夕方になり
れおん「この近くに大きな洞窟がある。そろそろ休んでおこう。そこに向かうぞ」
ほのか「まだ抜けられないんですか?」
れおん「そうだな……。夜には抜けられるが、街には着かない。それなら、早めに休んで明日に備えておいたほうがいい。薪も集めながらいくぞ」
ほのか「わかりました。きのみとかも、あったら集めますね」
少しして
れおん「この洞窟だ。ポケモンの住処ではないから大丈夫だぞ」
ほのか「そうなんですね。…あれ?中にポケモンが…あ!」
ミミッキュ「ミッキュ?」
れおん「お前、さっきのミミッキュ!こんな所で何してるんだ?ここ、君の住処になったのか?」
ミミッキュ「キュ……」
ミミッキュは去っていこうとする
ほのか「ま、待って!これから夜になって冷えてくるよ。私達は気にしないから、一緒に温まろう?」
ミミッキュ「………」
ミミッキュはゆっくり戻ってきた
れおん「ん?この隅にあるのは、モンスターボール?壊れているが…」
ミミッキュ「ミミッキュ!」ダダッ!
ミミッキュは壊れたモンスターボールを守るように前に出た
れおん「…そうか。このボールは君の物だったか。だが、壊れてもう使えないんだぞ?」
ミミッキュ「……ミッキュ…」
ほのか「ミミッキュ…。そのボールって、前のトレーナーさんがミミッキュを捕まえた時のやつだよね。酷い事されたのに、まだ大切にしてるんだね」
れおん「……俺達は準備しよう。薪を集めて、料理を頼む」
ほのか「わかりました」
ミミッキュ「………」
その夜
ほのか「ミミッキュ、君のご飯よ。さっきみたいにたくさん食べていいからね」
ミミッキュ「ミッキュ…」
ほのかは離れた隅にいるミミッキュにご飯を持っていった
れおん「もう少しこっちに来ないか?そこじゃあ火の温度も届かないだろ。俺達は何もしないさ」
ミミッキュ「………」
ミミッキュは恐る恐る近づいてきた
れおん「前のトレーナーが忘れられなくても、人の恐怖はある…か。しかも、もうトレーナーもここには戻ってこないのだろうな」
ミミッキュ「キュ………」
れおん「ミミッキュ、わかってるんだろ?一体どれだけ待ったんだ?そのボールの壊れ具合や、汚れ具合から見ても数日じゃないよな。何ヶ月、もしくは年単位か。来ないなら、自分から動く事も大切だ」
ミミッキュ「………」
ミミッキュは俯いた
ほのか「れおんさん、少しかわいそうです。もう少し言い方変えた方がいいですよ。ねえ、ミミッキュ。そのトレーナーさんがまだ好き?」
ミミッキュ「………」
ミミッキュは黙っている
ほのか「……じゃあ、嫌い?」
ミミッキュ「………」
ほのか「わからないか。じゃあ、質問を変えるね。私達の事、怖い?」
ミミッキュ「キュ…」ふるふる
ほのか「ふふ、ありがとう。ならさ、私達と一緒に行かない?もしかしたら、そのトレーナーさんと会えるかもよ?ずっとここにいても仕方ないよ。それなら、私達と探そう?」
ミミッキュ「ミッキュ」
ミミッキュは顔を上げる
ほのか「私はあなたを気に入ったけど、忘れられない人がいるなら、その人の近くにいた方が、あなたにとっていいと思うの。なら、私はあなたを手助けしてあげたいな。駄目かな?」
ミミッキュ「ミッキュ……。ミミッキュ!」
ほのか「よかった!来てくれるの?」
ミミッキュ「ミッキュ!」コク
ほのか「ふふ、それじゃあ、明日から探そうね。そのためには、一時的でもボールに入ってもらわないとなの。あのボールはもう使えないから、この新しいボールで我慢してくれる?そのボールもちゃんと持っていくわ」
ミミッキュ「ミッキュ!!」コツン
ミミッキュは自分からボールに当たった
ゆらゆら
カチッ!
ほのか「ふふ、少しの間、よろしくね。寂しい思いも、悲しい思いも絶対させないから」
れおん「……よかったのか?その子とは、別れが来るかもしれないんだぞ」
ほのか「そうですね。私、多分そうなったら泣いちゃうと思います。でも、それがこの子の幸せで、望む事ならば私は別れてもいいです。それまでは、この子とたくさんの思い出を作ります!」
れおん「そうか。それなら、大丈夫だな。さて、寝るぞー」
ほのか「はい!ふふ、皆、ミミッキュ、おやすみ」