たぶん、短編集?   作:扶桑畝傍

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銀翼獣とおっさん

ハリアーGR.9

既に退役が進み

2020年現在

何処も運用していない

だが

「今、乗っているこれは何なんだろう?」

順を追って説明出来る事は

仕事帰りだった

信号待ちしてた

「あ、後ろから追突されて

 ぺしゃんこになったんだっけ。」

(じゃぁ、ここは?

 少なくても死んだ筈、

 32にもなって

 異世界転生系ってか)

有難い事に操縦方法戦闘方法が身体と頭に

“刻みつけられていた”

真正面からの火球を咄嗟に避け

ハードポイントに搭載されている

25mmガトリングポッドを

所望“ドラゴン”と呼ばれる奴に撃ち込む

振動と撃ちだされる弾丸は、

間違いなくドラゴンの命を奪った

「アレとは違う世界って事か。」

スマホ小説の定番だと

“ロケットランチャー”並みでないと、

ダメージすら入らないからだ

「墜ちたな。」

弱肉強食、それがこの世界でも生きているのだろう

(さて、残弾は?)

「ん?」

“8”じゃなくて

「インフィニティだぁ?」

試に撃ちまくる

減らない

「なってこった。」

他の兵装を確かめる

・サイドワインダー

・マーベリック

・レーザー誘導爆弾

・クラスター爆弾

「いや待て、同時に装備出来ねえだろうが。」

降りて確かめようにも

「安全な地面が無い。」

先の墜ちたドラゴンに群がる何かは

その血肉を喰い始めていた

(それに燃料の表記がおかしい)

“MP∞”

「ゲームじゃあるまいし、

 エンジンも動かしっぱなしじゃ

 焼け付くだろうし、どうすっかな。」

真下は降りれないが

目で見える範囲は森と荒野

「太陽は一つか、そこは一緒で良いとして、

 どっちに飛ぶか。」

遠くに見えるのはかなり高い連山が連なり

旋回して向きを変える。

「・・・荒野ばかり。」

最重要は、衣・食・住。

寒いのは嫌だが

暑いのもなぁ~

“危険”

「な゛っ!?」

後ろからまたドラゴンが火球を撃って来た

「もう一匹ってかっ!?」

機体を左に滑らせ噴射口を下向きに変え

その場でバク中をかまし、

ガンの正面へドラゴンを持ってくる。

「下のなんかはお祭り騒ぎだろうよ。」

ガトリングの“心地よい振動”と

撃ち抜かれ、穴だらけになる翼で

まだ耐えるドラゴン

「サイドワインダーのサービスだ、

 受け取れ。」

僅かな振動と伸びる排煙

「じゃぁな、来世があるなら

 こう言うのに

 手を出さないようにな。」

敬礼を、墜ちるドラゴンに向ける

旋回しながら周辺をもう一度見渡す。

「・・・ふむ、

 川が見えたし、それに沿って飛ぶか。」

飛行して3時間は飛んだだろうか、

なかなか町灯りが見えて来ない

(マジか、

 水資源にそって大概の町って

 作られるんじゃないのかよ)

太陽が大分傾き“日没が迫っていた”

(まいったな)

完全に太陽は沈み

川も見えなくなりつつあった

「月は・・・。」

雲が増えだし

視界が更に悪くなる

「怖いけど、雲の上に出るか。」

出力を上げ上昇する

「綺麗だけど、

 “異世界”だと、はっきりしたな。」

地球の月とは違い

“黒い”

「黒い割には、光を反射するのか。」

雲には、“白い月”と同じように

白く照らし出されていた

(しかし、川が見えない、

 それに感で真っすぐだから

 数十キロ単位でズレるだろう)

風に煽られつつ水平飛行を崩さない様に

微調整を繰り返す

「オート・・・出来ないか。」

真っすぐ飛ぶだけでも良いのだ

そうすれば少しは休める

(・・・たぶん、6、7時間か?)

真っすぐ飛んでいるだろう

速度は500km/hで前後してるから、

既に“燃料切れを起こし”墜落している筈だ

(意識が朦朧(もうろう)とは、

 この状態を指すのか)

身体の感覚が鈍る

それでも最低限、機体を操縦する

「・・・あぁ、朝日が昇る。」

つまり、半日は操縦している事になる

(不味い・・・どこかで降りなけりゃ)

墜落して異世界生活終了も勘弁して欲しい

「した・・・はぁっ!?」

海だ

「マジかよっ!?」

反転しようにも、

どっちへ反転すればいいかわからない

(どうする・・・

 トイレも近いし、腹も減ってる)

「・・・ん?板?」

んなわけあるかっ!!

「・・・あの艦影、

 ふざけんなっ!?

 あり得ねぇだろうがっ!?

 “信濃”だとぉっ!?」

大和型3番艦を“空母化”するも、

間に合わなかった空母だ

「・・・もぅ、いい、降りよう。」

正直、キツイ以外何もない。

艦尾から進入するが、

「そうだ、ハリアーなんだから、

 垂直着陸すりゃぁ良いんだった。」

噴射口を下に向け、

速度を落とし、

中央エレベーターに着陸する。

九十七艦攻よりもワンサイズ小さいから、

乗りはするが“重い”

「エレベーター、動くのかな。」

無人、そんな筈は無い

この巨体だけで3000人は最低限必要の筈だ

「・・・なんでだ?

 トイレの位置も、炊事場の場所もわかる。」

何より、昇降機(エレベーター)の操作もわかる

ガゴンと、金属音が鳴り響き

ゆっくりと下がる

エンジンはまだ回しているので

降りきったら、奥の方へゆっくり機首を向け、

格納庫の隅に駐機する。

「起動方法がわからなければ

 動かない・・・よな?」

若干の不安を抱きつつ、

兎に角トイレ、

それから飯だ。

「塩握りでいいのか?」

炊事場に

“行き倒れていた亜人”さんに差し出す

トイレを済ませ、

炊事場で“米を炊きつつ”

他の食材を確認していたら

“踏んづけたのだ”

「よくわかんねぇっすけど、

 助かります。」

そのまま塩握りを頬張る

てか、アレルギーとか

食べれない物とか宗教とか、

そこら辺はどうなんだろ?

「ぁ、あれ?なんで?」

おや、涙が出るとは、

なにか思い出したのかな?

「まぁ、生きてる事を嚙み締めてる、

 そう言う事じゃ無いのか?」

俺も塩握りを頬張る

「うん、喰える、

 塩だ、米だ、紛(まが)う事無き、

 ここは“日本”だ。」

「どこっすかソレ?」

あ、忘れてた

「えっと、名前、ある?」

「私っすか?

 亜人に名前は無いっす。」

「ないのか~。」ソウナノカァ~

「無いっす。」

「・・・マジか。」

「って言うか、貴方も誰っすか?

 迷子っすか?」

「・・・そうだな、迷子だ。」

「へぇ~、じゃぁ自分と一緒っすね、

 いやぁ~、嵐に巻き込まれて、

 海に投げ出されまして、

 流れ着いたのがこの“陸地”でして。」

あ、これは解って無いな。

「あぁ、これ陸地じゃないよ、

 “装甲空母”と言う種別の“艦(ふね)”だよ。」

「まっさかぁ~、

 これだけ大きい船を見た事も

 聞いた事もないっすよ?」

「・・・上、上がるか。」

「うえ?」

艦橋に上がり、全体を見渡す。

「う~ん、“陸地”にしか見えないですよ?」

「まぁ、そんじょそこいらの小島よりは、

 デカいだろうさ。」

動くかわからない、

でも、やり方は解る。

「出航用意。」

伝声管に声を出す。

「出航って、これは“陸地”だと。」

どうやら違和感に気づいたな?

「・・・感覚でわかるな、

 なんでだろうなぁ、

 抜錨!!微速前進!!」

再び指示を出し、舵輪を握る。

「そんな・・・動いたぁああっ!?」

(・・・あぁ、

 こんな俺が操船して良いシロモノでは

 無いだろうに)

「速度、10ノットへ、

 進路このまま。」

機関指示レバーを巡行へ下げる。

チンチンと、ベルが鳴りきちんと動作する。

ん~、素晴らしい

この海を押し分ける感覚は

溜まらない!!

うん、

思ったよ?

“船魂”がサポートしてくれれば、

大分楽だろうって。

「・・・信濃、さん?」

「はい、

 エイジ艦長。」

あぁ、大日本帝国海軍の軍艦を、

大和型3番艦を

最後に作られた空母 の一つを・・・

“汚してしまった”

「それは大丈夫でしょう、

 祖父の方が海軍士官でしたのでしょう?」

「・・・陸でくすぶってた俺に、

 そんな事、言える資格はないよ。」

「あの、お二人さん?」

「ん?」

「何ですか畜生モドキ?」

「こら、信濃、

 亜人さんは種族こそ違えど、

 “人”扱いしなさい。」

「エージさんが変ですよ?」

え?そうなのか?

「艦長、

 ここは、

 我々の知る日本では無いのです、

 現在位置も、海も、空も、

 “我々の世界では無い”

 現実逃避はいい加減にして下さい。」

「・・・そうかい、

 だが、“艦長命令”だ、

 亜人だろうが何だろうが、

 俺が人扱いをしろと言ったら、

 “人”として扱え、

 そして、変更は無い。」

「・・・了解しました、

 後悔しても、責任はご自分で。」

「わかっている。」

「・・・エージさん、

 これも何かの縁っす、

 自分を“奴隷契約”して

 もらえないっすか?」

聞きたくはなかった

でも、その首のチョーカーは

そう言う物だったのだろう

「・・・メリットは?」

「めりっと?は、わかんないっすけど、

 身の回りのお世話とか、

 ・・・し///下(しも)のお世話とかっすかね///」

もじもじすんな

下を見るな

顔を赤くするな

「ソレに、

 異世界の殿方って、

 始めてなんで

 お手柔らかにお願いするっす///」

「・・・不潔。」

「信濃、

 使える装備品をリストアップ「敵勢語は嫌ですが?」

 ・・・種別毎に紙に書き起こしてくれ、

 それにこの3人で、

 この艦を運用出来るのか?」

「それは問題ありません、

 “信濃”は信濃ですので、

 私の意志の通りに動かせますし

 修理も出来ます。」

「・・・迎撃機は?」

「零式五二型を6機。」

「爆撃機は?」

「彗星一一型6機。」

「攻撃機。」

「天山一二型6機。」

「嘘だな、最後の10日間、

 “搭載機すら無く”

 “高角砲も機関銃座も一部のみ”

 “気密試験も簡略のみ”

 魚雷を受けた時点で沈没を運命づけられた、

 違うか?」

「・・・。」

「あの、なんの話をしてるんっすか?

 シナノさん、泣きそうっすよ?」

「亜人さん、

 これは知っておいて欲しい。」

「はい。」

「この“信濃”は、

 艦齢僅か“十日”で終えた艦なんだ。」

「え?じゃぁ、ここは?

 今居る貴女は?エージさんは?

 一体何者なんですか?」

「俺か、

 俺はトラックに轢かれて死んだ、

 信濃は、昭和19年11月29日に、

 沈没している艦だ。」

「・・・亡霊、なんですかね?」

「わからん、だが

 “この世界で生きている”

 なら、役目がある、そう

 勝手に解釈する。」

「んな横暴っすよ?」

「横暴結構、

 だが、今度はやらせん、

 “信濃”

 今から受ける改装を拒むな。」

「え?」

「どうやら、俺の我儘はある程度許容範囲らしいんでね、

 “超巨大ドック艦”全力稼働開始!」

「かっ!?艦長っ!?」

信濃を覆いつくす巨大な艦艇は、

“俺の意識にある超空母”を

信濃にどんどん施して行き

“最高練度の乗員(幽霊)”を

どんどん定着させていった。

超弩級装甲空母“信濃”

それは艦橋側に、20.3cm3連装75口径砲3基9門

左舷に集中配備した

“サイドエレベーター3基”

その間に25mmCIWS、76mm連装“速射高角砲”4基8門

その隙間に、VLS発射基2基を3種類

対艦、対空、対潜用と艦首側から装備、

右舷にも、同じく25mmCIWAS、76mm連装“速射高角砲”を搭載し

艦橋には、アクティブフェーズドアレイレーダー(自衛隊仕様)

艦首バルバス・バウにアクティブソナー

艦首下部迎撃用単装76mm速射砲2基

“重油燃焼型ディーゼル機関”18万馬力

(魔力で燃料が代替え出来るので実質航続距離に制限ナシ)

最大速力31.7ノット

「どう言う頭をしてるんですかっ!?」

「どうって、こう言う中身。」

「さっきの信濃さんでも大きすぎたのに、

 さらに大きくなりましたねっ!?」

応急注排水機構片舷容量8000トン

艦内通路自動消火設備

自動防水密扉

エレベーター装甲65mm複合金属板

飛行甲板装甲105mm複合金属板

側舷装甲126mm複合金属板

VP57%

カタパルト3基

着艦用強制制動索5本

搭載機体

F-14Dトムキャット

F-15C(ネイビーブルー使用)

ミラージュ2005-5MK.2(着艦フック改良型)

ハリアーGR.9

F-2(着艦フック改良型)

「大体なんですかこの機体っ!?

 敵勢機体じゃないですかっ!!」

「ほぇ~、

 銀翼獣が沢山いるぅ~。」

「F-2は、零式の平成版だ、

 文句言うな、レシプロじゃ

 “ドラゴンの変則飛行”に着いていけない。」

「くっ。」

「え?エージさんはドラゴンと

 戦った事あるんすか?」

「え?あぁ、

 ハリアーに乗ってこの世界での

 初戦闘だな、二体倒したぞ?」

「じゃぁ、

 “ゴンドワナ大陸は近いんですね”」

 

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