真剣で殺し愛夫婦の子供に恋しなさい   作:紅 幽鹿

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第零話

 誰もが寝ているであろう時間帯、一人の男が正拳突きを繰り返し、足元には流した汗で出来た大きな水溜りがあった……。

 彼の拳からは空気を裂く音が聞こえる……。

 男は、ただ我武者羅に何かに憑りつかれているかのように繰り返していた正拳突きを止めると、自分で持って来ていたのだろうか……大きな鞄からマネキンを自身の目の前に置くと、独特な構えをし……。

「疾ッ!」

 拳を放ち、マネキンを木端微塵にした……。

 男はマネキンだった塵を、これまた持って来ていたであろう竹箒で集め終えると、今度は鞄から一振りの刀を取り出し、素振りをし始める。

 この素振りも正拳突きと同じように、ただひたすら繰り返し、また新たな水溜りが出来る……。

 そして、鞄から三体のマネキン――マネキンにはそれぞれ『岩倉』、『千種』、『童帝』と書かれている――を取り出し、目の前に置く。

 マネキンを置いた場所から距離を取り刀を振るうと、三体のマネキンの頸が飛んだ。

「……朝か」

 首を飛ばしたマネキンの身体を鞄に詰め込み、落とした頸を綺麗に並べた後、男は太陽が昇っていることに気付いた。

 太陽の光によって、先程までよく見えなかった男の姿があらわになる。

 端正な顔に、女性のように線が細い身体、髪は脚の所まで長さがあり、その髪を三つ編みにし、三つ編みの先端辺りには、大きい紅色の玉が付いている。

「さて、家に帰って準備をして、一子さんにモーニングコールをしなくては」

 男……壬生(みぶ)宗紫(そうし)は柔らかな口調で呟くと、鞄を背負いこの場から去って行った。

 

~~~~~~

 

~~~~~~

 

 いいなあ、あれ。斬りたいなあ。今まで負けなしだなんて、燃えるなあ。と、先程人間テトリスなるものを完成させ、不良を空の彼方へ蹴り飛ばした武神こと、川神(かわかみ)百代(ももよ)先輩のことを考えながら僕は父さんみたいなことを考える。

 うん、無いですね。僕は父さんのような変態剣士ではないですから、べつに人を斬り続けたいとは思いませんね。

 まあ、この世には父さん以上に変態の人がいるようですし、父さんは一応、常識人の部類なんでしょう。

 たぶん、おそらく……。

 と、考えているうちにどうやら多馬大橋……通称、変態の橋に着いていたようです。

 ちなみに、この橋が変態の橋と呼ばれている理由は僕が通う川神学園に在籍する奇抜な生徒が通るからです。

 例を挙げるなら、禿げのロリコン、可愛い不思議系少女、バイセクシャルなイケメン、人力車で登校する生徒、年齢を考えずに変なキャラ作りをするメイド兼生徒などですかね?

 え、僕ですか?……僕は至って普通ですよ。可愛い恋人がいる普通の生徒です。まあ、両親はあれですが……僕は至って普通です。普通です。普通です。普通と言ったら普通なんです。

 さて、そろそろ学園に着きますね。今日も至って普通の日常を謳歌しましょうか。

 




改めて書き直しました。
よろしくお願いします
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