またブクマをなさって頂いた方々、誠にありがとうございます。この場をお借りして深くお礼を申し上げます。よろしければ今後とも今作品をよろしくお願いします!!
※15/1/24(土)レギの台詞を修正、さらに全文に前よりも改行を追加しました。
「まずは私から行きますか。サポートよろしくお願いしますマキアス様」
「ああ、任せてくれ。君こそ遅れるんじゃないぞ!」
すっと最前列にいる昆虫型の魔獣の前まで接近したレギは、左から右へ一直線に斬り付けて、そのまま返す刀で左に切り上げ、もう一押しとばかりに逆の方向へ切り上げた。流れるかの如き三連撃が続け様に魔獣に直撃した結果、思わず魔獣は後ろに後退る。
勿論そこを見逃すマキアスではない、すぐさまその魔獣目掛けて銃弾を一発二発お見舞いし、息の根を止めようとする。生憎当たり所か悪かったのか、それとも魔獣がしぶといのか致命傷には成らなかったが、標的の動きを止めることに成功する。
さらにレギが最後の止めだと言わんばかりに追撃を繰り出した。磨き抜かれた剣身と鋭い剣撃が急所目掛けて一直線に斬り伏せ、全ての攻撃を受けた最前列の魔獣は呆気なく消滅していく。まずは一匹仕留めた、これで残りは九匹である。
しかし、一匹仕留めた所で、その隙を突こうと思ったのか後方に控えていた複数の魔獣が、レギ目掛けて飛び掛って来る。懐から細い紙を取り出して、飛び掛ってくる魔獣を追い払おうと行動にうつすも……
「下がりたまえ、レギ!これでどうだ!!」
後ろからマキアスの声が飛び、その声に動かされるまま後方に下がると散発弾が数発繰り出され、飛び掛ってきた魔獣がまとめて撃ち落される。今が好機と見て一・二・三と撃ち落された魔獣に、ロングソードによる追撃で狩り尽くす。その剣身は硬い甲殻に軽々と斬り込んで行き、哀れ為す術もないまま何匹かの魔獣は、二人の攻撃により倒されていった。
「ありがとうございますマキアス様。中々のお手前で!」
「そういう君こそ口先だけじゃなかったんだな。中々良い反応じゃないか!」
レギは己の背後に居るマキアスに向かって、賞賛の言葉を送る。対するマキアスもそれに応じるかのように言い返してきた。
この調子でマキアスが後方から牽制と足止めの銃撃を放ち、魔獣を足止めする瞬間を狙い済ましてレギが仕留める。切っ先が鋭いロングソードの一突きが、魔獣の急所を的確に貫き、次々と倒されていく魔獣達。
レギが体制崩しとかく乱を含めた斬撃を繰り出して隙を作り出す時を見計らい、マキアスが最後の一撃をお見舞いする連携攻撃を繰り出すこともあった。これもまたマキアスのショットガンから放たれた散発弾が、複数の魔獣に確実に当たり的確に葬って行く。
それらを幾度か繰り返した末、二人は昆虫型魔獣の集団を殲滅することに成功していた。
「ふぅ~、中々手間取りました。そちらはご無事でしたかマキアス様」
「ああ、何とかな。君の方こそ怪我もないようだな。お互い無事で何よりだ」
「それは重畳の至りです」
魔獣との初戦闘が終わり、お互いにほっと一息する二人…周囲に魔獣の気配は無く、今は二人だけのようだ。コンビネーションも初めてにしては、中々の出来で及第点と言ったところだろう。欲を言えば、もっとスマートに手早く行きたいのだが、それは後々戦闘を積み重ねていくうちにコツを掴んでいけば良いだけの話だ。
「ですが、本当に助かりましたよマキアス様…貴方の援護射撃が無ければ、もっと手間取りましたから。重ね重ねお礼を申し上げます。誠にありがとうございました」
「いや、僕の方こそお礼を言わなきゃならない。僕一人だったら、あの数の魔獣を全部倒すことなんて無理とは言わないが相当難しかった筈だ。そう思うと君が居てくれて本当に助かった、ありがとう」
お互いにお礼を述べ合って、再び旧校舎の奥へと足を運ぼうと二人は歩き出して行く。
しかし奥へと足を運ぼうとした時、ふと何かに気づいたようでマキアスがレギに声をかけた。懐からアークスを取り出し、蓋を開いてマスタークオーツを見せながらである。何かの提案をしようとでも言うのだろうか。
「話は変わるんだが、君のアークスにある中央に嵌っているクオーツは何属性なんだ。僕のは地属性なんだが、生憎と攻撃魔法しか使えなくてね」
「そうですね、私のは水属性で主に回復魔法と攻撃魔法が使えますが、補助などは全くと言っていいほどありません」
そうか、と歩きながら呟く彼は顎に手をやってしばらく考えている様子を見せる。その後、意を決した表情に変わりレギに向かって提案した。
「突然ですまないんだが、君と僕のマスタークオーツ…だったか、それをしばらく交換してくれないか。その方が僕にも君にも良いと思うぞ」
「ええと、どういうことなのでしょうか」
彼の言葉の真意が分からず困惑し、しばしの間思案にふけることになってしまう。マスタークオーツを交換すると持ちかけてきたのは、一体何の理由があるのだろうか。彼の考えを推測しつつも先の言葉を待つ。
「お互い魔獣との戦闘経験はまだ一度しかないみたいだからな。だったら、初めから色々な役割を担うよりも、一つのことに集中した方が良いんじゃないかと思ったんだ。慣れないうちから、いきなり色々やろうとするとどっちつかずになるのが関の山だからな」
「つまり一極化させるということでしょうか」
「ああ、その方がお互いやることがはっきりして動き易いだろ。見たところ君は敵陣に斬り込むスタイルだし、僕は後方からの射撃に徹するスタイルだ。クオーツも攻撃は攻撃役に、治療・補助は後方支援役に集中させた方が良いんじゃないか」
先ほどレギがマキアスを説得したように、今度はマキアスが毅然とした態度でレギに向けて理由を述べた。
言われて見るとたしかに彼の提案は合理的で安全性が高まるものだ。前線へ斬り込み、敵と殺り合うレギにとって所持しているマスタークオーツは、はっきり言って相性が最悪と断じても過言ではない。敵と斬り合っている最中に、一旦後ろに引いて自分や仲間の傷を治療している暇は、自身の技量及びメンバー構成からして不可能に近い。彼の言うとおり即座に無用の長物と化すのは必至だろう。
だが、彼の提案通りに交換すると攻撃に専念することが可能になるのだ。物理的な攻撃が効かない軟体状の魔獣でもマキアスのマスタークオーツに秘められている攻撃魔法を使用すれば難なく攻撃が貫通するのだから。
さらに言えば、マキアスは得物の関係から後方射撃に徹するだろうと思われる故に、あまり最前線へ赴かないことが大半である。それはすなわち魔獣達の攻撃にあまり晒されないということにもなる。よって身を固めてもあまり意味は無いのも同然なのだ。
万が一、奇襲された時の為に防御を固める考えもあるが、それよりも最前線で斬り合いを行うレギに渡して身を固めさせた方が、結果的に損傷する確率もぐっと下がり、全体の損失の規模も抑えられるのは火を見るより明らかである。
またマキアスの方も治療の他に攻撃魔法も放てる仕様になることから、軟体状の魔獣相手にも苦戦することは無い。これは双方にとって大変魅力的な提案と言えるだろう。
「分かりました。それでは傷の治療と後方支援はお任せします」
「ああ、任せてくれ。君も斬り込み役は任せたぞ」
こうしてしばらくの間、お互いのマスタークオーツを交換することになった。マキアスは水属性のマスタークオーツをレギが地属性のマスタークオーツをアークスにはめ込む。これで己のやることがはっきりとしたことで俄然動き易くなること請け合いだ。道中の安全性も格段に上がるだろう。
彼の着眼点の良さに感服しながらマキアスへ礼を述べるレギは、先へ進もうと歩を進めた。
それから何度か魔獣との戦闘を経験し、戦い方や連携のコツを学んで行く二人。飛び猫を始めとした飛行型魔獣には、マキアスの射撃を基点としてレギの剣撃で仕留めて行く戦術を取った。軟体型魔獣には双方とも攻撃魔法を放ち殲滅する。
戦闘回数を重ねれば重ねるほどお互いの動きなどが読めるようになっていく。これはひとえに戦いが終わった後、二人共に反省点を言い合っていることも起因する。後方射撃が若干遅い故に、隙を突かれそうになっただの魔獣に接近するのが早くて、援護するタイミングが掴めないだのと洗い出し、次の戦闘に活かして行こうと話し合っているからだ。
こうやって戦闘を幾度も経験すると徐々に連携などが洗練されて行くのを二人とも実感する。明確にやることを常に決めて工夫を重ねている者は、成長が右肩上がりになるものだとマキアスを通して思い知らされる。こちらもうかうかしていると先を越されてしまうな、と競争心を刺激されて人知れず気合を入れ直すレギ。
また連携が円滑になると同時に少しずつ多彩な戦術なども練られるようになって来た。マキアスもマキアスで生き残るべく自分なりに戦術を練っているのか、レギに提案するようになってくる。
戦術も戦略も今はまだ穴だらけで場当たり的な域を出てないが、きちんと押えるところは押えた戦術を組み立てることから、軍師の素質が見え隠れしている。これから実戦経験を積んで行けば、軍師として大成する可能性が高い。あとはケンカ早い所を自制出来れば、きっと良い軍師になれるだろう。これは将来が楽しみになってきたとマキアスの見ない所で微笑んでいるレギだった。
ちなみに戦闘に慣れてきたからか、気持ちも少しずつ余裕が出てきた模様で、肩の力も抜けてきた様子がマキアスから見て取れる。次の戦闘では、より柔軟な動きが期待出来るに違いない。二重の意味で、期待感に胸を膨らませながら、二人は旧校舎の奥へと突き進んでいった。
◆
「あ…」
「そなた達は…」
「よかった。お二人ともご無事だったんですね」
迫り来る魔獣を退ける行為を何度か繰り返しながら戦闘経験を順調に積み重ねて奥へ進んで行った二人だが、分かれ道へ出くわしてしまう。どちらへ進もうか二人でしばしの間、相談を行っていたところへ二人に近づく気配と足音が聞こえてきた。
複数の足音を聞き気配を感じ取った二人は、向こうには気づかれないように武器に手をかけていた。ただ向こうに殺気を気取られると面倒なことになるので、極力殺気立たないように努める。マキアスにも下手に身構えて相手に気配を悟られないようにと指示するレギ。
かくして、二人の前まで来たのは…ラウラとアリサと、それから主席入学したと言われていたメガネの少女だった。ほっと一安心して一息つき密かに戦闘態勢を解いて彼女達に声をかける。
「ええ、そちらもご無事で何よりです」
「君たちもここまで無事に来たんだな」
どうやら彼女達も無事にここまで辿り着いたようだ。レギ達よりも一人多い上に、武術の腕が頭一つ分飛び抜けているであろうラウラが居るからには、さほど戦闘でも不都合が無かったに違いない。こういう時に実戦経験がある者が共に闘ってくれるのは心強いものだ。
「ふむ、そちらの彼もどうやら頭が冷えたようだな」
「ぐっ……おかげさまでね」
ラウラの指摘にマキアスは言葉を詰まらせながらバツが悪そうな表情で返答した。恐らくは図星を突かれて返答に窮したのだろう。
出発する時には大分冷静になっていたようだが、まだ頭に血が昇っていると感じられた。恐らく彼女もそれを感じ取っていたようだ。だからこそ、この場で彼に確認する意味でも話題をふったに違いない。
「そなたには、自己紹介がまだだったな。遅ればせながら名乗らせてもらおう」
マキアスに対して自己紹介がまだだったのを思い出したらしく改めて自己紹介を行う。お互いの出身や家柄などを言っていく内に、マキアスが彼女の家柄に心当たりがあるのか、思い出したぞと言った。レグラムを治めている子爵家の名前ではないかとラウラに問いかける。
対するラウラもあっさりと私の父が当主だと同意し認める。その上で何か問題でもあるのかと今度は逆にマキアスに問いかけるのだった。
「ふむ、マキアスとやら。そなたの考え方はともかく、これまで、女神に恥じるような生き方をしてきたつもりはないぞ。私もたぶん私の父もな」
ラウラの威風堂々とした態度と自分を恥じない言葉に、貴族に対して偏見を持っているであろうマキアスは引き下がった。他意がある訳ではない、このような態度を取ってしまってすまなかったと謝罪しながら。
(やはり革新派の重鎮の息子だけでなく彼自身も何かしら貴族に対して含むものがあるのだろうな)
そうでなければ、公然と貴族風情と罵って一緒に生活していけないと吠えたりはしない。
もしや貴族絡みで辛い出来事に直面した経緯から貴族嫌いになったのではという推測が立てられるが、現在の情報ではここらが限度だろう。まだ断定できるほどの情報が出揃ってない現状で判断するのも危ない故、これ以上の推測は止める方が得策である。
レギがそのようなことを考えている傍ら、何とか雰囲気を変え話題を逸らそうとラウラの隣にいたメガネの少女に向けて素性を尋ねる。すると深く一礼を行なった後に自己紹介を始めた。何となく今の仕草で礼儀正しい真面目な性格なのかと考える。
人間とっさの状況になった時が、一番地が出易いものだ。不意に声をかけられても、きちんと態度を崩さず礼儀正しく一礼するのを見ると根っこのところは真面目な気質なのだろう。
「エマです。エマ・ミルスティン。私も辺境出身で…報奨金頼りで入学しました。よろしくお願いしますね」
にこりと微笑みながら頷くエマと名乗るメガネの少女。言葉こそ敬語であるものの、生真面目で片意地張った態度ではなく、微笑みの表情や仕草などから柔和な物腰だと伺える。立ち振る舞いと教官から聞いた話を統合するに、成績優秀で尚且つ温厚な人間性を兼ね備える印象を地で行くタイプなのだろう。メガネが知的で生真面目な印象を持たせることに一役買っているのも大いにある。
レギは彼女の名前を聞いた途端、あることを思い出し思わず言葉が出てしまっていた。
「へぇ~貴女もエマと仰るのですか。奇遇なこともあるものです」
「え?」
エマがレギの言葉に虚を突かれた表情で呟くのと同時に、他の者も一斉にレギの方を向いた。他の者から一斉に見られたのに気づき、思わず口に出していたことを認知した彼は、ごほんとひとつ咳払いする。
「いえ、実はクロスベル市にお勤めになられる女性の捜査官もエマ様でして、偶然もあるものだなと思ってしまいました。ご気分を害されましたら申し訳ございません」
クロスベル市に在住する女性捜査官が居て、その者もエマだと説明し同名の者が居たことに驚いたと説明する。
その者はクロスベル市に設立されたクロスベル警察に勤めており、捜査一課に所属しているエリート捜査官である。もちろん捜査一課に勤めているだけあって、捜査の手腕や心構えは言うまでもなく一流のそれだ。
自ら先頭に立って指揮を勤めるタイプではないが、指揮官や長官などを補佐する方向に限っては、ピカ一と言っても何ら過言ではない。間違いなく凄腕美人秘書のイメージがしっくりと来る女性捜査官だった。
「い、いえ…気にしないで下さい。少しだけビックリしただけですから。でも、その人もエマって仰られるんですね。ふふふ、何か同じ名前で親近感が湧きます」
「もっともこうきつめで生真面目な性格ですよ。エリートだけに正義感が強くて表情も態度も堅くて付き合い難い御方です。ご自身の職務に誇りを持つことはよろしいですがね」
「そ、そうなんですか…よく知りませんけれど、凄い人なんですね。機会がありましたら、是非どこかでお会いしたいです。どのような方なのか興味が湧きましたから」
クロスベルに滞在していた頃、何度か顔合わせていた女性捜査官を思い起こしながら、エマに彼女の人となりを述べていく。すると同じ名前だけに何か感じ入るものがあるのか、直接会って話したいと述べた。
レギには、どうも目の前の少女と女性捜査官が出会ったら、少女がたじだじになる光景にしか思い浮かばない。それだけ女性捜査官が生真面目で堅苦しい印象しか浮かばないからだろうなとレギはかなり失礼なことを心の奥底に仕舞い込んだ。
「う~ん、エマ様は変わってますね。私ならお近づきになりたくありません」
「そ、そんなこと言ったら駄目ですよ。人は見かけに寄らないと言いますし、きっと見えない所で優しさをお見せしてると思います」
「ご尤もですエマ様。それでもエマ捜査官より貴女と一緒に働きたいです。片意地張らなくて済みますから」
「えええ!?も、もうからかわないで下さい!!」
「いえ、わりと本心で申し上げたのですが、お気に召さなかったようで残念です」
一連の会話を通して話がとんとん拍子に進むのを実感させられる。レギは、先ほど地下へ落とされる前にエマに抱いたイメージを若干修正した。まだこの者の素性はよく分からないが、根は善人で良い者のようだ。少なくとも悪人でもないし、捻くれた考え方もしていない純粋朴な性格だと言えよう。
むろんその場の印象だけで人を決め付ける姿勢が、真に早計で軽率なのは否めない。今の態度などが周りの者達を騙して油断させる為の仮面ということも充分に有り得るのだ。そこを忘れてはならない。白か黒かを明確にするためにも素性をあらい、裏を取っておくべきだと再三心に刻み込む。内密に素性と経歴を調べながらこれまでの行動や発言をも含めて信用できるか否かの判断材料にする…そこまでやってようやく信じられるのだ。
反面、このやり方に嫌悪感を抱いているのも事実なのが、現在のレギの心境だった。人の素性をあらうなど、する側は何とも思わないだろうが、される側にとってはいい気分などしないに決まってる。かく言う自分も探られていると分かったら警戒心を抱くし、不快感が湧き上がってしまう。
ならば素性が知れなくともこれからの行動で判断すれば良い。それだけなのだが、自分には出来ないらしい。いざ素性が知れない者を目の前にするとどうしても心の奥底で身構える悪癖がある。自分から信じなければ相手にも信じてもらえないのに、憎き元敵国の人間というだけで不信感が湧き上がるとは…。
どうやら義姉の境地に至るまで、まだまだ人生経験が圧倒的に足りないようだ。世の中、上手く行かないものだなとレギは心の中でごちた。
だが、こんな自分でも三十年間生きてきた中で、人を見る目はそれなりに養って来たつもりだ。目は口以上に物事を語るとも言うし、取り繕っても胸の内に秘める感情はどこかしら表面に出てしまうもの。まだ出会って幾らも経ってないが、負の感情などが見受けられないことを考えると悪辣な性格じゃないと判断しても良い。そうであって欲しいと願うレギだった。
「あ~ごほんごほん、二人とも僕達のことも忘れないで欲しいんだが…」
「おおっと、申し訳ございません。それでは話を元に戻しましょう」
危うく話の腰を折りそうだったところを、マキアスのわざとらしい咳払いで何とか軌道修正を図る。ラウラはそんなやり取りを興味深そうに見守り、アリサに到ってはジト目でレギを見ていた。
もしかしたら、アリサの方は口説いていると誤解して、これだから男は…と内心軽蔑してるのかもしれない。別に口説いてる訳でもないのだが、それを口にしたが最後…さらにややこしい事態になるのは明白で黙っていた方が賢明だと考える。これからの学院生活を見越して人間関係に無用な亀裂を入れないに越したことは無い。これ以上、自身の印象が悪くなるのを避けるべく必要以上の発言は慎むべきだ。
その後は、アリサとレギの自己紹介を済ませて、これからどうするのか話し合いを行うことにした。すると丁度そこへリィン達も居合わせて、三つのグループが顔を合わせる結果となる。
リィン達の班には、リィンとエリオット及び褐色の肌をした背丈が大きい青年もいた。手には十字の形になっている槍を携えている。名をガイウス・ウォーゼルと言うらしい。これまた逞しそうな青年であるようで、体格や身にまとう風格から魔獣との実戦経験を幾つかこなしているようだ。北の辺境に広がっているノルド高原から来た留学生らしく、帝国は初めてであるのにも関わらず、堂々としていて落ち着きがあるのは、実に頼もしく見えた。
またお互いの武器を見せ合い、自分達の戦闘スタイルを再三確認し合う。ラウラは近接型の大剣使いで、エマとエリオットが同じく導力杖で中衛ないし後衛からの支援タイプ…リィンは太刀による近接型で、アリサは導力弓での後方射撃タイプだとのこと。
それから合流したラウラの班とリィンの班の話を統合するに、銀髪の少女は勝手に一人で奥へ行ってしまったらしい。何でもラウラが声をかけようとする前に、既に歩き出していたようで、後ほど会った時にでも誘おうと思い、アリサやエマと共にここまで来たのだと言う。リィン達も道中では銀髪の少女を見ていないと述べ、だったらどこに居るのかと狐に包まれたかの如く訝しげな表情を浮かべるだけだった。ユーシスはユーシスで、レギとマキアスより先にさっさと行ってしまった為、今どこにいるのか検討も付かない状況だ。
最初からチームの統制が取れてないことに若干不安を感じるも、そもそもチーム統制を乱したのは自分達なので、あまりとやかく言える立場ではないレギは大人しく黙っていた。
「さて、マキアス様これから如何なさいますか。ひとまずリィン様達かラウラ様達の班と合流されますかね」
「う~ん、そうだな。僕と君との二人だけだと少し心元ないな。僕達は二人ともあまり戦闘経験を積んでないから、慣れてないのもあって安全性に欠けるキライがある。そうだろうレギ」
「ええ、奥には今まで以上に手強い魔獣が徘徊してるかもしれません。もちろんオリエンテーリングですから、流石にこちらに死者が出る程の凄まじく強い魔獣は居ないと思われますが、それでも万が一を考えますと…」
「合流した方が断然良いに決まってる、か……」
ええ、とマキアスの言葉に頷いて同意するレギ。何しろ慣れてない二人のままで行くよりも、実戦経験豊富な者達と合流し、その者を補佐しながら経験を積み上げて行く方が、安全かつ確実に先へ進めるのである。
戦いは一度では終わらない…曲がりなりにもここが仕官学院である以上、オリエンテーリングだけではなく、これから二年間の学生生活で嫌と言うほど対人戦闘と魔獣戦闘の経験を積んでいく事になる。だからこそここで無理をしても意味があまりないのだ。
それに軍事学校という側面もあるからには、当然集団戦法も叩き込まれるうえに対応力なども求められる筈だ。故に今のうちから慣れておくのも悪く無い。
「よし、レギ…ここは君の言う通りにしよう。意地張って二人だけで行って大怪我でもしたら、笑い話にもならないからな。確実を期する為にどちらかの班に入れてもらおう。すまないが、君達もそれでかまわないか」
「ふむ、こちらは異存ない」
「ああ、こっちもだ二人とも」
マキアスがレギの提案を受け入れ、ラウラ班とリィン班に同行を許可してもらえるか尋ねた。幸いどちらとも快く了承したようで、こう言った者達の人当たりの良さには窮地に陥った時に助かるものだと改めてありがたみを思い知る。
またマキアスの発言にも一安心させられたのも大いに関係がある。出発点前までは、変に意地を張って後先考えない無謀な行動に出ようとしていたが、普段は冷静できちんと物事を的確に判断できるだけの器量を持ち合わせるのが判明した。これでユーシスの鼻をあかすために二人だけで行くと言い出したら、内心頭を抱えていただろうとレギは確信していた。生憎とそのような事態にはならなかったが…。
「それで問題なのは、私達二人はどちらの班に組み入れて貰うかですね」
「ああ、普通なら僕達はリィン、だったか…そちらに二人とも入れて貰うのが妥当だろうな」
「たしかにそれが無難でしょうけれど」
だが、ここで難点が浮かび上がってくることにマキアス達は気づいた。それは何なのかと言うと彼等が所持する得物の関係で、戦力のバランスを著しく欠いてしまうことだ。
何故ならリィン班の得物と言うと、リィンは東方から伝わった太刀で近距離の間合いを主としたもので、褐色の肌の青年は十字槍でやや中距離の間合で戦う武器であり、エリオットに到っては導力杖である故に中距離から遠距離用の武器だからだ。そこにレギとマキアスを加えたらどうなるのか。
前衛をリィン・レギ・ガイウスの三人で占めてマキアスを中衛、エリオットを後衛に置く言わばT字型の陣形にするのが一番無難だ。あるいは前衛をレギとリィンの二人に任せ、ガイウスを一歩下がった位置から、二人の隙間を縫うように槍を突いて行くのを主とした陣形にするかなのだが、これだとマキアスが手持ち沙汰になってしまう。
マキアスはショットガンを武器としているが、これは近距離から中距離の間合を主としたもので、一番厄介なのは広範囲に銃弾が散開するという点だ。従ってマキアスの前に仲間が居たら、下手すると仲間に銃弾が当たってしまう恐れがある。ならば、そうならないようにマキアスを最前線へ配置するという手もあるが、そもそも彼は実戦経験が少なく、敵の攻撃を避ける技術が鍛えられていないことから、前線へ出すのは無謀の極みとしか言いようがない。
更に言ってしまえば、レギの戦闘スタイルが敵陣へ斬り込み、手数などで相手をかく乱させて隙を作り出すスタイルから、前衛をリィン・ガイウス・マキアスにしてしまうと今度はレギの長所を殺すことになってしまう。リィン・マキアス・レギを前衛として配置し、ガイウスを中衛にエリオットを後衛に配置する陣形もありと言えば有りなのだが……。
「……どう考えても、私がお荷物ですね。私はラウラ様の班へ参る方がよろしいでしょう」
「う~ん、僕が彼女達と一緒に行く選択もあるにはあるんだが…」
「それだと大剣・ショットガン・導力杖・導力弓の構成で前衛かつ近接型がラウラ様お一人になり、他の方が皆後方射撃になってしまわれます」
「ああ、幾ら彼女が魔獣との実戦経験が豊富だと言っても、それでは負担がかかりすぎだろう。悔しいが戦闘経験が乏しい僕に、彼女と同じく壁役をやれと言われても無理だぞ」
「ふむ、私はそれでも構わないがレギにマキアスとやら。これも修行の一環だと思えば…」
「ラウラ、気持ちだけありがたく頂くぞ。気持ちだけな」
ラウラがこちらの意を汲んだかのように、自分達はそれでも構わないと言ってくれるも丁重に断りの言葉を伝える二人。ここで彼女の厚意に甘えて彼女に負担を強いる訳にもいかない。
戦いにおいて、何が原因で怪我及び死に直結するか分からないのだ。だったら、極力リスク回避は予め行うべきだろう。どう考えても怪我の元になりそうな要因は排除するべきであるし、行動もなるべく慎むべきなのだ。それ故に実戦経験者一人に未経験者多数の構成は避けた方が賢明と言う他ない。実戦経験者一人に対して三人が限度である。人はどんなに有能であろうとも二人分以上の働きなど出来ないからだ。
またラウラは立ち振る舞いから騎士道精神溢れる女子だと予測することが出来る。そういった者は元来の気質が災いし、仲間を攻撃から庇おうとするものなのだ。自分達はまだ実戦経験が乏しい者達で敵の攻撃を咄嗟に回避するなどという芸当は到底出来ない。とすると必然的に咄嗟に動ける者達に守る事を強いてしまう。従って、守る対象が多ければ多いほど彼女の足を引っ張ってしまい、要らぬ負担を強いて通常よりも疲弊させる結果となる。
一方でラウラ班に二人とも入れて貰う考えもあるにはあった。これならば前衛をラウラ・マキアス・レギとし、中衛を導力杖のエマが後衛には導力弓を携えるアリサを配置してT字形の陣形にすれば、お互いが存分に力を振るえる構成にはなるのだが、その分ラウラの負担が尋常ではなくなるデメリットかつリスクも兼ね備えていた。ラウラをあえてサポート要員に振り分け、四人で戦いながら戦闘経験を積ませ、少しでもラウラの負担を軽くする方針もありだと言えばありだったのだが。
「ここは、私がラウラ様の班に入れて貰う事に致しましょう。先ほどお聞きしたところ、ラウラ様は大剣が得物でしょうから、自ずと戦闘スタイルは分かります。
さしずめパワーファイター型でしょうから、手数で相手をかく乱して隙を作り出すスタイルを主とする私とは幾分か相性がよろしいかと思われます」
「そ、そうなのか…?」
マキアスに自分がラウラの方へ行くこととその理由も併せて告げる。マキアスの方は、まだ実戦経験が少ない上に、武術や戦闘に精通していないことから釈然としない表情で確認の意味合いを込めて尋ねて来た。そこはこれから軍事訓練や魔獣との実戦経験を通して観察眼を磨いて行けば自ずと分かることだ。
ラウラの得物を先ほど見聞きしたレギは、その形状から両手持ちの大剣…言わばバスターソードと呼ばれる代物だと予想し、手数の多さや小手先を弄して戦うスタイルではなく、一撃の重さを重視して戦うパワーファイター型だろうと考えていた。なれば、自分の戦闘スタイルとは幾分か噛み合うのではないかと思っていた。
生前の実戦経験から、大剣使いとコンビを組んで戦うことも多々あり、立ち回りや戦法及び連携方法もある程度、身に染み付いているのだ。尤も実際に試してみないと何とも言えない所もあるが、戦術かつ武術における一般的な解釈においては、かなり相性が良いという結果になるはずである。
自らの見解を皆に伝えて、これで良いだろうかとリーダー格の二人に尋ねた。 幸い女性陣もさして反対の声が上がらず、男性陣の方もマキアスを入れる方向で承諾してくれた。内心すんなりと承諾してくれてほっとしたのだった。
「そうだマキアス様、マスタクオーツをお返ししますね。今までお貸し下さってありがとうございました」
「ああ、こちらこそ今まで貸してくれてありがとう。君とはここで一旦別れるが気を付けたまえ。お互い無事にゴールまで到達しよう」
「ええ、それではご武運をお祈りしますマキアス様」
「ああ、女神(エイドス)の加護を!」
今まで借りていたマスタークオーツを返して、マキアスを含むリィン達に別れを告げて、一足先に奥へ進む女性陣と共に進むことにしたレギ。未だ消息が掴めていない銀髪の少女とユーシスも見つかれば良いのだが、いったいどこへ行ってしまったのか心の中でため息をつく。
とりあえず連絡手段の確保をと別れる直前にアークスでマキアスに通信を掛けようとするも導力波が届いていないのか、うんともすんともしなく繋がらないことが分かって頭を抱えてしまった。連絡手段がないのでは、いざ彼女達を見つけた時に別チームへ連絡のしようがないではないか。尤も外観からして古めかしいことから相当前に建てられた建築物な為、導力波が届いていないのは何一つ不自然なことではないのだが、こちら側にしてみれば不便なことこの上ない。已む無くリィンとマキアスには、護符を幾つか手渡して何かあった場合、それで連絡を取り合うことに決めた。
余談ではあるが、リィンとマキアスに手渡した護符には特殊な術式が描かれており、画像や音声をもう一つの護符まで送れる仕組みになっている。だが、この術の最大の欠陥は困ったことに“秘匿性”と“隠密性”が全くないことだ。画像と音声が同時に送られてしまう故、周囲に映像も音声もだだ漏れになってしまうのである。
アークスもまた同様で、相手から通信が入る際に若干大きな音が鳴ることから敵に音を聞かれたりでもすれば最後、居場所を察知されてしまう。そう隠密行動や潜入捜査には全く向いていないのが、エプスタイン財団製のエニグマとラインフォルト製のアークスにおける現時点での欠点だ。音と振動付きにすれば、この問題点はある程度解決に導けるだろうが、そもそもこれだけの大きさの導力器が震動したら、その際に発生する音も馬鹿にならない。どちらにせよ敵に察知され易くなるのは避けようも無い事実なのだ。問題が山積みである。
前世では念じる力を介して水面下での通信が出来たが、この大陸へ生まれ落ちた代償なのか、そのような芸当は全く出来なくなっていた。名実“人並みの能力”になったということなのだろう。
たしかに今のような状況に陥った際、不便だと感じることは多々あれど、逆にこれで良いのだと思うようになった。何故ならこの身体になったおかげで、“縁”や“チームワーク”の大切さを改めて教えられたからだ。
“ヒト”は全知全能の神でも無ければ何でも出来る超人でも無い。ヒト一人で出来ることなどたかが知れている。だからこそ他人に心を開き、繋がりを培って心を通わせ自分には出来ないことを相手に託すのだ。それもまた一つの立派な“力”と言えよう。他人を頼るのは“恥”でも無ければ“甘え”でも無いことを胸に刻んでおかなければならない。そうでなければ、前世の二の舞に成るだけなのだから。
―――おれは民衆を…ヒトという生き物を軽蔑していた。
英雄(めがみ)が居てくれれば、自分達が何もしなくとも彼等が自分達を救ってくれる!神童(みこ)に泣いてすがれば自分達はただ震えているだけでいい!!
自分達は何も出来ぬくせに、都合のいい時にだけ英雄達にすがって、いざ成果が出せなかった…あるいは都合が悪く成ったら彼女達を人柱にして迫害を始め、自分達の責任から目を背けて自分たちでは何一つやろうともしない!他人にすがりつくしか能が無い弱くてちっぽけな者達…そんな身勝手で醜悪な内面を持つ者達を心から憎んだ。
そして、その中に己自身も含まれていることが、誰よりも…何よりも認められなかった!認めたくなかったのだ!!だからこそおれは、タナトス・グリーシリアという弱くてちっぽけな器を乗り越え、“ヒトを越えた存在”になろうとしたのだ!!
感情に流れされず的確な判断を下せる圧倒的な理性、身分や出生…民族などの外部要因に影響されず…己自身の道を歩んで行ける程の圧倒的な力、得られた情報を正しく活かせる圧倒的な知性!!
それらを行使すれば今度こそおれは、正しき道を歩んで行ける。初めから正しい道を選ぶのならば…このような醜い感情に苦しむことも無い…理不尽な生まれに嘆くことも…ままならない己の道に…悲嘆にくれることも無くなる!!
だからこそおれは…ヒトを越え管理者達をも越え、そして運命すら乗り越えた存在になろうとしたのだよ―――
かつて死に際にて仲間達へ吐いた本音が、たった今脳裏をよぎっていく。前世における己が成そうとしていた事、死に際に理解したこと…最後に沸き上がった感情…それらが今になって鮮明に蘇ってきた。
これは己自身の力に溺れてはならないという啓示なのか、それとも過去の自分が現在に忠告したのか、それとも過去の自分にあった儚き淡い想いの残り香なのかは分からない。
だが一つだけ分かっていることがある。それはこの学院でもう一度やり直すことが目下の目標だということだ。どこで間違ってしまったのか、どうすれば良かったのか、そして現実とは如何なるものなのかを見極める為に、だ。それが罪を償う為の一歩となることを信じて今は学んで行くことだけを胸に刻み込んで歩いて行こう。
レギは先ほどよぎった記憶を振り払い、女子達に置いてけぼりにされぬよう歩く速度を速めた。
彼等のオリエンテーリングは、まだ始まったばかりである。
如何でしたでしょうか、ショットガンの勉強を只今致してますがショットガンは弾さえ厳選すれば、弾が弾け飛ぶまでの距離を調整出来るようですね。弾の種類にもよりますが200m先から弾け飛ばすことも可能らしいです。
こうして見るとショットガンも結構遠距離からでも狙えるんですね、初めて知りました。たしかにこれは初心者用にもうってつけと書かれる訳です。納得致しました。
誤字脱字の指摘、もっと漢字を開いてくれ!という要望や感想からお待ちしております。
それでは皆様、ここまでお読みになって下さり、誠にありがとうございました!!
以下オリ主の簡単なプロフィールを載せておきます。
レギ・オルフィーユ
『私はエレボニア帝国とエレボニア政府、ユーゲント皇帝陛下を生涯許さないでしょう』
『今理解したよノバルティス博士。お前ではヨルグマイスターのパテルマテルに勝てんよ。何百年経とうともな!!』
『自分の好奇心と自己顕示欲を満たす為に、物を創るお前ではヨルグマイスターどころか、このおれですら勝てんよ!!ノバルティス博士!!』
『物に対する愛情が欠落しているお前なんぞに魂など吹き込めるものかよ!!だからこそ前世代のパテル=マテルに負けたのだろうが!!』
~復讐心を胸に秘めた青年は、己を乗り越える為に罪を償う為に帝国へ渡る~
貿易都市クロスベルから渡ってきた元導力学者、元はレマン自治州にあるエプスタイン財団所属の導力学者だったらしい。クロスベルのIBCに設立された財団支部に勤めていたが、理由があって仕官学院に入学、七組に入ることになる。
時折リィン・アリサ・ラウラ・エリオットを通して誰かの面影を見ているかのような表情もする一面がある。本人が黙して語らない故にレギ・オルフィーユの名前及びエプスタイン財団所属の導力学者以外、確かな経歴などが分からず素性が知れない青年。
因みにフィー曰く『どことなく血の臭いがする。戦場帰り?』とのこと。
身長:178リジュ(178cm)
戦闘スタイル:長剣と短剣を駆使した二刀剣術と護符他。
武器:グラヴァルド(80リジュ状のロングソード)&フォニカス(30リジュ状の短剣)
タナトス・グリーシリア
『命の尊さを吐き違え、精神を堕落させる女神なんぞおれ達には要らないんだよ!!』
『今この時を精一杯生きる。だからこそ生命の尊さを理解し、無意味な殺戮を防止出来るのだろう。
故におれは転生を拒否する。己の生命の価値を守り続ける為にな』
~愛を捨てた青年が一番欲したのは生きることではなく、自己確立(アイデンティティ)の証明でもなく、何でもないただの母性愛だった~
レギの夢や記憶に出てくる謎の青年。どうやらレギと密接に関係あるようだが…?
身長:175リジュ
武器:背丈ほどある戦鎌(イリス)&ダブルセイバー(ギャレオス)、護符他