おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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あけお@#!よろ!
作中は夏です。


EX.10 リコちゃん改造計画

 夏休みにもなれば小学生は暇なもの。宿題はめんどいが。

 だが、まぁ始業式に間に合わせりゃいいしのんびりでいいさ。てかはやてと一緒にやるし。

 わっちの学校での成績は中の中ですしワンチャンどうにでもなる。

 わざわざ頑張って上位者になった所でなんぞと言う訳でして、特に努力する気はありませんよ。

 

 それにさ、勉強できりゃ頭いいって思ってる奴ぁ嫌いなのよ。

 だから俺は夏休みの自由研究でザリガニの生態を調べたいと思います。

 

「絶対に宿題終わらせないタイプだと思う」

 

 なのはくんは何が言いたいんだぁ。馬鹿だといいたいのかぃ?

 おーおー、ブンブンの刑に処すぞぉ。

 

「たぶん皆も思ってるよ?」

「何を」

「じゃあ聞くわよ。夏休みの宿題、リコが最終日に必死こいて片付けると思う人は手上げて」

 

 寄ってきた犬を撫でながらアリサが適当に宣言すると、言い出したアリサはともかくとしてなぜすずかまで手を挙げた。しかも凄いしっかりピンと肘張ってさ。

 なのはは言うまでもなく敵だ。俺の味方はいないのか。味方は。

 

「……フェイト?」

 

 へいわしゅぎしゃなフェイタソだけは傍観してる。手も上げてない。

 

「うん」

 

 って言いながらいい笑顔で手を上げるんじゃあないよぉ!

 

「ノっておいた方が仲良くなれるかなって」

「ここには敵しかいねぇよぉ」

 

 いいもん! うちにははやてがいるもん!

 

「はやてちゃんなら自分でやれって、宿題見せてくれないと思うけど」

 

 甘いななのは。はやては予定をきっちり立てるタイプだ。

 そしてなぜか俺も予定の素材として組み込まれるので宿題タイムが自然と生まれる訳だ。

 現に昨日はふたりでのんびり雑談しながら宿題してた。

 どうだ貴様ら! 俺は、俺はちゃんと夏休みの宿題をちゃんと終わらせられるんだよ!

 

「はやてちゃん頼みだね」

「リコ自身は何もしてないわよ」

「うーん、後ではやてちゃんに伝えとくね」

「えと、どんまい?」

 

 4hit!

 

「なんだよぅ! 女の子泣かせて楽しいかよぉ!」

 

 後さりげなくチクるなよぉ!

 

「もういいもん。明日一日潰して全部終わらせてやるもん……」

「それこそ予定が立てられてないんじゃ」

 

 フェイトマ゛マーッ゛!

 

「何これ……」

 

 泣きついたら避けられはしなかったけどドンびかれた。

 くそぅ。こいつらいつか分からせてやるんだから!

 この黒薔薇にかけて誓う。この決闘に勝ち、薔薇の花嫁に死を!

 

「失礼します。お茶が入りました」

「お、ありがとうバトラー」

 

 全く。最近の子ったら事あるごとに俺ちゃんを小ばかにして。

 俺はなぁ、美少女なんだぞ? お嬢様ぞ?

 もっと丁寧に扱わんか。

 

「……ふぅ。良いお茶だバトラー。感動的だ」

 

 だがなぜ俺のだけプラスチックなんだ?

 

「あんたの力じゃ壊しそうだから用意したのよ。わざわざ」

 

 俺は力の制御できない化け物か何か?

 ぱちん。バトラー、握力計を。

 

「うちの鮫島を使わないでよ」

「お持ちいたしました。リコお嬢様」

 

 ご苦労。

 

「鮫島も何で普通に使われてるのよ……」

「ワガママお嬢様の執事というのも経験したく思いまして」

 

 誰がワガママぢゃーい!

 ほぅら見てろ雑魚ども、行くぞぉ。俺の握力は……!

 ぐぬぬぬぬ!

 

「12kg。つまり俺は美少女」

「太ももで針をずらしてるの見えてたわよ」

「馬鹿な!」

 

 そんなはずない! 俺はすんげぇ非力な美少女なんだ、信じてくれ!

 ただパンチ力とキック力が特撮ヒーローレベルなだけなんだよ!

 

「リコちゃんはそれよりずっと強そうだけど」

「うん。クロノくんも自分よりずっと強かったって」

 

 ものによっては確かに勝てそう。ただまぁ、あいつら主人公だし?

 てかすずかはさりげなく俺の事を化け物か何かと思ってないか。

 美少女やぞ?

 クロノを倒しかけたのはDFブースト乗って容赦しなかったからだし。

 てか美少女やぞ?

 

「今日はやけに推すね」

「美少女宣言するのがリコよ。付き合ってたらキリないわ」

「そう、それなんだよ! 聞いてくれ皆さん!」

 

 あ、今日も今日とてアリサハウスにお邪魔してます。

 すずか&アリッサが車で帰ってるのを散歩の道中偶然目撃したので、走って追いかけ追いつきました。

 例え高速道路に乗って逃げようが俺は追いついて見せる。うぉォン。

 んで、ボンネットに飛び乗って気が付いたんだけど車内にはフェイトとなのはもおりまして。

 聞いてみた所今日は全員お暇なのでお茶会だとか。

 

 八神家の皆さんはどうしたって?

 はやては夏休みの長期休暇を利用して今日からミッドに勉強へ、騎士たちもそれに着いてった。

 取り残された俺ちゃん……な訳でなく、別に数日で帰ってくるらしいし家の防犯を兼ねてザフィーラと共に地球に残った訳だ。

 

 話がずれた。戻そう。

 俺ちゃんが美少女を推すにも理由があるので相談しよう。

 俺の話をきけーよー!

 

 

 

「──女の子として見てもらえなかった?」

 

 そう!

 グラサンを装備してバンっとホワイトボードに書いたものを叩けば全員呆れちゃった。

 字が汚いてかオラクル文字で誰も読めねぇな。消し……あれ、力強く書き過ぎたせいで消えねぇ。

 

 ……ごほん。解説すると、クロノっていうあんちくしょーにこの前水着見せた訳よ。

 したらさ、「本当に女の子だったんだな」って言われたんだよ!

 分かるかこの屈辱。あいつは俺を美少女として見てなかったんだぞ……!

 多分男友達としか俺の事を見てなかったに違いない……。

 

「アホリコと言えど流石にかわいそうね」

「クロノくんが……」

 

 同情の目はそこそこにして、どうすりゃいい。

 俺はどうしたらあいつに「かわいい」と言ってもらえる!

 バンっと再びホワイトボードを叩いたら真っ二つになった。

 うごごご、俺はこの力を制御できない! ヴォー!

 ユウキュウガ……ホシイ……!

 

「とりあえず、“オレ”はやめたらどうかしら」

 

 え、マジ? アーちゃん先輩そっからですか?

 うーん……まぁ確かに短髪で男っぽい服で一人称俺だったら、ワンチャン男の娘扱いされちゃうか?

 中性から男より。つまり男の娘、か。はぁ……。

 

「仮にさ、オレが急に一人称をわたしに直したらこう、ヘンじゃないか?」

「“オレ”は普通に使うのにそこは気にするのね」

 

 ちゃうねん、急に変えたら「ん?」ってなるじゃん。

 

「じゃあいっそのこと服ごと変えてみたらどうかな」

 

 すずか氏。それは小生のファッションセンスがバリダサと言いたいでござるか?

 

「リコちゃんって制服以外で最近スカート穿かないから、どうかなって」

「……男っぽい服なのも理由かしらね」

 

 うーん、アークス時代というかオラクルボディだった時はワンピース着てたりなんだりしてたけど最近はそうだねぇ。

 はやてに買って貰ったりお下がりだったりの組み合わせでもなるべくスカートは避けてるし。

 なんだろうね。リコ・クローチェがいなくなって精神空間が俺オンリーになったから抵抗出てきたのかな。

 はやてとかとのお風呂は全然気にしてないけど、なぜかスカートは微妙。

 

 てなわけで今はズボンとシャツっていう、ラフも過ぎる虫取り少年かってレベルの恰好です。

 流石に恥じらいは残ってるので裸にゃなりませんが。

 

「でもこういうのはあれだけど、意外だね」

 

 何が?

 

「リコちゃんって、同一性障害とかそういうあれなのかなって思ってたから……」

「あー、リコは男に興味ないってはやても言ってたわね」

 

 うーん。ガチな所を言うと精神は男なんで間違ってないのかも。説明するとアレだから言わんが。

 てか俺ってそうか、すずかっちの指摘通りこの世界だとそういうくくりになるのか?

 でもだからと言って女性に興味があるのかとも言い切れないけど。

 ……性欲がないのか俺は?

 

「我がかつての肉体は親も不明な試験管ベイビーだし調整入ってるしその辺かもな」

「急に重い話入れるのやめない?」

 

 元ボディの話だし今関係してるのは知らんけど。

 だって精神の話だし。

 

「ともかくそこらは俺も分からんし解明する気はない。したって意味ないし」

「あの、えっと、ごめんね」

 

 何が?

 とは言うが普通に考えて障害的なのってだいーぶナイーブな話題だったか。俺ちゃんは気にせんよ。

 構へん構へん。

 

「ただな。今回クロノに限ってはこう、女の子として見てもらいたいんだよ」

 

 俺が美少女であることを分からせたいので。

 八神リコ謎のこだわり。あいつにかわいいと言わせるまで安らかに眠るなかれ。

 

「ねぇすずか。これってやっぱり……」

「うん。リコちゃんはたぶん気が付いてないけど……」

 

 何をこそこそ話しているか。

 ちょっと我輩にも聞かせなさい。

 おい、お嬢様部のおふたり。

 無視かい。フェイトたん!

 

「フェイト、どういう話か分かるか?」

「うーん。リコが鈍いって話かな」

「リコちゃんって結構自分の事は雑だもんね」

 

 なのははギルティ。

 

「なんで!?」

 

 その胸に手を当てて考えなさい。あなたが一番私の扱いが雑なんですよ。

 俺ちゃんはいつも真剣なのだ。

 フェイトも鈍いとかなんだとか言ってるとギるぞ。

 

「ちょっと待ってて」

 

 アリサ&すずかがどっかへ行ってしまった。

 何を企んでるのかは知らんが……。

 

「とりあえず、片付けるか」

 

 このホワイトボードをどこから出したかって?

 さぁ? 俺も分かんね。気合で出した。

 実はアイテムパック生きてるんじゃねぇの?

 

 消し方分かんないからべきょべきょへし壊したり、あるいは握りつぶして粉微塵にしてごみ箱にぱっぱしてたらアリサが帰ってくる。

 ドン引きしてるけどどうした。

 

「今度から鋼鉄の食器でも用意しようかしら……」

 

 いつでも遊びに来てもいいって事だね!

 

「別に構わないけど、壊さないでよ」

 

 壊すのは自前のホワイトボードだけだしへーきへーき。

 んで、何を企んでるんだい?

 

「着替えを用意したのよ」

「ほう?」

 

 お嬢様の着替えとは。

 

「まあまあ」

 

 通されたのは海外のドラマでよく見るなんかめっちゃ服の入ってる部屋。

 ウォークインクローゼットってマジでウォークインできるのね。

 こんだけ広ければ住めるじゃん。

 この屋敷の廊下の突き当りとかでも住めそうだけど俺なら。

 

「あ、来たね」

 

 すずかが色鮮やかな服を持って待機してるけど、何するんです?

 言わなくてもいいけど。

 だって流れ的に美少女の俺がより美少女になっちゃうわけでしょ? 飾り付けられて。

 

「前から思ってたのよ。素材は良いのにって」

 

 お前ら俺が人相手に暴力振るわないからって何でもしていいと思ってないか?

 あとなぜアリサさんは鍵を締めた?

 

 や、やめろ……近づくな……。

 俺は一人で着替えられる。大丈夫だ。

 

「まあまあ」

「まあまあ」

 

 や、やめろ。

 着替えられるから、服貸してくれるならそれでいいから。

 よせ、くるな、やめろっ。

 どうせこういうの着せ替え人形的なのにされんだろ、分かってんだ!

 

 鍵が開かない! 出して、出して!

 なのはさん! フェイトさん、出してくれよ! 出してぇーっ!

 

 ウ、ウワァアアアアアアァァァァア!(リコの怯える声)

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