突如文字数膨れ上がって15000字強。初手オリキャラ登場です。
ルビの振り方が知りたいこの頃。だいたい漢字表記ですが、各自で読み取って下さい。例:管理機関→ギルド
では、どうぞ。
迷宮都市オラリオ。未だ果てを知る者のいない迷宮と、数多の冒険者を抱える巨大な都市。その市壁上では2人の男女が互いの武器である拳と槍を目にも止まらぬ速さで振るう傍目からは壮絶にも思える戦いが行われていた。
その2人の腰には猿の尾が巻かれている。彼らは亜人のうち、猿人(ワーエイプ)に分類されるので無論、自前だ。
「らァっ!…ふー、やっぱ強ぇよなスピナは」
男は延々と続くかと思われた一進一退の攻防を打ち切り、満面の笑みを浮かべてそう言った後地面に背中から倒れた。
「…ジンも強くなってる。まだレベルは私に追いついていないけど、時々私も負けそうになるから」
「よく言うぜ、先手を譲る上にゼロ距離での戦闘なんて縛りを付けてるのによ」
スピナは表情1つ動かさずジンを評価し、ジンは不平を口にする。
「アーァ、これじゃ告んのはまだ先になりそうだなぁ」
上級冒険者の耳にも入らないような小声でぼそり。首をかしげて見つめる彼女になんでもないと誤魔化す。
「おい、お前達。こんな所で油を売る暇があるのならこちらを少しは手伝ったらどうだ」
2人を咎めたのは短髪の怜悧な相貌の女性。実はこの2人、職務中だったりするのである。
「あーはいはい、分かったよシャクティ。…まったく、普段デカい【ファミリア】が2つ消えたからって調子に乗ってる奴らをシバいて回ってるんだから少しくらい息抜きしたっていーじゃんかよー」
注意されてなおもブツブツと小言を言うジン。さっきから駄々っ子のような言動が目立つが、彼は本来さっぱりとした気質の好青年である。ただ、今は連日の任務に忙殺され鬱憤を抱え込んでいるだけで。
そんな彼を尻目に「ごめん」と口数少なく謝罪したスピナは本来の務めであるオラリオへの入国審査へ戻る。
「あ、ちょっと待てって!俺も行くからー!」
ジンは慌てて階段を下る彼女の背を追った。
彼らは自他ともに“群衆の主”と称する神ガネーシャの恩恵を背に刻む眷属。シャクティはその【ガネーシャ・ファミリア】をまとめる団長であり、スピナは幹部、ジンは構成員である。
【ガネーシャ・ファミリア】はかつてオラリオの頂点にいたゼウス、ヘラ両名のファミリアが壊滅した後パワーバランスが崩れたことで台頭した【闇派閥】や新興派閥から無辜の市民を守る言わば警察の役割を担っている。その他にも様々な役割をこなしており、混迷を極め『暗黒期』とも揶揄される現在のオラリオには不可欠の存在だ。
「ん、あれ?あの髪型に髪色、どっかで…」
自分の持ち場に付こうとして移動する最中、見覚えのある人影を認め振り返るジンだったが。
「おい、これ以上仕事を蔑ろにするというのなら私にも考えがあるぞ。…三日間の鍛錬、組手、ダンジョン探索の禁止、とかな」
冷たく突き放すような一言に震え上がった。
「ゲェッ、それは勘弁!ちょ、待、シャクティ!」
これらは全てジンのライフワークであった。何を隠そうこのジンも戦闘民族の出。やはりと言うべきか戦闘狂の気は持ち合わせている。
己の前をスタスタ歩いていくシャクティに焦ったジンはそれ以上の知人らしき人の観察の中断を余儀なくされた。
「さんを付けるか団長と呼べ、まったく。」
悪かったと言いつつも最早恒例となりつつあるやりとりを交わしながらジンは先の人物の後ろ姿を想起する。
「やっぱ似てるよな、アイツに。…元気にしてるかなぁ村の皆」
数年前想い人を追って村を出たが、自分を慕う年下の子ども達の中でも印象に残ってるのがその子。レーベ・ロークァットという名の族長の一人息子だ。
よく自分に懐いていて血の気が多いあの村の中でも強くなることに人一倍貪欲だったことを覚えている。1度モンスターを目の前で屠ってから目を輝かせて特訓を頼み込んできたこともあった。
だが、よく考えてみれば己が言うのもなんだがわざわざ極東なんてところからオラリオまで上京する理由はあの子にはないはず。
それにあの人影にはレグ村の戦士たる証、尻尾が見当たらなかった。であればやはり他人の空似である可能性が高いと言える。
やっぱ勘違いか、と結論づけて大人しく仕事場に向かうジンであるが、先程までスピナと交戦して熱を持った体が更なる戦闘を訴える手前。
「あー退屈だ!体動かしてぇー!!!」などと喚き出すことになるのはまた別のお話。
「入国許可証はあるか?」
オラリオの入国審査をしている衛兵の問いにボロボロの布を纏った小柄な少年はふるふると首を横に振る。
「ファミリアに所属しているか?」
少年は言葉の意味が分からないというふうに首を傾げる。
「あー…神の恩恵を刻んでいるか、って意味なんだが。背中を見せてもらうことは出来るか?」
小さく頷き、衣服というのもおこがましい身にまとったボロ布を取って背中を露わにする。
「…『解錠薬』にも反応無し、と。よし、通っていいぞ。なぁボウズ、これはただのおっさんのお節介なんだが…オラリオに何しに来たかは知らねぇが早々にくたばるんじゃねぇぞ。いいな?」
いそいそと布を被り直す少年は暫し押し黙り、感謝を口にした。そして続ける。
「俺は、この場所に──オラリオに、誰にも負けない力と家族を求めてきたんだ。それを手に入れるまでは絶対に死ねない。…死ぬ訳にはいかない。大事な、約束だから」
額に巻いた、身につけたボロ布にも負けず劣らずな有様の鉢巻にそっと触れ、顔を上げて衛兵を見る。
「…いい目だ。ボウズ、万年衛兵の俺が言うのもなんだがもしかすると大成するかもな。…いや、そうなることを祈ってるぜ」
衛兵はワシワシと乱暴に頭を撫でる。お世辞にも綺麗とは言い難い身なりの少年にも親身に対応する衛兵は昨今のオラリオでは珍しい善人のそれだ。
「あぁ、もし身寄りがねぇのならこの門を入って大通りを道なりに行けば『ギルド』がある。そこじゃ色んなもんが斡旋されているから帰る場所にせよ当面の食い扶持にせよ探すにはもってこいだぜ」
都市へと足を踏み入れようとしていた矢先に後ろから投げかけられた衛兵の助言に、少年は振り返る。衛兵はやや待たされた次の入国希望者に忙しく業務を行っている最中だった。
少年は彼に深く頭を下げ、教えられた通りに道を歩んでいく。
現在、管理機関の窓口を受け持つ狼人の美女は己の下に飛び込んできためんどくさい子供の面倒を見るのに辟易としていた。
つい先程自分のところに転がり込んできたカウンターにも届かないような背丈のボロ布の少年が、およそ一般常識であると思われることすべて何も知らないような状態だったからだ。
受け答えからしてどこぞの辺鄙な場所からオラリオにまで出向いてきたのは確実。そして付き添いの人間がいないあたり何かワケありだ。断じてタチの悪いイタズラなどではない。であれば自分は即刻見抜いてあしらっている。
わけアリだと確信したのもなにせ第一声が「誰にも負けない力と、家族が欲しい」だ。
そしてその要領を得ない要求に「…つまり、どこぞの【ファミリア】に入ってダンジョンに潜る『冒険者』になりたいってこと?」と問い返せば首を傾げる始末。
共通語での会話が一応出来ているので何がわからなかったのか問うてみたところ、まさかのフルコンボ。【ファミリア】もダンジョンも『冒険者』も知らないときた。
流石に年端もいかぬ子供相手に大人気ない対応をとる気にはなれず、一応ギルドの職員として面倒くさそうなたたずまいを直そうとし──隠しきれぬまま──常識と言える知識を一から目の前の少年に教える羽目になったのだ。
「ありがとう、ローズさん。」
内心ため息を吐きながらも子供の真摯な目で見られるとこちらも相応な態度を取るしかない。
「礼には及ばないわ。一応ギルドの職員だし、説明や案内には慣れているもの。(とはいえここまで無知な子の相手は久々だけれど)」
「そんなことより」と、脚が高めの椅子に座らせた目の前の少年の目を真っ直ぐ見つめる。
「もう一度聞くわ。貴方は本当に冒険者になりたいの?」
即答だった。間髪を入れず少年は答える。
「ここで強くなるためにダンジョンに行かなきゃいけないっていうのなら、なる」
別に強くなるためにダンジョンに潜ることは必須ではない。ただ少年が目指す『誰にも負けない力』を手っ取り早く手に入れられる手段ではある。ただし、言わずもがなそこにはどうしても死の危険が付随する。
めんどくさがり屋でありながらも面倒見がよく、危なっかしい人間を放っておけない質のローズは語気を強めて少年を問い詰めた。
「何がそこまであなたを駆り立てるの?事情は知らないし詮索するつもりもないけど、命を危険に晒さなくたって贅沢は出来ないまでもここで生きていくことは出来るわ。家族を見つけることだって探索系でなくとも【ファミリア】はそれこそ星の数ほどある。一部はおすすめ出来ないけれど。富や名声を欲するのならもう少し大きくなってからでも──」
「俺の村は怪物のせいで滅びたんだ」
一言、感情を表に出さないまま少年は言った。
「父さん、母さん、知り合いのおっちゃん達に年上も年下の子もみんな──多分俺以外、全員アイツに殺されて、家も…何もかもが焼かれた」
この齢にして天涯孤独の身であることは同情に値するが、そんなものはこの怪物が蔓延る下界の至る所で見られる。ましてこの物騒な情勢のオラリオであればそこらに転がっている悲劇だった。ローズは冷たいと自覚しながらもそう頭の片隅で考える。
目を伏せ、滔々と事情のみを吐き出す少年は自棄なのかそうでないのかは判然としない。だが、この歳で冒険者になることがまともな選択だとはやはりローズには思えなかった。
「だからって死に急ぐことなんてないわ。冒険者として強くなることに時間制限なんてさほどない。上位になればなるほどそれは顕著に──」
己の知る怪物の血に塗れ、剣に取り憑かれた少女を思い出しながら、少年の説得を続ける。
「そんな悠長にしてる時間なんてない!…いつ、理不尽が襲ってくるかなんて分からない。それで俺の大切な人達はみんな死んでいった。だから俺は早く強くならなきゃいけない。父さんに誓って、何者にも負けない最強の戦士に俺は──」
ローズの言葉に貸す耳をもたず、一歩も譲ろうとしないまま頑なに己の信念を振りかざす少年に対して、相手が子供であると理解しながらもギルドの受付として帰らぬ冒険者を山のように見送ってきた経験が思わず頭に血を上らせた。
「死んだら全てが無くなるのよ!?貴方の決意も親の想いも、全滅した村でたった一人生き残った貴方が死ぬことで散っていった皆の命も浮かばれないじゃない!」
普段大声を張り上げることのないローズの叱責に周囲の冒険者やギルド職員も何事かとそちらを見やる。
その視線に気づいたローズは、カウンターから乗り出し気味だった上体を引いて咳払いを一つ。
「大声出してごめんなさいね。けれど、もう一度考え直して欲しい。その年で怪物犇めくあの大穴に挑むことが何を意味するのか。あそこは大の大人であっても数多の苦難を乗り越えた歴戦の猛者でもあっさりと命を落とす場所なのよ」
「…わかってる。けれど、俺は死なない」
先程散々ダンジョンのことを説明したと言うのにぬけぬけとそんなことをほざく少年に先の怒りが蘇る。
「だからその態度が既にダンジョンを舐めてるって──!!」
いきり立つローズの言葉を少年は強引に遮った。
「俺は!…この約束を果たすまで何がなんでも生きてみせる。生き延びてみせる。じゃなきゃあの場で生かされた…皆が、父さんが生かしてくれた意味がなくなっちまうから」
少年が言うのは、結局世間知らずの世迷言だった。ダンジョンの厳しさを知らぬ子供の戯言に過ぎない。今まで帰らなかった冒険者達が口にしていた根拠の無い自信と大差なかった。
けれど、その目が秘めた生への執着、強さをひたむきに求める意思は確かで、それを僅かでも信じてみようとローズに思わせるだけの何かがあった。
「…はァ…まぁあの娘よりは、マシ、か…
わかったわよ、もう。貴方がどうしても冒険者になるって言うのなら口出しはしないわ。…これ」
少年の眼前に羊皮紙とペンが置かれる。
「何とぼけた顔してんのよ。」
素っ頓狂な表情で固まる少年にもはやぞんざいな態度を繕うこともせず、雑に紙を指さす。
「一応ファミリアに掛け合うための紹介状…とまではいかないけど履歴書みたいなものを書いたり入団希望の掲示板に貼り付けてあげるから、そのために最低限必要な情報を書きなさい」
尚も少年の目線は戸惑うように目の前に差し出された紙と受付嬢の顔をいったりきたり。
「…あんだけ大見得切ったんだし、シャキッとしなさいよ。強くなりたいならそれなりのところ入らなきゃでしょ。…ほんとは特定の人に肩入れするのは無しだけど、違反にならない程度に少しぐらいは手伝ってあげるわよ、ファミリア探し」
「意外、だったな。母さんだったら絶対に認めてくれないのに」
性格は似ても似つかないものの、面倒見の良さと人の身を案じた時の頑固さがそっくりであったために少年は特に深く考えずに言ったが、母親が故人であると知った手前ローズは軽々しく触れるわけにもいかなかった。
「…ともかく、まずは名前の欄。そっから順に記入していきなさい。まぁ、別にそれほど埋めなくても構わないっちゃ構わないけれ、ど…!?」
ローズの語尾が変なことになったのは、少年は若干怪しい手付きながらもなんとか共通語を書けていたが、急に目を疑う記述が出てきたからだ。
名前はレーベ・ロークァット。年齢はだいたい10歳。出身地は極東の大陸にあるレグ村。種族は亜人:猿人(ワーエイプ)
驚くべき事実を前にローズは目を剥き身を乗り出してレーベに迫る。
「ちょっと、貴方あの村の出身なの!?てことは滅びたっていうのはまさか、そんな、あの村が?それに貴方の姓もどっかで…ていうか貴方あんなとこからここまで1人でやってきたの?…あと貴方亜人の要素どこにも見当たらないじゃない。尻尾は一体どうしたのよ?」
途中で声量こそ落としたもののレーベに矢継ぎ早に質問を飛ばす。困惑気味のレーベに一言断りを入れて再度仕切り直すように問うた。
「それで、一つずつ確認していきたいのだけど、その滅びたっていう村はレグ村で本当に間違いないのね?」
頷くレーベに嘆息するローズ。
それもそのはずだった。10年前ほどのオラリオに突然あらわれ突然消えていったLv5に近い実力を持ちながら【神の恩恵】を持たないというふざけた男を筆頭に、近年では【ガネーシャ・ファミリア】が4人ほどその村出身の者を抱えているがその全員が凄まじい速度でランクアップし──1人は絶賛最速記録を更新中──ているといったトンデモ人間(亜人)達を輩出した村、それがレグ村なのだ。
村の外に出てきた者が例外なのかと思えば、村の戦士達は軒並みLv2相当、強い部類ではLv3相当もいるらしい。そいつらも例のごとく恩恵を授かってないというのだからこの神時代においてそんなことがありうるのかと疑いたくなるものである。
亜人において、部族によっては特定の神を信仰せず恩恵を授からないことを是とする集団もいるが、それにしてもこの強さは類を見ない。
そんなこともあってオラリオでは今その村は注目の的ではあるのだが、如何せんその村は周囲との交流を断っている。他の国、村との交流や商人の行き来はおろか、このご時世に神すら村に入れずそれでいて蔓延るモンスター共を撃退して生活いるのだ。
そんな事情もあって、ギルドと言えどもレグ村について抱えている情報は決して多くはない。
だからレーベの言うことが真実だとは証明しがたいが、嘘と断じることもまた出来ないのだ。
──というか、確か十年前オラリオに現れた猿人の姓も、“ロークァット”ではなかったか。
先程から頭の片隅に引っかかっていた靄が解け、同時に目の前の少年の素性らしきものが知れたものの、今それを考えたところで詮の無いことだ。
逸れる思考を打ち切り、話を続ける。
「村が滅びたのはいつ頃なの?そしてその原因っていうモンスターの特徴とかはわかる?」
天然の強者が多い村が滅びたとなるとギルド員として色々と把握し上に報告しなければならない事項が出来たために、気は進まないが目の前の少年の心の傷を開きかねないことをズバズバ聞く。
もちろん先に断りを入れた上顔色なども伺っているが少年は気にした素振りもなかった。
その後も聴取を続け、最後に裏付けとしてレグ村の出身だと証明できる何かを見せて欲しいと頼んだところ、一瞬僅かに表情を歪めたが少年は布を捲り腰の部分を見せた。
そこには生え際から数セルチのところで無残に引きちぎられたような痕が残る茶色の尾があった。
そしてそれを見るローズの目には背中の無数の傷痕もまた、映ったのだった。
オラリオに来る途中、モンスターから逃げてたらこうなったと淡々と語る十の少年が今まで潜り抜けた修羅場の数を想像すると悲劇には慣れたとは言えどやりきれない気持ちにさせられるローズだった。
だがそれ以上に亜人にとっては種族の象徴を失うことはこれ以上ない恥である。猫人であれば耳や尻尾、兎人であれば耳などだ。それは地域によっては奴隷の証にもなるため、それほどに深刻なものとして扱われる。
己も亜人であるが故にレーベの気持ちを推し量り、沈痛な面持ちで謝るもレーベは種族の誇りだとは認識していたもののその辺りの知識をそれほど深く知らなかったようなのでそれらに関する事もしっかりと教えたのだった。
問答は省くが、村の精鋭を壊滅させた容疑が真っ先にかけられるのがあの隻眼の黒竜であったりすることに上層部にどう説明したものかと受付嬢が頭を抱えるような一幕もあった。
ただでさえギルド職員は業務が多いのに今日は厄介事が飛び込んで来たために彼女のこなす業務のノルマは増える一方だ。
自他ともに認める面倒臭がりな彼女が嘆息するのも仕方のないことである。
「聴取に時間取らせて悪かったわね紙への記入も済ませたところだけど、お詫びにいくつかのファミリアなら紹介してあげるわ。あなたの出自なら将来有望だろうし引く手には困らなそうよ」
長時間接していて微かに情が移ったことや先の引け目もあり、そう申し出るも「1番強い所を教えて欲しい」の一言で済ませるレーベには思わず苦笑を漏らすローズ。
ならばギルド職員として答えてやるまで。
「強さで言うなら神ロキと神フレイヤの二大派閥が1番有力だけど、神フレイヤのところは各々が神フレイヤのために自分を磨くのが大半で家族や仲間らしいとは言えないかもね」
世に魅入られぬ男性はいないとされる絶対的な美貌を持つ神フレイヤ、そして彼女の派閥はそんな女神に惹かれ、心酔し、忠誠を誓った戦士達で構成される。
ただ、彼らの内には仲間意識などというものはほぼ皆無に等しく、誰が女神の寵愛を受ける一番になるか、その座にふさわしいかという点のみにこだわり、互いにしのぎを削っているのが現状だ。
「じゃあ神ロキの──」
そう口にするレーベにローズはあの食えない赤髪の変態神を思い出す。はた迷惑な神はタダでさえごまんといるが、あの神は別ベクトルで手を焼かされる。
主に女性に対して悪戯好きなのと酒癖が悪いことで、ギルドの職員としては同僚が度々その毒牙にかかり餌食となっていることに不満はあれど、彼女は親として自分の眷属を大切に思うだけの器量は備える神格者と言える神だ。
レーベを預けるには派閥の強さ、眷属同士や主神との繋がり、情の厚さも申し分ない。
一つ気がかりなのは最近では専ら子守りが板に付いてきた、知人であるあの絶世の美貌を持った王族妖精がまた手のかかりそうな子供を抱え込む羽目になるだろうことだ。
しかしなんだかんだ彼女の性分を多少は理解している自分に言わせれば、特に問題はないだろう。
「ああ、ただロキ・ファミリアは今は遠征…ダンジョンの奥深くまでの探索に出かけていていつ戻るかは正確には言えないわ。一応、事前の報告では今日明日ぐらいに帰還予定になってるけれど」
先程レーベが記入した事項を別紙の書類に手際よく書き写しながら軽く言った。
何が問題なのかと首を傾げるレーベに動かす手を止め目を見て口を開く。
「つまり、今ホームに行っても大半は出払っているかもしれないってことよ」
それからロキ・ファミリアのホームの場所を聞き出して早速行こうと息巻くレーベ。話聞いてた?と呆れたように笑うローズに礼と別れを告げたのが昼前。
ろくに食っていなさそうで見ていられないから、ついでに持っていけと押し付けるように手渡された弁当をあっという間に平らげ、やや物足りなく感じながらも教わった道を辿って、レーベは目的の本拠に着いた。
言われていた通り館に人気は無さそうだが門番として立っているのか1人だけ門に寄りかかって目を閉じている狼人がいた。心做しか苛立っている様子である。
そこに近づくと狼人は鼻を僅かに動かし、不快げに顔を顰めて片目を開ける。
「アァ?…何の用だ」
淡々と答える。
「このファミリアに入団しにきた」
狼人はレーベの申し出を鼻で笑い一蹴する。
「ハッ、てめぇみたいな雑魚のガキが何をほざきやがる。大人しくとっとと巣に帰れ」
不誠実な狼人の態度が腹に据えかね、レーベも意固地になる。
「年は関係ない。俺はただ何者よりも強くなること、そして家族を求めてここに来た」
「は、家族?家族だと?…そんなもんを求めにこのファミリアに入ろうってのか?アァ?」
レーベの言動が狼人の癇に障ったか、語気が強まる。しかしレーベにとっては翻すことの出来ない一線である。眼光鋭く睨みつけ威圧してくる青年に対し一歩も退かずに睨み返す。
「俺は何よりも強くなって理不尽から自分の大切なもの何もかもを守るだけの力を手に入れるって誓った。そしてその大切なものを、家族を手に入れる。そのために、ここに来た」
最早取り合う価値すらないと認め、一切の興味が失せたように踵を返して館に戻ろうとする狼人の青年だったが、その言葉を耳にした途端に動きを止め僅かに目を見開いた。
そしてその数瞬後には憎悪すら感じさせるような殺気をレーベにぶつけた。
それでも怯む様子が見えない子供に対し、狼人は唸るように低い声で立ち去るように促した。
「オイ…俺は今気が立ってんだ。二度は言わねぇぞ。今すぐ俺の前から失せやがれ」
ほんの一瞬気圧され、それでもまだレーベは退かなかった。
「…嫌だ。」
太陽が天頂を過ぎ、ほんの僅か西に傾き始めた頃。都市最大派閥であるファミリアに恥じぬ立派な館の入口に続く門の前。
青年が壁に背を預け、一人佇んでいた。
その狼人の青年、ベート・ローガは遠征のメンバーから外されていた。彼は入団したばかりの新人だが、冒険者としてはそうではない。既にLv3…分類上は第二級冒険者である。
では何故少しでも多くの戦力を必要とする迷宮への遠征に参加できなかったか。答えは単純だった。
彼の今日に至るまでの経緯が彼に『弱者』を憎ませた。その上生来の口の悪さが彼に人を寄せつけない。協調性がなく周りに敵を作りがちな彼は今も派閥の仲間と信頼関係を結べないでいた。それに足るだけの時間がなかったことも相まって、派閥の団長は今回ばかりは連携を阻害する恐れのある彼の参加を見送ったのだった。
その事を薄々は理解しつつ、団長直々の軽い謝罪もあったが、到達階層の更新を目指す為ほぼ全員が出払う中でLv3の自分がこうして門番をさせられている不条理に彼は苛立っていた。
舘の内にいる昼間から飲んだくれて酔いに酔った主神は1人残されたベートの姿を見て、大笑。特にすることもないベートは通りすがる人々をも寄せ付けぬ威圧を放ちながら団長の小人族から言いつけられた門番を渋々といった具合に務める。
そんな時に現れたのがレーベだった。
小汚く、みすぼらしい。十分に物が食えていないのか種族柄か、顔立ちで推測される年齢にしては小柄で、ベートの鼻や冒険者としての勘を働かせるまでもなく、見ればわかる紛れもない『弱者』だった。ただ生意気なことに目だけは爛々とし、生気に満ちている。
少年の口から出たのはファミリアに入団したいとの旨。聞くに値しない身の程知らずの『弱者』の言だった。
そして何よりベートを苛立たせたのは子供のほざく甘っちょろい理想だった。子供に何があったかは知る所でないが、都市の頂点に立つ派閥を訪ねておいて言うことが「家族が欲しい」とは。
ベートは嘲笑の色を包み隠さずせせら笑った。挙句その体たらくで強さをも求める気でいるらしい。
仲良しこよしの家族ごっこがやりてぇのなら他を当たれ。そして二度と俺にその吐き気のする理想を口にするんじゃねぇ。
所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ。それが摂理だ。弱者にかまける余裕なぞありはしねぇ。こんなガキが派閥に入った所で足でまといになるのが関の山だ。
それが、ベートの偽らざる本心だった。
尚も自分に食らいつき訴えかける子供を一瞥もせず一蹴し踵を返そうとしたその時だった。
レーベの言い放った一言が未だ癒え切らぬベートの『傷』に、微かに触れた。
自分の大切なもの何もかもを守るだけの力?てめぇのその安っぽい誓いとやらでそれを手に入れるだと?『家族』なんていう存在がいなきゃ保てねぇ力なんぞ力じゃねぇ。そんなものは所詮誰かに頼らなければたちまち死に晒す、群れなきゃ何も出来はしない雑魚の台詞だ。
少年の言うそれは、いつか目指し叶わなかった、『弱者』だった頃のベートの理想と酷似していた。だからこそ、目の前の少年にかつての愚かな自分が重なり、許せなかった。
なれど、どうして苛立つのか、その理由は見て見ぬ振りをしてただ眼前のガキが気に食わないだけだと結論づけた狼人の口から発されるのは明確な拒絶。
虫の居所が悪いと言えども年端もいかぬ子供に本気で憤る様な愚は犯さず、静かに警告した。
それでも退きはしなかった少年の胆力だけは認め、あまりのしつこさに実力で排そうとしたが──狼人の敏感な聴覚と嗅覚が遠征帰りの冒険者達が近づいていることを感じ取り、舌打ちをするだけに止めた。
ロキ・ファミリアの一行は40階層までの遠征を終え、オラリオに帰還していた。およそ1週間振りの地上の光に張り詰めていた緊張の糸が解れていくのを皆実感していた。
道中幾度か怪物の宴に遭遇し、手強いモンスターに団員の十数名ほどが負傷を強いられたものの、幸いにもその内に劇毒を扱う類のモンスターは含まれておらず、帰還の途中に全て治療師達が治せる程度のものだった。
“安全階層”の関係上、負傷者を抱えた状態で行軍を続ける訳にもいかず到達階層を更新出来ずに撤退する形となったが、帰路でもこれといった“異常事態 ”には遭わず、団員は誰一人欠けることなく結果として重傷者も0だった。
列になって歩く集団の先頭にいるドワーフはその隣を歩く小人族に話しかける。
「フィン、此度の遠征はまずまず、といった所じゃのぅ」
「そうだね。当初の目的は達成できなかったとはいえ物資の消耗や装備の破損は少なかったし、冒険者依頼(クエスト)の依頼品も確保してきたから今回の遠征の収支は相当黒字だね。…最近出費が多いから僕としては助かるよ」
ただ、目的を達成出来なかったことは反省しなければいけない課題だけどね、とフィンは続ける。
「私としてはあの子がもう少し指示を聞いて大人しくしていられないものかと悩んでいるのだがな」
後方を一瞥し、主神が見繕った鎧を身につけた無表情な少女を視界に入れて言うのは女神すら羨むほどの美貌を携えたエルフ。
「そうは言うがリヴェリア。あれでも“あの一件”から少しはマシになったろう」
フィンはリヴェリアの言葉に頷き、ガレスの言うことも最もだと肩を竦める。
「まぁ彼女のことはこれからも僕達が見守ってしっかりと育てていけばいいさ…ん?」
ファミリアの本拠も近づいてきた頃、親指が少し疼いたのを感じたフィンは感覚を研ぎ澄ませたところ微かな殺気を察知し、少しその足を早めた。
そしてやがてその目に門の前で睨み合う形でいた見知った狼人の青年、ベートと小人族たる己と同等かそれよりも小さな背丈の見覚えのない出で立ちの子を認めた。
「やぁただいまベート。そして、君は初めましてかな?」
フィンの言葉にベートはそっぽを向き、子供は軽い会釈をする。
「さて、どういう状況だったのか僕に教えて貰ってもいいかな?ベート」
「ケッ…そいつはファミリアの入団希望者だ」
「どうしたフィン。急に早足になりおって…む?」
少し遅れてガレスやリヴェリアが到着し、団員達もその後に続く。
「いや、少し親指が疼いてね…どうやらこの子は客人、いや入団希望者のようだね。君達は団員達を連れて先にホームに入るといい。ベートも、門番の役目お疲れ様」
その言葉に真っ先にベートはホームの中に消えていった。リヴェリアやガレスも団員を伴って館に帰っていく。
「さて、こんな所で立ち話もなんだ。それじゃあ僕達も中に入ろうか。…と、その前に簡単な自己紹介だけ済ませておこう。──僕はこの【ロキ・ファミリア】の団長、フィン・ディムナだ」
オラリオで暮らす者ならば誰もが知る名。【ロキ・ファミリア】の団長【勇者】フィン・ディムナ。
しかし少年はフィンの名を聞いても姿を見ても、特に反応はしなかった。今日オラリオに上ったばかりなので至極当然のことではあるが。
「俺は、レーベ・ロークァット。…です。」
「はは、そう遠慮する必要は無いよ。楽にしてくれていい。僕のことは好きなように呼んでくれ。一応【勇者】とも呼ばれている身だけど」
少年を館の中まで招き入れたフィンに陽気な声がかけられる。その方向を向くと赤髪糸目の女神──【ロキ・ファミリア】の主神、ロキがいた。
「どうしたんや、いつもなら先頭で入ってくるっちゅーのに今日は自分えらい遅かったやないか。…んんー?なんや、その後ろにおる子は。」
「あぁ今帰ったよロキ。この子は入団希望者だよ」
「…よく見たらさっき門の方にいた子やんけ。自分ら待ってる時に窓の外覗いたらベートと話しとるん見えてたわ。…にしてもこんなちーちゃい子が入団希望者なぁ」
「という訳だから成果報告の前にちょっと時間とらせてもらうよ」
「あーいいいい。そんなんガレス達に聞いとくわ。自分はそれが終わったらはよう休み」
「それなら有難くそうさせてもらうよ。…さ、レーベこっちだ」
レーベを応接間に案内し、座らせる。
「さて、じゃあ君を入団させるかさせないかについてこれから考えさせてもらうよ。まずどうしてここを選んだのかっていう事から教えて欲しい」
「俺は何者にも負けない強さを手に入れるためにオラリオにき…ました。それでここが、このオラリオで1番強いって聞いて、きました」
「…つまり、君は力を求めていて、ただ強いからこのファミリアを選んだということかな?」
レーベは変わらず人当たりの良い笑顔を浮かべ続ける目の前の小人族の目が鋭く冷たくなったように錯覚した。
「その、それからオラリオに来たのはもう一つ。大切な家族を見つけるためでも、あります」
「…へぇ、それはどういうことだい?」
「俺の村はモンスターに襲われて家族も仲間も、みんな失いました。その時に父さんに『強くなってみせろ』と。『何も無くなっちまうお前は守るものを…家族を作れ』と言われました。多分、守るものがあれば人は強くなれるから」
最後のそれは、明確には言葉にされなかったが、極東からオラリオに至るまでに亡き両親の姿を顧みて少年が見出した答えだった。
「ギルドで聞いたら【フレイヤ・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】が大きい勢力だけど、俺には【ロキ・ファミリア】が合うだろうってローズさんに言われました」
レーベの独白をフィンは黙って聞き、頷いて切り返した。
「あのローズがそう言ったのかい?…ひょっとして何か持たされていたりするかな?」
レーベには何の心当たりもない。せいぜいが差し出され受け取った弁当ぐらいだ。それを一応机の上、フィンの前に置いた。
「これは、弁当?…いや、あった」
フィンは弁当箱とそれを包む小さな手提げ鞄に挟まれる形で折りたたまれた紙を見つけた。そしてその中には少年の出自やロキ・ファミリアを勧めた経緯が簡単に示されていた。
フィンの中では既にレーベの動機は入団に値すると判断されていたし、どうやら最近オラリオで騒がれている有望な村の出らしい。またこれと言って入団を断る理由もなかった。
「それじゃあ今この時をもって、僕、フィン・ディムナが君、レーベ・ロークァットの入団を認めよう。──ようこそ、ロキファミリアへ。僕達は君を歓迎するよ」
「ありがとう、ございます」
「…君の言うようにこれから同じ神の血を分けた家族になるんだ。その絆は本物の家族にだって引けをとったりはしない。だから、そう堅苦しくする必要はないんだよ」
「…わかった。……えっと、フィン?」
「気後れして言いづらいなら『団長』とでも呼ぶといいさ。ほとんどの皆はそう呼んでる。…そしたらまずは服を着替えて体を洗おうか。この館の浴室まで案内しよう」
「わかった。団長」
レーベの返事にフィンは満足そうに微笑み、レーベを先導した。
そうして風呂に入っている間に身にまとっていたボロ布と父親の形見の鉢巻がまとめて処分されそうになるというレーベにとっては極めて重大な事件が勃発し、一悶着があった。
遠征後恒例の団員達のステイタス更新が終わって少し経った頃、ロキの下にフィンとレーベが訪れた。
「やぁ、ロキ。単刀直入に言うけど、この子は見込みがあるって僕は判断した。このファミリアの一員になってもらうことにしたよ」
「なんや、格好変わって体もサッパリしたらえらい印象違うなぁ。ウチ好みのカッコ可愛い男の子やんか~。…ま、フィンがそう言うならウチは疑ったりせぇへんで。けど試験はもうやったんか?それに、恩恵刻むんも些か性急な気ぃするけど」
「試験はやってないけれどこの子は極東からオラリオまでだいたい1年半か2年ぐらいかけて独力でやってきた実績がある。それに、冒険者になる覚悟だってもう決まっているそうだよ?面倒くさがりに見えて世話焼きなローズがそう文面で伝えてきたし、僕もこの目で見て間違いないと思う」
今日オラリオに来てからローズには世話になりっぱなしだ。レーベはいくら感謝してもしきれないほどの恩が一日で出来たような気がしていた。
フィンの言葉に一も二もなく強く頷く。
「あのローズたんがなぁ…それほど言うなら恩恵刻むんに否やはないけど。──自分は、本当にええんか?神の眷属になるっちゅうんはもう後戻り出来ひんってことやぞ?」
切れ長の目の目蓋の奥から普段は見えない鋭い瞳が顔を出す。その瞳は真っ直ぐレーベを射抜く。
「わかってる。けどこれは俺が強くなるために、ここにいる皆と本当の家族になるために必要なことだから。だから、ロキ」
レーベは真っ直ぐにロキを見つめ返す。嘘を見破る神の力を持ってしてもロキに一分足りとも嘘を感じさせない透明で、純粋な思いだった。
「そっか。…自分は、ええ子やな」
衣服を脱がせ、その傷だらけの背を優しくなぞる。…この小さな背にこれだけの傷を刻んで──
ロキは1度固く目を閉じ、首を振って恩恵を授ける作業に入った。
ステイタスという個人情報を見る訳にも行かないのでそれを途中まで見守り、静かに部屋を退出したフィンだったが、慌てた主神にすぐさま呼び戻されることになった。今度は、派閥幹部であるガレス、リヴェリアも呼びつけて。
「どうやら僕達は金の卵を拾ってしまったらしい」と苦笑いのフィン。
「…いや、いくら有望株と言っても限度というものがあるだろう」とはリヴェリアの言だ。
顔をヒクつかせて冷や汗を垂らす主神に頭を抱える最高派閥の首脳陣が三人。
「これは…素直に喜べんのう。知られれば間違いなく身を狙われることになりそうじゃ」
得体の知れぬ見たことも無いレアスキル、そして字面の数々。
同時にガネーシャの所の猿人達が規格外な成長を遂げているその理由の一端も知れたのだった。
第一級冒険者を揃いも揃って唸らせる少年のステイタスはいかほどのものか、未だロキの手に握られ三人に掲げられている羊皮紙に写されたその内容は。
力:I 0
耐久:I 0
器用:I 0
敏捷:I 0
魔力:I 0
«魔法»
ブラスト・キャノン
【魔力砲】
・速攻魔法(発声不要)
・無属性
・魔力の数値の上昇に応じて威力向上
・チャージ可能。蓄積時間の長さにより威力、範囲、消費精神力変動
【】
【】
«スキル»
サイヤン・スピリット
『戦闘民族』
・“精神力”総量の高域強化。
・戦闘での受傷時、蓄積経験の増大。
・暗闇の中で発光する円形、球形を目視した際、任意で獣化可能(発動条件の尻尾損壊により、不可)
レジェンド・ブラッド
『伝説血統』
・“覚醒”スキル発現権の容認。
・神の恩恵の限界突破権。
プロミス・デザイア
『誓約守護』
・精神系統の状態異常完全無効化
・『呪詛(カース)』軽減(小)
「恩恵を授かった段階で魔法種族である訳でもないのに魔法習得済、その上枠は残り二つ。スキルも先天的であろうものを含めても多すぎる…それになんだこの出鱈目な効果は。控えめに言っても強力過ぎるだろう。2つ目のスキルなどもはや意味が──」
「リヴェリア。気持ちは分かるけど、少し落ち着くんだ。部屋の外にはレーベを待機させているんだから、あまり長いこと待たせると無用な心配をかけることになる」
「うむ、とりあえずこの情報は儂ら4人だけで留めておこう。魔法だけならともかく、スキルまでも彼奴に今教えてしまうのは悪手じゃ」
「なんやこれ…なんやこれ…ウチは知らんで…ちょっと面白そうな【経験値】既に積まれてたからって手ぇ出したりなんかしてへんからな…」
レーベのあまりの反則(チート)具合に少し怖くなったロキは先程から部屋の隅でガタガタ震えているが、好奇心が勝るようになるまではあと幾ばくもない。
「そろそろいい時間だ。夕飯の支度が整うだろう。此度の遠征が無事に終わったこと、そしてその場で新たな団員として加わったレーベをお披露目して一緒に祝う。…今はそれを考えようか」
フィンの言葉に頷き、3人は主神を置いたままに部屋を立ち去るのだった。
「さ、行こう。レーベ。今夜は豪華な食卓になる」
「自己紹介がまだだったな。私はリヴェリア・リヨス・アールヴ。この派閥の幹部を務める。我らの仲間となったこと、心から歓迎しよう。レーベ」
「儂はガレス・ランドロックじゃ。まぁ堅いことは言わんわい。今宵はお主の入団祝いも兼ねた宴、思いっきり飲んで食って騒ぐんじゃ。がっはっは!」
派閥の年長三人に手を引かれ、レーベはこの迷宮都市オラリオで新たな人生を歩み出す。
これは、1人の少年の──【成長の物語】
卒業から入学までの間、さぞ暇なのかと思えば初めて親元離れるのに色々な準備であったり手続きであったりが大変で大して休みがなかったこの頃。甘えと言われたら認めるしかないですが。
そんなことはさておき、久々の更新。正直エタるなって自分でも思いましたよね。そして前話で主人公のステ公開なんて予告するもんだから結果字数膨れてこれですよ。
更新休んでいた間にストック?…一切たまってないですはい(殴
見切り発車の自転車操業(意味違う)状態なのは変わらずですね。
今後はより忙しくなると思われますし更新も途絶えるかと思いますが、こんな妄想垂れ流しの駄文に付き合ってくださる方がいるならばエタらないでおこうと思う所存です。
遅筆な理由にだらけ癖ももちろんありますが、無駄な描写(それでいて必要なのは足りてない気も…)が多いように感じるんですよね。その辺は次話でアンケでも取ってみようかなと思ってます。テンポ重視orみっちりとかで。
何人称の地の文かもガタガタな自分は分かったような口きけないんですけどねー。
再度自分語り入りますが作者はアニメちゃんと見てない原作持ってないのThe・にわかなんですよね。(原作は金が溜まり次第コンプ予定)なぜなら漫画アプリの無料分だけ読んで友人のを流し読みしただけだからです。
ですから時系列や設定は気を使ってますが、もしかしたら違ってるかもしれないです。些細な違いならタグの独自解釈、設定でゴリ押しますが。
それでは最後に。みなさんコロナにはお気をつけて(時事ネタ)