ソラール提督がいく(改修中)   作:タータ/タンタル

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マラソンが終わったと思ってたら、レアドロップが10足りなかったんだ。


ああ、追加で1日消化したよ。

ちなみに超展開!
オリキャラぽいけどオリキャラじゃない奴が出てくるぞ。ダクソのとあるキャラの名前の意味を知ってれば分かるぞ。
さぁ、君も考察班に入ろう!



第十話

日本から約6600km。ハワイ島。

海は紅く。

空は暗い。

闇の様に優しく無く。

混沌の様に暖かく無い。

冷たく、深く、暗い。

重い空気が漂っている。

そこに数多もの幽霊が住んでいる。

冷たく、深く、暗い。古の兵器の亡霊。古の地の亡霊。

 

そこに一人の亡霊が‘流れ着いた’。

 

痩せこけ、酷く衰弱した様子だ。

 

「あ、ああ」

 

砂浜に打ち上げられ、白い砂が顔に付く。

そして、起き上がろうとして、足を取られて転び、そのまま力尽きた。

 

ーーーーー

 

「キガツイタ?」

「?あ、ああ。感謝する」

目の前には白い女が立っている。

男はベッドの上に寝ている。

「マサカ、ニンゲンガ、ヒョウリュウシテクルトハ」

「人間…」

自分の掌をまじまじと見つめ。そして気がつく。

「私は、私は誰だ?…私はどれだ?」

数多にある自分の記憶に混乱している様だ。白い女は気がつく。

「ソウカ、キオクガ…ワタシタチトオナジ。イヤ、チガウカ」

「…なんだ」

「ワタシタチハ、ヒトリデハナイ。ソシテ、シュウゴウタイデモナイ。アイマイナ、ソンザイ。‘コ’デアリナガラ‘グン’。トテモコワレワスイ」

「どう言うことだ?」

「アナタハ、アイマイナソンザイタチヲイレルウツワ。ダッタ。ソウミエル。ワタシタチミタイニフカクテ、コドク。ダケド、ジブンノカラダヲモッテイル」

「…よくわからない」

「エエ、オキタバカリダモノ。オチツイタラ、マタハナスワ。ワタシノナマエハ、クウボセイキ。アナタハ…」

「名前?ああ、ええと」

「ナラ、ワタシガツケテアゲル。アナタニ、ワタシタチトオナジ、フカイウミデモ、ミツケラレルヨウニ。‘アルブム’。イミハ‘シロ’。ワタシタチノカラダトオナジイロ」

「アルブム…成る程。ありがとう」

「ドウイタシマシテ。アナタニ、キオクガモドリマスヨウニ」

空母棲姫は不器用に微笑む。

こうしてアルブムと空母棲姫の生活が始まった。

 

ーーーーー

 

場所は代わり、某鎮守府。

 

三人の戦艦と提督二人が、沖合で釣りをしている。

ちなみにまるゆと春雨は島の裏側の岸壁で素潜りをしている。駆逐艦が水に潜るなんて気にしてはいけない、イイネ。

天龍率いる遠征組はこの鎮守府への物資の護衛に向かっている。その間は凄く暇なので、余った数人で海に出たというわけである。

 

「釣れない」

「釣れない」

「釣れない」

「…お前ら静かにできんか?」

糸を垂らしながら、パッチが三人を注意する。

隣のソラールは黙々と釣り上げている。

三人で一匹も釣れないのに対して、提督たちはそれぞれ20尾ほど釣っている。

時期が時期なので大きなものではないが、それでも両手からはみ出るぐらいには大きい。

「何故だ」

「餌が悪いのかしら」

「道具の質か」

「いや、仕掛けが違うだろ。仕掛けのターゲットが。俺は小さめの魚狙い。お前らは大物も視野に入れた仕掛けだろ」

「貴公、大変だな」

「ああ、俺はツッコミ役になった覚えがないんだがな」

 

ーーーーー

 

「で、そっちの戦果はそんなですか」

「ああ。こいつら、マグロを釣りやがった。どう見ても仕掛けも時期もあって居ないのに」

「ふむ。漁業者が減ったせいで海洋の生態が変化したか…」

「じゃあ、俺の愛読書は古いって訳か」

「まぁ、端的に言えば」

「俺の教科書がぁ」

「いや、釣りの仕掛けは響いてるんじゃないですかね。司令官は大量の魚を釣ってるので」

「良かった」

「全く、司令官のくせに」

「しょうがないだろ。ボロ屋に住んでいた時になけなしの金で買った釣り入門書と仕掛けたちだもの」

「中古屋で竿から仕掛けまで全部合わせて二千円。大した大出費ですよ」

「ああん、お前、この提督に向かってなんだよその口はぁ!他の春雨みたいにおしとやかにしろ!」

笑いながら逃げる春雨をパッチが追いかける。

あっという間に豆粒になった。

「いつもの事だな」

「気にしなくて大丈夫ですよ。30分もすれば春雨を抱えて帰ってくるので」

「週一で見られるぞ」

「あ、はい」

「ええと、まるゆ達はこれだけ取りました」

「多いな。ええと、帆立とわかめと、これは」

「サザエです」

「これらも普通は取れないのか?」

「たぶんそうです」

「ふむ…よくわからないな。少し調べるか」

「はい!まるゆも一緒に行きます」

「と、その前に取れたものを運ばなければ」

三人組が三人揃って腕を曲げて、力瘤に手を当て構える。

「「「了解」」」

 

ーーーーー

 

「はぁ、俺たち遠征組はいつも護衛任務ばかりで飽き飽きするぜ」

「なのです!」

電が意気揚々と答える。

「いや、それはちょっと。同意しかねる」

それに対して響は反対する。

「レベルが春雨ほどないし、仕方ない面もあるけど。やっぱり攻略組に混ざりたいね」

「天龍ちゃんなら調子に乗ってタイタニックみたいに沈みますよ」

「おい!龍田、怖い事言うなよ」

「ええ。攻略の怖い所を知らないんだもの」

「わかってる。わかってるってば。沈んだら終わりなんだろ」

「ええ。でも、もしかして、この子たちに寂しい思いをさせるつもり?」

「あ、いや、そう言うわけでは」

顔を逸らしてポリポリと掻く。どうやら、納得した様だ。

「龍田さん。ありがとう」

響が天龍と同じ様な仕草をしながら龍田にお礼を言う。

後ろには夕立や時雨達が楽しそうに会話しながらついてきている。

物資の中にあったスパイスやニンジン、ジャガイモの段ボールから帰ったらカレーだと大騒ぎである。

 

魚フライと知ったらどの様な反応をするのだろうか

 

ーーーーー

 

「凄い寂れている。人が居ない」

「エエ、ミンナ、イナクナッタ」

凄く寂れた建物やその残骸の上を、黒や白の人影が動いている。クウボセイキと雰囲気が似ている。

「彷徨っているのは、君たちの仲間か?」

「ソウ。ワタシタチハ、シンカイセイカン。カコノボウレイ。アナタトオナジ、カコニトラワレテイル」

「シンカイセイカン…。亡霊…」

「ソウ。ムカシノヘイキガ、シズンダ。シンダ。ハカイサレタ。エンジョウシタ。ソノ、‘フ’ノオモイガフクレテ、カタチニナッタ。ソレガ、ワタシタチ」

「何処かで…私の誰かがそれを知っている」

深く溜まった思いが形となる。強い思いが形になる。理力。信仰。それらが、世界を形作る。しかし、人の思いが人の形を取っただろうか。

「この世界は、私の世界とは違うみたいだ。どうやら、どの記憶にもこの光景は無い」

「ソウ。キオクガモドルマデ、ワタシノモトデクラストイイ。タベモノガ、ナイカモシレナイガ」

空母棲姫は少し申し訳なさそうな顔を見せた。

 

ーーーーー

 

食料を探す為、スーパーマーケットの瓦礫の山を掘り起こしている。

空母棲姫は両手に何かを抱えて、アルブムの所へ駆け寄って来た。

「カンズメガ、イクツカミツカッタ」

「カンズメ?なんだそれは。金属の円柱?」

「ナカニ、タベモノガハイッテル。コレハ、ユデタトマト。イワシノオリーブオイルヅケ。ミンナタベナイカラ、アマッテイテ、タスカッタ」

「ふむ…よく分からない」

「マァ、タベラレルモノッタコトダ。タブンダガ」

「いや、その円柱に食べ物が入っているのは何となくわかる。そうじゃなくて、なんで他の皆は食べないんだ?」

「…アア、アジヲカンジニクイシ、ヒトヲヒドクニクンデイルヤツモイル。ソレニ、ワタシタチハ、タベナクテモイキテイケルカラ」

「成る程…でも。食べてみたくはならないのか?」

「イイヤ、カナシクナルカライイ」

「食べると、悲しくなるのか」

「タブン。ホンノウテキニソウカンジル。ソレハ、ワタシタチノ‘サガ’ダトオモウ」

「…そうか。一緒に食べれないか」

「…タベル」

「え?」

「ワタシ、オナカガスイタ。ムショウニ、タベタイ!」

「⁈」

 

建物の残骸中の食べれそうなモノをひと通り集め終えた。

大きめの箱二つを担いでいる空母棲姫を横目に、目の前の箱を運ぶ。アレからアルブムはソワソワしている。

アルブムは、空母棲姫の見せた空腹のあの表情に魅せられた様だ。

 

 




オリ設定

アルブム
ラテン語で白。
ただの男。それだけである。
現在、空母棲姫と同居中。
羨ましい限りである。空母おばさんと言えば瞬く間に滅びが訪れるだろう。

紅い海
深海棲艦により完全に制圧されている海域。主に、過去に大きな戦いがあった場所に現れる。
現れる海域は深く、冷たく、重たい。
赤潮とは違い、生態系は死滅しないが、混沌とした生態系になる。
深海棲艦が退けば元に戻る。

イワシノオリーブオイルヅケ
オイルサーディンの事。米かビールが欲しくなる。
ちなみに二人はユデタトマトと一緒に食べた。
著者はイワシの蒲焼の方が好き。
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