ソラール提督がいく(改修中)   作:タータ/タンタル

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アーマードコアの新作はまだかなぁ。


早く、超軽量機で遊びたいナリ。

パイルを両手に装備して、キメるんだ。

俺が、俺たちが、首輪付きだ!
人類の天敵種だ!
俺がフラジールだ!


サイドストーリー2

まるゆの前の提督『六 虫追』が提督になる少し前。

第一次本土防衛戦の少し前。

 

沖縄防衛戦。敗退後。

 

その沖縄に一人の男が流れ着いた。

 

その男に一人の深海棲艦が心を開いた。

 

彼女の率いる艦隊はイロハ級のみであり、決して強いとは言い切れなかった。

 

結果、第一次本土防衛戦後、沖縄は奪還される事となる。

 

男と深海棲艦はその際に大波に呑まれて消え去り、行方は知られていない。

 

そして、その話を知る者もごく僅かである。

 

ーーーーー

 

それから2年。

東京都

東京大鎮守府

港区基地

総司令執務室

「司令官、質問なんですが、あの男は一体」

「…過去のしがらみ。とでも言っておくか」

「しがらみ、ですか」

「ああ、俺の過去の枷だ」

「あんなに傍若無人な…いや、春雨ちゃんの方が傍若無人でした」

「まぁ、気にするな。あの男はただ者じゃ無い。ほら、俺の息子とどっこいだろうな」

「息子さんと?」

「ああ、倅と。まぁ、ろくにアイツに会えてないから勘頼りだがな」

「そうですか。それで、なぜ息子ではなく、あの男を総司令権限で推薦したのですか?」

「うーん。可愛い子には旅をさせろって言うしね」

「はぁ」

よく分からないという表情で、暁が紅茶を飲む。

「カッ、あっつ!熱くない?これ」

熱湯で入れた紅茶はとても熱い。

ひたすらフーフーしながら冷まそうとする。

「そりゃ、見るからに熱々の紅茶だろう。全く、同じことを昨日も見たぞ」

「それは…失礼。というか、しがらみって過去に何があったの?」

「口調が戻ってる。戻ってる。…まぁ、いろいろあったんだがな。忘れちまった」

「何?もしかして私が一人前のレディーじゃないから教えてくれないの?」

「さあね」

無碍に扱われ、暁は頬を大きく膨らませる。

ぷっくりと膨れた頬を総司令が思いっきり押した。

 

ーーーーー

 

さらに、1年後、駿河鎮守府第三基地

 

「はぁ、疲れた」

「まぁ、道が余り良くないですし」

「この車って言うのは速いのはいいが、こう、操作が難しいんだよなぁ」

「船の免許を取ったくせになんですか」

「いや、船と車は違うでしょ。障害物の有無もスピードも違うし」

「私は船の方が難しいと思いますね。船を使わない方が本能的に出来ますし」

「成る程。艦だもんな」

「おい、二人とも、いちゃつくのはいいが、程々にしておけよ」

「天龍さん!」

「よお、春雨。No.25だっけ。他の春雨よりも凄い目立ってた」

「はい。ええと、司令官、こちらは天龍さんです。私の士官学校時代の先生でした」

「天龍だ。No.2。今はこの鎮守府の遠征部隊の長をやっている。総司令から案内と貴艦隊に入るように頼まれている。ようこそ、駿河鎮守府沼津基地へ。八提督。歓迎するぜ」

ニッと笑って二人が握手をし、門を通り、そのまま基地の敷地の中へ進む。

「しっかし、驚いた。総司令のご指名なんだって?」

「ああ、あのじいさん。アレが総司令だったのか」

「はぁ⁉︎総司令を知らなかったのか?」

「あ、ああ。すまない。この1年は免許だとかそういうのを取ってたから」

「…まぁいいや。あのじいさんの事だから隠してたんだろう。全く、やなご老人だこと」

「まぁ、それよりも、新天地でうまくやれるかなぁ」

「司令官が弱気になってる。珍しい」

「ああ?お前、司令官に対してなんだその口は!」

「あ、天龍さん。それはいつもの事で…」

「提督。俺は呼び捨てで構わない。すまん、後で」

そういうと、パッチを置いて、春雨を追いかけて行ってしまった。

「俺は、何をどうすれば…」

一人残されたパッチはただ呆然としている。

「まぁ、いっか」

そういうと、鞄の中から、渡されていたこの基地についてのファイルを開き、中の地図を見る。

「取り敢えず、部屋の整理をするか」

そう言うと、玄関の大扉を開けた。

 

ーーーーー

 

「さて、ふむ、先ずは艦隊を作らなければ始まらないんだよな…いや、その前に近隣住民への挨拶をするべきか」

執務室と自身の部屋の整理を終え、ふと思い至る。

「昼ごはんがまだだった」

朝早くに東京を出発し、着いたのが9時だったため、ちょうど整理が終わると時刻は正午になっていた。

気付くとお腹が余計に空いてくる。

酷く長い50メートルの道のりを越え、食堂にたどり着いた。

食堂と書かれた暖簾が垂れており、中から良い香りがする。

「いらっしゃい。えっ、…ああ、提督でしたか」

「…、あの、どちら様で?」

「鳳翔ですが…もしかして、聴いていませんでしたか?私の事」

「…ああ、忘れちまったのかな?聞いてないな」

「なら、改めて、私は鳳翔。番号はNo.1です」

「ええと俺…私は八です。ええと、前はパッチと呼ばれてたので、そっちの方が良いかな。うん」

「分かりました。八提督。あ、いや。パッチ提督」

細やかな笑みを浮かべる。

シューと音が聞こえる。

「あっ、味噌汁が。ちょっとそこの椅子に腰掛けて待ってて下さい」

食堂にはカウンター席とテーブル席がいくつかあるだけであり、食堂よりも酒場と言われた方がしっくりくる。

さくら色の着物の上に割烹着を着た姿は正しく、大和撫子と呼ぶにふさわしいだろう。

パッチは、カウンター席に座った。

すると、カウンターの向こうからお盆に乗せられたご飯と味噌汁、そして豚カツが出てきた。

狐色の衣が見るからにサクサクしていて美味しそうだ。

「どうぞ」

「いただきます」

見た目通り、とても美味しい。

米が進む。

不意に台所から疑問が飛んでくる。

「天龍ちゃん、本当に私の事、言ってなかったかしら」

「…天龍…。No.2のですよね。それなら春雨とどっかに行ったきり、二人とも戻って来てないな」

「天龍ちゃんが出迎えに行ったのが、車の音が聞こえて来てからだから、ちょうど朝ご飯の片付けを…まさか」

「え、ええと。いや、確かに、流石に、三時間はおかしい」

「提督。準備を」

「準備…あっ。発艦じゃなくて、出掛ける方ね」

 

ーーーーー

 

正門の前に、動きやすい黒地に桜色のラインが入ったジャージ姿の鳳翔がいた。やけに気合いが入っているようだ。

「ええと、GPSによると…」

「GPS?」

「ええ、居場所を特定するやつです。確か艦娘全員に機能付きのデバイスが渡されたはずですが」

「デバイス…これ?」

スマートフォンをポケットから取り出す。

「ええ、もしかして、走り回って探すつも…」

赤面して丸くなった。本当に走り回るつもりだったらしい。

「ええと、ほら、最初期の艦娘なら、艦娘用の士官学校が生まれる前ですし、ね。知らない事はあってもおかしくないよね」

慰めているのかわからないセリフが出てくるパッチ。

鳳翔はうずくまるばかりである。

「あ、ここだ。って司令官⁈と鳳翔さん…何で蹲って」

「うん?まさか、提督、鳳翔さんを泣かせたな!」

「お前らが言える口じゃないだろ」

正門の影から春雨と天龍が現れた。片手にはスマートフォンを持っている。どうやら地図を見ながらこちらに戻って来たらしい。

しかし、なんともタイミングが悪い。

「ええと、鳳翔さん。先に行って、2人を説教してるから、ね」

『えー』と何処からか文句が聞こえて来たが気にしない。

そのまま2人の首を掴んで、建物の中に入って行った。

 

ーーーーー

 

『コンコン』ドアを叩く音がする。

この時期だからか、既に外は暗く、廊下の蛍光灯がチカチカと光っている。

「提督。ちょっと良いですか?」

頼りなさそうな明かりの元で鳳翔が訪ねて来た。

「ああ。どうぞ。そこに座って」

パッチは中に招き入れるとそのまま和室のちゃぶ台の向かいに座るように座布団を置いて勧める。

そして、電気ポットでお湯を沸かし始める。

「新人の提督さんに言うのは難ですが、どうして、私たちっているんでしょう」

「?…どう言う事だ?」

「私たちは、人の形をしています」

「ああ。そうだな」

鳳翔が涙ながらに話を始める。

「私、なんでこうなったのか、わからないんです。なんで、感情なんて手に入れたのか」

「過去に、何かあったのか?」

「提督がこちらにくる二年前。私は、とある島の奪還作戦に参加していました」

「沖縄奪還作戦か」

「ええ。そうです。私はそこで、とある罪を犯したんです」

「罪?」

「1人の少女を殺しかけ、その少女はもう1人の男と共に」

「…それは」

「駆逐棲姫。ただの姫級の駆逐艦。強い敵の駆逐艦。そう思っていました」

「でも、違った」

「ええ、彼女は悲しみ、そして守る。意思を持っていました。船だった頃は敵なんて何を考えているのかわからなかった。でも、今は耳も目もあるんです。あの子の悲鳴も聞こえるんです。あの子の愛した男の決意もあの表情も」

「でも、それをなんでここに来たばかりの俺に」

「…それは」

言葉が詰まり、顔が歪む。何やら衝動的に思い出してしまったらしい。

きっと、潰される前に誰かを頼ったのだ。

「…まぁ良い。話せない事は話さなくて。まぁ、そうだな。何故、人の形なのか、人としてまたこの世に舞い戻ったのか。それが知りたいのか」

「はい。無かった感情を手に入れたのに、やる事は‘前’と同じ。文字通り身体が軋み、心がすり減ります。本当に‘前’と同じ事をする為に、私達がこの世に産まれたのなら、そんなのなんて、残酷です。それは私たちの意味が無いじゃないですか」

泣きながらちゃぶ台に突っ伏す。

酷く泣きじゃくっている彼女。何処かで見た記憶がある。

パッチは自然と言葉が出てくる。立ち上がり、窓辺に移動しながら外の景色を見る。

「溜めすぎたな。吐き出した方が良い。俺は無欲だが他の人は欲深かった。ものを溜め込んで、溜め込んで。最後は呑まれて行った。溜めすぎるのも良くないし溜めさせられるのも良くない。気楽にな。そうすれば生きれる」

「はい…」

「俺も初めてなんだ。よくわからない事だらけだ。よろしく頼む」

 

ーーーーー

 

鳳翔は部屋に戻り、パジャマに着替える。

わかっているのだ。

八提督を見た瞬間。その時から胸騒ぎが治らないのだ。

春雨を見た時、、理解した。

これは、自分の奥底で溜め込んで終わなければ。

酷く恐ろしい。

 

私があの2人を沈めた。

 

 

2人を殺した。




オリ設定

駿河鎮守府第三基地
駿河湾近辺の住民の護衛の為の基地。前任者は昇級し、呉鎮守府に行った為、八ことパッチがやって来た。

『八 深津』(はち ふくつ)。
本名はパッチ。この名前は海岸に流れ着いたパッチを助けた漁師に付けられた偽名。公的にはこちらを使っている。
元は苦労をかけさせていた立場だが、何故かこの世界では苦労するばかりの苦労人。向こうの世界の記憶は完全に覚えている。

春雨
何故かおしとやかでない春雨。No.25。
浜辺に流れ着いた所を総司令官に拾われる。
士官学校に通ったのち、総司令艦隊準準攻略組に入る。
パッチの秘書艦。
意外と頭脳が優れている。

天龍
No.2。
士官学校で実務の教官をしていた。前任者の秘書艦の鹿島と入れ替わる形で第三基地の管理を任されており、そのまま八提督の艦隊に合流した。
剣捌きはそこそこ上手いが、ゴリ押しの面が強い。
沖縄奪還作戦に参加していたが、途中で撤退した。

鳳翔
みんなのお艦。No.1。
沖縄奪還作戦に従事した。沖縄奪還作戦の結末を知る数少ない人物。その結末から、自分達の存在について疑問を持つ事になる。
戦争は少女の姿をしていない。
しかし、彼女もまた、紛れもなく少女なのだ。

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