真・恋姫†夢想-革命- 世界の破壊者   作:サラザール

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ニヶ月近く遅れて申し訳ございません。今回で第二章は終了です。


第9話 通りすがりの仮面ライダーだ!

<盗賊>「テメェがこの軍の頭目か? まだガキの女じゃねぇか! 俺たちも舐められたもんだぜ!」

 

<華琳>「統率力は無し、人を見る目も無し。残念ね、今日が貴方の命日よ」

 

<盗賊>「その言葉そっくり返してやらぁ!」

 

 そう言って盗賊は華琳目掛けて突っ込んできた。

 

<季衣>「でええええいっ!」

 

<司>「ふん」

 

<盗賊>「ぐはっ!」

 

 ()()は巨大な鉄球を振り回し、俺は素手で向かってくる盗賊を叩き潰した。

 

<季衣>「兄ちゃん、素手なのに強いね!」

 

<司>「当然だ。鍛えてるからな!」

 

 そんな会話をしながら華琳を守る位置で盗賊たちを返り討ちにし、戦況は俺たちが優勢に立っている。

 

 敵が少なくなってきたことで、(しゅん)(らん)たちの戦う姿が見えるほど俺たちは圧倒していた。

 

 地面には血だらけで倒れた盗賊と自軍の兵士。(けい)(ふぁ)の策が上手くいったとはいえ、こちらにも被害は出ている。

 

 しかし今はそんなことに気を取られている場合ではない。目の前の盗賊を倒すことが先決だ。

 

<盗賊>「ぐはっ、バカな、なんて強さなんだ……」

 

<桂花>「(そう)(そう)さまの軍に私が手を貸しているのよ? 負けるわけが無いじゃない。身の程を知りなさい」

 

<春蘭>「うむ……これは認めざるを得ぬか。よし追撃だ! 賊どもを根絶やしにするぞ!」

 

 敗北を誘った盗賊たちは俺たちに背を向けて逃げていく。

 

<桂花>「逃げる者は逃げ道を無理に塞ぐな! 後方から(そう)(じゅん)さまの部隊で追撃を掛ける。大人しく力尽きるのを待って良い!」

 

 桂花はえげつないことを言う。まあ、正面からヘタに受け止めるよりはマシだがな。そんなことを思っていると(しゅう)(らん)(しゃん)(ふー)、その他の兵士が戻ってきた。

 

<秋蘭>「華琳さま。ご無事でしたか」

 

<華琳>「見事な働きだったわ、秋蘭」

 

 二人が戻って来たのは確認したが、あとの春蘭と()(ろん)がいないことに疑問を抱く。

 

<司>「春蘭と華侖はどうした?」

 

<桂花>「どうせ追撃したいだろうから、季衣に()(こう)(とん)さまたちと追撃に行くように指示しておいたわ」

 

<司>「……あ、なるほど」

 

 桂花は(るー)(りん)の隊が追撃すると言っていたが、柳琳 "だけ" とは一言も言ってなかった。

 

 柳琳が来るまでは逃げ切れると思った連中に向かって、春蘭たちが容赦なく襲わせるというわけか。

 

<華琳>「桂花も見事な作戦だったわ。負傷者もほとんどいないようだし、上出来よ」

 

<桂花>「あ……ありがとうございます! 曹操さま!」

 

 華琳に褒められた桂花は満面の笑みを浮かべる。

 

<華琳>「後は、(えい)()

 

<栄華>「はい。事後処理に関しては、お任せ下さいませ」

 

<華琳>「任せるわ」

 

 まるで戦いが終わったような雰囲気になっているが、華琳は真剣な眼差しで周りを気にしている様子だ。

 

 そう、ここまでイマジンが姿を現していないのだ。盗賊に憑依していると思っていたが、それらしき人物もいなかった。

 

<春蘭>「華琳さまー!」

 

 しばらくして、春蘭たちが戻ってきた。季衣と華侖、柳琳も一緒だ。

 

<華琳>「ご苦労だったわ、春蘭」

 

<春蘭>「はっ」

 

<華琳>「季衣も華侖も頑張ったわね」

 

<季衣>「ありがとうございます」

 

<華侖>「ありがとうっす」

 

<柳琳>「はい」

 

 皆無事で良かった。ここまでイマジンが出て来ないと不安になる。すると———。

 

<盗賊>「畜生!」

 

<司>「っ!?」

 

 すると砦のある方向から数人の盗賊がやって来た。彼らは俺たちに敵意を向けてくるが、何か違和感を感じた。

 

<春蘭>「まだ居たのか!」

 

<盗賊>「このまま……では、終わらんぞ……」

 

 盗賊はそう言って近づいて来る。そして彼らの体から砂が溢れ出るのを目にする。

 

<司>「まさか……」

 

 盗賊たちはその場で力尽きたように倒れるが、体からは砂が出続けている。そしてその砂は人の形となり、それぞれコウモリやカメレオン、モグラの姿へと変わった。

 

<華琳>「なっ!?」

 

<桂花>「こ、これは……」

 

 イマジン。電王の世界に現れる接触した人間のイメージや記憶により肉体を手に入れた怪人。

 

 俺の世界では契約者の願いを叶えた後で、無差別に暴れ回っていた。恐らくこいつらが戦になっても姿を現さなかったのは、まだ契約者の願いを叶えている途中だったのではないかと推測する。

 

<華侖>「な、なんすか!」

 

<柳琳>「これが情報にあった怪物……」

 

 華侖たちはイマジンの出現に驚いていた。当のイマジンたちはこちらに敵意を向けて来る。

 

<季衣>「なんかよく分からないけど、曹操さまたちはボクが守る!」

 

<司>「季衣! 待て!」

 

 イマジンたちに向かって突っ込む季衣を止めようとするが、彼女は巨大な鉄球を振り回してイマジンたちに攻撃する。

 

 イマジンたちは彼女の攻撃を軽々と躱し、季衣にカウンターを仕掛けた。

 

<季衣>「ぐあああっ!」

 

<春蘭>「季衣っ!」

 

 季衣はイマジンたちの攻撃を喰らって地面へと倒れる。

 

<春蘭>「大丈夫か?」

 

<季衣>「は、はい。なんとか……」

 

 なんとか立ち上がる季衣に春蘭が手を貸す。怪人が出て来たのなら使命を果たすまでだ。

 

<華琳>「司」

 

<司>「ああ、俺の出番だな!」

 

 そう言って俺はポケットから "ディケイドライバー" と "ライドブッカー" を取り出す。

 

<季衣>「兄ちゃん?」

 

<栄華>「檜山(ひやま)さん?」

 

<司>「皆、下がってろ。俺がやる!」

 

  "ディケイドライバー" を腰に巻き、 "ライドブッカー" からディケイドのカードを取り出すとイマジンたちに(かざ)した。

 

<司>「変身!」

 

 俺はカードをバックルへと挿入し、正位置に戻す。

 

KAMEN(カメン) RIDE(ライド) DECADE(ディケイド)

 

 その瞬間、周りには9つものカードの壁とシルエットが現れ、体を包んで姿を変える。そしてディケイドライバーの中心から7枚のライドプレートが出てきて、変身した司の頭部を貫く。

 

<一同>「なっ!?」

 

 仮面ライダーディケイドへと変身した俺に華琳と春蘭、秋蘭、香風以外は驚きの声を上げる。

 

<司>「変身するのは一ヶ月ぶりかな」

 

 ディケイドへと変身したのは華琳たちと出会った以来一度もしていない。鍛錬は欠かさずにやってきたが、この世界で仮面ライダーとして戦うのは二度目になる。

 

<華侖>「司っち……なんすかその姿?」

 

<司>「仮面ライダーディケイドだ」

 

<栄華>「かめんらいだーって、春蘭さんが言ってたあの……」

 

<司>「イマジンが三体……まあ、これぐらいが丁度良いか」

 

 俺はそう言ってイマジンたちへと近づいていく。イマジンたちは変身した姿を見ると驚いた様子で戦闘態勢へと変わる。

 

<バットイマジン>「貴様、まさか……」

 

<司>「そうだ。天の国でお前たちを倒した通りすがりの仮面ライダーだ! 覚えておけ!」

 

 そう言いながら俺は "ライドブッカー" から一枚のカードを取り出してバックルに差し込む。

 

ATTACK(アタック) RIDE(ライド) SLASH(スラッシュ)

 

  "ライドブッカー" をソードモードにしてバットイマジンに斬り付ける。

 

<バットイマジン>「ぐはっ!?」

 

<カメレオンイマジン>「この野郎!」

 

 カメレオンイマジンは斬り付けた俺を殴り掛かってきたがそれを躱す。その隙を狙ってモールイマジンもドリルハンドで突き刺そうとしてくるが、 "ライドブッカー" で受け止める。

 

<司>「ふん、この程度か」

 

 俺はそう言って "ライドブッカー" からカードを一枚取り出して、バックルに差し込んだ。

 

ATTACK(アタック) RIDE(ライド) BLAST(ブラスト)

 

  "ライドブッカー" をソードモードからガンモードに切り替えてイマジンたちに向けて発砲する。イマジンたちはエネルギー弾に直撃し、モールイマジンとカメレオンイマジンを倒した。

 

 二体は悲鳴を上げながら爆発し、その周辺は焼け野原と化した。

 

<季衣>「凄い……」

 

<バットイマジン>「くっ……ここまで強くなっていたとは」

 

<司>「どうした、もう終わりか?」

 

 俺は "ライドブッカー" を元に戻して、その中からカードをもう一枚取り出す。

 

<司>「後はお前だけだ。これで決めるか」

 

FINAL(ファイナル) ATTACK(アタック) RIDE(ライド) DE DE DE(ディ ディ ディ) DECADE(ディケイド)

 

 バックルへと挿入するとともに音声が流れ、俺の目の前に十枚の巨大なホログラム状のカードがずらりと並ぶ。

 

 俺は助走をつけてジャンプし、前にある大きなカードをすり抜けて加速しながら蹴りの態勢に入る。

 

<司>「はあっ!!」

 

 カードの中を通り過ぎながらバットイマジンにディメンションキックを叩き込んだ。

 

<バットイマジン>「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 バットイマジンは後ろに吹っ飛び、地面に倒れたと同時に小規模の爆発が起こした。

 

 爆発はすぐに収まり、辺りは再び焼け野原の化す。

 

<華侖>「や、やったっすか?」

 

<司>「まあ、こんなものかな……」

 

 不完全燃焼ではあるが、誰も怪我しなかったことから気にしないようにした。こうして戦は終わり、俺は皆の元へと戻る。

 

<司>「終わったぞ、華琳」

 

<華琳>「ええ、よくやったわ」

 

 華琳は労ってくれるが、春蘭と秋蘭、香風以外は未だに驚きを隠せない様子だ。

 

 まあ無理もない。あの三人以外は仮面ライダーのことや、俺がこの世界に来た目的を知らされていないからな。

 

 とりあえず撤収する時にでも皆に教えておくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<司>「……そっか。()()()(りん)の所に残るんだ」

 

<春蘭>「ああ。季衣には、今回の武功をもって華琳さまの親衛隊を任せることになった」

 

 砦を陥とした俺たちは(ちん)(りゅう)の近くまで戻って来た。

 

<季衣>「それにボクの村も、しばらく(そう)(そう)さまが治めてくれることになったんだ!」

 

 そう、今回の戦で功績を上げた季衣は曹操軍に入ることになった。

 

<季衣>「税もずっと安くなるし、警備の兵や曹操さまの信用して?役人も連れて来てくれるっていうし、それが一番嬉しいよ。だから今度はボクが、曹操さまをお守りするんだー!」

 

<司>「頼もしいな」

 

 季衣の村は()(しゅう)の側だが、華琳が(はい)(こく)(しょう)に申し出たのだ。

 

 一時的ではあるが、季衣にとっては嬉しいことではあるな。

 

 心残りがあるとすれば、華琳の元から盗まれた "太平要術の書" が見つからなかった事。あの三人組も見なかったことから、恐らく戦の最中に書物を持ってまた何処かへ逃げたのかもしれない。

 

  "太平要術の書" を取り戻せていない以上、怪人たちの手に渡る前にはなんとかしたい。

 

<華琳>「さて。後は、(けい)(ふぁ)のことだけれど……」

 

<桂花>「そ……曹操さま、ここでですか!?」

 

<華琳>「皆も揃っているし、ちょうど良いでしょう」

 

 桂花が華琳に持ち掛けた取引。遠征へ出発直前に約束した糧食半分で成功させること。

 

<華琳>「桂花。最初にした約束、覚えているわね?」

 

<桂花>「……はい」

 

<華琳>「城を目の前にして言うのも何だけれど、私……とてもお腹が空いているの。分かる?」

 

<桂花>「……はい」

 

 結論から言えば、桂花は華琳との賭に負けた。糧食は昨日の晩で尽きて、俺も含めてここにいる誰もが朝飯を食べてない。

 

 理由は二つある。一つはこちらの損害が少なすぎて、兵が予想以上に残ったこと。二つ目は……。

 

<桂花>「ですが、曹操さま。言い訳を承知で言わせていただければ、それはこの季衣が……」

 

<季衣>「ほえ?」

 

 二つ目の理由、それは季衣にあった。

 

<司>「流石にこうなるとは俺も思わなかったよ」

 

<華琳>「予測できない事態が起こるのが、戦場の常よ。それを言い訳にするのは、適切な予測が出来ない、無能者のすることだと思うのだけれど?」

 

<桂花>「そ、それはそうですが……」

 

 そう。季衣はあの小ささで、俺たちの十倍以上の糧食を平らげたのだ。まあ、あれだけのパワーの源になると考えれば、妥当な計算なのだろう。

 

 しかしこんなことになるとは誰も予想していなかった。

 

 一食あたりの小さな誤差も、回を重ねれば無視できない数字になってくるわけで、桂花の予想を超えたのが、不幸なことに城に帰り着く直前、昨夜の出来事だった。

 

<季衣>「え? えっと……ボク、何か悪いこと、した?」

 

<柳琳>「ううん、大丈夫よ。季衣さんは気にしなくて」

 

<華琳>「どんな約束であれ、()()にすることは私の信用に関わるわ。少なくとも、無かったことにする事だけは出来ないわね」

 

<秋蘭>「華琳さま……」

 

 華琳はそう言うが、彼女の表情を見る限り罰を下すつもりはないようだ。

 

<桂花>「……分かりました。最後まで糧食の管理が出来なかったのは、私の不始末。首を刎ねるなり、思うままにして下さいませ」

 

<春蘭>「ふむ……」

 

<桂花>「ですが、せめて……最後は、曹操さまご自身の手で……!」

 

<華琳>「とは言え、今回の遠征の功績を無視できないのもまた事実。……いいわ、減刑して、おしおきだけで許してあげる」

 

<桂花>「曹操さま……っ!」

 

 あれだけ用意周到な作戦を立てられる人材がいるのだから、当然首を刎ねるようなことはしない筈。

 

<華琳>「それから、季衣とともに、私を華琳と呼ぶことを許しましょう。今後はより一層、奮起して仕えるように」

 

<桂花>「あ……ありがとうございます! か、華琳さまっ!」

 

<華琳>「ふふっ。なら、桂花は城に戻ったら、私の部屋に来なさい。たっぷり……可愛がってあげる」

 

<桂花>「え? そ、それは……ま、ままま、まさか……!」

 

 華琳の一言に桂花は頬を添えて笑みを浮かべた。それ、お仕置きじゃなくてご褒美だぞ。

 

<華侖>「なんか楽しそうなんすけど。ね、(るー)(りん)。華琳姉ぇたち、いったい何の話をしてるんすか?」

 

<柳琳>「そ、それは……その……あぅぅ」

 

 公衆の面前でそんな話はやめてほしいものだ。俺からすればあまり関わりたくない。

 

<季衣>「それより兄ちゃん。ボク、お腹すいたよー。陳留って、美味しいものがたくさんあるんでしょ?」

 

<司>「そうだな。片付けが終わったら、皆で何か食べに行くか」

 

<季衣>「やったぁ! それじゃ、早く帰ろうよ!」

 

<司>「分かったから、とりあえずバイクを引っ張らないでくれ」

 

 季衣はそんなに楽しみしているのか "マシンディケイダー" を引っ張る。

 

<季衣>「ほら、(しゅん)(らん)さまも早く早くー!」

 

<春蘭>「ははは。分かったというに」

 

<華侖>「あ、季衣ー! あたしも置いてっちゃダメっすー! ほら、急ぐっすよ、司っち!」

 

 こうして俺たちは盗賊退治の大仕事を終え、城へと帰ってきた。これから先、俺が想像もしない出来事が巻き起こってくることは言うまでもない。

 




次回は第三章に入る前に拠点フェイズを入れます。お楽しみください。
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