ダクソ考察たーのしー
マラソンたーのしー
死
冷たい。
海の上に立ったとこはあったが、潜った事は無かったな。
海は冷たいのか。
彼女たちはここに居たのか。
暗くて寒くて、寂しくて。
ああ、今にも吸い込まれそうだ。
沈んでいきそうだ。
…ああ、ダメだ…
…俺の、俺の太陽が、沈む…
…暗い、まっくらだ…
ーーーーー
地の底
イザリスの都
彼女から生まれた
混沌に溢れている地である。
アノールロンドに太陽は無かった。ここに賭けるしかない。
偽りの火でも良い。作られた火でも良い。
太陽にさえなれるのなら。
それで見てしまったんだ。
あのアノールロンドにもあった華の模様。
全く同じだった。
そして、廃都イザリスを歩き回った。
ここに、ここに太陽があるかも知れないと。
壁だろうと天井だろうと何かがあれば目を凝らして覗いた。
ああ、太陽…
きっと、そうなのだろう。
ああ、そうか。
知ってはならない真実を知ってしまった。
確実では無いが、そうなのだ。
私は脇道に倒れ込んだ。
ふと、前に丸からトゲトゲが生えた何かが見えた。
初めから目指した太陽などないのだ。
ならば
…ついに、ついに、手に入れたぞ、入れたんだ…
…俺の、俺の太陽、俺が太陽だ…
…やった…やったぞ…
…どうだっ、俺は、やったんだ…
…お、おおっ…
…おおおおおおおおっ!
ーーーーー
「ソラールさん!」
「へえ…余裕が…あるんだ」
レ級の右ストレートが刺さる。
まるゆはよろめいてしまう。
レ級はそこへ蹴りを入れる。
「ぐぁっ」
6メートルも吹っ飛ぶ。
先程、限界を超えて回復した体力ももう半分しかない。
だが、立ち上がる。
蹌踉めきながら、拳を構えて前へ走り出す。
「お前がその気なら」
砲身をまるゆに向けて撃つ。
しかし当たらない。
「まだまだ」
轟音と共に弾が放たれる。
それでも当たらない。
「それなら」
レ級は拳を構え、直前まで来たまるゆを殴り付ける。
しかし、よろけ倒れ込んだまるゆには当たらない。
否、ローリングしたまるゆはレ級の背後に回り、渾身の一撃を叩き込む。
「ぐぁ」
レ級は前のめりに倒れ込む。
下半身は既に沈み上半身が辛うじて浮いている。
『大破』だ。
「流石、再起動するだけはある。だが、私を倒したとして、まだ6体もの鬼・姫級がいるんだ。出来るか?」
レ級の瞳には、緋色に光る瞳の少女が映っている。
恐らく、彼女ならあのおっさんの相手をしていた軽巡棲鬼を倒す事が出来るだろう。
「ああ、覚悟はあるようだ。…!」
「!」
「あはは、やばいなコレは」
「な…なにを用意したんですか!」
「用意したのは私達じゃ無い。お前だろ」
ーーーーー
「なっ、大破したはず」
目の前の男がむっくりと起き上がる。
「…」
腕を上げ、雷の槍を構える。
しかし、雷は出ない。
「弾切れのようだね」
軽巡棲鬼は嘲笑う
「あはは、あんたみたいなおっさんが何か出来るわけがないだろ。大破してボロボロの癖に」
「…嗤った…ワラッタァァァア」
空気が凍てつく。重い何かがのし上がって来る。
「!まさか…そんな…」
軽巡棲鬼の顔が恐怖で埋め尽くされる。
こんな事はあり得ない!
「深海に…落ちたの?」
ーーーーー
「ははっ、こりゃヤベェ、軽巡棲鬼!全力で逃げろ」
レ級が軽巡棲鬼に向かって大声で叫ぶ。
まるゆもそっちの方を見ると、ソラールが再び立ち上がっている姿が目に浮かんだ。
「ソラールさん⁈さっき沈みかけて…え?」
「お前、逃げた方がいいぞ。ありゃ、死ぬ。完全に呑まれた」
「…どういう事ですか?」
「もし、お前が私を陸…あれは陸の戦士だな、仲間の方が安全か、総司令官の別荘まで運んでくれ」
「…それを言える立場ですか?それにお仲間がいるんですよね」
「うーん、言える立場じゃないな」
「なら、私一人で逃げます」
まるゆはレ級の真反対の方向を向く。
「ちょっと待ってくれ。知りたく無いのか?なんで総司令官が私達と繋がりを持ってるのか。なんで、私達が居るのに、特殊艦隊が来ないのか」
「…まさか」
ニィッと出来る限りの笑みを浮かべた。
「察しが良いな。はは、この気配を感じとって戦艦水鬼が来てくれるだろう。全力で逃げろ。いいな」
「…分かりました」
ーーーーー
「やばいやばい!」
ただならぬ気配の男から、全力で逃げている。
さっきとは違って、とても冷たい。
ちょっと大破まで持っていって驚かす計画が、此方が驚く羽目になった。
あんな事言わなければ良かった!
気配を感じとって近づいてこないかもって。
だから、大破まで持って行って、無理矢理中に連れて来るか、驚かして脅し、言うことを聞かせよう!と。
「うわーん」
涙目になりながら、駆け抜ける。
ホラー映画でキラーから逃げる少女のようだ。
ふと、涙で歪んだ視界に引きずられるレ級と、まるゆが映った。
どうやら拠点に戻って援軍を呼ぶようだ。
腕で涙を拭い、旋回して後ろを追いかけていた鎧に向かう。
風に髪がなびぎ、不敵な笑みが顕になる。
「再起動《本気モード》」
「!」
「ふふーん、状態回復にコレを使うと疲れちゃうからね。使いたく無かったんだ」
青い光が宙を舞う。光と共に白い脚が現れる。
「ここからは、楽しいリサイタル!はっじまるよ」
「グァァァ」
理性を失った男はそんなことを気にせずに襲い掛かる。
まるで獣のように唸っている。
「わお、凄いね。本当に堕ちたみたい」
先程と違って、大振りな攻撃だ。
避けるのは容易い。
「ワンワンってね」
「ガルルル…シズメ…グァァアアア」
「ひっ!」
大振りかつ素早い、乱撃。
避けられ無い。
一撃目で怯んでしまい、四撃当たったが、なんとかステップで回避する。
「いったーい。女の子にそんなことしちゃダメ」
人差し指を立てて横にふる。
そして魚雷を放つ。
「ヒットアンドアウェイってやつ?チマチマやるのつまんない」
不敵な笑みを崩さない。
出来るだけヘイトを稼ぐ。
確実に、時間を稼ぐ事だけを考える。
ーーーーー
遠い、未来の話。
かの地には、とある信仰がひっそりとあった。
とある城の隅の小さな部屋。
とある友の持ち物。
見えない烏の交換場所。
きっとそこで見られるだろう。
彼を
彼に
ーーーーー
向こうから戦艦水鬼がやって来た。
黒い髪の毛に高い背丈、そして何よりも桁違いの大きさの艤装。
コレを見て逃げない方がおかしい。
「やぁ。軽巡棲鬼の応援を頼むよ」
「あんた…ボロボロじゃない」
「最高の気分さ」
「流石ジャンキーね」
遠くを目を凝らして見る。
軽巡棲鬼が、魚雷や砲撃をしながら距離を取っている。
その向く先にソレがいる。
飛びかかる様はまさしく獣だ。
「ええ。とても深い。私よりもきっと。でも…私がやる」
「ジャンキーだなんて、人の事を言えるかよ」
「アンタとは戦う目的が違うわ。それと、まるゆ。ありがとう。このジャンキーは任せた」
「了解しました!」
「レ級と軽巡棲鬼はあとでみっちりお説教ね」
「え⁈」
レ級の目からハイライトが消えた。
心なしか少し重くなった気がする。
ーーーーー
その果ての世界
そこで海を見た者達がいる。
深い海の時代。
人々の信仰は失われ、まさしく尺爛々とした阿鼻叫喚の地獄絵図。
だからこそ訪れぬよう世界を繰り返した。
だが、ソレが気付きソレが繰り返しを終わらせた。
火継ぎ。
まさしくそれは
『流刑』
であった。
ーーーーー
「軽巡棲鬼、お前にはあとでたんまり説教してやる」
「ええ〜そんな〜」
巨大な轟音と共に現れた戦艦水鬼は男と軽巡棲鬼の間に入る。
そして、哀れみの目で男を見る。
「逃げたまえ。君」
艤装の砲身全てが、男を向いている。
「グァァアアア」
しかしそんな事は関係ないようだ。飛びかかって来る。
「っ!一斉射撃。用意……射てぇ」
『ドゴンッ』
全弾着弾し男の体が吹っ飛ぶ。
「一斉射撃はよしてよ。直すの私なんだし、負荷が大きいし、うるさいし」
「ああ?聞こえない」
男がゆっくりと立ち上がる。
2人とも、構え、次の攻撃に備える。
だが、明らかに様子が違う。
男は冷たく重たい声で唸る。
「…シズメ、ヒノナイ…ツメタイウミ二…シズメ…」
彼の身体の所々が黒く歪んでいる。
歪みは大きくなり、男の身体は鎧を着た姿になる。右手にはいつのまにか直剣が、左手にはホーリーシンボルの描かれた盾を持っている。
2人は手を横に当てて笑う。
「ああ、あり得ん。水鬼級だ…。こいつ、進化した」
「一つ聞くが、こいつこうなる以前も何かおかしかったか?」
「ええ、奇妙な術で雷を投げてきたり、水面に立ったり。…はは、全く、興味は尽きないです」
「船でないのに私達と同じ力を持っていて、さらに深い海に沈むなんて…ますますただではおけない」
ーーーーー
ああ、きっと君は辞めたのだろう
薪になる事を
火を継ぐ事を
拒んだのだろう。
君。
即ちイレギュラー。
つまり、プレイヤー。
君。
ーーーーー
「アアア!ワラッタ!マタ、ワラッタ!」
重い一撃が艤装にのしかかる。
「ぐ…凄い重い。何なのこれ」
「やはり、あの男…」
「ん?軽巡棲鬼、どうかしたか?」
「アイツ、煽り耐性が皆無です」
「それ、私の後ろに隠れて言ってたら惨めにみえるぞ。というかお前が煽り過ぎて沸点が下がったんだよ」
砲撃をしながら距離を取る。先程と全く変わらないが、こちらの方が確実だ。それに2人いる。ターゲットを交互に取らせればそこそこ持つだろう。
「タイヨウノヒカリノトドカヌシンカイヘシズメ」
雷の槍を構える。さっきとは色と大きさが全く違う。大きなオレンジ色の雷の槍の周りに黒い粒子がとんでいる。
とても禍々しい。
「デカっ、さっきよりも大きいです」
「それは、ル級レベルの気配から水鬼級レベルの気配にグレードアップしたから、当然といえば当然かね」
「そうだとしたら避けないと…」
「‘怯ませる’」
「あっ、ちょっと!」
「一斉射撃、用意……順次、射てぇ」
『ドカンッ』『ドカンッ』『ドカンッ』
全弾命中、しかし、男は怯まずに槍を投げていた。
闇を纏った太陽の光の槍、その直撃を受けた。
「がぁ!あ、ぐぎ、随分と痛いじゃない」
「戦艦水鬼さん!」
「装甲が高くて良かったよ。こいつが、怯まなくなったのは、きっと私のせいだろう。見ろよ、全弾命中したのに中破すらしてない…やばいぞあれ」
ーーーーー
「まるゆちゃん、行っちゃうの?大丈夫?」
「うん、平気。きっと、あの人を倒す…元に戻すには私が必要だから」
「…分かった。幸運を」
「ありがとうございます」
直った身体で、海上の上に立った。
さっきみたいに輝いて居ない。黒い髪に風が当たる。
きっと、また輝くだろう。
彼を助けるために。
ーーーーー
だが、深海の時代、いつか火が起こるだろう。
小さな火が。
オリ設定
まるゆ(再起動)
中破状態から限界を超えて回復した姿。
凛々しい。
まるゆが過去と共に未来へ進もうとする意思に呼応した。
やっぱり再起動は良いよな。
ソラール(シンカイ)
大破状態から暴走形態を経て完全に堕ちた。
禍々しい。
鎧が何処からともなく現れ、身に纏っている。強さで言えば水鬼級を凌ぐほど。それほどまでに彼の手にしたものは深く、それを背負う羽目になったのだろう。