おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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 ノリで初めて投稿した物がなんかやけにUA伸びてるし皆TSしたおっさん好きなのかなと思ったら、ランキングにinしてたみたい。
 応援ありがとう!
 そういう訳で投稿です。


8 ケーキ

 翌日。

 翠屋から帰る俺の手にはごきげんなケーキが6つあった。

 

 バイトに合格したのである。

 

 桃子さんという店長はちょうどバイトのひとりふたり入れようかと思ってたらしく、昨日話した時点でもう折角だからとオッケーを出していたらしい。

 そんで今日、再び現れた俺を見てメロメロになりいつでも来ていいよと言われた。

 ちなみに子供に多くは持たせられないという事で薄給。最低賃金おいしいです。

 でも結構仕事の内容としては緩いし、リコボディになってから幾らでも食べられるようになったのに物を言わせて試作の食べ比べをしたりもあって文句はない。

 

「てなわけで脱ニート。これはお土産」

「昨日の今日のでよく見つけたなぁ。何日持つやろ」

「おいはやて、(つら)に物言わせたオレの溶け込み力舐めんなよ。客寄せパンダ状態さ」

「被っとんのは猫なのにな」

 

 さてさて、ヴィータよ。冷蔵庫を惜しげに見てもそれは夕飯の後だぞ。

 

「ぐ」

 

 そんなにお菓子が食べたいならチョコいるか?

 クラリスクレイスのチョコだけど。

 

「それは流石にいらねぇ」

「そうか、残念だ」

 

 ザフィーラは?

 

「……」

 

 無言で無視することないじゃないか。

 

「全く、誰が処分すんだよこのチョコ」

「いやお前が食えよ」

 

 ひどいな。

 さてさて、ところでシグナムさんや。剣を下ろして貰おうか。

 わかった、わかったよ。俺が食うからさ……。

 

「いやそうではない。ただ、剣を握る者として軽い手合わせをして欲しくてな」

「やだよ。あなたバリバリの接近じゃないですかやだー」

 

 俺はテクター、つまり支援職よ。

 シグナムさんに敵う訳ないじゃないですか。

 

「殴りテクターと聞いたが、それは接近する者の称号ではないのか?」

「ちっ、どうでもいい事だけ覚えてやがる……」

「いやリコが言ったのだろう」

 

 でもどっちみち殴りはおまけなだけで本職には敵わないぜ?

 

「そうか。そこまで断るなら仕方ない。残念だ。ああ、残念だ」

「そこまでオレをぼこぼこにしたいか。シャマル代わってよ」

「あのねリコちゃん、それは私にぼこぼこにされて来いってこと?」

「代わってよ」

「嫌よ」

「シャマルー、運ぶの手伝ってー」

 

 めしだー!

 今日はなんだろー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 翠屋にて今日は接客である。

 

「いらっしゃいませー! こちらの席へどうぞー!」

「あ、あんたは!」

「こちらの席へどうぞー!」

「ちょ」

 

 こちらの席へどうぞー!(鋼の意思)

 

「ちょっと、あんたリコでしょ!?」

「はい! ここでアルバイトさせて頂いているリコです!」

「知ってるわよ! っていうか、いい笑顔が似合いすぎて不気味よ」

 

 よく見ずとも分かっていたが去年位に何かしらの縁で知り合ったパツキン少女じゃねぇか。

 後ろにはよく見ると紫ヘッドもいるし。

 ちゅうか、あんな事があったのに護衛も付けてないのか。

 

「いやまだ一週間も経ってないわよ」

「細かいですね。別に一昨年位でもいいじゃないですか」

「全然違うわよ。なのはから話を聞いて、ちょっとリコにお礼が言いたくて」

「それでしたらバイト終わったらでいいですか? 5時には上がりますから」

「無駄に真面目なのね……」

「失礼な」

「あら、もうお客さんも少ないし別に早めに上がっていいのよ?」

「マジですか桃子さん。融通の利く勤務体制に涙。お疲れ様でーす」

 

 俺がバイトしてるのはヒモニートの事実を消したいからであってお金の為ではないので、快く上がった。

 裏に入って制服脱いで……レイヤリング。

 今日は気分でショートジャケット・スタイル。

 中身は元男なのにスカートに羞恥心がないのかって? ねぇよ。むしろかわいい服着れて楽しいよ。

 

「ふぃー。さてさて、なんかオレに用があるんだっけ」

「うわっ、いつもの口調に戻った」

「公私はちゃんと分ける主義なんでね。ショートケーキ食う?」

「……こんなケーキあったっけ」

「私物だから遠慮なく食え」

 

 ナウラのケーキも余ってんだよ。食ってけろ。

 

「その、この前は助けてくれてありがとうって言いたかったのよ。ね、すずか」

「う、うん」

 

 すずか? に嫌われてる気がするんすけど。

 あと別に礼はいらんよ。というか俺もふざけすぎて悪かった。

 もうちょっと真面目にやればもっとスムーズに行ってたし。

 

「あ、あの、あの時撃たれてたのって、平気、なんですか……?」

「何を隠そうオレは宇宙刑事的な宇宙人。あの程度なら全然平気さ」

「宇宙、人?」

「そうそう。そしてこれは宇宙人ジュースのモノメイト」

 

 出して見たら、モノメイトよりもアイテムパックの方にびっくりしてた。

 そうね、虚空から出現させてるものね。

 

「まぁ真実かどうかはさておきだな」

「いやちょっと待ちなさいよ! そ、それどっから出したの!?」

「どこって、アイテムパック」

 

 ほらここ。え、見えない?

 メニュー画面も見えてないらしいしそれもそうか。

 

「……はぁー、あんたといると疲れるわ……」

「ひでぇな。オレは普通に振舞ってるだけなのに」

「そうね、宇宙人だものね。あたし達の常識なんて通じないわよね」

「ま、そういうこった。開き直って堂々としてればむしろ問題ない」

「大ありと思うわよ。せめて合わせる努力しなさいよ」

 

 常識ね。

 よし、ならば自己紹介だ。実はパツキンの名前も知らないし。

 

「オレの名前はリコ。種族はデューマンで、クラスは全部カンストさせてるけどメインでやってるのはテクターハンター」

「ツッコミが追い付かないから放棄するわよ」

 

 今更聞けた名前だけど、パツキン少女がアリサ・バニングスで紫が月村すずかと言うらしい。

 バニングスってすげぇな。親戚にクロスベルの攻略王とかいそう。

 ん、すずかっちが何か聞きたそうにしてる。

 

「デューマンって、何ですか……?」

 

 なんだそんな事か。

 まぁ端的に言うと攻撃特化な種族だね。代わりに防御力は低いけど、そんなもんレアユニと特殊能力と乙女(オートメイト)で何とでもなる。

 

「わかりにくいけどここ角生えてるんだぜ、見てこれ」

「うわっ、本当に生えてる……」

「本当だ……」

「意外と堂々としてるとバレないっつうか気にされないもんだ」


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