山の中に戻ると
ジャーバ「おや!あのイワンコだよ!」
だいき「本当に包帯巻いてる。おーい、イワンコー、戻ってこーい!」
イワンコ「!!ワン!」
イワンコはだいき達に向かって吠えた後、山の方へ走っていった
ほのか「また遠くにいっちゃった。って、あれは洞窟?」
ジャーバ「一本道の洞窟なんだけど、そこを抜けた先は道が険しくなっててねえ。危ないからあまり近寄ってはいけない場所なんだよ」
だいき「おーい、待てよイワンコー!」
ほのか「ああ!だいき君が追いかけて入っていっちゃった!」
ジャーバ「全く仕方のない子だねえ。私達も追いかけるよ」
洞窟を抜けると道は細く通りにくい山道となっていた
だいき「わわっ!危ないな、この道。あ、イワンコ!」
イワンコ「.......」
イワンコは何ともないように道を走っていく
だいき「何であんなに逃げるんだろう」
ほのか「もうだいき君!この道は危ないんだって。戻ってジュンサーさんに連絡した方がいいかもしれないよ」
ジャーバ「いや、ジュンサーさんは今忙しくて連絡しても来るのに相当な時間がかかるはずだよ。ここは子どもには危ない場所なの。街の大人達に任せましょう」
だいき「で、でも、たった今ここにイワンコがいてこの道を渡ってったんだよ。今追えばイワンコに追いつきそうだよ」
ジャーバ「………わかったわ。ただし、慎重に進むのよ。足下が不安定だからね。危険だと感じたらすぐに教えなさい」
二人「はい」
その後、山道を進むと古くなった吊り橋があった
下には激しい流れの川がある
ほのか「あ、イワンコ!」
吊り橋の向こうにはイワンコが走り去る姿が見えた
ジャーバ「あの先は確か……この山に住むポケモン達の巣がある場所。あのイワンコも巣に帰ろうとしているのかしら?ただ、こんな近くにイワンコの巣があったなんて知らなかったわね」
だいき「取り敢えず追いかけよう。そうすれば、あのイワンコがどうして怪我も気にせずここに来たのかわかるはずだよ」
ほのか「ちょっ、ちょっと怖い…。簡単に揺れるし……」
だいき「ほのか、大丈夫か?ほら、俺に掴まってれば平気だろ?」
ほのか「う、うん。ありがとう、だいき君」
ジャーバ「所々橋が壊れてるからね。ゆっくりと進むよ」
橋を渡り切ってその先を進むと、広い場所に出た
そこには先程のイワンコとコマタナが向かい合っていた
ジャーバ「あのコマタナは……。稀に山の中でも見かける暴れん坊じゃないか。何でも傷つけてばかりでこっちも困ってたんだよ」
ほのか「じゃあイワンコの切り傷もあのコマタナが」
ジャーバ「おそらくそういう事だろうね。となると、ここまでの道を迷わず進んできたあのイワンコも、野生のポケモンの可能性が高くなってきたね」
だいき「これから何をする気なんだ?」
イワンコ「グルルッ!」
コマタナ「コマ!!」
お互い威嚇しあっている
だいき「お、おいおい。もしかしてバトルする気か?イワンコはまだ怪我してるんだぞ!」
ジャーバ「イワンコは負けた事が悔しいのかもしれないね。だからすぐにでもこうやって再戦しようとしているんだろう」
ほのか「でも、イワンコだって危ないよ。どうしよう」
コマタナ「コマ!」
コマタナはひっかくをくりだした
イワンコ「ワン!」
イワンコはそれを避け、コマタナにかみついた
コマタナ「タナ!」
コマタナにはあまり効かず、そのままメタルクローをくりだした
イワンコ「キャン!!」ドサ
イワンコは飛ばされる
ほのか「ああ!!イワンコ!」
だいき「やっぱり今のままだと相性も合わさって勝てないよ!見てられない!俺が!!」
だいきはイワンコ達に向かっていく
ジャーバ「あ、こら!!だいき君!!」
コマタナ「コマ?」
だいき「おい、コマタナ!イワンコをいじめるのはやめろ!このイワンコは怪我してんだぞ!」
イワンコ「クゥ……」
コマタナ「タナ?」
コマタナは首をかしげている
だいき「そんなに暴れたいなら俺が相手だ!」
コマタナ「!!タナ!」
コマタナは戦闘態勢に入った
だいき「頼んだぞ、ヘイガニ!」
ヘイガニ「ヘイ!」
コマタナ「タナ!」
コマタナはきりさくをくりだした
だいき「ヘイガニ!刃は小さいんだ。挟んで投げるんだ!」
ヘイガニ「ヘイ!」
ヘイガニは向かってくるコマタナの手にある刃を挟んで、遠くへ投げた
コマタナ「タナー!」
イワンコ「!!」
だいき「バブル光線!」
ヘイガニ「ヘイ!」
コマタナ「タナー!」
コマタナは走って逃げていった
だいき「よし、よくやったな!ヘイガニ」
ヘイガニ「ヘイヘイ!」
ジャーバ「全く!いきなり出て行くなんて危ないじゃないか!危険な事はやめておくれよ」
だいき「ご、ごめんなさい、ジャーバ博士。でも、イワンコがかわいそうでさ」
ほのか「まあイワンコも助かったし、これでよかったと思うよ。だいき君、お疲れ様」
イワンコ「………ワン!」
イワンコはだいきの側にやってきた
だいき「あ、お前無事か?怪我は開いてないか?」
イワンコ「ワン!」
イワンコは首についている岩を当ててきた
だいき「いてて、いてて。この岩、まあまあ痛いな」
ジャーバ「おや、このイワンコはどうやらだいき君を気に入ったみたいだねえ。どうする?だいき君」
だいき「そうなの?イワンコ、お前俺と来たいのか?」
イワンコ「ワン!!」
だいき「へへ、そっか。なら来いよ!」
だいきはモンスターボールをイワンコの前に出した
イワンコ「ワン!」
イワンコはモンスターボールに自分から当たった
カチッ!
だいき「よし!!イワンコ、ゲットだぜ!」
ほのか「ふふ、おめでとう、だいき君。いいなぁ、イワンコ。可愛かった」
ジャーバ「でも、取り敢えずはこのままポケモンセンターまで連れて行くよ。怪我は治ってないんだからね」
だいき「そうだった。すぐ治してやるからな」
ほのか「じゃあ戻ろっか」
ジャーバ「ええ、そうしましょう。帰り道にはまた気をつけるんだよ」
去って行くほのか達の後ろ姿をあるポケモンが見ていた
コマタナ「…………」