窓と扉に手をかける   作:もけ

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気分転換にH×HのSS書き始めたので、こっちの更新は二週間ぶりですね。

あっちは三人称視点で書いてるんですが、やっぱり一人称視点の方が書きやすいです。

そういえば前話にちょっとだけ書き加えたんですが、確認するのが面倒くさい人のために → なのはとユーノの良いシーン&なのはの変身シーンをニケにて録画。理由は、もし二人が結婚した時のためのネタ映像のため。


なのは無双

 部屋での話し合いの後、

 

「暴走しちゃってるなら早く退治した方がいいんだよね?」

 

 と言う、なのはちゃんの鶴の一声でさっそく暴走体の捜索に乗り出す事になった。

 

 結界担当は僕。

 

 実戦担当はなのはちゃん。

 

 ユーノは回復魔法で怪我は治したけど、地球の魔力素が合わないらしく本調子には程遠いとの事なのでお留守番――――――と言いたい所だったんだけど、本人たっての希望で暴走体の目撃者として同行している。

 

 責任感の塊みたいな奴だな。

 

 その横で何食わぬ顔でジュエルシードを隠し持ってる僕は他人から見たら極悪人?

 

 ま、それも悪くない。

 

 パフォーマーだから演じるのは好きなんだ。

 

 さておき、

 

 ジュエルシードの事も僕のレアスキルについても今はまだ秘密にしておきたいから、捜索は地道に行う。

 

 まずは、ユーノを発見した場所に行き、普通の探査魔法を展開。

 

「魔力反応なし」

 

「移動しちゃったのかな?」

 

「僕の魔法で、封印はできなかったけどダメージは与えたはずだから、どこかで身を潜めて回復するのを待っているのかも」

 

「その暴走体は魔力を隠したりとかできそう?」

 

「そうですね。出来ると思います」

 

「じゃあ、探査魔法は意味なしと」

 

「ご、ごめんなさい」

 

 ユーノのこういう態度にもそろそろ慣れてきたな。

 

 と思いながら、次の魔法を展開っと。

 

「え……結界?」

 

「うん、結界魔法なら中のものを選別できるから、もし範囲内に入れば隠れてても関係ないかなって。思い付きだけど」

 

 悪くない考えだと思うんだけど、どうだろ?

 

「どうなんだろう?」

 

「どうなんでしょう?」

 

 揃って首を傾げるの図。

 

「ま、この中なら何を壊しても問題ないから、手当たり次第やっちゃってよ。なのはちゃん」

 

「了解なの。レイジングハート」

 

『Standby Ready』

 

 一瞬の閃光の後、なのはちゃんはバリアジャケット姿になり、空に上がる。

 

「巻き添えはごめんだからね。ニケ」

 

『Yes Master』

 

 まだ自力で飛べないユーノを掴み、自分も空に退避。

 

 その直後、

 

「ディバインシューター。シューーーートッ!!」

 

 桃色の光球による蹂躙が眼下で繰り広げられた。

 

「「……………………」」

 

 言葉をなくす男二人。

 

 その圧倒的魔力と、躊躇の無さに恐怖しか覚えないよっ!!

 

「怒らせないようにしよう」

 

「そ、そうですね」

 

 ユーノもそう思うか。

 

 あれ? でも何かいつもより弾の数が多いような……。

 

 イ~チ、ニ~、サ~ンって、早いし多いし数えられんっ!!

 

「ニケ、なのはちゃんのシューター、何個飛んでる?」

 

 こういう時は他人任せ。

 

『20です。新記録ですね』

 

「鬼に金棒。なのはちゃんにレイジングハートか」

 

 本当に言葉もない。

 

 何かあればフォローでもと思ってた自分が恥ずかしい。

 

『Master、MasterはMasterのできる事を成せばいいかと』

 

「そう……だね。ありがとう。ニケ」

 

『いえ、私のMasterはアナタだけですから』

 

「うん」

 

 なのはちゃんと魔法の訓練をするようになってから貸してる事が多かったからな。

 

 これからはずっと首から下げていよう。

 

 ちなみに待機状態のニケは軍人が付けるような認識タグだけど、バリアジャケットの時は杖の根元、グリップの下に付いている。

 

 先端の方にあると、打撃とか気になって全力出せないからね。

 

「真さん」

 

「ん? あ、終わった?」

 

「はい♪」

 

 下は…………見ない方がいいな。うん。

 

「じゃあ、結界の位置をずらしながら、しらみつぶしに殺って行こうか(誤字に非ず)」

 

「はいっ」

 

 元気いっぱいなのは良い事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから3つの焦土を作った後、やっと当たりを引いた――――――――――んだけど、

 

「リリカルマジカル ジュエルシードシリアル21 封印」

 

『Receipt Number XXI』

 

 瞬殺だった。

 

 なのはちゃんのディバインシューターにいぶり出された暴走体が破れかぶれで突貫してきたのをプロテクションで弾き返し、間合いが空いた所に回避不可能、全方位からの光球の集中砲火。

 

 爆散してコアとなるジュエルシードが露出している所に封印術式と、何とも手際のいい殺り口でした。

 

「凄い……」

 

 圧倒されているユーノ。

 

「お疲れさま、なのはちゃん。お見事。圧巻の勝利だね」

 

「にゃははは」

 

 照れ笑いは本当に可愛いのに、さっきまでの無双を思い出すと素直に思えないよ。

 

「とりあえず、もう夕飯の時間だし今日は帰ろうか」

 

「うん♪ もうお腹ぺこぺこなの」

 

「フェレット擬き君はとりあえず僕のとこね」

 

「は、はい」

 

「うちは食べ物屋だからな~~ちょっと残念」

 

「いや、自宅と翠屋って別だから大丈夫じゃない?」

 

「本当ですかっ!?」

 

「多分ね。帰ったら聞いてみなよ。OKだったらメールして」

 

「はい♪」

 

「フェレット擬き君もそれでいい?」

 

「はい、僕は厄介になる側ですからどちらでも」

 

 殊勝な態度だね。

 

 9歳とは思えない。

 

 いくら社会に早く出る魔法文化圏だからって、脳の発達速度は同じだと……違うのか?

 

 まぁ、いいか。

 

 なのはちゃんは完璧にフェレットだと思ってるし、ラッキースケベでも楽しんでください。

 

「あ、なのはちゃん。ちょっとレイハさん貸してくれる?」

 

「レイハさん?」

 

「うん、レイハさん」

 

 指差して言葉を重ねる。

 

「なんで、さん付けなの?」

 

「何となく?」

 

 とりあえず貸してもらった。

 

「レイハさん、お願いが」

 

『なんでしょう?』

 

「良かったら、出来る範囲でいいんで、なのはちゃんとユーノが一緒にいる所を録画しておいてもらえませんか」

 

『構いませんが、理由を聞いても?』

 

「ユーノはこの世界の人間ではないでしょう? つまりこの事件が終わったら自分の世界に帰ってしまう。 そしてもしかしたら二度と会えないかもしれない。 だから思い出を記録として残しておいてあげたいんですよ」

 

『そういう事なら。サンキュー、マコト』

 

「いえいえ、こちらこそ」

 

 半分は結婚式云々とイジリネタですからね。

 

「なのはちゃん、ありがとう。はい」

 

「うん、もういいの?」

 

「うん。じゃあ、帰ろうか」

 

「はい」

 

 さて、これでジュエルシードは全部集まったから暴走云々の心配はなくなった。

 

 捜索に関してもこのまま見つからなければ違う場所か、そもそも違う次元に落ちたと思うしかないだろうけど、当てもなく探すのは不可能だから諦めるしかない。

 

 まぁこちらの用事が済めば話しても構わないだろうけど、それはその時考えよう。

 

 問題はこの後来るであろうフェイト・テスタロッサとその使い魔のアルフ。

 

 そしてその背後にいるプレシア・テスタロッサ。

 

 うまく丸め込んで、平和に事が運ぶと良いんだけど……。

 

 とりあえずは、また『世界の窓』で地球に来たかチェックの日々だな。

 

 目途は……確か来週末くらいだったか?

 

 イレギュラーに注意しようにも出たとこ勝負しか出来ないわけだし、まぁやるだけやりましょうかね。

 




次回は満を持してフェイト登場です。

ここからは(も?)オリジナル展開爆走予定。

上手く書けるかは……頑張りますww

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