wiki見たら、プレシアさんて59歳なんですね。
逆算して色々考えてみました。
それにしても59歳であの美貌とプロポーション&露出はあり得ませんw
そういえば、今回は行間を不必要に空けずに書いてみました。
みなさんはどっちが読みやすいんでしょう?
私、気になりますっ!!
エルちゃん可愛いw
フェイトからプレシアの話を聞き終わり
「話を聞く限り、フェイトがお母さん大好きって事は分かった」
「う、うん」
「でもアルフは、フェイトに酷い事ばかりする鬼婆が嫌い」
「そうだよ」
「理由を聞いた事はないの?」
「はんっ、そんなのあの鬼婆が答えるわけないじゃないさ」
ごもっともですが
「想いは見えない。考えは聞こえない。しかも口から出た言葉が真実とは限らない」
「何、言ってんだい?」
「いや、昔読んだ小説に載ってた台詞なんだけどね。要するに相手の表面上だけ見ても理解なんて出来ないんだよ~って話。精神リンク全開の使い魔だってマスターの感情は読めても何考えてるかまでは分からないわけじゃない? だから知る努力が必要になってくるわけなんだけど」
アルフからフェイトに視線を移す。
「プレシアの生まれは? 家族は? どういう教育を受けてきた? その土地の宗教は? その社会の常識は? 価値観は? 美徳は? 友人は? 恋人は? 結婚は? 出産は? 離婚は? 仕事は? その時々で何を感じ、何を考えてきた? 何が好きで、何が嫌いで、何が嬉しくて、何が悲しい? 夢は? 希望は? 諦めたものは? 後悔は? 今に満足してるのか? それとも不満なのか? それは解消できるのか? 手伝えるのか? 見守るしかないのか?」
散々捲し立ててから一拍空け
「フェイトは大好きなお母さんの何をどれくらい知ってる?」
突き付けられたら質問に少なからぬショックを受けた様子のフェイトは、視線を落としただ首を横に振る。
「あんたっ」
「責めてるわけじゃないよ。それに虐待を正当化するつもりもない。誰が聞いたってやり過ぎ。鞭で折檻なんてもうそれはただの拷問だよ」
「そう、その通りだよっ!! 分かってるじゃないか」
「でも、ないとは思うけど、もしかしたらプレシアが生まれた家や地域では子供の躾に鞭を使うのが普通だったかもしれない。プレシアもそうやって育てられたかもしれない。知らないとそれは否定できない」
「だからって」
「それに、虐待されて育った子供は自分が大人になって子育する時に虐待してしまう確率が高いっていうデータがある。もしかしたらプレシアもそうだったかもしれない。可能性の話だけどね」
「くっ」
「だから、好きな相手ならより理解するために。嫌いな相手なら余計な誤解がないように。相手をよく知った方がいい」
「そんな事言ったって、あの鬼婆が素直に話すわけないじゃないさ」
「そこは、まぁ、そうなんだけど、とりあえず記録として残ってる情報から手を着けるのはアリだと思うんだ」
ニケの拡張領域からわざわざプリントアウトした紙の資料を取り出す。
「これはミッドチルダの図書館と時空管理局の情報端末から集めてきたプレシア・テスタロッサの資料」
「違法にね」と胸中で付け足す。
それに対して、大人しくなっていたフェイトが「私、気になります」と言わんばかりに身を乗り出してくるけど
「さて、交渉だけど、この情報にフェイトは何を出せる?」
「え……あ……何も……」
一度上げてから下げたせいで余計にシュンとして見える。
イジメてるわけじゃないのに罪悪感を煽られる光景だ。
そういう趣味があるわけじゃないけど、交渉だから仕方ない。
「じゃあ、対価として一つお願いを聞いてくれないかな」
「お願い?」
「そう、僕の妹たちの友達になって欲しいんだ」
「友、達」
「みんなフェイトと同い年くらいの女の子で、魔法使いが2人に一般人が2人」
フェレット擬きは含みません。
「……」
「気が進まない?」
「えっと、そうじゃなくて、私、今まで家族としかいた事ないから、友達ってどういうのかよく分からなくて」
「大丈夫。その気持ちをそのまま伝えて、色々教えてもらえばいいよ」
「……頑張ってみます」
なのはちゃんとアリサちゃんが嬉々として教えてくれる姿が目に浮かぶ様だよ。
「フェイトも一人じゃ不安だろうし、出来たらアルフも一緒に遊んであげてくれない? 狼フォームで背中に乗せてあげるとか」
「あぁ、構わないよ」
「よし、交渉成立だね」
二人と握手を交わし、「じゃあ読むよ」と前置きしてから始める。
「プレシア・テスタロッサは第3管理世界グリステンの出身。グリステンは技術開発が盛んな世界で、その魔法科学技術は次元世界随一。そのため宗教は信仰心が薄い所かナンセンスとされる風潮があって、合理主義、結果重視、絶対評価とシビアな世界らしい。そんな中、プレシアの両親は揃って技術者で、年の離れた兄が親の跡を継いでいる。プレシアは子供の頃から優秀だったらしくジュニアスクール、ハイスクールを飛び級で卒業後、12歳で大学に入り、そこで次元航行に関する研究を始める。17歳までは研究室に籠もりっぱなしだったが、当時発表した論文が管理局の目に留まりヘッドハンティングされて技術開発部第十一研究室に入局。研究室は違うが、7歳年上の研究員と20歳で結婚。22歳の時、専門にしている次元間航行船のエネルギー系の技術と本人の資質の結果、条件付きSSランクの魔導師と認定される。その後も順風満帆だったプレシアだけど、25歳で突然の離婚。離婚理由は、夫の研究員としての嫉妬。自分はなかなか思うように研究が進まないのに対して、どんどん功績をあげていく妻に耐えられなかったのだとか。これにはプレシアも愛想が尽きたのか離婚自体は特にこじれず成立したんだけど、問題だったのは後から発覚したプレシアの妊娠。プレシアはいい機会と思ったのか育児休暇を申請してそのまま辞めるつもりだったそうだけど、管理局の引き留め工作が功をそうして、出産から2年後、28歳で第十三研究室室長に就任。ベビーシッターと家政婦を雇って、忙しいながら育児に研究にと奔走する。しかし今から26年前、当時33歳のプレシアは自らの関わった研究の暴走事故で6歳だった娘を亡くしてしまう。プレシアはその実験に反対していたんだけど、上層部からの圧力に周囲の研究員が勝手に推し進めた結果の事故だった。しかし娘を亡くしたショックでプレシアが忘我状態だったのをいい事に周りはプレシアに全責任を押し付けて、降格と謹慎の処分を下した。その経緯は後の権力争いで暴露されているけど、ここでは余談だね。さて、愛娘の死と言う人生最大の悲劇に見回れたプレシアは、これ以降悪魔にでも取り憑かれたかの様にある研究に打ち込む事になる。その研究の目的は、死者蘇生と使い魔以上の生命体を生み出すこと。プロジェクト名は『プロジェクト・フェイト』」
「えっ……私の……名前?」
「プレシアはその研究にある程度の目途が付いた時点で、と言うより合法で出来る範囲をやり尽くしたため管理局を去り、それ以降現在に至るまでの20年間、行方不明となっていた……と。補足だけど、先進的なグリステンには当然鞭打ちの習慣はなかったよ。残念だけど、そこはプレシアが嗜虐趣味の変態だと言う事で諦めて欲しい。まぁ背景から推測すると、自虐の八つ当たりと、でも大怪我は負わせたくないって言う葛藤の末の結果、後は保険……なんだろうな。まぁ、どちらにせよ、やり過ぎには変わりないからアルフは怒っていいと思うよ。さて、何か質問はあるかい? と聞いといて何だけど、当然あるだろうね。むしろ、ない方がおかしい。そうだよね? フェイト」
「……プロジェクト・フェイト。私の名前が付いてるこの研究について詳しく教えてください」
「いいよ……と言いたい所だけど、それは極秘情報だからね。追加の対価が必要だ。どうする?」
「私に出来る事なら何でも」
「それは体を差し出せって言われてもいいって事かな?」
「この件が終わった後でなら」
「フェイトっ!? ちょっとアンタ、そんな事は私が許さないよ」
「いや、まさか僕も同意されるとは……『何でも』なんて軽々しく言っちゃ駄目だよって話に持って行きたかったんだけど」
「そ、そうかい」
「アルフ、後で君のご主人様に女性の慎みや貞操観念について説教しといてくれない?」
「了解だよ」
「フェイトの今後の人生がかかってるから甘い顔せずにしっかり頼むよ」
「任せておくれよ。最低でも一時間は正座させるよ」
「え? え?」
元が獣に難しい注文かと思うけど、ご主人様の将来のためにぜひ頑張って欲しい。
「フェイト」
「は、はい」
「体は要求しないけど、『何でも』と言ったからにはそれ相当の事をしてもらう」
フェイトが表情を引き締めて頷いたのを確認してから
「プレシアの健康状態と生活の管理をお願いしたい」
爆弾投下。
「そ、それは」
「無理?」
「えっと」
「アンタっ、そんなの無茶振りにも程があるよっ」
「そんなに?」
「……はい」
プレシアさん、酷い言われようですね。
「そう。でも無理矢理にでもしないと死んじゃうんじゃない?」
「「えっ」」
「プレシアももう60になる。娘さんを亡くしてから四半世紀、研究研究で食事も睡眠も適当でしょ? 体、ボロボロだと思うんだけど」
「で、でも、あんなに鞭振るって」
「隠れて血とか吐いてたりして」
「「……」」
その沈黙は思い当たる事があるって事ですかね?
「まぁ、色々上手くいけば僕も協力するし、そこは頑張って行こう。フェイトだってお母さんともっと一緒にいたいでしょ?」
「それは、もちろん」
「私はさっさとおっ死んでくれた方が嬉しいけどね」
「アルフっ」
「だってさ」
「言い過ぎだよ」
「フェイト第一のアルフの気持ちも分かるけど、さっき言った『色々』にはそういうのも含まれてるから」
「どういう事だい?」
「プレシアのフェイトへの態度の軟化」
「そんな事できるのかい?」
「それがプレシアに持ちかける交渉の対価の一つだからね」
「なんで、そんな事してくれるんですか?」
フェイトが上目使いで恐る恐るといった感じに聞いてくる。
天然で可愛いな。
「もちろんフェイトのため」
「えっ」
「でも、それ以上にプレシアのため」
「母さんの?」
「そして、妹のためでもあり、僕のためでもある」
「よく、分かりません」
そりゃそうだ。
「要するに僕は僕の幸せのためにプレシアの研究とフェイトが幸せになる手伝いをしたいって事だよ。利害が一致してるんだ。見返りを求めないで変に親切な人間より信用できると思うんだけど」
「そう、ですね」
「私の幸せは入ってないのかい?」
「使い魔の鏡であるアルフは、フェイトが幸せで、後はお肉があればいいんでしょ?」
「ふふん、よく分かってるじゃないか」
このくらいシンプルな方が、人生幸せだと思う。
人じゃないけどね。
純粋な生物でもないし。
使い魔の分類って難しいな。
「じゃあ、聞きたかった質問に答えよう」
場が再度引き締まる。
「プロジェクト・フェイトは、プレシアが死んでしまった一人娘アリシア・テスタロッサを蘇らせるために立ち上げた研究だ。しかし、さすがに死者蘇生は出来なかったため途中から路線を変更して、アリシアのクローンを作る事にした。でも、遺伝子が同じというだけでは話にならない。だから次に記憶を転写する事にした。実験は成功し、アリシアのクローン体にアリシアの記憶が正しく転写された。しかし、ここで誤算が生じる。記憶を引き継いでも、同じ成長を遂げるわけじゃなかったんだ」
説明を聞いている内に暗い表情になっていくフェイトに問いかける。
「ここまで言えばもう分かるよね?」
フェイトはビクッと体を震わせてから、おずおずと答える。
「それが、私……」
さっきの資料から一枚抜き出して見せる。
「これはアリシアが死亡した事故の新聞記事。写真を見てみて」
「あ……」
そこには目の前のフェイトを少し幼くした顔が載っている。
「あそこに飾ってある写真立ての写真は、時期から見てこの事故のちょっと前に撮られたものだと思う」
フェイトは写真立てに近付こうと一歩、二歩と足を動かすが、それ以上は進めずその場で崩れ落ちる。
「フェイトっ」
アルフがすぐさま駆け寄り肩を抱く。
「なんだよっ、なんなんだよっ、それじゃあフェイトはあいつの娘の代わりで、でも同じじゃないからって理由で酷い仕打ちをされてきたってのかい」
「それには裏もあれば、そのさらに裏もあるんだろうけど、表向きはそういう事だね」
「私……私は……」
フェイトは泣けない程の強いショック状態に見える。
カンフル剤が必要だな。
「フェイト、君は生まれ方はどうあれ、アリシアの双子の妹だ」
「…………………………え?」
脳みそは付いて来てないみたいだけど、とりあえず顔は上がった。
「一卵性双生児は遺伝子的に同じ存在なのに違う成長をする。アリシアとフェイトはまさにその関係にある」
「で、でも」
「別にお腹を痛めた子供じゃなくたって、プレシアが生み出した事に変わりはない」
「でも」
「それに僕の実体験だけど、一緒に生活して気持ちを通わしたらそれはもう立派な家族だよ」
「でもっ」
癇癪を起した子供みたいになかなか受け入れられないフェイトに近付き、抱きしめる。
「大丈夫、フェイトがプレシアを母親だと思えるなら、フェイトさえ諦めなければ、ちゃんと家族でいられるから。フェイトには支えてくれるアルフがいる。僕も及ばずながら手を貸す。大丈夫、まだ何も失ってないから。手遅れじゃないから。まだフェイトの手はプレシアに届くから」
そう言いながら背中を撫でててあげると、フェイトは関を切ったように声を上げて泣き出した。
アルフも心配そうに寄り添う。
色々我慢してきた緊張がさっきので一気に膨れ上がって切れちゃったんだろうな。
フェイトにはプレシアを支えてもらわないといけないから、ここで全部吐き出して、しっかりと立ち直ってもらわないと。
とりあえず泣き止むまで撫でていてあげよう。
二話使って、まだジュエルシードについて何も交渉出来ていない件についてw
そこは飛ばして、次は時の庭園に行っちゃおうか悩みます。
自分で書いてて何ですが、展開遅いんですよね。
ついつい細かい所を書きたくなってしまう。