久しぶりの月光大剣は楽しかった。
圧倒的浪漫力
「ソラールさん。本当に、大丈夫なんですか?」
「だから、始めからそうだと言っている」
目の前には数十を超えるほどの赤目の大軍がいる。
「やはり、一対多は面倒だ」
だが、そのまま前進する。
ーーーーー
「作戦の説明だ。ソラールを囮に俺たちが後ろから叩く、以上」
六がそう言うと、春雨から声が漏れる。
「…そんなので、出来るんですか?」
「…知らない。だからこそ、ここにいる。作戦の変更など容易い。戦いに、決まりは存在しないんだ」
パッチはただ、目の前の男を見つめる。
「まぁ、こいつが無茶苦茶なのは、前からだ。このご時世に轟沈させた艦など一つもないのは珍しい。それに、俺たちは全員が数十メートルの近接戦しか出来ない。近付かれると砲撃や魚雷を出しにくくなるのであって、効かない訳じゃない。そうだろう?」
「ああ、さすが八だな」
「へへっ。あんたに言われたくないね」
ソラールが質問する。
「…何で、俺を選んだ?」
「硬いから。出来るだろう?敵を纏めて、自分は避けるのに集中すれば良い。それにその力があるんだろう」
「…そうだな」
どうやら納得した様だ。
「取り敢えず、敵は目の前だ。失敗するなよ。お前達五人にかかってるからな」
「よし、まだまだ負けないさ」
「大和、頑張ります」
「ゴリ押しスナイパー部隊、行きます」
「私も?」
「無論、空母棲姫、お前もだ」
ーーーーー
ここを叩くのは明白だった。
総司令官直轄の鎮守府であり、第二次本土防衛戦の英雄とその艦娘、『phantasma』のオリジナルに極秘の特殊艦隊。
多くの艦娘や提督が消息を絶った今、所在が明らかな場所を狙うのが必然だ。
解体令から二週間しか経っていないが、やはり、あらかじめ叩いておかねば危険と判断したのだろう。
今現在、相手方の戦力が明確でない以上、こちらは戦うべきではないが、ここを攻められたら終わりだ。
「…さて、進むべきは」
北方棲姫はただ、作戦の動向を窺っていた。
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「…『太陽の光の槍』」
緋色の雷が発生し、それを放つ。
雷が水面に当り、集団にダメージを与える。
「こっちだ。いいぞ」
ターゲットを定めた十数体がソラールに向かって来る。
「やっぱり、俺の戦いはこうでなければ」
ソラールの装備は基本的に弱い。
太陽のタリスマンはやはり、威力に乏しい。
装備は鎧の中では軽く、故に弱く。
故に盾を使いこなし、素早く動く。
確実に、堅実にこなしていく。
仲間と共にあって、真価を発揮する。
太陽。
正にその名の通りである。
ソラールに向かっていた十数体に砲弾が当り、吹き飛んだ。
フッと鎧の中で笑みが溢れる。
再び、自分の世界とは違う事を噛み締めた。
「あいつみたいに頼れる仲間だらけだな」
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「…それで、この『Gwyn』の学習具合はどうだ?」
「50%ぐらいです」
「ふむ、『Solaire』が110%だから少し遅いな」
「やっぱり、『Gwen』は手に余る力なんじゃ」
「そりゃない。こうして自壊機能も付いているんだ。万が一にもあり得ない」
「そうですか」
「既に設備を全国に増設しているんだ。それに、二重にも三重にも保険を巡らせてある」
「…流石に、出来る訳ないですよね」
「ああ、私の信念は揺るがない。艦の亡霊を全て消す。確実に」
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湯気が心細く揺らめく。
コーヒーの香りが揺らめきながら吹き飛んだ。
「…騒がしいな」
前方では、長門、大和、武蔵が主砲を構え、ソラールから離れた相手を各個撃破している。
空母棲姫も艦載機を飛ばし、敵を撹乱し、撃破している。
一方、北方棲姫はただ、偵察だけをしていた。
「ふむ。ターゲット確認。爆雷、投下」
そう、狙いは海中に潜む、次の大軍である。
水中では衝撃波は大きく伝わり易い。
生態系に支障が出る事は否めないが、仕方ない。
「…流石に全員を引きずり上げるとなると、ソラールの身が持たないからな」
自分の隣にいつの間にか立っていた六が双眼鏡を覗きながら呟く。
「やはり、その程度の事は察せると」
「海で見たでしょう?先生も」
「先生はよせ。せめて北方棲姫とよべ」
オリ設定
『Gwen』
大王らしき者。古い竜を狩り一世代で大国を築いたが、最後は自ら火に飛び込んだらしい。
近距離特化であり、火の灯った剣を持つ。
『Solaire』
断固たる信仰の持ち主らしき者。太陽を崇めていたが、遂に気を悪くしたらしい。終に、彼は大王を狩るか仲間を殺す事にした様だ。
近中距離で能力を発揮し、回復も卒なくこなす。
『Patches』
愚かな盗人らしき者。多くの相手を崖付近に誘っては蹴り落としてきたらしい。彼は不死の中では、より人に近かっただろう。
近距離で能力を発揮し、大盾により硬い。