仮面ライダーゼロワン外伝 「仮面ライダーバンバルカン」   作:不破コラ違反者

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第五話です。ついにオリジナルライダーのバンバルカン登場です


第五話

 場所を付近の倉庫まで持ち越したゼロワンと滅亡迅雷.netとの戦いは熾烈を極めていた。三対一という圧倒的不利な状況ながらもゼロワンは所持しているホッパー以外の、シャーク、タイガー、ベアーの多種多様なプログライズキーの力を駆使うまく立ち回っていた。彼らが三人違う三種類のキーを使役するならこちらは四つのキーの力を使い戦えばいい。

 最初はそれで押せていたのだが次第にこちらにキー交換の隙を与えぬほど敵の戦法は凶悪な

ものとなっていった。

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

 滅の強力な蹴りを受けゼロワンが基本形態であるライジングホッパーへと戻り転がされる。胸部に走る強烈な痛みに耐えながらも彼は立ち上がり、カリバーを構える。

 

「あんさつ……!」

「ぐっ、ううぅぅぅ!」

 

 ドードーの休む暇を与えぬ一閃を寸でのところで受け止める。が、背後を取った滅に足払いを受け体勢が崩れる。

 

「あははははー、どーん!」

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

 そこへ飛行能力を持つ迅の高所からの飛び蹴りにゼロワンは成すすべなく吹き飛ばされる。

 

「ぐあぁぁぁ……」

「社長!」

「或人社長!」

 

 そこへ駆けつけた諌とイズが駆け寄りその身を案じる。しかし、敵がそんな暇を与えてくれるわけもなく迫りくる迅の追撃から二人を突き飛ばすように逃がし、ノーガードで強烈なパンチを受けた。

 

「ばぁぁぁん!」

「ぐあぁぁぁぁぁ!」

 

 すぐさま起き上がり交戦するが多大なダメージを受けた身体はもう限界でなすすべがなかった。

 

「暗殺……」

「どーどー」

 

 滅はドードーにアタッシュアローを手渡すと迅の加勢するべく駆け寄る。残されたドードーはどこからか取り出したマンモスゼツメライズキーをスロットに装填した。

 

【マンモス!】

【Progrise key comfirmed. Ready to utilize.】

【ゼツメツアビリティ!】

 

 滅はゼロワンを背後から首を掴んで拘束し身動きを封じる。迅が腕を掴み抵抗のチャンスを完全に奪う。

 

「ぐっ、はなせぇぇ……」

「さらばだ、ゼロワン」

 

 同時に必殺の射線上にゼロワンを投げ捨てる。

 

【ゼツメツカバンシュート!】

 

 直後、巨大なマンモスの足を模した弾丸がゼロワンをはるか彼方まで吹き飛ばした。

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!」

 

 倉庫の壁に叩きつけられたゼロワンはクレーターの生まれたそこから破片と共に落下して変身を解除した。

 

「ぐぅ、うあぁぁぁ……」

 

 地面に倒れた或人は立ち上がる力もなくその場に突っ伏し呻く。

 ゼロワンに勝ったと喜ぶ迅とドードーは共に歓声を上げる。そして滅の視線はイサムへと再び向けられた。壁に凭れ掛かり今にも気絶してしまいそうな彼に。

 

「ほぉ、まだ暴走していなかったか。しぶとい奴だ」

 

 無情にも滅は再度、指を鳴らしてイサムの起動スイッチを入れる。ヒューマギアモジュールが赤と青に点滅して彼は頭を抑えて悶えた。

 

「ぐぅ、うぐあぁぁぁぁぁ……!」

「おい! しっかりしろ俺!」

 

 苦しむイサムに諌は駆け寄る。先程よりも苦しむ彼を救うべくベルトに手を伸ばすがそれよりも先にイサムは暴れだしてしまう。

 

「グッ、ウオォォォォォ!」

「くっ、……っ!?」

 

 強烈な力で飛ばされた諌が目にしたもの。それは目とモジュールを真っ赤に染めたイサムの姿だった。

 

「あはは、かなり粘ったけど結局負けちゃったね。ははは」

 

 そう、無邪気に迅が笑う。

 入口に立っていたイサムの左右にどこから現れたのか無数の下級マギア達が囲い、逃げ道をふさいだ。

 

「くそっ、万事休すか」

 

 諌は歯噛みして或人のいる場所へイズと共に後退する。変身さえできれば、いや、変身できなくともせめて或人とイズだけでも逃がさなくてはならないが滅亡迅雷の幹部三人に加えてヒューマギアとしては未知数のイサム。状況は笑えるくらいに絶望的で諦めかけたその時、一発の銃声が響いた。

 

「刃っ!?」

「不破っ! 大丈夫か!?」

 

 聞きなれた銃声を鳴らしたのは唯阿。慣れた動きでマギアを蹴散らしこちらへと駆け付けた。

 

「お前、どうしてここに?」

「お前が帰ってこないと部下たちが心配していてな。様子を見に来てやったんだ」

「そうか、俺の装備はあるか?」

「残念ながら、キーしか持ってきていない。すまない、私が……」

「気にするな。今はお前の力が頼りだ。頼むぞ刃」」

 

 彼女が助っ人に来てくれたことに礼を述べる諌。キーがあるのならばそれと彼女のショットライザーを使いバルカンへの変身を行うという手もあるがそれでは唯阿が無防備になってしまう上、自分でもゼロワンをいとも簡単に倒したあの三人を相手に全員を逃がせる自信が諌にはなかった。それに、この状況は元々自身の日頃の行いが悪いのだから彼女に当たるのも悪いだろう。

 唯阿もまた、自身のいたずら心が招いたこの状況を口おしく感じながらも打開するべく戦べく、自身のプログライズキーを取り出した。しかし――

 

「やらせないよ、バルキリー」

 

 迅の指示でドードーマギアは自身の持つ二振りの剣を投擲。危うくかわすもキーを取り落としてしまう。

 

「あっ!」

 

 そして、それはマギア達の中に滑り回収は困難となる。

 

「くっ、私まで……不破!」

 

 諌に拳銃を投げ渡し生身で戦闘する意を伝えた。

 迫りくるマギアに接近しながら銃弾を放ち着実に撃破していく唯阿。バルキリーの高速で立ち回る戦闘スタイルを人間時には止まることなく走ることで再現し攻撃する。

 乱入してきたドードーを回転することで回避。銃口を突き付けた。

 

「人工知能特別法違反を確認。対象を破壊する」

「あんさつ……」

 

 動けない或人に変わりイズはアタッシュカリバーを振るう。一見、華奢な少女のような彼女だがヒューマギアらしくその力は人間を大きく超え、さながらアクションスターのように華麗に剣を振るい無言のまま敵を蹴散らしていく。

 

「…………」

 

「ふんっ! はぁっ!」

 

 拳銃片手に一番の大立ち回りをするのは諌。限りある弾丸を一発も打ち漏らしなくマギアに浴びせて牽制。彼らの落とした銃や剣を拾い上げそれで攻撃を繰り返す。

 

「くっ…… うおぉぉぉぉぉ!」

 

 銃が玉切れを起こすが構うことなく戦う。拳銃を投げ捨て己の拳を武器に挑み続ける。

 

「数が、減らねぇ……」

 

 減少どころか増加してるのではないかと思えるほどマギア達に

限りはなく諌は確信をもってイサムを睨んだ。

 

「やはり、アイツか!」

 

 その言葉を裏付ける様にイサムからはヒューマギアを洗脳しここへ導いているであろう赤い電波が放たれていた。

 

「おい俺! この状況を何とかしろ!」

 

 マギアを抑え込みながら諌はもう一人の自分であるイサムに呼びかける。

 

「お前は俺なんだろ! 不破諌を殺すために奴らが作った存在なんだろ! なら、お前は誰よりも俺に近いはずだ! それなら……、なおさら滅亡迅雷に負けるんじゃねぇ!」

 

 無数のマギアに押し倒されながらも諌は叫び続ける。

 

「お前には……、俺の気持ちがわかってた。ヒューマギアに対する怒り、滅亡迅雷に対する憎しみを! だったら分かるだろ! 滅亡迅雷なんかに利用される屈辱が! これ以上はいわせるなぁ!」

 

 押し寄せるマギアの群れから逃れようともがく。が、二十を裕に越える数に身体を抑えられてしまえば脱出は不可能に近かった。が――

 

「うっ、うぐぅ、おおぉぉぉぉぉ!」

 

 イサムが吠える。

 諌の言葉に反応するように頭を抑えていた手を外しベルトを引きはがそうと抗う。マギア達の動きが一瞬、止まる。

 

「何……」

「あれ、どうしたの皆ー!」

 

 事態を高所から見下ろしていた滅と迅だったが、予想外の展開に困惑する二人を他所に諌は渾身の力を込めて脱出、イサムの元へと駆ける。

 

「やらせるか」

「暗殺ちゃーん」」

 

 ドードーマギアが諌の動きを阻止するべく走りだすがそれよりも早く飛び出したイズの斬撃と唯阿の銃撃の前に大きく転がされた。

 

「行けっ、不破っ!」

「おおおぉぉぉぉぉ!」

 

 唯阿の声を聞く前にイサムの元へたどり着きフォースライザーに手を伸ばす。直後、気を失いそうなほど強烈な電撃が全身に流れた。

 

「ぐぅ、うがぁぁぁぁぁ!」

 

 二人の身体に赤い稲妻が走る。アーク接続後に余計な干渉をされぬよう特殊な改造を施されたベルトはそう簡単には外れない。

 

「無駄だ。それは一度付けてしまえば外れることはない。我々でも解除は不可能だ」

「うるせぇ、俺が、いや……俺たちがやると言ったらやるんだ!」

 

 ぎちぎちと音を立ててベルトが火花を散らす。諌の服はボロボロで体の至る所から血が流れていき、イサムの身体からは火花どころか煙が上り始めるが二人は構うことなく続ける。そして――

 

「俺たちが、ルールだぁぁぁ! おおぉぉぉぉぉ!」

 

 フォースライザーがイサムの腹部から取り外された。地面を転がり二人は離れていく。

 

「…………」

「えっ、えっ!? 何でッ!」

 

 ありえないことに迅が驚く。滅も顔にこそ出てはいないが目の前のありえない光景に言葉を失っていた。

 

「はぁっ、はぁっ……」

 

 肩で息をしながら諌は引きはがしたフォースライザーを見つめる。

 これで滅亡迅雷の連中は仮面ライダーへと変身している。これを使えば自身も緊急的にだが仮面ライダーに変身し戦うことが出来るかもしれない。これが人間に対応しているかは不明だが試してみるしかない。

 あとは、変身のためのプログライズキーを或人か唯阿に借りようと立ち上がった瞬間、イサムが動いた。

 

「こ、これを使え……」

 

 彼が差し出してきたのは青いプログライズキー。イサムが滅亡迅雷のアジトを抜け出したときに無意識のうちに盗み出していたものだ。

 基盤は透明で中の配線は丸わかりであり色味も若干違うが、記されているアビリティは諌の普段使っている『シューティングウルフプログライズキー』と同様だった。

 

「いいだろう」

 

 彼からキーを受け取り握りしめる。自身を抹殺するべく滅亡迅雷.netが作り出したキーを彼らを打ち倒すために使う。意趣返しにも丁度良かった。

 腹部にフォースライザーをかざす。針まみれのベルトが容赦なく突き刺さり激痛が伴う。

 

「ぐっ、ああぁぁぁ!」

 

 想像を絶する痛みに悶えるが気を失うほどではない。むしろ、激痛が走る度に怒りや憎しみといった感情が爆発し膨れ上がって力となっていく。

 

「ヒューマギアは、俺が残らずぶっ潰す!」

【バレット!】

 

 プログライズキーを握りつぶすようにして起動スイッチを入れる。スロットに装填すると赤いプラズマが全身に広がると共にオオカミのライダモデルが飛び出す。

 敵を威嚇するよう吠える獣の傍らで諌は痛みを押し殺しながらレバーを引いた。

 

「変っ、身っ……!」

 

 ジャッキが鈍い音を立ててキーを強制展開。方向を変えてこちらに迫ってくるライダモデルを諌は拳で粉砕した。

 

「はぁぁっ!」

【フォースライズ! シューティングウルフ!】

【The evation increases as the bullet is fired】

【Break down】

 

 普段の白を基調としたベースカラーから一変。全身を黒一色に胸部や全身のほとんどを滅亡迅雷のライダーと共通の仕様となり、頭部はオオカミを模してはいるものの複眼は平行四辺形となり凶悪さが増している。

 そして何より目を引くのは両腕に備えられた重厚な装甲。パンチの威力を高めるだけではなく短機関銃を搭載し敵に対して有効な弾丸を的確に打ち出せる機能を備えている。

 

「仮面ライダー、バンバルカン」

 

 滅が誰に聞かれたわけでもなくその名を告げた。

 アークの生み出した不破諌を抹殺するために生み出されたライダーシステムはその生みの親であるアークのしもべに牙をむくべく動き出した。

 




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