おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
それと雑ですがリコの姿的なものができたので置いておきます。
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プールのスロープのさ、一歩進む度に段々突入してく感じなんか楽しくない?
プールサイドに腰かけ足をばしゃばしゃしながら釣り糸を垂らしてふと思う。
釣りとは考えにふけるには丁度よく、寂れたおっさんが夕日をバッグに虚無っているのもこんな感じだろう。俺は美少女だが。
割と怪獣映画が好きなので、スロープの感覚は陸から海へ戻るゴジラとか、あるいはパシフィックリムの最終決戦みたいな感じを思い出してBGMを口ずさみながらだとなお面白く感じてしまう。というか水辺の戦い好きだし。
特に水中戦はこう、なんていうか力強さと浮遊感を画面いっぱいに表現してるのが好きでよぉ……。
まあ一番好きな怪獣は水辺関係ないバラゴンなんですが。GMKゴジラ相手に単騎で立ち向かえたんだぞ、あっさり負けた国産ギドラより絶対かっこいい。俺は最期まで力を振り絞り戦い抜く戦士に敬意を表する。タイトルからハブられてた上に爆散してたけど。
最強の怪獣談義はよしておきたいが、口を挟むとジャイアント芹沢博士が世に出た経緯も含めて一番ヤバイと言っておこう。
「ちっ、アキカンが釣れた」
プールだからって理由はないけどゴミしか釣れんな。さっきは海鳴エビが釣れたからこの調子で行けば海鳴マグロも釣れそうなもんだけど。
はやての手を引きながら泳ぎを教えるシグナムを遠めに眺めながらプールサイドで釣りに興じているのは理由がある。
というのも簡単なもので、重度のカナヅチな事が判明したためだ。どうあがいても浮けすらせず泳げず楽しめない為こうして休んでるというか遊んでるのん。
無呼吸でも活動できるし水中で遊んでろって? そんなことしたらバケモノみたいに思われるだろ。バケモンだけど。
さっき言ったスロープをうろうろして遊んでも良いんだけど、こっちも周りの目が気になって最終的に釣りに落ち着いた訳。
はぁー。張り切ったわりになんとも情けない。
暇だしクロノに電話して駄弁ろうかな。向こうも忙しいだろうが。
あるいはそんなに話した事ないけど、一応連絡先は知ってるユーノに水着を見せても良いかも知れないな。からかって遊びたい。
きっとコズミックインフィニティー極アームズ美少女な俺の水着姿を見ればすぐに顔を真っ赤にするぞ、ふふはは楽しみ。
いやぁー、横取りしちゃったらなのはにも悪いしやめとこっかなー。
「……何してるの?」
「釣り」
「怒られない?」
「だからこっそりやってるんだろが」
さっそく適当に電話しようとしたら話しかけられた。
プールサイドの真ん中ら辺、ひとも来ないところだから油断してたぜ。
監視の人もあの距離じゃあ流石に釣りしてるとは思わないらしくスルーしているし堂々とするのが一番物事を隠しやすいとはいえ、通りかかったら流石にばれるよね。
「噂通りだねぇ」
「どんな噂だ? オレが美少女戦士セーラーオラクルって事か?」
って、ん? 知り合いか?
隣に座ったのは知り合いでもなく知らん少女。幼女じゃなくて少女。幼女枠はとりあえず確保できるけど……いや誰だ?
まじで知らん。何喰ったら髪の毛が紫になるんだ。俺は紫の髪嫌いだぞ。いやすずかが嫌いって言いたいわけじゃなくて。DF的に。
かるーく警戒しながら話を進めよう。またなんかの事件かも知らん。
「んー、あのダークファルスにソロで立ち向かおうとした英雄さん」
……魔法関連か。
ちらっとはやて&シグナムにアイコンタクトを送ったが無視された。かなしい。そもそも目合ってないけど。
くそう、念話さえ使えれば! 未だにチャット感覚でしか遠距離通信ができないし、それやっても何か向こうにはメールみたいな届き方してるっぽいし!
アイスアイスアイス>みんな。二人とも気が付いてくれーっ!
シュッ! (チームチャットの音)
プリリッ! (ウィスパーチャットの音)
パァーンッ! (/togeを使った音)
・・・(範囲外チャット)
「クロノさんに頼んでこっちに来たんだけど、あれ?」
「クロノ?」
なんだ、クロノのツテか。
……って油断するかよ! 一応確認しとこう。
「名前と何か証拠のもの」
「うへぇ、この昼行燈め!」
「あとオレの変な噂流したやつの個人名な。しばく」
んで、ちゃんと教えてくれるんだろうな。
もうコールする準備はできてるぞ。
「分かったってば。はじめまして、私はカノン。証拠の物はないけど、いつでもリコの味方だよ」
情報スクナイヒメな上にクッソ怪しいじゃん。
急な味方宣言は怪しいし疑いが晴れないのでクロノに電話する。これが手っ取り早いけどあいつ出るかな。
なんちゃら官っていう忙しそうな役職名だし微妙だなぁ。
図書委員的な感じの暇そうなユーノであればすぐ出そうだけど。
「気軽にカノンって呼んでね」
「うぐぅって言わないから偽物だな」
「どういう基準!?」
黙れ、kanonはシンボルアート作りたくて講座見たのにVITA故に真似できなくて心折れたのを思い出す。
「理不尽だ……」
……お、出た出た。
おーいクロノや。kanonのアニメ観た? 今度鯛焼き食いにいかね?
『すまない、ちゃんと構ってやるから後で良いか?』
待て待て。早急に必要な確認ごとでして。
俺んところにあんさんの差し金が来てるけど何も聞いてないからさ。
「あの、せめて普通に紹介してくれない?」
『差し金? ……というかその声、カノンがいるのか?』
「そそ。敵かと思うからちゃんとこういうのは先に言ってくれよー」
『現地に着くのはもう少し後かと思ってたんだけど……』
もうおるでよ。
まぁ知ってるっぽいし味方確定なら良かったや。
『PT事件DF事件と続いたし、また何かあるかもと警戒したカノンが現地調査員としてそっちへ向かったんだ』
「へぇ。まあ何かあったら助かるかも」
『……殆ど観光目的っぽいけどね……』
本当は向かわせる予定じゃなかったと。
『君と違って聞き分けも良いし仲良くしてやってくれ』
「なんかさりげなくディスられてない?」
『気のせいだ』
「そっかー」
まぁともかく疑って悪かった。すまん。
よろしくなカノン。
「こちらこそ! いやー、リコがヘンテコ常識はずれの頭がおかしい人って言われてる時はどうかと思ったけど良かった」
「なんか限りなくディスられてない? 初対面だよな?」
『気のせいだ』
「そっかー」
お、なんかかかった。
……また海鳴エビか。マグロ出ねぇなー。
『プールに行ってるんじゃなかったのか? 釣りしてる音が聞こえるんだけど』
いや、プールにいるよ?
けどさぁ。俺ちゃん実はカナヅチで全く浮かなかったのよ。
『そこまでは分かった。プールで釣り……?』
「……そういえばそっか、変だね」
『変で済む話じゃないぞ。どうして釣竿を持ってきてるんだ……』
アークス時代の時も釣竿とか持ってなかったのに出てきてたし、今も同じノリで出せないかなーってやったら出てきたノーマル釣竿。
ピッケルも出せそうだし後でその辺のコンクリから米とか大豆とか掘ってくるよ。
いやぁー、武器もユニットもアイテムも全部失ったかと思ったけど、フォトンの代わりに魔力使って色々できるね。
「あ、エビ釣れまくってるしお土産にいる?」
「私はいらないな……」
『僕もいらない……というかプールにエビがいるのか……』
そこはほら、ギャザリングの設定よ。
釣り上げた瞬間になんか存在が確定して具現化するとかなんとか。
『分かった。君はバカだ』
は? キレそう。
クロノお前な、通話だけで見れてないだろうけど水着の美幼女に対して何言ってんだてめぇ。
あ、良い事思いついた。
「カノンはハケとく?」
「ハケ? ……ああ、そういう。大丈夫だよ」
クロノは疑問符を浮かべているような声を出したがカノンには伝わったらしい。
おっけ。ノリノリで肩を近づけてきたので、では。
「ばあーん! 見よ、これが美しいマイボディ」
『ちょ、急に映像を繋げるなよ』
「美女カノンもいるよー」
ふははは! あ奴め慌てふためいておるわ!
えーっと、カメラワークをちゃんとしてと。
「どうよどうよ。オレの美しさがようやくわかったか」
『あ、ああ。うん。君が整ってるのは分かったけど……』
けど? けど?
どした? 顔赤いぞ? ん?
『驚いた、君がその、本当に女の子だったとは』
…………。
…………。
…………は?
「なんだァ、てめェ……」
「ちょ、リコ落ち着いて」
「出来ぬぅ!」
『あ、いや、すまない。君が普段からオレオレ言ってるし、もしかしたらって』
カノン、カチコミに行くぞ。ユーノをからかって遊ぼうとしてる場合じゃなかった。
あいつにちゃんと俺が美幼女だってことを思い知らせに行く。
『そこまでの事だったのか!?』
しかもそこまでって言ってる辺りな。それほどの事だぞ。
俺ちゃんガチギレしそう。
「……ねえリコ、大丈夫だと思うよ?」
ん? どった?
カノンが映像の先、クロノの後ろを指さすので追ってみると見覚えのある人影。
あれってリンディさんじゃね?
『クーローノーくーん?』
『すまない、仕事に戻るよ』
そういや仕事中だったね、リンディさんもそらくるわ。
けどどうしてだろう。怒ってね?
笑顔だけど、めっちゃ怒ってね?
「今ってクロノさん側に私達映ってるでしょ?」
「だな」
「私達って今水着でしょ?」
「……そうだね」
がしっとクロノの肩に手が置かれ、ようやく状況を理解した。
あいつ、仕事をサボって水着美女の映像見てやんの。
『待ってくれ、違うんだこれは』
『……』
『ちょ、ちょっと待って、説明をさせ──』
あ、切れた。
カノンの正体確認電話だったのが雑談に発展したのは俺が悪いけど、喧嘩両成敗って事で。
まさか俺が女の子扱いされていなかったのはキレそうだった。てかキレた。
今度会ったらこれをネタになんかゆすろう。
モニターを消して、プールに視線を戻すとはやてが手を振ってたので振り返す。
なんか俺が暇で可哀想になったっぽい。憐れむな。
「んじゃ、私は帰るね」
「はやてに挨拶してかなくていいのか? お目付け役も兼ねてんだろ?」
「う、そこまで分かってた? 今日会ったのは偶然だし、はやてさん達には改めて挨拶に向かうよ。何も持ってきてないし」
別に八神家の性格的に声さえかけてくれればいいけどな。何か貰えるのなら貰っておくけど。
ヴィータはアイス好きだからその辺が良いと助言しておこう。
俺チョコミントね。
「リコちゃーん」
「おう、今行くぞー」
ざぶん。
頭のてっぺんまで水に浸かった。
「ちょ」
あ、初めて見るカノンはびっくりするか。ほっといてええやで。
「ぶくぶくぶく……」
「ビート板いる?」
投げ渡された。センキュー。
そっか、折角こういうのあるから──
「うぐぅ!?」
一瞬沈んだビート板が反乱を起こし我が顎を打つ!
「何しとるん?」
「大丈夫だ、問題ない」
カノンの奴め、こんな地雷装備を……もういねぇ!
「アホだな」
「地面に叩きつけたシグナムは反省しろ?」
ビート板にしがみつきながら説教する。
なんだろう、とても様になってない。
「それで、なんか用か?」
「ちょっとは泳げるようになったし、競争しよか思うて」
「浮けないやつが泳げると思ってんのか?」
「凄いキメ顔で情けないこと言うとる」
見ろよ、浮くので必死で傾いてるし若干流されてるぞ。気分は漂流記。
漂ってたせいで段々酔ってきた。
「やべ、吐きそう。息するのしんどい」
「何しに来たんだお前は……ほら」
待てシグナム、ビート板を引っ張るな。
お前の背中に乗せてくれ、揺れるから死んでるんだ。
シグナム~おんぶ~。
「仕方ない」
呆れつつもちゃんと乗せてくれる。
「……意外と小さいな、リコは」
「デカイのは口だけや」
ひでぇ。
(○○したときない、○○かも知らん、ってまさか方言……?)