おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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PCくんが突然死して光の4500文字を失い闇落ち(ダークファルス化)して生まれた暗黒のEX.7にございます。
今日新しいHDDくるので、交換して直らなかったら深遠なる闇になります。交換するだけで大丈夫だよね……?
あと、関係ないけど「おっさんin幼女が普通な世界でキャンプする」っていうゆるキャン△に乱入するのも考えてました。需要あるのこれ。
 かしこ(やけくそ)


EX.7 フラッシュバック

 蒸し暑くなってきた朝、床に転がってた俺はザフィーラを枕にして目が覚めた。

 ここだけ見ると寝相が悪いみたいな感じだけど、実際には俺は悪くない。昨日一緒に寝ていたヴィータに全ての責任がある。俺は悪くない。

 

 ヴィータの寝る場所は俺かはやてかを気分で変えてるので今でもたまには一緒に寝てて、けど狭いし暑くなってきたしで寝苦しいのか選ばれた時は大体床に落とされてる。

 遠慮してるのかピック率は低いし別にいいんだけど。

 本格的に八神家の一員になったり上記の件もあるしでそろそろソファ暮らしも厳しいか……。

 

「リコも守護獣になるか?」

「どうやってなれと」

 

 先に起きてたヴィータはソファにはもういないけど、寝起きでぼーっとしてて戻る気力もないのでだらけてたら(ザフィーラ)に言われた。

 どう獣になれと。

 ダークブラスト的な? 俺のダークブラストって言ったらクローム・ドラゴン一択になりそうなんだけど。

 この世界の人達にとってあれって恐怖の対象になりそうっていうか、八神家をまた泣かせてしまいそうな事になるのでどうしても以外はやっちゃならんと思う。

 

 でも必殺技は欲しいなぁ。

 獣化はビースト種の必殺技だけど、デューマンだと確かインフィニティブラストってのがある。防御力を捨てて攻撃特化になるやつなんだけど。

 うーん、でも攻撃特化は止められそうだしこれも駄目かなぁ。

 

「また思考が飛んでるな」

「オレに獣は無理らしい」

 

 そもデューマンですし。正確にいうと違うけど。

 のそのそ動いて庭を見ると、ヴィータがグラーフアイゼンをゲートボールのスティックに見立てて素振りをしてた。

 ゲートボールは外出の言い訳によく使われてたけど、趣味でやってる事に変わりはないのよな。老人共にどうやって混じったのかは知らんが。

 俺? 事件前に誘われて一回やったけど、ドラコンチャレンジャーっていうルームグッズみたいな感じになってボールが成層圏の向こうへ消えてからやってない。

 良い所見せたくて技量マグ装備してやったらこれだよ。今だったら普通にできるだろうけど今度はスティック持てないし。モテモテになれる自信はある。

 

「しっかし、子供って早起きだよねぇ」

「リコも子供だろう」

「体力もすぐに回復するし」

「お前は体力が減らないだろう」

「オレも若けりゃなあ」

「若い所か幼いだろう」

 

 残念、地球でははやてと同年ですー。

 前は5歳を言い張ってたけど今は10歳ですー。

 

「でも肉体は再構成されてるので0歳!」

 

 ミッドの正式記録では以前のリコとは別個体になってるので0歳、しかし学校へ通うため地球では10歳。

 そこへ皆の思ってる年齢である途中でどっか誕生日きて6歳になったとか精神年齢とか合わせるとどれが本当の年齢だっていう。

 

「法律的な年齢は0歳。よし、今度からこれを押していこう」

「お前のような赤ん坊がいるか」

 

 俺が最強の幼女だ。

 ロリを通り越してペド。

 

「ほら抱っこしろよ。赤ちゃん様だぞ」

「……」

 

 背中に乗ったら無言で落とされた。

 そろそろ俺も起きる時間のようだ。立ち上がって伸びひとつ。

 

「ぐぃー、そういやはやては?」

「珍しく寝坊だ」

「あら本当に珍しい。午前中に本を返しに行くとか言ってなかったっけ」

 

 しゃーない。この俺が起こしちゃろう。

 あくびしながらはやてのマイルーム(A)へ。

 かつては車椅子の為、でも今もそのまま変わらずな段差のないはやてルーム。

 いつも先にはやてが起きてる事が多く、俺から起こしに行くなんてないので立ち入るのはあんまりなかったりする。

 宿題やる時はリビングだし、俺が勉強を見てやる必要もないもんなー。

 

「ぐふふ、すやすや眠っていらっしゃる」

 

 だが眠り姫の安眠もこの俺が妨げてやろう。

 薄暗い部屋で眠っているはやてを揺すって起こそうと手を伸ば──

 

 ──ここで死ねば、安らかな終焉を迎えられる。

 

 

 急に手が震える。

 ベッドで横たわるはやては幸せに眠りこけたままだ。

 何も知らず、あの時のように。

 

 あの時のように。

 

「……」

 

 目の前で寝ているはやてに、俺は今、手を伸ばしている。

 かつてその手には、あのとき俺は、何のためにこの右手を伸ばしていた? 

 今その手で何をしようとしている? 

 

 

 ──助けなきゃ。

 

 

 違う。違う。違う。

 今は、今はそんな事をしに来たんじゃない。

 大丈夫だ。今は、ただ寝坊してるはやてを起こそうとしてるだけだ。

 何も恐いことはない。

 ごくりと固い唾を飲み込んで、深く息を吸い込んで……落ち着け。大丈夫。

 もう俺は、()()()()()はしない。差し向ける剣はもう持ってないし間違いも起こらない。

 それに必要もない。

 

「……大丈夫、大丈夫……」

 

 震える手を抑えて一歩下がる。

 必要? 必要なら?

 

 

 ──それが唯一の救いなんだ。

 

 

 脳裏にまじまじと自分自身の声で、何をしようとしたのかが、あの時、病院のベッドで今と同じように横たわっているはやてに向かって何を差し向けて、何をしようとしていたのかがまじまじと甦る。

 右手に持った愛剣で、ラヴィス=カノンを差し向けて、俺は、俺ははやてを殺そうとした。

 

 それしかないと。

 救いと称して。

 

「……ん、ふああ……。よう寝とったわ……」

 

 寝起きのはやてが、何も知らないはやてが、あの時のように何も知らないはやてが、俺を、見ている。

 あの時のように何も知らない無垢なふたつの綺麗な瞳が、真っ直ぐに見ている。

 

「違う、違うんだ」

「? 起こしにきてくれたんやないの?」

「そ、そうだ、そうなんだよ。起こしに、きたんだ。寝てたから」

 

 半身を起こしたはやてが、中途半端に伸びた俺の右手を何となく取ろうと手を出す。

 

「駄目だ!」

 

 違う、その手は、剣を、差し向けた剣を握ってた、血に汚れた! 

 

「なんでそんな挙動不審なん?」

 

 よろめいた足で下がる。

 もういい。はやては起きた、ここにいる意味はないんだ。もうやることは無い。

 戻ろう。

 今日の俺はおかしい。まだ寝ぼけてるのかも知れない。

 

 がたん、と背中に何かが当たって何かが落ちた。

 下がり過ぎた。

 

「わ、わりーわりー……」

「あっ、リコちゃんそれは!」

 

 振り向いてしゃがみ込んで、拾ったそれは。

 

「ひっ!?」

 

 ラヴィス=カノンの持ち手、俺が、はやてを殺す為に使った武器が。

 

 そうだ間違いない。

 

 はやてを殺そうとしたんだ、俺は。

 間違いなく、自分の意思で、間違いなく!

 今手に取ろうとしたようにその柄をしっかりと握りしめて!

 

「ごめんリコちゃん! それほっといてええで、後で直すから!」

「違う! 違うんだ!」

「リコちゃん!」

「オ、オレは……違うんだ! オレは!」

 

 俺はこの剣で、何も知らないままが幸せだとはやてを殺そうとした。

 そうだ、そうしようとしたんだ。間違いなく俺の意思で! 

 俺が! 

 

「どうした!」

 

 寝室から逃げ出そうした途端に駆け付けた人間態のザフィーラが逃がすまいと道を塞いで盾となりぶつかり尻もちをついてしまう。

 

「リコ? 何があったのだ」

 

 ザフィーラが俺を見下す。

 逃がさないんだ。俺を、主であるはやてを殺そうとした俺を、許さないから。

 

「違うんだ! 違う、これは、違うんだ……めんなさい、ごめんなさい、違うんだ……」

「こんなところに置いててごめんな、びっくりしたな、ちょいと落ち着こ、な」

 

 やめろ、優しくするな。

 許して欲しい訳じゃない!

 なんでそんなに庇うんだ、未遂だったから良かったじゃない、俺は、俺は……!

 

 

 

 

 

 ・・・・・

 

 

 

 

 

「……んお?」

 

 気が付いたらはやてのベッドで寝てた。

 なんで俺ここで寝とるん?

 

「リコちゃん、起きた?」

 

 近くの椅子に座ってたはやてが心配そうな顔してるけどなんぞありましたかね。

 

「……覚えてないん?」

 

 んー?

 確かなんかヴィータにソファから落とされて、ザフィーラと駄弁って、んで、ああ。はやてが寝坊してたから起こそうとして……?

 

「そうか、寝ぼけてそのままフトンに吸い込まれたか」

「……へ?」

 

 寝起きのフトンの魔力はヤバいと思う。

 にしてはなんか物凄い恐怖を感じた気がするけど。

 はて? ……まあいっか。

 しかし何故にはやてはそんなビックリしてるし。

 寝てたら超絶最強幼女が突然フトンにinしてきたらそら驚くか。

 

「てか今何時……って昼前じゃん! クソ寝てた!」

「え、あ、うん。……覚えとらんの……?」

「んあ、何を?」

「いや、ならええんやけど……」

 

 リコちゃん葬式ムードを思い出す雰囲気やめてくれませんかね?

 立ち上がってリビングへ向かうと、ザフィーラとヴィータが似たような顔で俺を見ている。

 

「なんも、覚えとらんて」

「そうか」

「だ、大丈夫なのか……?」

「詳しいことは念話でな」

 

 そういって全員黙って神妙な顔しながら内緒話を始める。ナチュラルにハブられた。

 仕方ないのでこの場は離れよう。顔を洗ってくると言い残し洗面台へ向かう。

 

 うーん、しかしこの反応は心当たりあるぞ。

 大体こういうのは俺ちゃん関連でなにかしらの地雷があったに違いない。

 ただその何かというのが記憶に一切ございませんが。

 自己防衛的に記憶(HDD)をバーストしたか?

 あんまり思考を深入りし過ぎると多分吐いて更なる心配をかけちゃうから程ほどにしとこう。

 精神科の先生も学校生活で後は慣らしていこうってだけで完璧オッケーとは言い切れないのが人間、的なことを言ってたし(うろ覚え)

 

 冷静に自分の状態を整理したところで、鏡を向く。

 髪の毛は先端に至るまで金一色。寝癖はあれど曇りなし。

 顔は……うむ。美である。やはり私は美しい。

 

 

 では。

 

 

「我が名はリコちゃん! 全知そのものだ!」

 

 うぉおおおお!

 俺が何言った所でどうせダーク雰囲気になるのは決まってるから勢いでごまかせ、やけくそだー!

 

「ヴィータぁあああ!」

「うわっ」

「ヴィータかわいい! ヴィータ! ああああ!」

「うるせえ!」

 

 抱き付いてソファにどーん!

 ぐへ、ぐへへ、かわいい……。ヴィータ……ふひ。

 

「は、離れろ……!」

 

 吾輩は無敵なりぃ!(マッシブハンター発動)

 叩こうが何しようが退かぬぞ!

 

「無駄に力強いのなんなんだよ!」

 

 三つ編みむしゃむしゃー!

 

「やめ、食うなっ!」

「……なんか、大丈夫そうやな……」

「リコはそこまで弱くない。今は信じてやろう」

「せやな」

 

 はやてとザッフィーがなんか言ってるな。ダメージのSEでよく聞こえないけど。

 少なくてもダーク会話は回避できたようだ。

 

 だが、ヴィータを愛でるのはやめぬぅ!

 このリコちゃん愛の輝きにて我が胸元に顔をうずめることにより大丈夫だ問題ないとイーノックのごとき安心感を得よ!

 

「何言ってんのか──むが! むむー! むー!」

「よーしよしよしよしよし」

 

 愛の抱擁によりもがもが言ってる。

 我が無限力は凄いぞ。ヴィータをムームー星人にしてしまった。

 

 そういえば俺の前世世界ってPS5発売するんかねぇ。

 するんだろうけど、看板キャラにトロやムームー星人出してくれたら嬉しいなー。

 トロはともかくムームー星人も一時期は顔みたいなもんだったろうし、ちらっとでいいから顔見せてくれよー頼むよー。

 

「リコちゃん」

「む。はやても我が愛を……」

「いや、ヴィータが」

「お?」

「ぷはっ! 何すんだてめー!」

 

 拳!

 

「ふ、ふふふふ……」

「効いてねぇ……!」

「人間の耐久力やないなこの生命体」

 

 はやてよ、それは地味にキツいぞ。

 だって俺ちゃんは防御力の低いデューマンなのだから!

 

「そこ?」

 

 です。

 あ、マッシブハンター切れた。

 うむうむ。アークスのスキルも魔法でできるな。制限時間はやはりあるけど。

 

「──よくもやってくれたな!」

「ぐはっ」

 

 マッシブハンターのない我輩は豆腐だぞ。

 ……ゆるちて?

 

「おらー!」

「おわっ、ちょ、角はヤメテ!」

 

 そこさわんないでぇ!

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