空の居場所   作:七九曜

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久々にマイページ開いたら、感想来ているの見て、おっp…おっぱげた…!
然も其が一月以上前って、御前、御前…。



009-2008/06/02-言う事言わないと失礼だ

返答に窮した自分の様子から、如何にも会話は打ち切られた物と判断されたらしい。

其迄話を聞くに徹していた婆ちゃんは、自分に向けて話を振ってきた。曰く「聴解能力の高さにビビるわぁ!マジビビるわぁ!」とか「手話は未だ未だ辿々しい。けど其の気持ちは歪みねえな」等、何かと絶賛を浴びたものの、気分の晴れない自分は、「あ、いや…」と返すのが漸とだった。普通違う(自己批判)。

 

 

自分達が会話する横で、終始ニコニコとしていたとは言え、其の本心は窺い知れない。気安く「西宮さん西宮さん」口走る子供が近付いて来て、不快感を覚えた可能性は大いに有る。未だ会って一、二回の癖に、自分は遠慮無しに話し込んでしまったと今更乍らに自省した。

彼此一時間近く話し込んでいた事になるらしい。時計を見ると結構な時間が経っており、早急に帰宅の途に着かないと不味い時刻が指し示されていた。

御暇を切り出すには、心情的にも時間的にも丁度の頃合いだと感じた。

 

 

「今日は色々と有り難う御座います、西宮さんと話しも出来て、凄く楽しかったです」

先ずは御礼。実際内心が如何であれ、西宮さんと再び逢えたのも、話が出来たのも、婆ちゃんの御陰、感謝の姿勢は確りと伝える可きだろう。

 

「未だ未だ自分が理解出来ていない(手話関連の)事も有るのだと感じました。其に、(友達と心から認められるには)色々と課題も有るのだと思います」

「勿論自分は無理に其処をどうこうしたいとは考えていません。でも、ゆっくりとでも変えていけたら良いなとは考えています」

西宮さんのズッ友発言は、空手形の社交辞令か、将又深い関わり合いの拒絶か。何方とも取れるし、何方にしろ自分は歓迎されていない。其の事を無い頭なりに理解し乍らも、もっと仲良くなりたいのだと、そう宣った。

婆ちゃんは相槌の他は、終始自分の話に耳を傾けていた。

 

 

御邪魔しましたと挨拶もそこそこに扉を抜ける直前で、西宮さんに肝心な所を伝え忘れている事に気が付いた。未だ「左様なら」を伝えてない。

自分の浮かれ具合と馬鹿さ加減に慌てて西宮さんにと直る。振り向いた視線の先では、数歩離れた位置、胸の前で右手を折り曲げ此方を窺う姿を捉えた。咄嗟に気の利いた言葉も引き出せない自分には、其の様子に疑問を挟む余地も無い程、何を伝えるかで思い悩んでいた。

 

『こ、い。自分、好き。再度、会う、したい』

ふと先程の餌遣りの一時が浮かだ。其は幸い自分の乏しい語彙でも、何とか聲として届けられる気がした。

だから、又鯉を見たいと、彼の橋で待っているとそう伝えてみる。

果たして西宮さんも同じ気持ちを持ってくれただろうか?抑々意味自体不明だった可能性も有るか。窺い知れない彼女の内心とは対照的に、大きく見開かれた目が、何かを訴え掛けている様に感じた。

馬鹿な自分には其の機微を読み取る術も無く、単純に可愛いなとだけ、幾分後ろ髪を引かれる気持ちと共に覚え乍ら、今度こそ西宮家を後にした。

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