最期の旅路の果てに   作:夕闇

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 カルという人物はアルシュの仲間で、私を勧誘した賊のリーダーである。見ない間に神機使いになっているとは思いもよらぬことだった。

 

 貴重な情報を手にいれたのだし、この地の用は達した。彼女は彼に任せることにする。私はアルシュの首輪を解除し、それを手にした。携帯は返す。

 

 

「アルシュ、貴女の手にある情報はどう扱おうが自由だけれど、ほんの少しだけ期待しているわね」

 

「あ、ありがとう。それから、えっと、貴女は…………どこ行くの?」

 

 

 名前を聞きたそうにしていたが、私は答えない。

 

 

「貴女の首に付いていたこれを爆破するのよ。そこのカルが言うには救援部隊も全滅したそうじゃない。少しでも化け物共を攪乱(かくらん)しないとね」

 

「はぁ!? お前、そんな危ない物をアルシュに装着させたのか!!」

 

「――止まれ。その刃を私に向けるなら、ここで爆発させるわ。音を聞きつけた化け物が大群でやってくるでしょうし、大事なアルシュも無事では済まないわよ?」

 

 

 神機を突きつけようとしたカルに、首輪をチラつかせて脅しで行動を遮る。カルは不快に顔を歪めた。馬鹿な行動をしないでくれて助かる。無用な殺生をするつもりはない。

 

 

「カル……」

 

「ちっ、わかったよ」

 

 

 アルシュが縋るような目をすると、カルは怒りを引っ込める。無用の戦闘がなくて一安心。そして、ここで彼らとはお別れである。私はさっさと彼らの前から立ち去った。

 

 自身の力を晒してまで彼らを助ける気は私にはない。せいぜい、助力としてハイブ内の一部を派手に爆破するくらいだ。運が味方すれば二人はアラガミの巣窟から逃れられるだろう。

 

 私は一定の時間が経過してから一つの建築物を連鎖的に爆破させ、化け物達の注目を集めると、カモフラージュで姿を消し、化け物の手に落ちたハイブから立ち去った。

 

 さて、ヨハネスは対アラガミ研究の科学者として有名だ。同期のペイラー・榊博士と意見が食い違うことも。このロシアまで名声が轟いている。長い移動時間を承知で村や町を巡って正解だった。対立する者に情報をリークするのもいいだろう。

 

 しかしだ。

 

 しかし、そんなことは二の次かもしれない。よりにもよって、”ノヴァ”という地球を脅かす生物を知ってしまった。空飛ぶ竜の対決は面倒事しかないので避けたが、ノヴァの存在をクルスは許さないだろう。舞台の場所もわかっている。彼女の意識が浮上してきたら、苦労するに違いない。

 

 

 

……。

 

 

 

…………。

 

 

 

………………少し迷ってる。

 

 

 

………………………………………。

 

 

 

 いや、もういいか。クルスの渇望を満たしてよいかもしれない。私も望んでしまった。

 

 

 

 

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