最低最悪の魔王が征くのわゆ世界   作:バロックス(駄犬

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大天狗若葉ちゃんは手に入りませんでしたがUR樹ちゃんが手に入りましたのでヨシ!




 

 ある夏の夜の事だった。

 敵の猛攻を凌ぎ、生き永らえるのがやっとの諏訪は夜中であるにも関わらず、皆で炎が揺らめく焚火を囲んで賑わいを見せていた。

 諏訪の住民たちは酒を飲み、踊り、キャンプファイヤーを楽しんでいたのだ。

 

 

 土地神による神託で敵の襲来がしばらく無いという事を聞き、SOUGOが企画したものだった。

 年中、戦いによって避難を繰り返していたは住民達のストレスの逃しどころがない、せめて一日だけでも羽目を外させてやりたいと考えてのことだ。

 

 

 実際どれくらいの効果が見込めるかと思ったが、それは目の前の光景を見れば十分と言っていいほどだろう。

 歌野は燃え盛る炎を前に火が付いた木の棒を片手に、

 

「見て見て!ファイヤーダンスよ、みーちゃん!これで農業と炎を統べる農業大王に――――って、シットッ!木の棒がすっぽ抜けたわ!」

 

「ふあぁあっ!?、うたのん!山田さんの頭に火の粉が!残り少ない髪の毛に火の手が!」

 

 

 こうして、ちょっとボヤ騒ぎが出来るくらいには、テンションが賑わっているほどである。

 SOUGOも諏訪の住民達と酒を飲み、ほろ酔い気分でダンスと生歌を披露したりするなど、テンションが上がっていた。

 

 

 時が経ち、炎を囲んで日ごろのストレスを発散させる賑わさを見せる住民達をよそに、SOUGOは一人離れた場所でその光景を眺めている。少し疲れたのだ。

 天の神の呪いは大きくSOUGOの身体を蝕んではいないが、基礎体力は呪いの影響で低下している。酒を飲み、踊り、歌うというのは調子が良いSOUGOでも間を挟まなければ持たない状態だ。

 

 

 

 無理をしてもいいが、もしもの時に戦える状態を維持するためには必要な休憩だ、と身体を休めようとした時だ。 

 

 

 

「ねぇ、妖怪平成醜いオジサン」

 

 

 木を背に立つSOUGOに、一人の少年が声をかけてくる。

 その少年は、少しだけ自信なさげな表情をしていて、両腕で戦隊ヒーローの人形を抱えていた。

 

 

「酷い名前の呼ばれようだが、なんだ」 

 

 SOUGOと少年は言葉を交わす。

 

「僕、将来はオジサンのようになりたいな……なってもいい?」

 

「……一応、理由を聞いてもいいか?」

 

「オジサンみたいに強くなりたいんだ。仮面ライダーみたいに。強くなって、敵と戦って、それで―――――」

 

「それで?」

 

「みんなを守りたい」

 

 

 その少年の瞳は輝いていた。

 まっすぐ、未来を見つめていて、こうなりたいんだという、強い意志があった。

 SOUGOはこの少年を見て、自分にはない熱い想いがあることを知った。

 

 

「……誰かの為に強くなろうとすること、その志は立派だな。だが、俺をあまり目指そうとするな、俺は他人から褒められるような立派な大人じゃない」

 

「そんなことないよ、僕らはオジサンと歌野のお姉ちゃんが一生懸命頑張ってくれてるから今生きてられるんだよ。たくさんの人を守ってる、立派だよ。だから、僕は憧れるんだ」

 

「……」

 

「どうすればなれるんだろう……ねぇ、オジサンはどうして、仮面ライダーになったの?どうして、仮面ライダーになれたの?」

 

「なんで、だろうな……仮面ライダーというのは、〝自分でなりたい〟と思って、なれるものじゃないしなぁ」

 

「そうなの」

 

「ああ。仮面ライダーはな、〝その時代〟と、〝その時代を生きる人々〟が選ぶんだよ。

 この時代に蔓延る悪を倒すために。

 苦しむ人々を救うために。

 人々の想いに応えて、仮面ライダーが生まれる……俺はそういうものだと思ってる」

 

「じゃあ、僕も仮面ライダーになれるチャンスはあるってわけだね!オジサンや歌野お姉ちゃんと一緒に戦える!〝大切な誰かを守れる〟ようになれるんだね!」

 

「可能性は否定できないからなぁ」

 

 

 常に前向きな少年だった。歌野の影響でも受けたのだろうか。

 SOUGOとしては、もしこの少年が仮面ライダーになったら、忌まわしき平成ライダーのように無茶苦茶なライダーにならないことを祈るばかりである。

 

 

「戻るぞ。ライダーを目指すというのなら、俺に任せろ。あらゆる特訓方法を知っているからな、参考にしろ。

 昭和から始まる全てのライダーの変身シークエンスを完コピすることで得られる『イメージ能力』。

 投げたボールの数字を言い当てることで得られる『超視力』。

 豆腐を箸で掴み続けることで得られる『超忍耐力』。

 謎のコスプレで鯛焼きを作りることで得られる最強フォーム、『アルティメットフォーム』。 

 巨大な鉄球を身体に受けたら何故か鍛えられる『肩のスプリング筋肉』。

 

 身体が生まれ変わるような地獄の特訓だ……お前は耐えられるかな?」

 

 

「それって本当にライダーになるために必要な特訓なの?あと豆腐はスプーン使っちゃダメ?」

 

「駄目だ」 

 

 自分たちの戦う背中を見て、希望を見いだせることの嬉しさを覚える一方で、このような幼い子供が命を懸けて戦う世界など、あってはならないのだと。

 SOUGOは焚火を囲って騒ぐ住民達の元へ少年と戻りながら思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 燦燦と照り付ける太陽の下で、破砕音が鳴り響く。

 

 

 

 今日も仮面ライダーと勇者は戦い続けていた。

 バーテックスによって生活圏を狭まれた、諏訪という閉ざされた大地で。

 

 

 敵は数百、時には数千を超える程の規模で諏訪の御柱を破壊する為にやって来る。

 少しでも気を抜いてしまえば、その雪崩のような敵の圧力に負け、すぐさま飲み込まれてしまうだろう。

 諏訪の結界を維持している御柱は全てで2つ。

 

 

 その柱を破壊を目指す大群が三方向から同時にやって来ていた。

 

 

 

 仮面ライダーと勇者が柱の防衛に当たれば、二つは守れてももう一方の柱は防備が手薄になる。

 案の定、その場所に辿り着いた星屑達が見たのは防衛する者が誰も居ない。無防備な御柱が目前である。

 

 

 星屑達は一斉に結界を形成する御柱に攻撃を仕掛けた。

 強靭な顎で木々に噛みついたり、その体躯を生かした体当たりでへし折ろうとしている。

 べきっ、べき、と鈍い音を上げる御柱。

 

 

 もう少しだ。もう少しでこの忌まわしい結界を破壊できる、そう確信を得た時だ。

 

 

 

『バイオライダー!』

 

 

 奇怪な電子音と共に星屑達の真上を浮遊する、青白く輝いた液体が現れた。

 凄まじい速さで水のような液体は空中で別れると同時、漂う粒子がそれぞれ集まりだし人の形を構築する。

 

 

 その一人は、鎧を身に纏い光り輝く剣を握っていた。

 

 

『リボルケインッ』

 

 

 もう一人は、神の力を宿した鞭を手に持ち、敵へ向けて振るっていた。

 

 

「フィニッシュ!!」

 

 

 仮面ライダーバールクスと勇者・白鳥歌野の真上からの攻撃が決め手となって御柱に群がる星屑達を消し飛ばした。

 間一髪、なのか分からないがギリギリのところで諏訪の平和がまたしても守られたのである。勇者と仮面ライダーの手によって。

 

 

 

 バールクスが使用した『バイオライダーライドウォッチ』は仮面ライダーBRXの持つ力、『バイオライダー』の力を宿したものである。

 バイオライダーの特性、それは自身の液状化(ゲル化)

 自分の身体を水のような液体に変化させることで物理的な攻撃を無力化することが出来る。

 

 

 バイオライダーの力はBRXの中では最も火力が足りないと呼ばれるが、最も評価されるべきはゴリ押し火力よりも、その『使いやすさ』にある。

 まずは液状化時は物理的な拘束や、どんな土深くまで閉じ込められたとしても「水が滴るぐらいの隙間」があれば問題なく脱出が可能だ。

 ゲル化状態は高速で移動する事の他に、()()()()()()()()()()()()()、毒の抗体を作りだしたり、水中での活動制限がない事など、戦闘以外の能力はずば抜けていると言っても良い。

 

 

 というか、そもそも基本フォームのBRXですらハイスペックだというのにそれぞれの分野に特化した特殊フォームが二つあるのは昭和ライダーの中ではBRXだけであり、彼の尋常ではない戦闘能力が世間から「チート」と言われても仕方がない。

 

 

 

 戦いを終えて、諏訪の陣地内に戻ると、巫女服を着て戦いを見守っていた藤森水都が出迎えてくれていた。 

 

 

「ふ、二人ともお疲れさま!うたのんもSOUGOさんも、大丈夫だった?」

 

「ええ、私はなんとか……でもSOUGOさんが敵からの攻撃でメタメタにされてて……早く治療しないと!」

 

「俺なら問題ないぞ。一度バイオライダーのウォッチを起動させてゲル化し、元の状態に戻れば受けたダメージはリセットされるからな」

 

「え、なにそれズルくないですか」

 

「仕方がないだろう。これがバイオライダーなのだから」

 

 

 バイオライダーの特殊能力だ。

 通常時のダメージは一度バイオライダーへとフォームチェンジをすることで全てリセットされる。理由は不明だ。

 SOUGOが言った通り、これがバイオライダーの、RXの力だからと説明できてしまう。

 しかも、何故かゲル化解除時には持っていなかった剣を手に抜刀状態で現れる。

 仮面ライダーにダメージを与えて追い込んだ!と思ったら次の瞬間にはバイオライダーにフォームチェンジされて蓄積させたダメージを()()()()()()()()()、いつ抜いたかも分からないバイオブレードによって切り刻まれるのはクライシス帝国怪人達の日常である。

 

 

「結界の御柱だが……手ひどくやられたな。まだ持つだろうか」

 

「あ……」

 

 

 ぽつりと、水都が呟いて暗い表情を落とした。

 諏訪を守る防御結界を構成する御柱がひび割れ、崩れかけていた。 

 なんとか形を保って、結界を形成しているがいつ壊れてもおかしくはない。

 戦闘が激化した証拠だ。

 

 

 

「最近、やたらと数が増えていた……奴ら、完全に潰す気で来ている」

 

「……」

 

「そういえば水都、四国からの援軍はどうだ?準備が整い次第、諏訪と四国で挟撃するという神託があったんじゃないのか」

 

「それは……まだ、なにも……

 神託って、神様からの一方通行なお告げみたいなものだから。

 あれからずっと、それに関しての神託はなくて……」

 

 

 最初に四国と連絡を取り合った頃だろうか、恐らく数年位前の話である。

 SOUGOがまだこの世界にいない頃、水都は神託で『四国の迎撃準備が整い次第、諏訪と挟撃し、戦況を打開する。それまで耐えよ』というものを受け取っていた。

 

 

 四国には、乃木若葉を筆頭に勇者が5人もいるらしい。

 それほどの数の戦力があれば、確かにいまの不利な戦況を好転させることも出来るだろう。

 

 その告げられた神託が〝真実〟であるとすれば、だが。

 

 

 

「こっちは毎日カツカツな状態なんだが、何とかならないものか。

 しかし、まぁ、なんにせよ、なんとか今日も生き永らえる事が出来た……お前たちのおかげだ」

 

「え、〝私たち〟……?うたのんだけじゃなくて、私も?」

 

 

 キョトンとしているのは水都だ。

 あろうことか、彼女は自分が未だに戦闘面では何もしていない無力な存在だと思っているのだろう。

 

 

「水都、お前は確かに〝戦う側の人間〟じゃない。だが、こうやって毎回必死に足を走らせて、戦っている俺たちの傍で戦いを見届けてくれている事が、俺や歌野の心を奮い立たせているんだ」

 

 

 藤森水都は、基本的にネガティブだ。

 自分に対して自信が持てていなかった。

 引っ込み思案で、自分の意志がない、心の弱い人間だと自分で思っていた。

 たまたま神様の声が聞こえるだけで勇者の歌野の傍に居られる、周りから優しくしてもらえると思っていた。

 

 

 だけど、水都自身は気づいていないのだ。自分が考えている以上に力を持っていることに。

 彼女は人一倍感受性が強く、土地神からの神託を最も早く察することが出来ていた。

 生身の身体で結界の外に飛び出してしまった子供を単身で保護したりと行動力も備わっている。

 

 そして歌野やSOUGO達が戦う時には危険を承知で、戦闘区域まで足を運び、彼らの戦いを最後まで見届けている。

 星屑の突進や、攻撃の余波で飛んでくる石にも水都は怯えはしても、決して逃げ出したりはしない。

 

 

 それは歌野やSOUGOにはない、水都が持つ、『心の強さ』だった。

 SOUGO達はそれを見て、思うのである。「自分たちも負けていられない」、と。

 

 

 

「お前は自分に自信を持てないかもしれない。だけど、俺と歌野は水都が無力な人間ではないことを知っている。

 お前の存在が、俺達の心の支えでもあるんだ。だから……胸を張れ、水都」

 

 

「そうよみーちゃん。私たち、みーちゃんがいるから、ここまで来れたんだから」

 

 

 淡々と話しながらも、SOUGOの口調はどこか優しく、そして歌野は眩い光のような笑みを向けてくれていた。

 水都は心の中が、どこかポカポカと温かくなっていくのを感じる。

 

 

 

「えっ…ぁ、え、と……なん、か、ちょっと、はず、かしいなぁ!

 」

 

 

 歌野以外に、恐らく初めて言われただろう、自分を認めてくれる言葉。

 どう答えたら良いかわからないと言った表情をして、歌野のほうを見ると、彼女はニコッと笑みを浮かべたのだ。

 

 その笑顔が、「そうだよ」と言っているようで。

 自分が彼らの戦いで支えになることが出来ているんだと分かったことが、堪らなく嬉しくて。

 涙を隠そうとして、巫女服の袖で顔を覆っていた。

 

 

 

「あーSOUGOさんがみーちゃん泣ーかした!いーけないんだいけないんだ!」

 

「ちょっ、ちがう、俺は別に泣かせようとしたわけじゃ……くっ、水都!泣き止め!これじゃ俺が悪人みたいじゃないか!」

 

「一応、元・悪人ですよね」

 

 

 

 その後、水都は泣き止んでくれたものの目元を晴らしたまま生存圏まで戻ると居合わせた住民たちからは『SOUGOが水都を泣かせた』という噂話が出回ってしまったのか、

 

 

 

『SOUGOさんが女子中学生を泣かせたぞ!』

 

『うわ!妖怪平成醜いおじさんが水都のねーちゃんに酷いことして泣かせた!』

 

 

 という、非難に晒されることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦士たちの、束の間の休息。

 

 

 とある昼頃、SOUGO達は行きつけの蕎麦屋へと足を運んでいた。

 戦況は劣勢だとしても、生存圏で自活をし続けていたためか、蕎麦や野菜を中心とした食糧はある程度備蓄がされており、水も確保できているため、この蕎麦屋は最小限の運営は可能だという。

 

 

 SOUGOと歌野、水都が啜るのは自らが打った『手打ち蕎麦』だ。

 日頃からお世話になっているから、とか顔馴染みになったこともあり、特別に厨房を使わせて手打ちそばを作らせてもらっている。

 

 

「うむ、うまい」

 

 

「そうでしょう、そうでしょう!やっぱり長野の信州蕎麦は絶品なのよ!」

 

 

 この諏訪の地域で暮らすことになって約一年、SOUGOは長野の信州蕎麦の魅力に気づいた。

 食感、喉越しは勿論のこと、アミノ酸スコアを多く含んでいるこの蕎麦は今やSOUGOの好物となっている。

 気に入りすぎたのか、最近では自分で打ち始めるくらいだった。

 

 

 

「ん……でもSOUGOさんが自分で蕎麦を打つなんて最初はびっくりしたよね」

 

「そうよねぇ……床に置いた蕎麦に向かって地団駄踏みながら『手打ち蕎麦を作っている、歌野。だが麺がぶつ切りだ……なぜか上手く出来ん』と言ってた時は、とてもアメイジングだったわ」

 

「SOUGOさん、うどんの作り方と蕎麦の作り方がごちゃごちゃになってたんだよね。うどん並みに麺太かったし……『これがQuartzer式の蕎麦だ……蕎麦なのか?』ってコレジャナイ感醸し出してたね」

 

 

「や  め  ろ」

 

 

 ちゅる、とざる蕎麦を啜った水都は当初の状況を思い出して苦笑いを浮かべる。

 戦闘が終わり、昼食を取ろうとこの蕎麦屋に向かった歌野達は厨房で革靴で床に置いた蕎麦を踏みつけるSOUGOを見た。

 店主も早く教えれば良かったのにと思ったが、「いや、面白そうだったから止めなかった」から黙っていたらしい。

 

 

 歌野も何度か自分で手打ちそばを作っていたこともあり、SOUGOは作り方を一から指南された。

 最初は慣れない手作業に汗を流しつつ、剣を武器にしているのに包丁さばきが壊滅的に下手くそだった為かぶつ切りだった麺もある程度は形になっていた。

 

 

 

「四国の勇者たちはうどんこそが麺類において至高の食べ物だと抜かしているらしいが、とんでもない。蕎麦こそ、日本人の心に刻まれた崇高な食べ物だ」

 

 

「フフフ……SOUGOさんも、堕ちたわね」

 

 

「ここに住み着いたら蕎麦好きになるのは時間の問題だったと思うよ。あとは―――」

 

 

 

「なぜこの魅力に気づかないのか。鼻に抜けていくような独特の香り、麺がつるつるとしていてコシがあるのは勿論、それ以外の要素で蕎麦はうどんなど大きく凌駕する点がある。例えば、年に数回以上の収穫が生産が見込める点や、更にそれに含まれる栄養価は非常に優秀であるという点だ。

 ミネラル、食物繊維、アミノ酸、ビタミン類、抗酸化性を含み、しかもルチンは血管を強くする効果があり脳溢血、狭心症などの病に効果がる日本人が進んで摂取しなければいけない健康食の代表で―――」

 

 

 

「うたのんレベルで変な方向に知識身に付けすぎちゃった所かなー」

 

 

「あれー?みーちゃん、これって褒めてるのかな?」

 

 

「褒めてるよ?私、笑ってるでしょ?」

 

 

「笑ってることと褒めてることって関係あるのかしら……」

 

 

 逆に蔑まされている気がするのは気のせいだろうか。

 そんなことを考えながらも、蕎麦を啜っては「うん、うまい」と感じて箸を動かしていく。

 その流暢な食事の進み具合に先ほどの水都に対する疑問も消えていったようだ。

 

 

 

 各々がそれぞれのペースで食事をしていた。

 無言だが蕎麦の麺を味わって食べるSOUGOと午後の農作業は何をしようかと思考している歌野。

 

 

「……」

 

 

 その中で水都だけの動きが止まっていた。

 

 

「どうしたのみーちゃん、お箸止まっちゃって。蕎麦が伸びちゃうわよ」

 

 

「どうした水都、〝蕎麦がのびる〟という現象に何か思うところがあるようだな。いいだろう、俺が説明してやる。

 麺類が『のびる』といった現象は単純に麺が時間経過によって汁を吸いすぎることで起こる麺断面の中心と外側の硬さが一緒になってしまう事だが、蕎麦において『のびる』というのはせいろに盛った蕎麦の中から次第に水分が失われていくことを意味する。水分を失った蕎麦は本来の食感を失い、グニャグニャになって麺同士がくっつくほどに柔らかくなる。蕎麦独特のコシと食感が失われること、これを一般的に

『蕎麦がのびる』と言われるわけで――――――」

 

 

「SOUGOさん、まるで蕎麦博士ですね……」

 

 

「うーん、シュールね。悪の組織のリーダーが今や蕎麦と農業のプロだなんて……でもみーちゃん、ほんとにどうしたの?具合でも悪い?」

 

 

「えっ、い、いや、その……っ、具合は悪くないよ、いつも通り、元気だよ……!」

 

 

 水都が普段小食だとしても、その様子は明らかにいつもの彼女ではないことは示していた。

 箸で麺を掴んでから、口に運ばずに呆然としている水都を見て心配しない方がおかしい。

 

 

「……言い当ててやろうか、水都。Quartzerの首領であり、『平成』という時代をリセットしようとし、『平成』の農業と『平成』の蕎麦を極めたこの俺が」

 

 

「SOUGOさん、『平成』を私物化するのやめませんか?」

 

 

「ずばり、〝諏訪の結界〟と〝敵の総攻撃〟だろう。結界はもう限界で、結界外には無数の敵が集結しつつある、違うか?」

 

 

「……はい」

 

 

 

 度重なる戦闘によって敵の攻撃を受けた諏訪の御柱は限界が近づいていた。

 戦闘後に水都が調べた所、その被害は深刻化していて、次の襲撃には耐えられないことが分かった。

 そして、結界の外では今までと比べ物にならない数の敵が集まりつつあるという情報もだ。

 

 

 勇者や仮面ライダーがいたとしても、どうにもならない数だった。

 

 

 

 歌野達が防衛している御柱は壊されてしまえば、バーテックス達の侵入を阻止している結界は維持が出来なくなる。

 そうなれば諏訪で暮らしている4千万人の命が危険に晒されるだろう。もともと敵に囲まれた状態から防衛が始まって、毎日のように戦って、最初は諏訪全体を覆っていた結界も今は縮小している。

 敵による攻撃の密度はこくなっていくばかりで、こうなることは時間の問題であった。

 

 

 

 巫女である水都は正直にこの話をするか迷った。

 御柱の限界が近いことと、敵の総攻撃があるということ。

 

 

 でもSOUGOと歌野達が必死に戦い、抗っている中、「もしかしたら次の襲撃で最後かもしれない」なんて、言えなかった。

 

 

 SOUGOと歌野が希望を持って戦っていたから、水都は絶望に塗れた真実を告げることが出来なかったのだ。

 

 

 

「ごめんなさい、ごめんなさい……っ、私っ、本当の事が言えなくて…っ!

 うたのんとSOUGOさんが一生懸命戦っているのに、こんなこと聞いたら、もう戦えなくなるんじゃないかと思って……っ!」

 

 

 告げた真実に、二人はどう思うだろうか。

 自分たちにはもう戦う意味なんてないのではないだろうかと思ってはいないだろうか。

 これまで希望を信じて戦っていたのに、それがもう覆せない状況を前にして絶望させてしまったのではないか。

 そんな後悔と、叱責の念から水都は涙を流した。

 

 

 

「辛かったよね、みーちゃん」

 

 

 泣きじゃくる水都を歌野が優しく抱きしめる。

 

 

 

「でも正直に私たちに話してくれてありがとう。大丈夫よ、これくらいで私たちは諦めたりしないから……ですよね?SOUGOさん」

 

 

「そうだな。しかし、こんな状況でもブレていないのは歌野。お前には流石としか言いようがない」

 

 

「思えば3年前から厳しくなかった状況なんて一度もなかったですからね。地面ばかり見ていても仕方がないですよ」

 

 

 抱きしめる水都の前で気丈に振る舞う歌野だが、心の底では不安はあるはずだ。

 王としての心眼が、歌野の内なる不安を見抜いたか。SOUGOは小さくため息をついて、

 

 

「もし、バーテックスがいなくなったらお前たちはどこに行きたい?」

 

 

「どうしたんです?突然」

 

 

 きょとんとした歌野の問いに、いや、とSOUGOは続ける。

 

 

「バーテックスが全滅したら、お前たちが戦う必要がなくなったら、この諏訪が解放されて、いつも通りの日常に戻れたなら、お前たち二人ならどこに行ってみたいんだって思ったんだ。

 二人とも、この数年はずっと諏訪にいたわけだしな。どこか別の県に行きたいという気持ちくらいはあるもんだろう?中学生なのだから」

 

 

「そういえば私たちって本当だったら中学2年生でしたね。だとしたら修学旅行のプランも考えなきゃだわ。

 そうねー……やっぱりアレよ!一度でもいいから東京のっ!ネズミの国に行ってみたいわ!みーちゃんと一緒にコースターにのって最後は水飛沫を被る有名なアトラクションに乗るの!」

 

 

「私も遊園地は行ってみたいな。でも場所は限定しなくてもいいかも。うたのんと一緒なら、多分どこだって遠くに行けちゃうから」

 

 

「フゥーっ!嬉しいこと言ってくれるわね。ちなみにSOUGOさんは?」

 

 

「無論、元の世界だ。Quartzerを再結成し、そして今度こそ常磐ソウゴを打ち倒して『平成』という歴史をリセットする」

 

 

「あ、一応当初の目的は3年経った今も忘れてないんですね。てっきり蕎麦打ちと農業の王者に鞍替えしたのかと」

 

 

「馬鹿を言うな歌野。今でも歴史に関するクレームは多くの世界から寄せられているはずだ。

 歴史の歪みとは世界の歪みそのもの。よって、その歪みを正し、世界を作りかえる……それがQuartzerの歴史の管理者としての使命だ。

 

 既に『平成』という元号は終わりを迎え、新たなる時代『令和』も始まっている。ならば、そこで生まれる歴史が醜いのであれば令和の時代も俺が管理しなければならない。必要であれば舗装も考える」

 

 

「SOUGOさんの世界だと、もう平成は終わりを迎えつつあったんですね」

 

 

「私たちの元号もそうなるのかな」

 

 

「さぁな。この世界は『仮面ライダー』という存在がいないことを除けば、ほとんどが俺たちのいた世界と同じだった。しかし、これから先でこの世界が同じような道を辿るかは俺にも見当がつかん」

 

 

「ちなみにSOUGOさんが元の世界に戻ったら、もう私たちのいる世界には戻ってこれなくなるんですか?」

 

 

 歌野の一言。

 住む世界が違うSOUGOは元の世界に戻ることが出来ても、再びこの世界に現れることが出来るという保証はなかった。

 そもそも、彼がこの異世界に飛ばされた事態こそイレギュラーなのである。

 タイムマジーンによって時代を行き来することが出来ても、異世界を行き来する機能は搭載されていない。

 

 

 SOUGOと歌野達が別れることは、一生の別れを意味する。

 

 

 

「難しいかもな、だが――――」

 

 

 

 一瞬、仕方ないか。と表情に影を落とした歌野にSOUGOは言う。

 

 

 

 

 

「様々な世界を旅する平成仮面ライダーが居たくらいだ。『多元世界を往来するマシン』くらい、簡単にQuartzerで完成させて見せる。

 もちろん俺は歴史の管理者だからそれなりに忙しい。この世界以外にもリセットしなければならない歴史はいくらでもあるから、お前たちに顔を見せる機会は多くはないだろう……。

 そうだな、業務がてら信州蕎麦が食べたくなったら視察も兼ねて来てやろう。ついでに畑の様子も見に行ってやろう」

 

 

「あれ、なんだか毎日やって来そうな気がするんだけど気のせいかな、うたのん」

 

 

「気にしたらLOSEよみーちゃん。多分SOUGOさんは自分が思っているよりもこの場所(諏訪)が大好きになってるから」

 

 

「ちなみに俺は海に行ってみたい」

 

 

「話の腰を折りながら、自分の行ってみたい場所をちゃんと喋るSOUGOさんには隙もないですね……ちなみに、なんで海なんです?」

 

 

「なんでって、長野県は内陸だから滅多に海が見れないだろう。お前らだってそう思わないか?」

 

 

「諏訪湖があるじゃないですか」

 

 

「あんな淡水湖で満足できるのかお前ら」

 

 

「たしかに敵が近くにいるから諏訪湖で泳げないし、襲撃も気にしてるから暑い時期にはプールも入らず……私たち、三年ほどスイカと〝そうめん〟以外で〝涼〟を摂取できていませんね」

 

 

 

 地域的な問題もあるが、戦闘の影響で従来楽しめる娯楽が奪われているのが今の諏訪である。

 大規模な祭りも行えないし、そもそも一日の大半を自活による農業に充てているからだ。

 

 

 歌野がうん、と目を輝かせた。

 

 

「いいわね!海!シーパラダイス!私もみーちゃんとSOUGOさんと一緒にレッツスイムしたい!バナナボートにライドしたいわ!」

 

 

 さっきまで東京の遊園地に行きたいと言っていた少女は3年ほど疎遠となっている海に興味を示したようだった。

 

 

 さて。

 

 

「お前たちが海に行くのは結構だが、それに伴って幾つか問題がある。お前たちの水着だ――――おい、なんだ、その蔑むような眼は」

 

 

 一瞬にして二人の少女から冷えた視線を感じるようになる。特に水都に関してはなんか、瞳に光が宿っていなかった。

 

 

「あ、アンビリーバブル!そ、SOUGOさんが女子中学生の水着に興味を!?」

 

「……Quartzerの首領って、女子中学生の水着にとやかく言うんですか」

 

「何を勘違いしているか知らないが。俺が言いたいのはお前たちのその……普段のファッションだ」

 

「……?私たち、いつも前向きで元気ですよ?」

 

 

 それは『パッション』だ。と内心でSOUGOはツッコみつつ、話を続けていく。

 

 

 

「一度お前たちの普段着は目にしているが、あまりにもアレだ。センスがない。特に歌野、お前の農業王Tシャツははっきり言ってクソダサの極みだ。そんなモノ着て都会に行ってみろ、笑いものにされるぞ。

 まさかとは思うが、水着にも農業王の銘が書かれたのじゃないだろうな」

 

 

「ど、どうしてソレをッ 私が密に作成していた農業王水着の存在を認知しているなんて……!!」

 

 

「あはは……うたのん、さすがにそれはないよー」

 

 

「……なぜ水都は他人事なんだ。ファッションに関してはお前もだからな水都」

 

 

「え?私も?なんで?」

 

 

 こいつら無自覚かよ。

 

 

 花の女子中学生ならば、もう少し服装や身なりに拘ってほしいものだが。

 物流のない諏訪と、状況が状況だけに仕方がないというのはあるが。

 

 

 

 常磐SOUGOも、大組織の首領という立場にいる者として身なりには気を遣っている。

 他者から舐められない、威厳を放つように。服とは、着るだけでその本人の印象を変えることができる魔法でもあるのだ。

 

 

 こう見えて、この常磐SOUGO。ファッションに関しては少し煩い。

 戦う際に、ダンスを踊る際にいかに動作が映える服を着るか、

 

 

「Quartzer内でファッションセンス一位の俺が、お前たちのファッションに対する考え方に改革を齎してやる」

 

 

 

「うたのんの水着とか私服を選ぶのはなんですか、彼氏面かなんかですか」

 

 

 水都が濁った瞳でテーブルの下でSOUGOの脛にガツガツと蹴りを入れている。痛い。すごく痛い。

 

 

 

「もちろん、これぐらいの事を言うからには理由がある。お前たち二人の容姿は非常に魅力にあふれているからだ。

 水都も歌野も素材はいいのに、勿体ない。もっと自分の光るものを見つけて、もっと磨け。中身も外側も文句なしの魅力的な女になれる」

 

 

 

 事実である。

 少し大人っぽさが見える歌野と童顔の水都の良さをSOUGOはよく理解しているつもりだ。

 二人ともこの暑い諏訪で暮らしていたからか、夏という今の時期を考えるとありきたりかもしれないが、白のワンピースがよく似合う気がした。

 

 

「今日の午後は流行りものの水着は無理かもしれないが……二人の私服くらいはセレクションしてやろう。町中に残っている古着だけでも組み合わせ次第で可能性は無限大だ。俺が『IT'S OK』って出すまでファッションの修行は続くからな」

 

 

「いや、あの、SOUGOさん?でも、ほら、私とかあんま着飾っても見栄えしないだろうし」

 

「いつもの無駄に大きな自信はどこに行った?照れるな。水都もお洒落した歌野や自分の姿も……見てみたいだろう?」

 

「いろんな姿のうたのん……うん、見たい!私すごい見てみたい!」

 

「ちょっとみーちゃん!?瞳の中にシイタケが!?」

 

「決まりだな。行くぞ、善は急げだ」

 

 

「ほ、ほんとに行くんですか?」

 

「当然だ。歌野、お前の意見は求めない」

 

 

 

 

 

 その後は、嫌がる歌野を無理やり水都と連れ出して近くの古着屋に立ち寄って二人のファッションショーを始めた。

 

 

 白のワンピースを着せられた歌野は着慣れない服の裾を詰まんで前後を確認したり、姿見で映った自分の姿に戸惑いを感じていたようだった。

 歌野の姿を見て、水都が歓喜の声を上げていたのは言うまでもなかった。そして水都のファッションショーが始まると今度は立場が逆転するのだった。

 

 

「んー!なんか、今日は……楽しかったぁ!久々にリラックスできたって感じ!」

 

 

「私も……服一つでこんなに自分が変わるなんて思いもしなかった。ありがとうございます、SOUGOさん」

 

「そういえばSOUGOさんの服選んでましたね、なんか時代を感じました」

 

90’s(ナインティーズ)だ歌野。1990年代に流行したファッションだ。

 ブランドロゴを大きくあしらったデザイン、いくつも層をゴツゴツと重ねているハイテクスニーカー、スポーツブランドを取り入れたストリートテイスト……あの時代(1990年代)を懐かしむ大人たちでも着こなすことが出来る、大人の90’s(ナインティーズ)だ。

 俺はQuartzerの中でも最も90’s(ナインティーズ)を着こなす事が出来る男なのだ。雑誌の表紙だって着飾ったことがある、本当だぞ?」

 

 

「な、なるほど……!言われてみれば10年以上前の服装なのに当時のヤングな人たちの息遣いすら感じるこのファッションが大人のSOUGOさんとベストマッチしている……!こんなに年季を感じるのに!」

 

「素直にダサかっこいいって言えばいいんじゃないかなぁ、うたのん」

 

「お前達、殴るぞ」

 

 

 

 怒りを露わにする一方で、SOUGOは思うところがある。

 ちょっとしたSOUGOの気遣いを二人はどう感じてくれただろうか。

 少しでも暗い雰囲気を変えたくて、少しでも明るい話題を提案したくて。

 

 

 恐怖や絶望よりも、次にやりたいこととか、希望を胸に抱かせたかった。

 

 

 不器用な自分に嫌気がさした。他にもやり方があっただろうに。

 だけど、SOUGOなりに考えて、二人が笑っている所がずっと見たくて、その一心だったのは確かだ。

 

 

 

(俺が守ればいい。歌野の負担を軽くするくらい、俺が戦えば――)

 

 

 

 敵が千だろうが、万だろうが、億だろうが関係ない。

 どんな敵が相手になったとしてもSOUGOは決して逃げることはないだろう。

 守るべき者達がいるから。

 また明日を迎えたいから。

 

 

 気づけば、もう夕方になっていた。

 日が沈み始めていて、一日が終わろうとしている。敵の襲撃は無かった。

 珍しく、平和な一日だ。

 

 

 

「最近、〝また明日〟っていう言葉が好きなんですよ、私。空前絶後のマイブーム来てますよコレ」 

 

 

「ほう、どうしてだ歌野」

 

 

「ほら、あれですよ。自分でこうして口にしていれば、実現しそうな感じがあるんですよ。約束すれば、いつもと変わらない明日がまた来るんだって思えるからですね」

 

 

 夕焼けを見つめて、その瞳を紅く染めながら歌野は祈るように口にした。

 歌野も願っていたのだ。SOUGOと同じく、変わらずこの日常が続いてくれることを。

 

 

「私はこの場所が……諏訪が大好きだから。朝からSOUGOさんと皆で農業をやって、みーちゃんと一緒にご飯食べたり、敵と戦って、四国の乃木さんと通信をして、そんな充実した毎日がある今の時間が大好きだから。 できれば、私はずっとここ(諏訪)に居たいなぁ……」

 

 

「うん……」

 

 

「俺も……そうだな。ここに居たい、ずっと」

 

 

 

 頷いたSOUGOに二人が目を見合わせた。

 

 

 

「大切な時間が詰まっているこの場所を……俺は守りたい。

 そして、お前達が安心して暮らせるように、無限の未来を歩めるように、人々を導くことが出来るような……王になりたい」

 

 

 

 『王になりたい』。

 それは初めて、明確に王になると宣言したSOUGOの言葉だった。

 今を生きる人々を導きたい、そんな願いを抱いた男の言葉だった。

 

 

「なれますよ、SOUGOさんなら」

 

 

「うん。そんな気がする」

 

 

「フン……当然だ。帰るぞ……明日もまた早い、バーテックスも畑も待ってはくれないからな」

 

 

 それを聞いて、歌野も水都も茶化すことなく微笑みをもって応えた。

 今更になって恥ずかしくなったのか、視線を逸らして、まっすぐ夕日を見つめ速足で歩き始めた。

 

 

 そのSOUGOの後を歌野と水都はまたお互いに目線を合わせてにっこりと笑うとそそくさに先を行くSOUGOの後ろを追いかけるのだった。

 

 

 そうしてまた、穏やかな日々が過ぎていく。

 このまま、何も起こらず、ただ平和な日常が過ぎていくことだけを願って。

 

 

 

 

 

 

 その日から数日も経たない内に、次の襲撃が起こった。

 朝方にたたき起こされたSOUGO達はいつものように変身して、戦いに赴いていく。

 

 最悪だ、もう少し寝かせろ。

 今日も一日頑張るわよ!

 そうやって悪態と気合をそれぞれ口にする者達は結界を維持している御柱の防衛を行う。

 もはや、この二人に夜襲や奇襲などの不意を突いた手段などは通用しないほどに、精神力は鍛えられていた。

 戦い、守ることが日常となっていた二人は……いや、諏訪の全ての人々は知らなかった。

 

 

 

 日の出と共に始まったこの戦いが諏訪の終わりの始まりを告げていることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もう2話くらい書き溜めてるから修正しだい直ぐ投稿するよ!
諏訪編は年末から年始で終わりそうだぜ!
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