最低最悪の魔王が征くのわゆ世界   作:バロックス(駄犬

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「はぁ…っ!はぁ……っ!!」

 

 

 

 バールクスへと変身したSOUGOは肩で息をしながらリボルケインを振るっていた。

 もう何体目かも数えるのをやめた星屑を光剣で切り裂いて、彼の周りには無数の死体の山が転がる。

 

 

 

 

 

 

 それでも森の奥から湧き出てくる数の星屑の勢いは留まることを知らない。

 あっという間にバールクスを取り囲んだ星屑はその物量で大波のように押し迫る。

 

 

「クソっ、一体どれだけの数が……っ!!」

 

 

 襲撃が始まってからかれこれ6時間が経つ。

 それまで歌野とバールクスは戦いっぱなしだ。

 

 

 上社本宮と上社前宮、二つの残されている結界の御柱を守るべく歌野とは二手に分かれている。

 いつものような援護は期待できないうえに物量がこれまでの倍以上ときたならば、体力が限界になるのも時間の問題だろう。

 

 

 

 これがまだ水都の神託で言う『総攻撃』ではないのだから恐れ入る。

 今自分たちの相手にしている星屑は柱を守る歌野やバールクスの体力を削るだけ削る先遣隊なのだろう。

 

 

 

(これ以上、攻められればいかに歌野も持たんぞ……もう限界なのか、諏訪は……もう――――)

 

 

 

 『逃げるしか』という言葉を口にしようとして、即SOUGOは己を恥じた。

 喉元まで出かかった言葉を飲み込んでは、リボルケインで怒りの一刀両断を星屑に見舞わせる。

 

 

「馬鹿かッ 俺はッッ」

 

 

 叫んで敵を切り伏せる。

 

 

「守るべき民を見捨て、自分だけ逃げる王がどこにいるッ!?」

 

 

 己を鼓舞するように、SOUGOは剣を振る。

 

 

(誓ったんだろっ〝守る〟って!願ったんだろっ!ここに居たいって!なら……なら逃げるなんて考えるな…!)

 

 

 

 身を焼くほどの激痛を齎す呪印の影響を顧みることなく、バールクスは力を振るい続ける。

 凄まじい剣捌きで星屑を切り落とし、目にもとまらぬスピードで御柱を目指す敵に接近しては切り倒し、一体たりとも御柱に近づけさせなかった。

 

 

 漸く敵を切り倒した後、突然敵の進行が止まった。

 森奥深くから湧いて出ていた星屑達が一切出てこなくなり、それが最初の波を乗り切ったことだと知ったのは歌野からの連絡を受けてからだった。

 

 

「次が……総攻撃、なのか」

 

 

『はい……みーちゃんの神託だと、敵は結界を取り囲むように集結してるみたいです。少しでも結界内の人々の恐怖を煽る為ですね』

 

 

 上社本宮を防衛する歌野も度重なる戦闘で体のあちこちに傷を負っていたが、戦闘は継続可能な状態であるという。なんともタフな少女である。

 一緒に後ろにいる水都も無事だという事を聞いて、SOUGOは密に胸を撫でおろしていた。

 

 

「やることが悪趣味だな……攻撃が戦略化してきてる。今までと段違いというわけだ」

 

 

『まったくですよ……あと――――』

 

 

 数秒ほど、電話越しの歌野が黙った。

 その違和感にSOUGOは違和感を覚える。

 

 

「〝あと〟……なんだ、歌野」

 

 

『いえ――――、えっ、みーちゃんなに、どうしたの……っ!?それ本当!?』

 

 

 突如、慌てた歌野の声が聞こえた。

 水都を経由して伝えられる事といえば、恐らく土地神からの『神託』。

 そして、それは間違いなく神託だったが、その内容はSOUGOが自らの耳を疑う内容であった。

 

 

『SOUGOさん、大変!敵が諏訪内部に侵入されてるらしいのッ』

 

 

「ば、馬鹿なッ 俺たちの守ってる御柱はまだ結界を展開し続けているんだぞッ!?」

 

 

『結界はまだ効力を失っていない、けど敵がなんらかの方法で内部に侵入している……これは事実です。

 SOUGOさん、住民達の場所へ向かってください。敵は住民が避難している体育館や建設した地下壕付近に現れているようです。このままだと時間がありません』

 

 

「だが歌野!いくらお前でも、たった一人で結界を維持することは不可能だッ 下手すれば死ぬぞッ!!」

 

 

 御柱は健在、にも関わらずそれらを無視して侵入する敵。

 何らかの裏技か、特殊能力で結界を通り抜けてきた進化体が現れたのか。いずれにせよ、早急に対処しなければ住民たちの命が危ない。

 しかし、御柱の防衛を歌野一人に行わせるのも危険だ。

 ライダーと勇者二人でなんとか防衛している状況で一人がいなくなれば全ての負担が歌野に押し寄せてくる。

 

 

 いくら勇者といえど、歌野であっても体力は無限ではない。

 戦った傷は修復されないし、人より体が頑丈で強くかったとしても疲労はするのだ。

 既に6時間を超える長期戦闘で歌野の体力は限界に近いはず。

 

 

 耐えられるものか。SOUGOは彼女のことを思えば、そこから動くことは出来なかった。

 

 

「俺は動かないぞッ お前を死んでしまったら、俺は町の奴らになんて言えばいいッ!!」

 

『……SOUGOさん、勇者白鳥歌野はそんなに弱っているように見えますか?』

 

 

 歌野はこんな状況でも尚、勝気な口調であった。

 

 

『守る御柱が一本増えただけ、そう思えばいいんです。こう見えても、SOUGOさんが来る前は一人で諏訪の防衛を務めていたんです。疲れてる?負ける?ノンノン!舐めてもらっちゃ困りますよ』

 

 

 絶望的な状況で尚、いつものように明るく、自信に溢れていた。

 電話越しに聞いているSOUGOですら、歌野が持つ謎の自信に感化されて不安を感じさせなくなるほどだった。

 だけど、それだけで歌野一人を放り出していけるほどSOUGOは安易に行動できない。

 

 

 これまでの激戦を経験してきたSOUGOは敵が確実にこちらを殺すための手段を用意していると考えていた。

 そして今ここでSOUGOが歌野から離れれば彼女は死ぬ、そんな気がしてならないのだ。

 

 

 

『SOUGOさん、民を見捨てちゃだめですよ』

 

 

 判断を決められないSOUGOに歌野は言うのだ。

 

 

『王様になる人が、これから守る民を見捨ててどうするんですか。 いつだって、王様っていうのは民がいてこそ、国を統べる王様になれるんですよ。

 諏訪の人々を守ってこそ、この戦いには意味があるんです。SOUGOさんのバイオライダーの移動スピードなら、勇者の私より早く住民の場所にたどり着けます!SOUGOさんしかいないんです』

 

 

 無茶をするからには、歌野には打算があるのだ。

 バイオライダーのバイオアタックのスピードは勇者の移動スピードを大幅に上回る。

 だが、住民を助けることが出来ても、その間に歌野が無事であるという保証はない。

 

 

 

『1年間、一緒に戦ってきた私を信用できませんか?』

 

「信頼している。信じているさ……だが、王になるよりも、民を失うことよりも、俺はお前たちを失うことが、怖いんだ』

 

『……SOUGOさんにそういう風に思ってもらえるなんて、同じ王を志す農業王として最大級の賛辞ですよ。やっぱりSOUGOさんは王様になるべき人です。

 だからこそ、今守るべき者たちを守るために、行ってください……王よ!」

 

 

「……信じるぞ、歌野」

 

 

 SOUGOが端末を力強く握りしめる。

 それほどまでに、歌野の決意は固いのだろう。

 こうなったらテコで動かない、自分の考えを曲げない少女だというのは嫌という言うほど知っているのだ。

 

 

 彼女の意志と、SOUGOに対する期待に応える必要がある。

 王になるために。民の為にある王として。

 歌野が覚悟を決めたなら、SOUGOも覚悟を決める。無論、片方を捨てる究極の選択ではなく、両者を救う難しい道をだ。

 

 

 

「だが歌野。守るべき民、その中にはお前達二人のことも含まれていることを忘れるな。

 自分たちは戦う勇者だから例外だと考えるな。己の命を守るべき対象から外すな。最後まで諦めるな。待っていてくれ、そうすれば、俺が必ず駆けつけるから」

 

 

 

『ふふ……っ』

 

 

 

「何がおかしい」

 

 

『やっぱりかっこいいなーって。私、不器用だけど私たちのことちゃんと考えてくれてるSOUGOさんのその優しいところ、好きですよ』

 

 

「こんな時に……大人をからかうな」

 

 

『いえいえ、本心ですよ。憧れてましたから。さ、早く行ってください。町の皆も待ってるはずです』

 

 

「……分かった。死ぬな、歌野」

 

『ええ。SOUGOさんも……グッドラック《ご武運を》を』

 

 

 通信を終えて、SOUGOはジクウドライバーを装着するとバールクスへ変身した。

 変身後、即座に『バイオライダー』のライドウォッチを起動させ、自らの身体をゲル化させて凄まじいスピードで住民たちが避難している方向へ青白い液体が駆け抜けていった。

 

 

 

 どうか間に合ってほしい。そう強く心の内に願いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嫌な予感はあった。

 ゲル化した状態でも外の景色に、遠くから立ち上る黒煙が見えたから。

 店、家、あらゆる施設でそれは見受けられるようになり、明らかな敵の攻撃を受けていることが分かった。

 

 しかし、なぜ。とSOUGOは思う。

 結界は未だに機能しているのに。

 一匹たりとも星屑は通していないというのに。

 

 考えられるのはこれまでにSOUGOも歌野も戦ったことのない新種のバーテックスか。

 星屑複数体合体して別の個体になるというのは既に経験済みだ。

 より強力な個体になるためには星屑は多くの数を必要とするのも。

 だからSOUGO達は進化体が出てくる戦闘では優先して進化途中の個体を倒し対処していた。

 

 油断していた。

 敵はもしかすると特殊な進化体をあらかじめ結界の外で作り出していたのだと。

 防衛に徹して、こちらから打って出れないという弱点を利用されたのだ。

 

 

「これは……この匂いは…」

 

 

 嗅覚まで超人化しているバールクスが焦りを一層感じる匂いであった。

 戦いの中で何度も嗅いだことがある……それはまさに「血の匂い」である。

 

 風に乗って流れてくる血の匂いにバールクスはスピードを上げた。

 

 

 

 市街地に辿り着くとバールクスの視界は炎を捉えた。

 火の手が上がっている。民家や建築物から。

 夏という季節、乾燥気味であった諏訪地域に吹きすさぶ風が火を煽り、家へ家へと燃え広がっている。

 

 

 消防など、火消し要因も割り当てられている者達の姿は見当たらなかった。

 非常時には出動するように役割を与えられていたのだが。

 

 

「うぅ……ぁ…」

 

 

 崩れた瓦礫の物陰から呻き声が聞こえて、視線を向けると半身だけを晒して蹲る男の姿が見えた。

 銀色の耐火服に身を包んだ男はこの街で火災が起きた際に対処する消防要員だった。

 

 

「おい、大丈夫か――――」

 

 

 男の場所に駆け寄ったバールクスは言いかけて、言葉を失った。

 物陰に隠れていた男の身体は、体の腰から下が()()()()のだ。 

 

 

 正確には切り取られたというのが正しいのだろうか。

 胴体部から流れる大量の血と一部の臓器が散乱している様子は尋常ではない力だ引きちぎられたようなものだった。

 血のりが男の後を引くように続いている。まるで絵の具でべったりと濃い赤色の線を引いたように。

 

 

「……なにが、あった」

 

「そ、ぅご、さ、ん……ひ、火を、けして、たら……や、()()が、ぁ――――」

 

「おい、おい……っ!」

 

 

 大量出血から顔面を蒼白させていた男は口から血を吐きながらそう呟いて、ぴくりとも動くことはなかった。

 

 死んだ。

 諏訪の人間が一人、SOUGOの目の前で死んだ。

 せめて、目を閉じさせて安らかに眠ってくれと身体をそっと地面に置こうとした時、足音が近づいてくるのを聞いた。

 

 

 びちゃ、びちゃ。

 死んだ男の血のりをわざと歩いているのか、水音が耳に響き渡る。気持ち悪い感覚があった。

 それはゆっくりと歩を進ませて、こちらに近づいてくる者の姿は常軌を逸していた。

 

 

 巨大な手と足には生き物のような鋭利な爪がある。

 全身は銀と黒の分厚い表皮に覆われている。

 そして頭部には人間とと明らかに違う碧眼と地中を進むためのドリルのような突起物が目立つ。

 

 

『お前は……なぜお前がここにいるんだッ』

 

 

 バールクスは、SOUGOは()()()()をよく知っている。

 その異形を、()()()()()()()()()()()()()()()をよく知っている。 

 

『……』

 

 モグラアマゾン。

 そう呼ばれる存在だ。

 

 

 『仮面ライダーアマゾンズ』。

 それは人間の身体にアマゾン細胞を持つ特殊な者達が仮面ライダーとなって人々を襲う『アマゾン』と戦う物語。

 生きるために人の肉を食さなければ生きられない生物、アマゾンを自らもアマゾンである仮面ライダーたちがそれぞれ抱く『使命』と『葛藤』と『運命』の物語。

 モグラアマゾンはその世界に存在するアマゾンの中でも珍しく善良なアマゾンだった。

 

 

 モグラアマゾンは人間と共生を望んだアマゾンだった。

 一度は仲間である人間を傷つけたが、心は人間のままで、本能のままに仲間である人間を傷つけたことに罪の意識を感じるアマゾン(少年)だった。

 彼は、人の肉の味を覚えるまではハンバーガーが大好きな無邪気なアマゾン(少年)だった。

 

 

『オイシイ……オイシィ』

 

 

 その心を持ったモグラアマゾンは、どこに行ってしまったのだろうか。

 地面に落ちている死んだ男の臓物を拾い上げると、ドリルの先端を開かせて無数の牙が並ぶ口内へと運び、咀嚼する。

 

 ぐちゃ、ぐちゅ、ぐちゅ……という自分が普段から砕いていた土よりも遥かに柔らかい人の肉を食らう音が響き渡る。

 モグラアマゾンはドリルの先端を閉じて血液の付着した部分を腕で拭う。

 

『モット……チョウダイ…』

 

 

 歓喜に震えたような声。

 アマゾンは人の肉を食べる事で自らの肉体に栄養を与えることが出来る。

 普通の食事ではいけない。

 普通の人間が食べる米や魚では空腹を満たすことは出来ない。

 人間の肉こそが、アマゾンの栄養源だ。

 その血肉を力に変えて、自らも強化することが出来る。

 

 

 

 すぐさまモグラアマゾンの視線はバールクスと足元で絶命した男の肉体へと定めていた。 

 彼にとっての『ごちそう』が二つもあることに、肩をわなわなと震わせて、獣のごとき唸り声をあげる。

 

 

『チョウダイッッッ』

 

『チィッ……リボルケインッ』

 

 

 その場から飛び上がったモグラアマゾンが数メートル先のバールクス目掛けて右の爪を振り下ろす。

 空気を裂くような一撃をバールクスは躱すのではなく、リボルケインによる反撃でその腕を切り落とす。

 鋭い爪部分は避けて、硬度を持つことが出来ない肘の部分は柔らかく、噴出したモグラアマゾンの鮮血が宙を霧散する。

 

 

 勢いあまってバールクスを飛び越えて、地面を転がったモグラアマゾンの切り落とされた腕の部分からは今尚血が流れ続けている。

 常人なら、失血死するレベルだ。

 

 

 

『ガァァァアッッ!!』

 

『なにッ!?』

 

 

 モグラアマゾンは再び立ち上がり、バールクスに突進してきた。もちろん、失った自分の腕など何も問題ないかのようにだ。

 一切の怯みもなく、恐怖すらもない勢いだ。片方の残っている爪を振り回し、バールクスへ攻撃してくる。

 

『チョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイチョウダイ、チョウダイィィイィッッ』

 

 

 人の肉を望んで止まない絶叫が轟く。

 何度も何度も爪をぶん回してバールクスに叩きつける。

 一撃一撃は酷く重いものばかりだった。

 爪部分の硬度はかなり物で、リボルケインで切り付けても弾かれる。最初に関節部分を狙ったのは間違いではなかったようだ。

 

 

 ならばと、大振りの爪による攻撃をリボルケインを使って弾き飛ばし、片手で防御の行き届いていない首部分へ光剣を滑らせる。

 空気を切り裂く音とモグラアマゾンの首が胴体から離れるのは同時であった。

 噴水の如く血しぶきをあげながら、遂にモグラアマゾンは絶命する。

 

 

『コイツ……空腹か』

 

 

 連続で充てられる爪を捌きつつ、バールクスは一つの結論に辿り着く。

 このアマゾンは、空腹なのだと。

 生物は命の危機に瀕するとアドレナリンが分泌されるという。アドレナリンは痛覚を麻痺させて痛みを感じなくさせたり、極度の興奮状態は肉体に宿るさらなるパワーを開花させるという。

 飢餓状態なのだ。だから、痛みを感じないほどのアドレナリンを分泌させて襲ってくる。

 

 

『なぜ平成の怪人達が……まさか、天の神が俺の記憶を元に作り出したか……?―――チィッ』

 

 

 静かに舌打ちをしたSOUGOの視界は信じられない光景を目にする。

 周辺のあらゆる場所から次々とナニかが現れたのだ。

 

 

『なんだと、またモグラアマゾン……しかしこの数は…』

 

 

 倒壊した瓦礫から店の中から家の中から出てくるのは全て()()()()()()()であった。

 銀色の表皮に人間の血を付着させ、あたかも今しがた人を食ってきたようなアマゾン体、その数は30を超える。

 どの個体も例外なく飢餓状態であった。

 

 

 ここで一つの仮説を立てた。

 もし天の神がSOUGOの記憶を元に仮面ライダーの世界に存在する敵を複製できるとしよう。

 複製に必要な素材は星屑で代用することが出来る。

 星屑1体を生み出すのにどれほどの期間を要するかは不明だが、これまでの戦闘の経験からその数は把握できない程、星の数はいると思っていいだろう。実質無限。

 ならば、無限の星屑を原材料にして仮面ライダーの怪人を無限に作り出せると考えれば、この数の同一個体を揃えることは可能だ。

 

 

 天の神は一度モグラアマゾンを作り出して、飼った。

 ただし、食料を極力与えなかった。

 彼らの栄養源である人の肉を与えなかった。

 空腹状態であれば、理性を失うほどの極限状態で人間の肉を前にすれば間違いなく襲い掛かるであろう状態まで。

 

 

 そしてモグラアマゾンは生物的には『モグラ』であり、地中を潜ることを可能とする。

 諏訪市街地には人が一人入れるほどの大穴がいくつも存在していた。

 

 

 正面から入れない星屑に代わって、結界が行き届かない地中を移動して侵入し、市民を攻撃するのがモグラアマゾンの役割だったのだ。

 

 

 

(数が多すぎる……クソッ、施設に纏まって避難してる住民たちは無事なのか!?)

 

 

 まともに相手にするには流石に数多すぎる。

 バールクスは手にした『ロボライダー』のライドウォッチを起動させて、遠距離武器『ボルテックシューター』を構えるとモグラアマゾンの目の届いていない瓦礫部分に光線を放った。

 光線は瓦礫を吹き飛ばし、その爆音に釣られて彷徨っていたすべてのモグラアマゾンがバールクスから離れていく。

 

 

 その隙にバールクスは離れようとしたが、先ほど絶命した男の身体が目に入ると体が動かなくなった。

 今この場を離れれば、この男の肉は戻ってきたアマゾン達に捕食されてしまうだろう。

 

 

 バールクスは心の底から「すまない」と詫びた。

 そう言って、苦しい感情に胸を潰されそうになりながら、その場を離脱していった。

 民を守ると心に誓ったSOUGOの心が軋んだ。

 

 

 敵に注意を払いながら向かったのは体育館だ。

 体育館には施設の大きさから多くの人々が避難している。

 食料も水も備蓄されている大切な場所だ。

 あの場所にアマゾンが向かっているならば、多くの人間たちに危険が迫っていることになる。

 

 

 

『あれは―――星屑ッ!?』

 

 

 体育館にやってきたバールクスが見たのはアマゾンではなかった。

 白い体躯を操る星屑10匹ほどが体育館の屋根から侵入しているのが見えた。

 大きな歯で壁や屋根を破壊したのだろう。雪崩れ込むように白の異形が入り込んだ体育館の中で()()が聞こえる。

 

 

 

「うわあああああああああ!!」

「ぎゃあああああああああ!!」

「いやあああああああああ!!」

 

 

『クソッッ』

 

 

 人の悲鳴だとすぐに分かったバールクスの行動は早く、全力ダッシュから硬く閉じられた体育館の扉を蹴破った。

 

 

 

 扉を蹴破ったその先で目に入り込んできた光景を見て、バールクスは、常磐SOUGOは後悔した。

 

 

 

 血の海しかなかった。

 数百人はいたであろう規模の大量の荷物とそれだけの人数分の血だまりと、大量の血で彩られた壁しかなかったのだ。

 

 

『……』

 

 

 見上げた先、侵入した星屑が浮遊している。

 巨大な口が何かもごもごと蠢いていた。

 バキッ、ゴギッ、ガリッと硬い何かを噛み砕いていた。

 

 

 一匹の星屑の口からぽとりと床に落ちていた。人の腕だ。

 先ほどから体育館に響いている歪な音の正体は人間の身体の硬い部分、骨の部分を噛み砕いている音なのだと理解できた。

 

 

 そこでバールクスは()()()()()()()()

 この場所にいた全ての人々はあの星屑達に食われてしまったのだと。

 守るべき者達が無残に殺されてしまったのだと。

 

 

 

 視線の先、〝血に塗れた戦隊ヒーローの人形〟が落ちていた。

 その持ち主の命がどうなったかなど、考えるまでもなかった。

 

 

 

――――その時、確かにバールクスの中で何かが切れた気がした。

 

 ぷつん、と。それは恐らく自身の理性が切れる音だったのだろう。

 

 

 

 星屑が床に零れ落ちた人の腕に目掛けて自らの高度を下げる。

 腕を食べようと頭部分を大きく下げた所をバールクスはその星屑を思いっきり蹴り上げた。

 ゴッ、という鈍い音とともに星屑の身体が吹き飛び、壁を破壊していく。

 

 

 その場にいた星屑全てがバールクスを存在を認知した。

 だが、バールクスは数十という星屑を睨むようにしてリボルケインを構える。

 

 

『ウオオオオオァァアアアッッ』

 

 

 獣が怒り狂うような叫びをあげて、バールクスは星屑達に斬りかかった。

 星屑が攻撃する間もなく、光剣によって両断されていく。

 

 

 星屑の突進で体を吹き飛ばされても、腕にその口で噛みつかれてもバールクスは止まらなかった。 

 その場にいた全ての星屑を斬り殺すまで止まることはなかった。

 守るべき人々を殺された怒りと、守れなかった悔しさが咆哮となって響き渡り、己を『敵を殺すための獣』へと存在を変えていった。

 

 数重程度の星屑を切り伏せるのに時間は掛からなかった。

 だが、敵を殺す憎しみと怒りで満ちているバールクスは体育館を飛び出して、まだ残っているであろう星屑を殺すべく駆け出していく。

 

 

 この時、無数に掘られていた地面の穴から星屑が大量に出入りしているのが見え、モグラアマゾンの役割がモグラアマゾンによる攻撃だけでなく()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ための役割を持っていたとバールクスは気づくが、そんなことはどうでもいい。

 

 

 

『殺すッ お前たちはここで全て殺す――――殺してやるッッ』

 

 

 血眼は空を見上げ、自由自在に諏訪の制空権を飛び交う星屑で覆われていた。

 あちこちで火の手があがり、黒煙に混じって血の匂いが流れてくるのが分かり、自身の怒りが込み上げくてくるのを感じた。

 

 

 『ロボライダー』のライドウォッチで片手に銃と剣を持ち、バールクスは周囲に散らばっていた星屑とモグラアマゾン達を見て、全てを殺すと決めた。

 胸に残る祟りの痛みが焼けるように熱かったが、バールクスが抱く怒りの炎の方が今は最も熱いだろう。

 

 

 ゆったりとした動きから、徐々に体を前に倒すように加速して、仮面ライダーは大群に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バールクスは諏訪市街にあるあらゆる施設に群がる敵を斬り殺していく。

 公民館や文化ホール、学校の体育館などの周囲には星屑とモグラアマゾンの死体が大量に転がっていた。

 

 

 だけど、駄目だった。

 バールクスが駆けつけた時には、行く先で諏訪住民は皆死んでいたのだ。

 最大規模の避難場所、地下防空壕には既に大量の『アリアマゾン』が入り込んでいた。

 地中こそ大丈夫だと踏んでいたためか、地中を移動して進んできたアリアマゾンが地下防空壕に入り込んできたとき、人々は地上へとつながる扉を強固に閉じていたため逃げることが出来なかった。

 

 

 漸く外に出れたとしても、群がっていた星屑と他のアマゾン達の餌食になるのは時間の問題であった。

 

 

『……』

 

 

 防空壕に群がっていたアリアマゾンもバールクスは全て倒した。

 しかし、穴から出てきたバールクスの足取りは重かった。

 何重もの鉛を巻き付けてるかのように、重力がそこに集中しているように。

 

 

 防空壕の中でアリアマゾンを狩る際、多くの人の死体を見た。

 もう既に絶命した人と、体を半分食われて死ぬ一歩手前の人と、体をバラバラにされて保存食としてまとめて置かれていた人と。

 アリアマゾンも飢餓状態だったのだろう、女王個体も含めてすべてのアマゾンは人の肉を食うのに夢中であった。

 

 アリアマゾンはバールクスに接近を許し、呆気なく斬り殺された。

 諏訪を守る結界はもはや意味を成していなかった。

 結界外と諏訪をつなぐ大穴から敵が行き来している時点でもう防衛も糞もなくなった。

 

 

 空には無数の星屑が浮遊している。

 奴らがただ彷徨っているだけなのは、この諏訪市街には()()()()()()()()()()()()()()()という事なのだろうか。

 

 

 

『歌野達は……』

 

 

 だが、バールクスはそれでもまだ歌野が戦い続けていると、信じていた。

 まだ結界が無事だという事は、維持されているという事は少なくとも御柱は歌野によって守られ続けているという事だ。

 歌野が生きて入れば、傍にいる水都も無事なはずだ。

 

 ボロボロの身体を引きずるように、星屑達から身を隠しながら御柱のある方角へと向かう。

 彼女たち二人が生きていることが、彼にとって最後の希望だった。

 

 

 歩き始めて、どれくらい時間が経ったのだろうか。

 十分、一時間、それ以上かもしれない。そう感じるほどの長い時間、歩き続けてバールクスは歌野がいる御柱付近までたどり着いた。

 諏訪の結界は維持されていた。

 御柱はもうボロボロで、風でも吹けば崩れてしまうのではないかというほどに限界の状態であったが機能を維持していた。

 星屑が中に入らずに外で待機しているのがその証拠だ。

 

 

「……あ、ハロー……SOUGOさん」

 

 

 そして、歌野は生きていた。

 顔だけ振り返って、彼女はこちらに顔だけをむけていつものように微笑みかける。

 

 

 疲れている顔だ。

 無理をしている顔だ。

 もういい、歌野は少し休め。

 諏訪の人々のことはどういうべきか。

 水都は無事なのか。

 

 

 

 元気そうな歌野を見て、様々な考えが頭をよぎる中、歌野へと近づいた時に彼女の身体が大きくバランスを崩した。

 

 

『歌野ッ!』

 

 

 地面に倒れる直前の歌野の身体をバールクスがその腕だ抱き留める。

 少女の勇者装束は既に真っ赤に染まっていた。

 胸の部分には巨大な針のようなものが突き刺さっている。

 

 

「ごふ…っ、が…は…ぁ…!」

 

『歌野、大丈夫か!しっかりしろ!』

 

「えへへ、SOUGO、さん……ミスっちゃいました…戦ってたら遠くから急にこいつ等が撃ってきて…全部、倒したんですけ、ど……へへ、一発、貰っちゃいました。

 でもこいつらを先に行かせたら、街の人たちも、SOUGOさんたちも大変なことになっちゃうって思ったので……頑張りましたよね、私」

 

 

 胸の真ん中に突き刺さる針は周囲に転がって絶命している『針のような体』を持つ進化体であった。

 バールクスも以前に戦ったことがある。しかし、今目の前で転がっている数は50体はいた。その全てを歌野は倒していたのである。

 もしこの数が諏訪市街地へ侵攻していならば、市街地で救助活動をしているSOUGOに危険が及ぶと考えた歌野は全力で殲滅にあたったのだ。

 

 

『あぁ、凄いよ歌野。お前は本当に、凄いやつだ……よく、頑張ったな』

 

「……えへへ、褒めてもらった。そう、だ…諏訪の、人たちは……」

 

『……無事だ。俺が、守った。みんな無事だ』

 

「―――そ、っかぁ……よかった」

 

 真実を告げることは出来なかった。 

 これほど身を削ってくれた、今にも命尽き果てそうな歌野を前に住民を守れなかった、全て死んでしまったという真実を告げることをバールクスは出来なかったのだ。

 しかし、顔を背け、視線を逸らす仕草に何かを察した歌野だったが、多くを問わずに優しく笑みを浮かべる。

 

 

「お願いがあるんです……みーちゃんの所に、連れて行ってもらえますか……」

 

『敵は……まだ来るんじゃないのか?』

 

「あれだけ叩いたんです。私があまりにも粘るもんだから一度引いていきましたよ……時間はあるはずです。5分くらいは」

 

 

 歌野一人を相手に大群を用いていたバーテックス側の戦力は大きく削られたらしい。

 結界周辺は不気味なほどに静かだった。この静けさは戦力を再集結させている最中なのだろう。

 

 

『……水都はどこにいる?』

 

 歌野は少しだけ悲しそうな顔をして、

 

「上社本宮の本殿内です……そこに()()()

 

『分かった』

 

 

 歌野をそのまま抱き上げて、本殿へとつなぐ階段を上っていく。

 腕を伝い、地面へと落ちる血の量はとても多く、歌野の息が荒くなっていることから残り五分という時間が、歌野にとって残された時間なのではないかと思った。

 

 

 本殿への道中、既に一度歌野が来たのか、夥しい量の血が落ちていた。

 致死量だ。しかし、これほどの血を歌野が流し続けていたらここまで長期の戦闘は行えない。

 

 歌野だけの血ではなく、()()()()()()だと予想し、それが誰のものなのかは考えるまでもなかった。

 本殿の中、壁にもたれかかるようにいたのは一人の少女だ。藤森水都だ。

 

 

 水都が腰かけている場所、背中から床へと赤い液体が流れている。彼女の血だ。

 

 

『水都…っ、水都……おいっ!!』

 

「ごめん、なさい……みーちゃんは、もう」

 

『嘘だろ……なぜ、なぜ……!!』

 

「敵の攻撃が……針を持った敵の攻撃がきて、空全部埋め尽くすほどの針が降ってきて……私は躱せたけど、みーちゃんは逃げ切れなくて……」

 

 

 眠るように目を覚まさない水都を前にぽつり、ぽつりと歌野は答え始める。

 

 

「その時は、まだ意識があって、一緒にここまで避難して、そしたら……みーちゃん、いっぱい身体から血を出してて、私、泣いちゃって、何度も守るって言っておきながら、一番大事な人を守れなくて……」

 

『水都は……最期に何か、言っていたか』

 

「〝先に死んじゃうの、ごめんね〟。って、〝一緒にいられて、うれしかったよ〟って、〝SOUGOさんのお陰で私も自分に自信が持てるようになったよ〟って」

 

 

 死の間際、水都は歌野とSOUGOに感謝して、先に逝った。

 一緒にこれまで居てくれたこと。自分の存在に意味があることを教えてくれたこと。

 諏訪で過ごした幸せな日々を、大切な人々との思い出を胸に、彼女は命を散らしたのだ。

 

 

 歌野は、その後も戦い続けていた。

 本当に護りたい存在である水都を失っても、なお、戦い続けていたのだ。

 普通なら立ち上がれない程に心を折られていてもおかしくはないのに。

 

「もう一つ……謝らなければ、いけないことが……諏訪のこれまでの戦いは、四国が迎撃準備を整えるための時間稼ぎだって……少し前に、神託が」

 

『なん、だと』

 

「土地神様に褒められましたよ……〝よく3年間も耐え抜いてくれた〟って。お陰で四国は迎撃する為の準備が整ったそうです」

 

『馬鹿な……お前たちは…諏訪は最初から、ただの捨て駒だったっていうのかッ!こんな事が許されるかッ』

 

「四国の、人たちをどうか責めないで。乃木さんも、その他の勇者や大社の人達も知らないはずだから……

 これは、土地神達が決めた『神様同士の約束』みたいな、ものだから……」

 

 

 この数年間の戦いは、元々勝ち目の薄い戦いだったと土地神は予見していたのだろう。

 後方の四国にいる勇者たちを戦えるレベルまでに育成するために、歌野達には四国と諏訪でいずれ挟撃するという嘘の作戦しか伝えられていなかった。

 希望を持てば、戦い続けられるのが勇者だからか。

 

 しかし、それは神が行ってい良い所業とは思えない。少なくとも、SOUGOは納得できなかった。許せなかった。

 

 

「がは…っ、ご、ぁ…っ!!」

 

『歌野……』

 

「あは、は……私も無理、しすぎたみたいです…皆で海に行く約束は、果たせそうになさそうです、ねぇ……SOUGOさん、私って、ちゃんと勇者出来ていましたか…?」

 

『ああ、お前は紛れもなく勇者だよ。

 恐れず、逃げず、最後まで勇気をもって戦い抜いた……心の強い、本当の勇者だ……』

 

「えへ、へ……そう言ってもらえて、嬉しいです。私、本当は戦うのが怖かったんですけど、みーちゃんとSOUGOさんが居てくれたから、最後まで戦うことが出来ました。

 でも、残念、農業王の夢がここで断たれちゃうのは……死んだら、私、ちゃんとみーちゃんに会えるのか、な」

 

『……』

 

「みーちゃん、どこかで迷子になっていなきゃいい、んですけど……もしそうなってたら、探さないといけません、ね……はは」

 

『大丈夫だ。どんなに遠く離れても、お前たちは互いに信じあっている……必ず巡り合うだろうさ、どんな場所に行っても……それに、俺だって直ぐに、そっちに逝く』

 

「それは、駄目ですよ、SOUGOさん」

 

『な、なぜだ歌野……俺に生きろというのか』

 

「SOUGOさんは、四国へ向かってください。ここで死んではいけません……」

 

『俺は……俺はお前らを守れなかったんだ。街の奴らも、皆、皆……。

 お前達に希望を持たせて、最後まで守るって誓ったのに、俺は……何もできなかったんだ……王様になる資格なんて、なかったんだ』

 

「自分を、責めないで。SOUGOさんは、私たちにとって王様、ですよ……私たちは、もう、何度も救われて――――」

 

 

 言いかけて、歌野が咳き込んだ。

 さっきよりも量の多い血が自分の勇者装束と本殿の床を濡らす。

 

 

「はぁ、はぁ……SOUGOさん、まだあなたの力を必要としている人たちがいます。これから未来を生きる人々の為にSOUGOさんの力が……」

 

『お前たちを……置いて行けというか。そんなことは出来ない、お前らだけを残し、俺だけが生き残るだなんてことは……!!』

 

「いいえ、違いますよSOUGOさん。一人なんかじゃ、ない……私は、私たちは、ずっと、ずっと……――――」

 

 

 瞳から光が失われていく。

 心臓の音が次第に小さくなっていく。

 手を握るも、歌野から握り返してくることはない。

 

 

 

『馬鹿がッ 駄目だッ 逝くな……歌野ッ』

 

 

 そして次の瞬間、

 歌野の腕がだらん、と力なく垂れ下がった。

 先まで聞こえていた胸の鼓動は止まり、瞳は閉じて、彼女は呼吸もしていなかった。

 戦い、重傷を負った少女は苦痛に顔を歪めることなく、安らかに眠るように息を引き取った。

 

 

 勇者、白鳥歌野は死んだのだ。

 

 

 

『―――ッッッァアア!!!』

 

 

 バールクスの腕が、歌野の身体を引き寄せ、力の限り抱きしめる。

 痛いくらいに抱きしめても、彼女の方から声が戻ってくることはもう無い。

 無意味なことだというのは分かっていた。

 彼女は、白鳥歌野は死んだのだから。

 藤森水都も、死んだ。

 二人はSOUGOにとって、家族のようだった。

 諏訪の住民達も死んだ。

 彼らはSOUGOを深く信頼していた。

 力による支配よりも、人から信頼されることの心地良さをSOUGOに教えてくれた。

 

 

 諏訪で過ごした日々はSOUGOにとって宝物だった。

 彼が元居た世界で、Quartzerの首領時代では得られなかった素晴らしい事を、諏訪はたくさん与えてくれたのだ。

 

 

 今この瞬間の日々を必死に生きる、まさに『瞬瞬必生』。

 辛くても、そんな彼らと過ごす日常をSOUGOは守ろうとした。

 

 

 永遠であってほしかった。

 そう願っていた。

 でも、その願いはもう叶わない。 

 宝物のような日常が戻ってくることはもう、ない。

 

 

 

 

 次の瞬間、本殿の外から破砕音が鳴り響いた。

 大量の星屑達が入り込んできたのだ。本殿の外は大地を埋め尽くす星屑がバールクスを取り囲むようにしている。

 結界を成す御柱が完全に破壊され、結界が消滅したからだろう。

 

 

『キサマらは……キサマらはッッ 死者との最後の時間も、死を悼む時間も与えないというのかッ』

 

 

 結界が消滅した事。それ自体はもう、どうでもよかった。

 ただ、歌野や水都、そして諏訪の人々を失った心の傷を負ったSOUGOに追い打ちを掛けるように現れた星屑達に果てしない怒りを覚えたのだ。

 歌野の身体を静かに水都の隣に置き、バールクスはリボルケインを構える。

 雪崩れ込むように星屑が襲い掛かった。

 

 

『この時代の人々が、一体何をしたッ 問うぞ、天の神よッ!! 

 歌野と水都が何をしたッ 神の尊厳を傷つけるような愚行を働いたかッ!

 諏訪の人々は何をしたッ ただ毎日、日常を過ごしていただけだッ!』

 

 

 迫りくる白の大群を光剣で切り裂き、倒していく。

 

 

『誰もが純粋に明日を望んでいたッ

 輝ける未来を夢見ていたッ

 キサマは……それを奪ったんだッ』

 

 

 嵐のような勢いで敵を両断するバールクスは自分の手元にあるライドウォッチの全てを駆使して戦い続ける。

 距離のある敵はロボライダーで対処し、敵に囲まれたならばバイオライダーで抜け出し、不意を衝く。

 BLACKのパンチで強固な進化体の表皮を粉砕する。

 

 

『俺は……キサマを許さんッッ

 キサマは、俺が必ず滅ぼすッッ』

 

 

 バールクスの真っ赤な瞳が輝いた。

 それは、彼自身の怒りを表したような鈍い光だった。

 血の涙を流しているようだった。

 

 

 天の神側の勢力にとって、バールクスが発揮した力ははっきり言って想定外だった。

 数あるバーテックス製アマゾンと進化体、そして数万という星屑ならば勇者と仮面ライダーを屠るに充分と考えていたからである。 

 勇者の命を奪い、残りは一人となったならば、間違いなくこの地域は終わりを迎えるはずだった。

 

 

 だがどうだろう。一人という絶望的な状況になっても、仮面ライダーは抗い続けていた。

 それどころか、光剣を振るうその男は息を吹き返したかのような戦闘力を有していた。

 数を送り、攻撃を繰り返しても男は全てを薙ぎ払い、獣のような獰猛さで敵を蹴散らしていく。

 

 

 彼の怒りは留まる事を知らない。

 天の神に対する憎悪は更に増し、皮肉なことにその憎悪がバールクスの力を飛躍的に向上させていた。

 まるで悲しみや窮地を経験するたびに力に目覚めてきた、BLACKとRXの変身者、南光太郎のように。

 

 

 敵を狩りつくすまで、その身を削り、魂尽き果てるまで仮面の戦士は星屑を斬り殺し続ける事だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二日間に渡る戦いが終わった。

 それが『戦い』と呼ぶべきモノだったのかは分からなかった。

 足元に転がる星屑、見渡せばその死骸で埋まる平地の上にただ一人だけバールクスが経っている。

 

 

 

 

 もはや戦っていたバールクスでさえ、『何のための戦い』だったかも忘れてしまった。

 確かに自分は守るための戦いを行っていたはずだと思っていた。

 しかし、途中でそれは大切な者を奪われた憎悪を敵にぶつけるだけになった。

 

 

 視線の先に輝く朝日がバールクスを照らす。

 朝日は一日の始まりだ。あらゆる生物と、社会が自然と動き出す、日常の始まりを告げる光景だ。

 しかし、諏訪に朝日が差し込んでも、もうその朝日とともに動き出す人々はSOUGO以外いない。

 SOUGOが皆と迎えたいと思っていた諏訪の朝日を迎えることが出来たのは、SOUGOただ一人だけだった。

 

 

 

 奪われた命は、もう戻ってこない。

 初めて、今まで感謝を抱いていた太陽に対してそんな事を言われた気がした。

 

 

 変身を解除したSOUGOは一人、無人となった諏訪を歩き回る。生存者を探すためだ。

 冷静に考えて、生き残りがいるという可能性は低かったが、「もしかしたら」と、そんなありもしない可能性に懸けたかった。

 諏訪市街はあらゆる施設が破壊されていた。

 商店街や病院などは人が住める状態ではなく、SOUGO達がよく通っていた蕎麦屋も物理的に潰されていた。

 

 諏訪大社などの重要拠点は執拗に攻撃に晒されており、元々がただの荒れ地だったのかと勘違いするほどに破壊されていた。

 

 

 歩き回って、SOUGOは結局生存者はいなかった。

 いつしかこの諏訪という国を守る王になろうとしたSOUGO。

 その国に、民はもういない。

 

 

 

 SOUGOは『バイオライダー』のゲル化状態である場所に身を移す。辿り着いたのは諏訪湖だ。

 バイオライダーのゲル化を解除すると、SOUGOはゲル化で一緒に抱いて連れてきた歌野の遺体を先に連れてきていた水都の遺体の隣に置いた。

 

 

 二人の遺体は死後数十時間経過してもなお、鮮度を保ち続けていた。

 通常ならば死んだ人間の肉体は数時間後でも体に死斑など、二日という時間が経過すればそれでこそ皮膚の色や内部が腐敗ガスを出して遺体が膨らむなどの現象が起きるはずなのに、歌野と水都の遺体は死後からまるで変わらずだった。まるで、死んだ時から時間が止まっているかのようである。

 

 

「諏訪の土地神……お前が二人を守ってくれたのか」

 

 

 鈍く、今にも消えてしまいそうな青白い光が二人を包んでいる。

 諏訪を守護する土地神は命が尽き果てるその直前まで、歌野と水都の遺体を神懸かりな力で状態を維持していたのだ。

 もしかしたら、後方で天の神を迎撃する四国を準備のために諏訪と勇者たちを囮として利用してしまった事に対する償いなのかもしれない。

 はたまた、SOUGOに最後の別れをさせるためなのか。

 

 

『諏訪湖の浄化から始めるか……』

 

 

 SOUGOは諏訪湖を見渡した。

 透き通るような色をしていた綺麗な湖は、既に濁り、人体に有害な毒のような色をしている。

 敵に毒を操る者がいたのだろうか、諏訪湖には魚の死骸が浮かんでいたのを見る限り、湖が毒によって汚染されたと考えた。

 土地神の恵みが機能していた頃、如何なる汚染に対しても浄化能力を持っていた諏訪湖だったが敵の襲撃で力が弱まり、水質を維持することが出来なくなってしまったのだろう。

 

 

『バイオライダー!』

 

 

 バールクスはバイオライダーの力で自らをゲル化し、濁り切った諏訪湖の中へと飛び込んだ。

 ゲル化したバールクスはは自らの体内で有害となる毒素に抗体を作り出すことが出来る。

 己の身体を水の不純物を取り除く浄化装置と見立てて、体内で諏訪湖に広がる有害物質に対しての抗体を全て作り出す。

 今度は己の身で作り出した毒素に対する抗体を諏訪湖全体へ放出した。

 諏訪湖の毒素となる水を自ら取り込んで浄化し、吐き出して、また取り込む……これを何度も繰り返す。諏訪湖が元の輝きを取り戻すまで。

 

 

 やがて諏訪湖は本来の輝きを取り戻した。

 これでバイオライダーのウォッチにどれほどの負担が掛かったのかは分からない。

 ウォッチの表面にはややヒビが入っていたが、起動自体は可能だ。

 

 

 最期の時間がやってきた。

 本当のお別れだ。

 

 

 歌野と水都の身体を大きな一枚の板に乗せる。 

 即席の船としては十分な役目を果たし、二人を乗せた板をゆっくりと諏訪湖の浅瀬を奥へ奥へと進んでいく。

 二人の遺体を諏訪の地に埋葬することを考えたが、後からやってきた星屑や怪人達に墓穴を掘り起こされてしまう事を危惧したのか、遺体はこの諏訪湖に沈めさせることにした。

 湖の中心付近ならば、彼女たちの遺体は誰の手にも届かない、最深部へとたどり着くだろう。

 

 

『歌野、水都……俺は、四国へ行く。諏訪(ここ)を出ることにした。お前達が託した四国の勇者に会いに行く。

 命を懸けて託した勇者がどんな奴らなのかを見定めにな……力を貸すのは、その後だ』

 

 

 バールクスは静かに眠る二人の少女の頭を撫でた。

 3年間、彼女たちは傷ついて、戦い続けていた。誰よりも、人の為に血を流していた。

 『神聖な御役目』というけれど、年端もいかない少女たちを使命という鎖で縛る生活を送っていたのだ。

 でも、もうその御役目からは解放された。ここまで頑張ったのだから―――――、

 

 

『お前たちは、もう休んでいいんだ。本当に……今まで良く頑張ったな。

 後のことは俺に任せろ。必ず天の神を打倒してやる。

 その後で俺の命があったなら……誰もが敵の脅威から晒されることのない平和な世界になった時は―――また諏訪(ここ)に戻ってくる。

 都合のいい話かもしれないが、待っててくれ』

 

 

 この諏訪という場所はもうSOUGOにとってもう一つの故郷だからだ。

 だから、必ずこの諏訪に戻ってくる。敵を倒し、平和な世界にして、優しさと愛情に満ち溢れたこの諏訪へ。

 

『また会おう』

 

 別れの〝さよなら〟、ではなく、再会の約束、〝また会おう〟。

 

 そう告げて、二人の遺体を木の板から降ろして水の上に浮かべて少しずつ腕の力を緩めて、ゆっくりと手放した。

 歌野と水都の身体が徐々に、徐々に諏訪湖の下へ、下へと沈んでいく。

 深い闇夜に沈み込むように二人の姿が見えなくなっていくのを男は黙って見届ける事しかできなかった。

 

 

 

 

 この日より、SOUGOの全ての憎しみは天の神へと向けられる事となる。

 そして、自らを諏訪を滅ぼした『最低最悪の魔王』と名乗る理由は、この悲劇を忘れないための戒めであった。

 

 

 

 四国への旅路は徒歩となるだろう。

 移動において頼みの綱であるバイオライダーのウォッチは損傷が激しく、起動しても長くは持たないだろう。使えても、後一回が限度か。

 

 

「使いどころは慎重に選ばないとな」

 

 

 天の神を打倒す大切な自分の武器を温存することをSOUGOは選んだ。

 しかし数か月後、四国に辿り着いたSOUGOは戦闘の最中にある四国勇者の命を危機を救うために最後のバイオライダーの力を使ってしまう事になるとは思いもしなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 乃木若葉と常磐SOUGOは丸亀城の天守閣で向かい合うようにして床に座っていた。

 

 

「これが――――諏訪で起きた事の全てだ」

 

 

 長い、長い時間のようで短い、そんな奇妙な時の過ぎ方の中で常磐SOUGOは乃木若葉に全てを語り明かした。

 

 

 諏訪が終わってしまった瞬間を。

 若葉の通信相手であった白鳥歌野が戦いで死んだ瞬間を。

 諏訪が四国の準備を整えるための止む無き犠牲の戦いだったことも。

 常磐SOUGOが目にした終焉の瞬間を余すことなく、全て話したのだ。

 

 

 乃木若葉はただじっと、言葉を発さずにSOUGOの話を黙って聞いていた。

 毅然とした面構えがよく似合う若葉だが、SOUGOの話を聞き終えて少女の小さな肩が少しだけ震えていて、膝の上に置いていた手が自身のスカートの一部を握りしめている。

 

 

「なぜ……私にこのことを……」

 

「通信でお互いに顔が分からないとはいえ、歌野はお前に全面の信頼を寄せていた。

 歌野が信じたお前に、俺は諏訪での出来事を隠すわけにはいかないと思ったんだ」

 

 

 

「最初から諏訪の関係者だと言ってくれれば、あのように疑いをかけるようなことはしなかったというのに」

 

「俺はお前たちを……信用していなかった。信じられなかった。

 歌野が最後に託したお前達四国の勇者を、例え事情を知らなかったとはいえ諏訪を囮にして生き永らえているお前達を、救援にも駆けつけなかったお前たちを最初から信頼することが出来なかったんだ」

 

「……っ」

 

「だから、見定めることにした。共に戦うか否かを、歌野が残した最後の希望を、守るために力を貸すかどうかを……だが、お前たちは証明してくれた。

 託された人々の為に戦い、今を生きる人々の為に戦う……勇者であるお前達が歌野の遺志を継いでいる事が、俺には分かったからだ。

 乃木若葉よ、全ては俺が至らなかったからだ――――許せ」

 

「や、止めてください、頭を下げるなど……逆に、私達の方こそ謝らなければならない!

 得体の知れない敵のように疑い続けたことには、なんとお詫びしたら良いか……!」

 

 

 その場で頭を下げようとしたSOUGOを若葉が止める。

 彼女もまた、SOUGOと出会った頃は得体のしれない存在だと危惧していたのだ。

 まるで外から来たバーテックスと同じ敵のように見て、必要以上の警戒をしていた。

 若葉にしても、勇者のリーダーとしても、謝罪をしなければならない。

 

 

「それに、私は、あなたの言うように……諏訪と白鳥さんが命を懸けて四国の守りが整うまで戦っている間、戦いのない、平和な日々を送っていた……!

 四国通信の時、違和感にもっと早く気づいていれば……その時に勇者としての力を使ってでも!例え一人であったとしても、一日も早くあれば諏訪に駆けつけて、共に戦う事だってできたんだ……!

 私は……友を見殺しにしたも同然なんだ…!」

 

 

 若葉の身体が震えている。

 その震えは、後悔であろう。

 共に勇者として、友として、窮地に駆けつけることが出来なかった、戦友(とも)を助けることが出来なかった事への。

 

 

「お前が抱えるべき罪はない。

 歌野はお前を、最後の最後まで信じていた……心の底から、自分がこの世界から消えても、乃木若葉という勇者がいれば、世界は大丈夫だと口にするくらいに。

 友を見殺しにした、などと考えるな……心を病む必要はない。

 これからを生きる人々の為に戦い続ける事、それが歌野にとっても一番の弔いになる。

 俺からの願いはただ一つだ……どうか歌野の事を、忘れないで欲しい。

 短いながらも、お前と共に駆け抜けた日々を。 

 心のままに語り合った日々を。

 お前達、四国の者達を想い、消えていった者達がいたことを」

 

 

 人の心に残り続ける事。

 それをSOUGOは強く望んだ。

 

 

「……はい」

 

 

 若葉は小さく頷くと、その場で立ち上がり、SOUGOから背を向けた。

 彼女は窓に向かって歩き出し、こちらに振り返りもせずに、窓の外の空を見上げた。

 

 

「申し訳ないが、席を外していただけないだろうか……私は少し、泣く」

 

「……ああ、分かった」

 

 

 天守閣から出る階段を降りながら、SOUGOは一度若葉の方を振り向いた。

 若葉は一点、窓の外を見つめていたが、その肩は震えていた。

 声を出さず、彼女は救うことが出来なかった、自分たちに全てを託してくれた歌野の死を悔やんでいた。

 

 

「ん……?誰だ―――って、高嶋か」

 

「そ、SOUGOさん……」

 

 

 そして下の階へと降りようとしたところで、SOUGOは柱の陰に隠れた人影を目にした。

 隠れるのが下手らしく、服の一部と赤毛がはみ出ていたからすぐに分かった。

 だが、彼女の様子は少しおかしい。

 

 

「どうした高嶋。目元が赤いぞ花粉症か?」

 

「ちが…っ、ちがうんです……っ! わたし、わたしは……そんなつもりはなくて……っ!」

 

「は?」

 

「私、SOUGOさんの事、何も知らないのに……あんなことを…!」

 

「ちょ、ちょっと待て高嶋!おい!マジで待て!何故逃げる!」

 

 

 声を震わせ、目元を潤ませている高嶋の状況を不審に思うSOUGOだったが、次の瞬間には友奈が踵を返して駆け出していた。

 その瞬間、目元に溜まっていた光る液体が零れ落ちたように見えた。

 

 

「ごめんなさい……!ごめんなさい……!」

 

「謝りながら逃げるな!ガチ走りされたら、生身の俺では勇者であるお前には追い付け、ん……!!」

 

 

 丸亀城本丸から走り出したSOUGOと友奈であったが、勇者としての能力を身に宿している友奈はどんどんSOUGOを突き放していく。

 本丸から三の丸北側までSOUGOが辿り着くころには、友奈は既に城の玄関である大手一門を超えていた。

 

 

「だぁックソッ!無理だッ!追いつけるかッ!」

 

 

 SOUGOが大手一門に辿り着くと友奈の姿はどこにも無かった。

 方角的には市街の方へ走っていったのだけは分かる。

 肩で息をしながら着崩れていたローブを直して、友奈の行動の意図を理解しようとした。

 つい先ほどまでの短いやり取りで、友奈が発していた言葉を思い出す。

 

 

『ちが…っ、ちがうんです……っ! わたし、わたしは……そんなつもりはなくて……っ!私、SOUGOさんの事、何も知らないのに……あんなことを……っ!』

 

 

 

「おい、まさかアイツ……さっきの話を聞いていたんじゃ」

 

 

 若葉との会話を終えた後で友奈があの状態ならば、十分にあり得る。

 SOUGOと若葉が二人で天守閣の方へ行くのを目撃した友奈がSOUGOの過去話を聞いてしまったのだとしたら。

 

 だが、何故その話を聞いただけで友奈が逃げ出してしまったのだろうか。

 あの時の友奈の表情は、ただ「悲しんでいる」ようには見えなかった。

 「悲しさ」以上に、「罪悪感」と「恐怖心」を感じた。

 

 

「何に対して罪を感じていた?何に対して恐怖を抱いたんだ……高嶋友奈は」

 

 

 いつも何を考えている分からない友奈であったが、今回は群を抜いて分からない。

 ただ、あの状態の友奈を放っておけるわけにはいけなくなって、

 

 

「探すか……だが、勇者である高嶋で追いかけ回すのは得策ではない……ここは一つ、アイツが驚くようなことをしてやろう」

 

 

 SOUGOは友奈が走って逃げていった方角へ向かうのだった。

 




私のモチベーションを上げる方法は『ライダーの好きなシーン』とか見ることなんですけど、特に気に入ってるのがRXのリボルケインによるトドメ集です。


モグラアマゾンは天の神製。
人喰えなくなった部分とかは特になしの、純粋なアマゾンとして捕食活動する。
でもボイスはマモルくんで再生してね!


あと二話だよ!
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