最期の旅路の果てに   作:夕闇

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 ロシアのハイブが陥落寸前だとして、各国は緊急会議を開いた。

 

 

「今しがた、ハイブが落ちました。奮闘はしたようですが、止まるに至らなかったようです」

 

「ロシア第3ハイブが陥落しただと!? 揺り籠は別としても、ハイブは人類の守護者となる場所だぞ! それが落とされた!?? ロシアは一体何をしているんだ!!!」

 

「ふむ、推定死者は9割超。ほぼ完成に近いハイブが破られたと。完成したハイブの外壁ですら時折ARAGAMIに破られることを考えれば、各地の国民の不安が高まりから治安悪化は避けられませんな」

 

「殲滅作戦を前にして、ARAGAMIにハイブが占領されるとは前代未聞な……また各国の足並みが揃わないせいだとまた叩かれてしまいます」

 

「皆さん、静粛に。こうして緊急モニター会議をしたのは他でもありません、ロシア第3ハイブをどうするかということです。不幸なことに今回の襲撃でロシアの首相も亡くなわれてしまいました。確かに、ほぼ全滅なのは間違いありませんが、それでも僅かな住民が動くこともできずに立て篭っているということです」

 

「滅却処理すら許されませんね」

 

「言葉を慎みなさい、不謹慎ですよ」

 

「そうですね、失礼しました。ですが、誰が救援に向かうというのです? 今ハイブを占領しているのは、ロシアの中で最強と名高いHANNIBAL。彼等率いるARAGAMI軍団ですが……首魁は現在、空を飛ぶんでしたね?」

 

「まぁ、こうも危険種が集団結束していると、救援を送ったとしても悪戯に被害が出るだけでしょうね」

 

「では、静観でもしますか?」

 

「いやいや、それよりもロシアにいる有力者から何か無いんですか?」

 

「早く事態を収束して欲しいと」

 

「ふふっ、失礼。変な笑いが出ました……うーん、フェンリルにでも任せますか?」

 

「足りなくないか? あのHANNIBAL限っては知略で人間の罠にかけるARAGAMIだぞ。軍団も練度が高い上にその下ですら多少の知恵も回る。空戦対策ができたとしても、神機使いがいなくならないか?」

 

「やはり、滅却処理しかないのでは……?」

 

「いや、だからそれは最終手段でしょう」

 

 

 モニター越しに各国が集う会議の進捗は硬直するばかりである。デメリットばかりが目立つ今回の件。誰もが責任を持ちたくないのだ。容易に失敗が想像できるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハイブが陥落した不幸は周辺地域にも広まった。辺境の村にも。

 

 

「ねぇ、お母さん。どこ行くの?」

 

 

 夜遅く、慌ただしく荷物をまとめる両親へ子供が問う。

 

 

「あらあら、アリサ起きたのね。今、お父さんと避難する準備を始めているの。明日になったら迎えの人達がきて、お家とさよならしないといけないから」

 

「えー、カルラと会えなくなっちゃうよ」

 

 

 怪我してカミラに貼って貰った絆創膏に触れる。

 

 

「大丈夫よ、きっとカルラさんも避難しているだろうから。さ、明日は疲れちゃう日だからもう寝なさい? いい子でしょ?」

 

「んん……わかった」

 

 

 アリサは母に言われて、寝ぼけ眼で自室へ戻っていく。

 

 

「ふぅ、まさかハイブまでARAGAMIに占領されてしまうなんて……どこも安全な場所はないのね」

 

 

 アリサの母は未来に不安しかなく、自然とため息がでた。

 

 

 

 

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