つまらんとか飽きたって事を言いたい訳じゃなくて、オタクの語りと同じく返事に困るのだ。

 同じ返答を繰り返せばちゃんと聞いてるのか不安にさせるし。

 今のところ定番である「どっちがいい?」が来てないのでまだましだけど。

 

 ファッションに関してはレイヤリングの組み合わせすらまともにできなかった俺にそんなことされたら無理ゲーだぞ。

 デザイナーが上下揃えて用意してくれるありがたみよ。

 

「んー、リコちゃんにオレンジはあんまり合わへんなぁ。黒……はフェイトちゃんと被るし」

 

 オレンジがダメだと?

 パワードジムは一番好きなデザインのMS(モビルスーツ)だぞ。

 

「何の話?」

「なんでもない」

 

 心の声が漏れてしまった。

 ……次点でジムクゥエルだな。

 

「いやだから何の話?」

「パイロットで言うとノリス・パッカードは絶対外せん」

「リコちゃん?」

「バーニィも好きだなー」

「ちょ、ちょい? リコちゃん?」

 

 大きな星が付いたり消えたりしてる……。

 彗星かな? ……違うな、彗星はもっとパーッて動くもんな!

 

「リコちゃん戻ってきて、リコちゃん!」

 

 肩を掴まれてがっくんがっくんされる。

 はっ、俺は何を……。

 

「精神崩壊してた」

「どんだけ興味ないん? 無理に付き合わせてごめんなー」

「ぁ、ああ。なんだっけ、ブチ穴の話だっけ」

「ダメやこれ」

 

 なんだっけ、洋服を見に来てたんだ。

 

「リコちゃんせっかく見た目はええんに、勿体ない」

「見た目だけなら完全無欠のエクストリーム幼女だし着飾らんでも美しいと思うのだ、オレ様」

「中身は残念」

「そこまで完璧にしちまうと野郎共が面倒だからな」

「はいはいせやな」

 

 いつもの通り流された。もはやこれも安心感を覚える。

 様式美って奴だね。

 

「リコちゃん、別にお金の事は気にせんでええんやで? 確かに今は大所帯やけど、それでも家計には余裕あるし」

「おん?」

 

 別にそこの心配をしての事ではないが。

 

「居候だとか色々気にするのは分かるけどな、今はアークスでもなくてただ一人の家族なんや。もうちょっと欲張ってくれた方がええ」

 

 いやマジでそこの心配も気負いもしてないんだが。

 その辺は八神家へ戻らない言い訳に使ってたら念入りに説得されたし。

 あれ欲しいこれ欲しいの欲張りがそんなないのは元からだし。

 前に働いてたのもニートの事実消したかっただけだしねー。

 

「……まあ、そこまで言うならいいか」

「決まりやな!」

 

 あ、これまた時間かかるパターンやな。

 

 せーのっ。

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!(発狂マーモット)

 

 

 

 

 

 

 ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ、ぐうう、ぐぐぐ……」

「リコ?」

 

 横で偶然会ったフェイトが訝しげな顔でこっちを見ているけれど、無理だ、た、耐えられん。

 

「どうしたん?」

「急に苦しみ始めて……。大丈夫?」

 

 現在地、水着コーナー。

 夏が近いという事で売り場を拡大してきたこちらのコーナー。俺には荷が重い……!

 

「どういうこと?」

「また発狂しとる」

 

 お前達には分かるまい! 精神に男の部分が残る俺に、女性の下着や水着の売り場へ突入する苦しみが!

 ……とは言えないので、ぐおおお!

 今は素晴らしき幼女なのでその場にいても不審者扱いされる事は絶対にないが、それでも抵抗はある。

 

 あん? はやてとよく一緒にお風呂入るだろって?

 それとはまた別の問題なんだよ。あれは足の動かんはやての介助の面もあったし。

 というかこの羞恥心はこう、そういう意味じゃないんだよ。

 

「オレ休んでるからさ……ペットコーナーで癒されてくるから……」

「サイズの確認どうするん」

「アークスのFで」

 

 それでサイズピッタリだから。

 

「いや待ちぃ」

 

 は、離せっ。

 

「Fなんてサイズがあるの?」

「フェイトちゃんそういう事やない。絶対なんか意味がちゃう」

 

 アークスの女性は全員Fで入るから、ぴったりだから。

 な、フェイトっち。汝は我の味方だよな? な?

 

「私はリコともう少しお話したいけど」

「マジでか」

「あんまりふたりが話しとるとこ見たときないなぁ」

「なのはやクロノから話はよく聞くんだけど、学校だとあまり話さないし」

 

 あー、学校で顔は合わせるけどあまり話さないよね。

 はやても加わった仲良しグループの中には基本的に俺いないし。

 別にグループメンバーと仲が悪いとかそういうんじゃなくて、はやてが友達の輪を広げるのを妨げちゃあならんとあまりべたべたせんようにしてるだけ。

 その結果仲良しグループとも接点が薄れて現在に至る訳だが。

 ……べ、別に俺ちゃんボッチな訳じゃないぞ!?

 

「また余計な気遣いしとる」

「そんな理由だったんだ」

 

 だってやけくそみたいなコミュ能力持ってる俺が間に入ったら何でも解決しちゃうじゃん?

 

「それは、せやけど。けどなリコちゃん」

「なんだい」

「水着のコーナーはこっちやで」

 

 くそ、さりげなく離脱しようとしたがごまかせんか! 離せ、俺はスク水でいいから!

 俺くらいの外観年齢なら市民プールでもそれで行けるって!

 

「譲らんなー」

「何がそこまで嫌なんだろう」

「お洋服選ぶのも嫌がっとったというか、興味がないというか」

「それとは拒否の仕方が違うような」

「あ、それや」

 

 分かってくれたかはやて。

 

「なんか似とると思ったんやけど、散歩拒否の柴犬や」

 

 何の話をしてんだてめぇ。




ガンブレで最初に作った機体はジェガンの色を変えたイングラムです。
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