最期の旅路の果てに 作:夕闇
「アイツに後の事を託されたというに、俺等は事後処理も満足にできねぇのかよっ!」
ジャックは現状のもどかしさに研究室の机を激しく叩く。
「落ち着くのだ、ジャック。ここ等が我々の限界であり実状は変わらん。現実を受け入れ、決して自暴自棄になるな」
「わかっている、ああ、わかっているさ。けどな、下の連中がいないんだ、八つ当たりくらいさせてくれ」
研究室にはジャックとシルヴァ、それからクイーンの亡骸の3人がいた。
ジャックは綺麗に2等分された半身だけのクイーンの遺体を睨みつけ、頭を抱える。一方シルヴァは娘クルスの亡骸を痛まし気な瞳で一瞥した。
クイーンを討伐してから約1ヶ月。溶鉱炉、電気分解に機械での破砕やレーザーカッターによる切断。どれもがクイーンの亡骸を完全に消失させるのに至っていない。
「……クイーンの死体の半分が未だに見つからねえし、周囲を探索したって何処かへ潜んだ痕跡すらねえ。この事を軍全体に周知させた方がいいんじゃないのか? 情報が少しでも欲しい」
「むぅ、誰かの口から漏れることを考えればな……住民を不安にさせたくないんだが、しかし検討はしよう」
シルヴァは疲れ気味な声音で回答する。シルヴァとて、満足に事態が解決しない現状に不満がある。クイーンを討伐しても状況は好転せず、問題ばかりが増えている。もどかしさと焦燥感を抱き、心身ともに疲弊する一方だった。
最期の旅路の果てに自決した彼女は地形を変化させるほどの力を放出し、クイーンの亡骸を半分割って消えていってしまった。
幾ら蘇る
だが、だからこそだろう。心臓を失った体に何処かへ消えたクイーンの半身。はっきりとこの二つが
精神世界にて。
『カミラの手料理が食べてみたいな』
「は?」
『ご、ごめんね? 吸血鬼は輸血パックで十分で、病院生活だったからできたての料理が食べてみたいなって』
「お母様に教わったからできるわ。でも、ここは夢で、現実世界は材料だってないじゃない。仮にできたとして、味ってあるのかしらね」
『ないけど、雰囲気だけでも味わいたいなって……駄目かな?』
「……赤の他人、ましてや同性の上目遣いなんて腹が立つのだけれど」
『当たりが強ぎない?』
「貴女、私に対して友達のように振る舞っているけれど、ほぼ初対面のようだって忘れてない? 殺し合いはしてても、会話なんて今回が初めてなのよ?」
『食べたいなー、仲良くしたいなー』
「はぁ……、ヤドリギの件でお世話になってるし作るわよ。だから床でゴロゴロ転がるのは止めなさい。はしたない」
『わぁーい、食材用意するね』
「まるで子供……難儀ね」
Q.下のおまけっぽい話は何?
A.1000文字以下だと投稿できない。