おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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リコおっさん(女性追加ボイス84)


EX.6 話通じないモード

 歩き回って疲れたはやての休憩がてら、フードコーナーにて一服。

 フェイトが俺の持ってきたお茶をびびりながら飲んでたのはゲロ甘茶を警戒したか。俺も飲みたかねぇよ。

 

「聞きにくいけど……」

 

 おん?

 

「リコってもう、成長しないんだよね?」

 

 ぶっ。

 

「ふぇ、フェイトさんや。確かにまぁ、その、成長はしないけどね? その言い方だとね?」

「あ、ごめん」

 

 クラスレベルは当時カンスト、武器とユニットも良いのを装備しプレイヤースキルの伸び代もたかが知れてる程度。

 アークスじゃないのでクラスも装備もない現在だけど。

 まぁリハビリしたところで成長の余地なしに違いはない。違いはないんだけど、その言い方は地味に刺さる。

 

「嫌だなとか、思わなかった?」

 

 ふーむ。レベルキャップはゲーム的に仕方ないし、俺TUEEEEEもしたい訳じゃないんで。

 というか火力出したかったらテクターなんてやってないし。

 知り合いのニューマンに新クラスのエトワールは他者からの回復を受けられないよって聞いた時は存在意義を考えられそうになったが、あるがままを受け入れるもまた一興。

 シフデバとスーパートリートメントのサポート能力が有る限りテクターは不死身だ。なんならサブクラスをレンジャーにしてサポート奴隷になってもいいぞ。

 リバーサーフィールド? 知らね。

 

 今はアークスじゃないけど(念入り)

 

「あるがままを、受け入れる……」

「そそ。んで良い方向に転んだ時は素直に喜べばいいの」

 

 しかしフェイトたんは急になぜそんなことを?

 

「リコが今の体とか、そういうのを受け入れられてるのかなって」

 

 今の体?

 なんだろう。話が噛み合ってないような。

 

「守護騎士と同じ体になって、もう体が成長しなくなって。普通の人とは違ってしまったのに、リコは強いね」

「あ、うん。そう」

 

 能力の伸び代とかじゃなくてそっちの、ボディの話?

 うーん、身体の成長についてはキャラクリしなおさないと不動なので最初から諦めとると言いますか。

 騎士になった事で変わったのってアイテムパック使えなくなったくらいだしあんまし気にしてない。

 

「それよりアークス風のデバイスが欲しいってクロノに言ったら断られたのを気にしてる」

「……うん、リコはリコだね。うん」

 

 なんで呆れてるんだ。手に馴染む武器の方が圧倒的に良いだろ。

 こちとらミッドもベルカも使い方が良くわかんねぇんだぞ。

 だからアークスっつうかせめてウォンドが欲しいと申し出たというのに。

 最低限の機能としてインパクトと同時に爆発を起こす程度は欲しいって言ったら呆れた声で「一回で壊す気か」なんて言われたんだぞ。

 単発爆破は1クエスト中に一回だけ金龍大噴火っていうめちゃすげぇ大ダメージ出せるサインバーンだし、それはガンスラッシュだ。ウォンドじゃねぇ。

 む、待て。それはそれで切り札的に持っといて損はないかも知れん。

 

「フェイトちゃん、どんまいやで」

「えと、私が思ったよりリコは大丈夫だなって」

「素直にアホって言ったほうがええよ」

 

 あぁん!? 誰がキャンペーンミッションをクリアするためにSH(スーパーハード)のクエストへ出発してマップの隅々まで探索し敵を殲滅させた後から倒す敵のレベルは80以上じゃないとノーカンだって事に気が付いて一体もカウントされてないことに発狂し時間を無駄にしたアホ野郎だってえ!?

 

「何の話?」

 

 ☆15武器ゲットキャンペーンの緊急任務3回クリアを焦ってやろうとして色んな時間削ったのにまさかの【巨躯】緊急があって余裕にクリアできた緊急任務の予告も見ないアホの話してんのかぁ!?

 俺は一体、何の為に戦っているんだああああ!

 

「だから何の話?」

「これはもう話通じひんモードやから気にせんでええ」

「そんなモードがあるんだ」

「せやで」

「いつも通じないのかと思った」

「それは流石に……」

 

 ああ、分かる。

 チームチャットしてたと思ったらずっとパーティーチャットしてたみたいなね。

 

「ほら」

「ごめんフェイトちゃん。せやったかも」

 

 逆なこともあったな。みんなパーティーチャットしててそん時に別のパーティーにいた俺だけチムチャしてたの。

 ぜんっぜん返事なくてさ、あん時のハブられ気分ときたら……。

 

「はは、ははははは……」

「落ち込んでもうた!? や、やり過ぎてもうた、ごめんなリコちゃん!」

「ご、ごめんなさい!?」

 

 大丈夫、大丈夫だよシロボン。

 本物のノノリリは、心にバスターマシンを持っているのだから!

 

「あかん、これはもうステージ2や」

「そんな病気みたいな診断なんだ。どうするの?」

「こういう時はな……」

 

 はやてが席を立ち離れて遠くへ行った。

 どした? トイレか?

 

「わー、たすけてー」

「……」

「……あ、本当に行った」

 

 まさか自分がピンチになれば必死になって助けにくると思うたか。

 ある意味冷静になれたが。

 というか元から俺はクールで冷静な賢い幼女だが。

 少なくても貴様らより視界は広いぞ。

 

「フェイト、横見てみ?」

「え?」

 

 荷物番してたはやてが離れ、俺が離れ、そしてフェイトの目がこちらへ向き。

 我らがお買い物紙袋は忽然と消えました。

 

「まぁ犯人はあそこなんですがね」

 

 あ、指差したら置き引きの犯人が早歩きで逃げた。

 うーむ。素人だな。

 明らかにちらちらとさっきから隙を窺ってたし背中を見せれば来るかと思ったがこうも見事にかかるとは。

 ふははは、相手を間違えたな。

 

「言うとる場合か! リコちゃんゴー!」

 

 子供相手なら勝てると思うとるちょっと足の早さに自信ニキ程度が、チーム拠点に何故かあったバルーンレースで最速を叩き出すだけを目的に一週間を潰した元アークスに勝てると思ったか。

 記録はどこにも残らない本当にただのお遊び要素なので結局何秒まで行けたかは覚えてない。一応それで取れる称号はあったけど。

 懐かしいなぁ。昔から俺ちゃんって本編よりもミニゲームの方を良く遊んじゃうのよね。

 

 なおやるのは足の早さ一切関係ないテクニック。

 

「初級光属性テクニック、グランツ。リコちゃん手加減カスタム」

 

 説明しよう、グランツとは回避不可攻撃である!

 空中に現れた光の矢的なのが犯人を襲って気絶させた。

 ふっ、弱いな。人間って。

 

「……人間……弱い……」

 

 殺してないよな? 手加減、できてるよな?

 ああ、今はフォトンじゃなくて魔力で再現した魔法で、非殺傷ができて、あれ、でもそれってデバイスを使ってる前提で。

 

「落ち着いて、大丈夫みたい」

「本当に? 本当にフェイたん。本物のフェイト? ウンメイノー」

「ほら、あの人捕まったし大丈夫みたいやで」

 

 お、おお、本当だ。ふらふらしてるけど生きてる。

 

「というか私ら的には魔法を普通に使ったことを言いたいんやけど」

「そう、それ」

 

 ……ごほん。

 なな、はやて。

 光属性のテクニックってさ、状態異常のパニック入れられるんだよね。

 普通に混乱って意味であってるやつ。

 

「ん?」

 

 なんか聞かれてもさらに手加減したグランツ連打して混乱入れてごまかせば切り抜けられる。

 

「待って?」

「てなわけでオレは荷物回収したら先に帰るわ。テレパイプで」

 

 肩を掴まれた。

 き、貴様ら、は、離せ!

 他の連中はどうなってもいい! だから俺の命だけは、俺の命だけは助けてくれよぉ!

 

「とんでもない小物な台詞でたな。けど逃がさんで。リコちゃんが逃げたら困るのは私らや」

「私達もなんとかごまかすために言うから、あっ」

 

 秘技・ステップ回避

 ふははは、一瞬とはいえ無敵になるこれを捕らえる事はできぬぅ!

 

「えい」

 

 なにぃ! フェイトめ、この俺を羽交い締めにしただと!

 う、動けん、ば、バカな。全く体が動かん……ッ!

 

「何がステップ回避や。勢いで振り切っただけやん」

「意外と小柄だからこう捕まえると弱いね」

 

 くそ、俺がフルパワーで暴れられないのを良いことに……!

 

「ほらいくで」

 

 仕方なし。フェイトに掴まったまま歩く。

 意外とこれはこれで居心地が悪くなかったりする。

 

「私は歩きにくいんだけど」

「些細な犠牲だ」

「何をいばっとるん」

 

 なんやかんやでいつも俺ちゃんってばはやてを抱えたりとかヴィータみたいな身内に乗られたりとかはあるけどこう、他人的なポジションあったかいなりぃはしなかったからさ。

 母の温もりを感じる。

 フェイトは私の母になってくれるかも知れない女性だ。

 

「うわぁ、リコちゃん……」

「はやても来るか? 居心地良いぞフェイトの懐」

 

 褒めたら恥ずかしげに俺を抱き止める力が強くまって待って痛いいたいギブギブギブ。

 

「ご、ごめん。お母さんみたいって言われて、ちょっと嬉しくて……」

 

 母性早くない?

 

「そういう意味ではないんだけど」

 

 さよけ。

 だが俺にはわかる。フェイトは子供好きだと。

 そして、管理局での仕事でやりたい事は恵まれない境遇の子を救ってやりたいのだと。

 

「な、なんで」

「ふはは。まるっとお見通しだ」

「いやそれこの前クロノくんと電話してて知ったことやん」

「え」

 

 言うなよはやて。

 俺が別に凄くないみたいじゃん。

 

「……私、先に帰るね」

「おう。じゃあな」

「待って待ってフェイトちゃん、クロノくんに一言言いたいんは分かるけどこの場をまずな、あとリコちゃんもどさくさで帰らんで?」

 

 そんなこんなでついに現場へたどり着いてしまった。

 置き引き犯とここの職員もずいぶん待たせてしまったな。

 

「最初に言っとく。オレは魔法を使っていない」

「はい?」「は?」

 

 何言うとるん。

 そんな台詞が横からした。

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