たぶん、短編集?   作:扶桑畝傍

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嫌でも明日は来る

世の中

コロナだ、オリンピック中止だとか

んな事どうでもいい

「さて、

 これを俺は

 どう打開しなきゃならんのだ?」

仕事帰り

久し振りに

“とあるうどん屋に寄った”

までは良かった。

「どこ?ここ?」

出入り口から出た筈だった

けれど

そこには駐車場ではなく

(森かぁ~

 33にもなって、

 異世界か~)

思いのほか落ち着いて居た

(さて、

 呼吸は問題無い様だけど、

 手荷物は・・・)

・5つの機能を持ったナイフ

(ナイフ、+ドライバー

 -ドライバー、キリ、コルク抜き)

・スマホ

(充電が尽きかけなので使用不可)

・鍵

(家カギやら車のカギ)

・財布

(こちらの通貨では無いのが

 ほぼ確定なので使用不可)

・身に覚えのない木の回覧板?

「はて?」

読めない文字で書かれた

回覧板の様な木版は

疑問に答えるように

“文字が日本語に置き換えられた”

「なになに?」

▽これを呼んでいると言う事は

 貴方が、変革をもたらす者

 これから幾つもの試練が

 降りかかるでしょう

 ですが

 その為の補佐達を派遣しています

 この木版は

 読み終えると

 自動的に“燃えて灰になります”

「あぢぃっ!?」

有無を言わさず燃え出す木版は

あっと言う間に灰になって散って行った

(まいったな、

 そう言うのは間に合ってるんだけどな)

「魔法・・・だよなぁ。」

嫌々ながら頭を整理?する

・まず帰れない

・なんかお役目を任されました

・補佐の方々がいらっしゃる?

・現状、身ぐるみ以外何も無し

「はぁ、とりあえず、

 灯りが見える方に行きますか。」

真っ暗な森林に留まる趣味は無い

(で、

 見えて来たは良いけど

 野党に襲われてる村かい)

既に襲撃からいくらか

時間が経っているようで

中心にある広場に

“女性と少女が一か所に纏められて居た”

「頭(かしら)っ!!

 これで女共は全員ですぜっ!!」

「ん~・・・

 いや、一人足らねえな、

 おいっ!!

 後一人はどこに居やがるんだっ!!」

村長らしき男性が

うつ伏せに押し倒される

「しっ!?しらないっ!!」

「んな訳ないだろ?

 ちゃ~んと調べてるんだぜ?

 なぁ?村長さんの一人娘さんは?」

頭と呼ばれた大男は

ド定番の“ロングソード”を

顔面ギリギリに振り下ろす

「ひぃっ!?」

(さて、

 手持ちに頼れる武器類はない、

 そして、

 野党が何人いるのか

 把握できていない、

 ましてや、防御力皆無の

 普通の服、うん、むり)

「頭っ!

 居ましたぜ!」

別の男がその女性を無理矢理

引っ張って出て来る

「痛いっ!?」

まぁ、

なんて細身で華奢で

ザ・西洋の美人っていえる体つき

ただ

「けど頭?

 こんな“目の見えない女”

 使えるんで?」

切り傷なのか、片目は塞がって

もう片方は、

俗に言う“光を捕らえていない”

「あぁ、こう言うのが

 お好みの貴族様がいるんだよ、

 俺達に依頼して来たんだ、

 “税金の払えない村娘達”を

 税収として回収して来て欲しいってな!」

ガハハと笑い声が木霊する

(胸糞わりぃ)

けど、俺個人で解決できる力は無い

(この世界の魔法が

 どんな風に使われるのか

 見れれば可能性が無くは無い・・・)

そう思った矢先

“村娘の一人が”

先ほどまで持っていなかった

“武器を手に握っていた”

(詠唱はしていない、

 素質?それとも・・・)

まぁ、

これを直ぐ創造する俺も

“人の事は言えない”

少し思っただけだった

(なんと、まぁ、

 アーチェリーが

 こうも簡単に手に入るなんてねぇ)

使い慣れたソレは

“少なくても俺に覚悟を求めた”

距離にして約100mちょっと

外す筈がない距離だけど

(どう射れば

 “二人を仕留められる?”)

現状、その頭を挟んで直ぐ後ろに

他の村娘、

村長さんは押さえつけられたまま

もう一人は左手に

円盤状の小型シールドを付けている

(同時に立ち上がって、

 射線が重なるタイミング・・・

 来ないだろうねぇ)

「そこまでだ!!」

(あれ?もしかして

 こじれる前提の展開ですか?)

その声を出したパーティーは

“ド派手な装備で”6人現れた

(あ、これは彼等死んだな)

どう見ても“動きを阻害するような”

派手な鎧は

ものの数分とかからずに捕らえられた

まぁ

「これで射線は重なった。」

いっその事、

頭と呼ばれた奴と、

その部下の首を

“もぎ取れる威力にならないかな?”

と、何時も通りにアーチェリーを

弾き放った

ぶぢぃっ

とてつもなく鈍い音と共に

頭の串刺しが出来上がった

「おっと。」

頭を失った身体はフラフラと歩き

そして倒れ込んだ

噴出した血液を被った

ド派手パーティーは錯乱しながら

森の中へ消えて行った

(後、何人いるんだ?)

村長さんは

手に握られていたロングソードを

手に取り、

次の指示を出し始めた

するとどうだろう?

村娘さん達は、

“軽装鎧”を身に纏い、

各々に合わせたであろう武器を

装備していた

「何者だ、

 盗賊の仲間か?」

村長さんは間違いなく

“俺に向かって言っている”

(はぁ、

 防弾チョッキとかで

 身体が守れたらなぁ・・・)

と、思えば着ているのだ

(どんだけ都合のいい展開だよ)

嫌々ながらも足を進める

もちろん、

“両手を上に上げながら”

「俺は放浪者だ。」

現実そうなんだからしょうがない

「見た事が無い服装だな、

 先のパーティーとも面識は?」

「ない。」

「盗賊とも?」

「無いし、殺せるタイミングだったから、

 殺しただけだ。」

(まぁ、射(い)殺したから

 そこまで罪悪感とか、

 嘔吐感が無いのはお約束なのか?)

「協力して貰えるか?」

「如何様な内容で?」

「・・・娘の護衛だ、

 見ての通り、目が見えていない。」

「まぁ、その傷を込みでも、

 見芽麗しい女性ですね。」

「・・・。」

(あ、いけね、本音が)

「全員と事を構える気でも?」

「ありません、

 それに食糧も尽きているので、

 出来るなら晩飯を奢って貰いたいです。」

お腹の虫は空気を読まない

てか、まじで腹が減った

「ぷっ。」

あ、村長さんの娘さんに笑われた

「お父さん、この人から

 悪い感じはしないよ?」

見えていないソレは紛れもない事実で

燃え盛る炎に向かって喋っている

「ミアネ、そっちは炎だ、

 父さんはこっちだ。」

「え?そうですの?」

振り向くも結局あらぬ方向を向く

「ほら、こっちだ。」

手を握り抱き寄せる

「あぁ、お父さんの匂いです。」

あ、周りの女性陣から

冷たい視線が村長さんに注がれている

「・・・ん、んっ!、

 キミの名前は?」

「え?」

「正式に依頼として受けて貰いたい。」

「・・・摩周、

 摩周(ましゅう)創介(そうすけ)、

 家名が摩周で、名が創介になります。」

「きっ!?

 貴族なのかっ!?」

「いえ、

 先に申し上げたとお降りに

 “放浪者”です、

 家はとっくに取り潰しされています。」

「・・・5銀貨で

 受けて貰えるか?」

「お父さん?

 それじゃぁ、ギルドの

 “護衛基準”より下だよ?」

「ミネア、

 それでも家の村では高いんだ、

 それに焼かれてしまった家や、

 傷んだ畑にいくらかかるか・・・。」

「なら、

 護衛日数に伴い、

 3食、もしくは2食で、

 受けましょうか?」

「なに?」

「あいにく、

 ここは俺が知らない土地です、

 “金銭感覚”が

 違うでしょうから、

 護衛期間中の

 食と住を確保出来るなら、

 それで構いません。」

「それなら助かる、

 先ずは護衛しつつ、

 野党の残党狩りを手伝って貰いたい。」

「・・・わかりました、

 微力ながらその依頼、

 正式に受諾しました、

 ミネア嬢?よろしくお願いします。」

「はぃ///不束者で「ストップ」はぃ?」

「それは将来を共にする人に

 言ってあげて下さい、

 間違っても、

 “護衛をする者に”

 言う言葉ではありません。」

女性陣よ、

うんうんと頷くな、

え?なに?普段から天然なの?

そこからは

襲撃され慣れてるのか、

手際よく残党を“処理”して行った。

「なぁ?」

「ん?」

女性陣の一人が声を掛けて来た

「ミネア、どう?」

おい、先に注意した直後だぞ?

「所帯は持たん。」

「え~。」

 え~、

 じゃねえよ、アタシは?

なんて言い出したから、

頭を下に抑えて

直ぐにアーチェリーを射る

「まだ残党狩りの途中じゃ

 無かったのか?」

「っ!?

 す、すまねぇ。」

「気にすんな、

 ほら、追加だ。」

更に2、3、4、5、6、

ひゅん、

この弦が織りなす音は

これを現実と認めさせてくれた。

結局、野党は

40人程で、

日が暮れる少し前で

一先ずの終息を得た。

そして、射った矢は、

時間が経つと

自然と矢筒に戻っていた

“綺麗になって”

「ソウスケ殿、

 此度の件、なんとお礼を言って良いか。」

村長さん大分対応変わってませんか?

「村長さん、

 悪魔で俺は

“娘さんの護衛を依頼されたんですよ”

 それ以上でもそれ以下でもありません。」

「しかし。」

「そんな事を言い出すと、

 “妾としてミネア嬢”を

 貰い受けますよとか言いかねません、

 ですので、これ以上は無駄話です、

 兎に角、食事にして貰えませんか?

 空腹で倒れそうです。」

(ソウスケさん、でしたか?)

なぜ、護衛の依頼を強調されたのでしょう?

(確かに、目は見えませんが、

 身体つきは

 それなりに自信はありますし、

 それに・・・)

「はぁ。」

「あら?ミネアでも

 溜息つくんだね。」

「もぅ、リゼイラ?

 私を何だと思ってるの?」

恐らく声がした方に向いて喋る

「残念、私は左側。」

左手を握って教えてくれる

「ごめんなさい。」

「それはコッチのセリフ、

 その左目は・・・。」

「リゼイラ!

 それは私自身の責任だと

 なんども言いましたわよ!」

そう、

私(わたくし)の左目は、

“とある薬草の煮汁が原因で失明し”

右目は、川の氾濫に巻き込まれ、

流れて来た流木に深くえぐられ、

そこからは“闇黒の世界”

「そぅ、だね。」

「そうなのか。」

あ、二人共びっくりして飛び跳ねた

「てか、俺がここに座ってたのに。」

「えぇっ!?そうだったの!?」

(わざとらしい、

 リゼイラとか言う奴、

 ・・・酔ってるな、コレは)

「ソウスケ様!」

「そっちじゃない。」

仕方なく右側へ座り直し、

拾って来た木の枝で、

右手をつっつく

「あっ///」

(・・・なんつう声を出すんだよ)

「そーすけー、

 のんでるか~。」

リゼイラ、お前は絡み酒なのか?

「飲まん、

 野党以外にも警戒すべき事はあるからな。」

「だ~いじょうぶよ~、

 この辺の“魔物は”

 C級の魔物ばかりだから~。」

(ぁ~、盛大に

 フラグを建ててくれやがった、

 さて、

 強く思えば思う程、

 装備は変わるって事は解った、

 なら、先手を打たせて貰う)

「赤外線カメラ搭載ドローン6基、

 俺を中心に、半径300m感覚で、

 飛翔開始。」

そして、

スマホを強く握り

「フルパフォーマンス使用へ、

 充電は周辺から魔力を代替え。」

瞬時に充電は終わり、

画面には、“熱源接近中”と

警告が表示されていた

「村長さん!!

 新手だっ!!

 数は6!!魔物だっ!!」

半数は酔っていたが、

半数が強襲に備え

“酒を飲んでいなかった”

「・・・はぁ。」

その際、アーチェリーでは

対処しきれない“横移動”で

渋々“太刀”を使用して、

2頭、殺した

(流石に気持ち悪い、

 二頭目の骨のゴリッて感じが

 もろに伝わって来やがって・・・)

“コーヒー”を

一人で飲んでいた

「おいおい。」

ふと気配がして振り向くと

家の壁伝いに

歩ってくるミネアが居た

「嗅いだ事のない香りですね?」

「・・・コーヒーって、

 飲み物だ、飲むか?」

「そのお声はソウスケ様ですね?」

両手で地面をなぞりながら

あらぬ方向へ進んで行く

「ほら、こっちだ。」

しっかり肩を抱え、そこに座る様に促す

「あ、あらら、すみません。」

実は、

ここで隠れて飲んで居たのは、

“食料品も強く願えば出来るのでは?”

と、その疑問を検証していたからだ

けれど、

飲料水に該当する物は出来たが、

“食用品”は、出来なかった。

「ほれ。」

マグカップを両手に持たせる。

「わ~、暖かい飲み物なんて、

 久し振りです!」

「そうなのか。」

「はい、

 この地域は、

 火種を用いても

 水が“沸騰しきらず”

 生煮えになってしまうのです。」

「そうするとここの標高は

 かなり高いと言う事になるんだな。」

「ひょうこう?」

「ぁ~、

 海は知ってるか?」

「はい、この街道を

 馬で40日かけて下った先に

 ある物と聞いています。」

「・・・その、

 海と陸の境界を0mとし、

 そこから高さをはかって、

 大体、1500mだったか?

 そこはうろ覚えだから正確じゃないけど、

 俺達が吸い込んで吐き出す、

 空気が薄くてな、水が、

 その影響を受けて、

 火で焚いても生煮えになるんだ。」

「ソウスケ様は“魔導博士様”

 なんでしょうかっ!?」

「魔導博士?」

「それだけ豊富な知識に

 先の“金属の弓”での戦闘、

 更には、反りのある長剣にて、

 魔物も討伐されたと聞きました!」

「・・・喋るなよ?

 これは、

“戦争の引き金になる事なんだから”」

「せ、戦争・・・

 そぅ、ですね、軽率でした。」

あ、そんなに勢いよく飲むと・・・

「にひゃぃっ!?」

「っとと、危ないな~。」

「か、重ね重ねすいませんっ!!

 そ、それにしても、

 苦い飲み物ですね、こーひーって。」

「まぁ、俺はこの苦味と、

 香りが好きでな、

 時折、落ち着くために飲むんだ。」

「せめて、苦味が抑えられれば、

 私も楽しめるでしょうに。」

「・・・甘くするか?」

「甘く?出来る物なのですか?」

「ちょっと待ってろ。」

ポケットから、

甘い飴を取り出し、

それを砕き、

熱めのコーヒーに溶かして行く

生憎、

間接キス的な展開は望んでいないので

別口に用意し味見をする

「・・・うん、これなら大丈夫だろ。」

「?香りはあまり変わらないような・・・。」

「まぁ、騙されたと思って

 飲んでみな?」

「むむむ、では!」

コーヒー

その不思議と鎮静を促す

香ばしい香りと、

ほのかに苦味と・・・

「甘い・・・甘いですっ!!」

「そうか、

 甘味の文化はあるんだな。」

「それはもちろん!!

 でも、

 年に数回、祭事の時以外は、

 高級品の為、

 なかなか食べられないのです。」

「その原料はなんて言うんだ?」

「砂糖(すなから)・・・だったような。」

「いや、それ、砂糖じゃないの?」

「さとう?」

「まぁ、俺の故郷で通称として

 呼んでいた、

 すなから?が

 流通の名前なら、それに合わせるよ。」

「ん~、なにぶん、

 “目が見えなくなる”

 少し前に仕入れに行った以来

 なので、どう言う字だったかも

 あやふやでして・・・。」

「・・・少し、

 実験に付き合ってくれるか?」

「実験ですか?」

「なに、コレを目にかけてくれればいい。」

(うまく機能するかは解らない、

 でも、

 闇黒よりは、せめて白黒の

 世界だけでも見せられれば・・・)

「こう、ですか?」

見掛けは普通の眼鏡だが、

中身は別物で、

骨伝導と、

超長波、短波を織り交ぜた、

“失明した人の脳に

 直接映像を送り込む眼鏡だ”

「ミアネ、

 君はもう一度

 世界を見たいか?」

「ぇ・・・それは、

 もちろんそうですけど。」

(せっかく諦めてたのに・・・)

「たとえ、それが白黒の世界でも、

 見たいか?」

「・・・見れるなら。」

「それが辛い現実を見る事になっても?」

「・・・たとえ、

 辛い現実でも、

 見えない事で見過ごして過ごすより、

 “自分の目で”

 しっかり見て、覚えておきたいです!!」

「・・・先に注意点だけ伝えて置く、

 “鏡を見ても

  自分の顔は見れない”」

「・・・わかりました。」

「ミネア専用、視覚補助装置、

 起動。」

 

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