だったら作れって?
私にその技術は無い!
人類史上、最悪の部類に入るだろうか。
ヒト科ヒト属ヒトとは異なる。今までの生命とは異なる。新たな人間の誕生。
それは突如起こった。
いや、現れたのは突然だが、その勢力は緩やかに増大していった。
この高度なグローバル化の時代。
国境間のインフラの崩壊は即ち、国の崩壊を意味するだろう。
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私は地方に住む、ただの若僧であった。
過疎化が激しく、手入れが行き届いていない海や山のある田舎だ。
今の時代、ネットというものが存在し、私は本の虫では無く、パソコンの虫であった。
だからだろうか、幼少の頃、近所の友人のお爺さんの部屋に飾られていた一隻の船に沢山の人が乗っている写真を見て、興味を持ち、調べ上げた。
だが、まだ小学校を卒業して間もない自分には、早い内容だった。
酷く恐怖した事を覚えている。
自分が生まれるよりも遠い昔、私のお爺さんのお爺さんの時代の物だった。
あの船が本物だと知った。
確かに、何回か授業でやったし、夏になるとよく映画がテレビで流れるが、夢物語の様に曖昧な感じだった。
だからこそ、身近にそれが存在する事を恐怖した。
写真の船はいわゆる復員輸送艦という物だった。
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「…これは?」
目の前に出された写真には、魚の様て金属の様な重厚感のある奇妙な物体が写っている。
「近海で、目撃が多発している海の亡霊って話です」
「凄いハッキリと写ってるな…、合成じゃないのか?」
「それが、全員の証言が揃っていますし、船に体当たりされた様な傷が付いていて」
二枚目の写真には、船が写っている。よくこれで港まで帰って来れたと言わんばかりの傷が付いている。
そして、三枚目には破断した後の付いた丸い穴が写っている。
「鯨や鮫の類じゃないな」
余程の硬さでなければこの傷は付かないだろう。まして、この丸い穴を開けるとなると余程のもので無ければ。
「だから、万が一の事を考えて海上保安庁に連絡を入れたらしいです」
「なるほどな。カモフラージュした兵器って可能性も否めないが、まあ、調べるに越した事はない」
ふと、脳裏に浮かんだ事が有ったが、余りにも可笑しな話なので心の中にしまった。
そのまま、上に報告し、私は出発の許可が降りるまで待機していた。
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あの地獄の世界を見た記憶は無い。
だが、何故かかの戦場がハッキリと見える。
故郷とは違う熱帯の島。
飛び交う銃弾、飢え、それが果てしなく続いている。
正に地獄と呼ばずになんと呼ぼうか。
だが、それも時代の最中の少しにしか変わりない。
きっと、これが争いなのだ。
これを無残と言うならば、遥か遠い時代の戦いもそうだったのだろう。
私はやはりパソコンの虫になり、各地のそうした歴史を見ていた。
田舎の中学の為、一学年に30人もおらず私のその異常さは、目立った。
身近な友人にそんな事を調べる人はいない。
この年頃なら、テレビのドラマや特撮、ゲームだとかアニメだとかを嗜むべきなのだから。
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「許可が下りなかった?」
「ええ、合成か岩場にぶつかったんだと、だから近海の岩場が無いかの調査のみ許可するって」
「はぁ。この亡霊の写真が合成だとして、あの丸い穴を何と言うんだ?」
「それが、尖った岩でもあったんだろうって」
「…無能。ああ、もう、平和ボケしやがって、どう見てもこれは砲撃が被弾した跡…」
「え?」
「…そうか。やはり兵器か。コイツは。しかも砲弾なんてローコストな手段を取ってやがる。いや、今の時代、砲弾の方が効果的なのか」
ぶつぶつと机に向かい、殴り書きでメモを取る。
「えっと」
「いくぞ」
「へ?何処へ?」
「ムカムカするんだ。明日、休日だろう?海に出る。付き合わないか?」
「…了解しました。装備を整えます」
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だからこそ、平和である事を愛おしく思った。
だから、自分こそが、日本の平和を保つのだと。
日本の命綱を護ると。
夢は既に決まっていた。
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そうして、私は神秘とも言えない恐怖を根底に芽生えさせた。
知るべきではない。
禁忌を犯した様で、まるで、無くなったパズルのピースが空から降ってきて、カチリとハマったような不可思議な感覚だ。
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私の夢は叶わず。
日本は幾度も危機に遭った。
硬い信念は全て、打ち砕かれた。
自分が海の平和を、日本の平和を守るのだと。
だが、どこにそんな力があろうか?
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私の夢は壊れた。
この平和を守るのはかつての亡霊達だった。
亡霊には亡霊を。
私の活躍で、深海棲艦を発見し、平和へ貢献したのにも関わらず、世間の関心は味方の亡霊やその為の新たな組織へとばかり向く。
認証欲求がある訳ではないが、心の奥底で煮え滾るものがある。
組織を設立する権限は無い。亡霊達を指揮する権限も無い。
だから、私は得意な頭脳を使い研究する事にした。
あの根底に芽生えた神秘の恐怖を糧に。
オリ設定
元海上自衛官、現大本営研究所社長
深海棲艦を発見し、警告した一人だが、上司の手柄になってしまう。
研究所では、艦娘や深海棲艦の兵装を研究するとともに、『project dark』の発案や『project phantasma』の進行をしている。
大本営研究所
艦娘や深海棲艦について研究している組織。
やはり、現存の兵器が効かない以上、調べなければ分からないだろう。