真・恋姫†夢想-革命- 世界の破壊者   作:サラザール

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もしかしたら孫呉の血脈や劉旗の大望の部分が出てくるかもしれません。丸写しにならないように頑張ります。


第2話 曹孟徳

<司>「俺は檜山(ひやま)(つかさ)。学生だ。」

 

 華琳の出城のある街に連れて来られた俺と香風は、彼女たちに自己紹介をする。ちなみに "マシンディケイダー" は馬小屋の近くに止めている。

 

<秋蘭>「では檜山司。おぬしの生国(しょうごく)は?」

 

<司>「天界にある日本という国だな」

 

<秋蘭>「天界?」

 

<司>「まあ、俗に言う天の国というところだ」

 

<秋蘭>「ほう……」

 

 やはりここは過去の世界のようで、この時代の人にとって "天の国" というワードは驚かれるようだ。しかし三国志の世界へタイムスリップなんて、漫画やテレビでしか聞いたことはない。

 

<春蘭>「なんと……。こんな風采(ふうさい)の上がらないヤツが……」

 

<華琳>「……けれど、先程見せた姿と強さなら納得がいくわ」

 

 そんなんで通用するとは思いもやらなかったが、神と名乗る老人が言ったとこが本当だと改めて知った。

 

<司>「正確に言うなら、今から1800年後の未来から来たということになるな」

 

<秋蘭>「未来だと?」

 

<司>「ああ。そんなことを言っても面倒なことになるから、あえて天の国から来たことにしてるんだ」

 

<華琳>「その方が分かりやすいわね」

 

 華琳と秋蘭は納得してくれたようだが、春蘭は未来という言葉が引っかかってイマイチ理解していない様子だ。

 

<春蘭>「未来……よく分からんぞ」

 

<司>「もう天の国から来たってことでいいよ」

 

<春蘭>「なんだ、それを早く言え!」

 

<香風>「それ、いいね」

 

<司>「最初にそう言ったんだけど……」

 

 小学生でも理解できる内容につまずくなんて、間違いない。コイツは馬鹿だ。

 

<春蘭>「貴様……何か失礼なことを考えてないか?」

 

<司>「別に……」

 

<華琳>「それで、さっき乗ってきた物も貴方のいう天の国の乗り物かしら?」

 

<司>「ああ、バイクと言って馬より早く走れるよ」

 

<秋蘭>「なんと……」

 

 この時代は馬が主流だから、これより早い乗り物だと言われると驚くのは目に見えている。

 

<春蘭>「では、お前がぶら下げているそれは何なのだ?」

 

<司>「カメラのことか?」

 

<春蘭>「かめら?」

 

<司>「簡単に言うと、その場の背景や人を写すことができるものだ」

 

<秋蘭>「そんな小さな箱でか?」

 

<司>「ああ、これがカメラで撮った写真だ」

 

 そう言って俺はジャケットの内ポケットに入れた写真を取り出す。それを華琳たちにみせると驚きの声を上げる。

 

<華琳>「これは!」

 

<秋蘭>「ほう……」

 

<香風>「凄い!」

 

<司>「これも俺の国にある道具だ」

 

 威張ることじゃないが、見ず知らずの人に自分の撮った写真を見て驚かれるのは悪い気分ではない。

 

<華琳>「それで、さっきの怪物たちについてだけど……貴方が姿を変えたことも含めて説明してくれるかしら?」

 

<司>「そうだな。まず、さっき襲ってきた怪物の名は……オルフェノクと魔化(まか)(もう)だ」

 

<春蘭>「おるふぇのく?」

 

<秋蘭>「まかもう?」

 

<香風>「シャンたちを襲ってきたわーむと違うの?」

 

<司>「ああ。香風にも言ったけど、怪人たちにも色んな種類がいるんだ。共通して言えるのは人間に危害を与える悪い奴らということになる」

 

 俺は淡々と怪人たちについて説明する。

 

<司>「怪人たちの中には人間に化けて襲ってくるワーム、死体から(よみがえ)るオルフェノクなど、いずれも5年前にも俺の国に突然現れたんだ」

 

<華琳>「貴方の国にも?」

 

<司>「そうだ。俺はそいつらを倒すために仮面ライダーに変身して戦ったんだ」

 

<春蘭>「かめんらいだー?」

 

<司>「仮面の戦士だ。ちなみに俺が戦ったのは仮面ライダーディケイドと言うんだ」

 

<華琳>「でぃけいど? 言いにくい名前ね」

 

<司>「仮面ライダーにもいろいろあるが、ディケイドの能力は他の仮面ライダーに変身する能力なんだ」

 

<秋蘭>「そうなのか」

 

 仮面ライダーに変身するのは4年ぶりだが、戦い方を憶えていたのは体に染み付いていたからだ。

 

<司>「一年ぐらいで怪人たちを倒したかな。その後は怪人が現れることは無くなったからそれ以来は戦ってないけどな」

 

<華琳>「つまり、貴方がその怪人とやらを倒して国を救ったということね」

 

<司>「そうなるな。平和になってからは学校に行って勉強したり旅行したりしてたから、動きは鈍ってたけど……」

 

<秋蘭>「学校? 私塾のことか?」

 

<司>「そうだな。話が脱線しそうだから戻すけど、怪人を倒して4年が経った後、俺の元に老人が現れたんだ」

 

<春蘭>「老人だと?」

 

 俺は事の経緯を正直に話すことにした。

 

<司>「その老人に言われたんだ。この世界を救って欲しいと」

 

<華琳>「この世界……と言うとさっき言ってた怪人とやらのこと?」

 

<司>「ああ。俺が倒した怪人がこの世界に復活したから、もう一度ディケイドに変身してこの世界を救って欲しいと」

 

<香風>「それでお兄ちゃんはそのおじいちゃんに連れて来られたってこと」

 

<司>「そうなるな」

 

 ここでその老人を神と言っても信じてもらえないと思い、そこは伏せておくことにした。

 

<秋蘭>「事情はよく分かったが、どうしておぬしが倒した怪人がこの世界に現れたのだ?」

 

<司>「老人が言うには、俺と同じ天の国から来た奴が原因みたいだ」

 

<春蘭>「もう一人いるのか?」

 

<司>「そうみたいだ。俺はそいつのことは知らないが、名前は北郷(ほんごう)一刀(かずと)というらしい」

 

<華琳>「北郷一刀……その男が怪人たちを率いている元凶ってこと?」

 

<司>「いや、そうじゃないみたいだ。少なくとも北郷一刀という奴に悪意はないし、話を聞けば怪人たちを従えている訳じゃなさそうだ」

 

 北郷一刀。そいつのことはよく分からないが、この世界に来たことで悪影響を及ぼしたと老人が言っていた。

 

<司>「元々、天の国とこの世界を行き来することは有り得ないことだけど、北郷一刀は事故に巻き込まれて偶然この世界にやってきたようだ」

 

<春蘭>「しかし、その者が来てどうして怪人たちが現れたのだ?」

 

<司>「さっきも言ったけど、違う世界の人間がここに来るのは有り得ないことだ。俺をこの世界に送ってきた老人は影響を受けないようにできるみたいだが、北郷一刀は事故とはいえ、勝手に来てしまったからな」

 

<秋蘭>「つまり、その老人とやらがおぬしをここに来させないと悪いことが起きてしまうということか?」

 

<司>「そうなるな」

 

<華琳>「ということは、司は怪人だけでなく、そいつらが現れる元凶になった北郷一刀を倒すことを目的としているわけね」

 

<司>「怪人を倒しに来たのは本当だけど、北郷一刀については倒すかどうかはまだ考えてる途中だ」

 

<香風>「どうして?」

 

<司>「そいつは気付いてないだけかもしれないし、存在するだけで悪だと決めつけたくないからな」

 

 偶然この世界に迷い込んだだけの人を、存在するだけで倒すようなことはしたくない。仮面ライダーとして、一人の人間としてそれはよくない。

 

<華琳>「なら司は怪人だけを倒すのね」

 

<司>「そうだね。けど、香風たちを襲ってきた盗賊もいるみたいだから、そいつらにはディケイドに変身しないけど懲らしめることはするかも」

 

<春蘭>「盗賊?」

 

<香風>「うん。お兄ちゃんが来る前に盗賊がシャンたちを襲ってきた」

 

 すると華琳たちは盗賊という言葉を聞いて(いぶか)しげな表情を浮かべる。

 

<華琳>「その盗賊の顔を見たのね」

 

<司>「顔は覚えてるよ。俺が来る前だから香風も覚えてるはずだ」

 

<香風>「……シャン、みんな同じ顔に見えた」

 

 いや、あの三人全然違ったぞ。どんだけ興味なさ過ぎるんだ?

 

<司>「一人は中年のオッサンで、二人目はチビで鼻が高いやつと最後が肥満体の大男だったぞ。名前は知らないが、特徴的な奴らだから見ればすぐに分かるけど……」

 

<華琳>「……少なくとも、聞いている情報と外見は一致するわね」

 

<司>「どういうことだ?」

 

<華琳>「私の城に盗みを働いたのよ。貴重な遺産を盗まれて、私たちはそいつらを追ってここまできたの」

 

<司>「へぇ、あいつらがね。高値の付くようなものか?」

 

<華琳>「それはないけど、 "太平要術" という書を盗まれたの」

 

<司>「 "太平妖術" ?」

 

 何やら良からぬものだと理解する。

 

<秋蘭>「あらゆる妖術が書き記された書物だ」

 

<司>「妖術ねぇ……ん?」

 

 そこで俺はふと考える。何故ワームたちが盗賊に化けてあの三人組にいたのか。その書物を取り戻そうとする彼女たちを妨害してきたオルフェノク。そして妖術らしき力を使う怪人たちがいること。

 

<司>「っ!?」

 

 怪人たちの目的が何なのかが一つ理解した。もしそうなら———。

 

<司>「まずいな……」

 

<春蘭>「どうした?」

 

<司>「香風たちが襲ってきた怪人。盗賊に化けてあの三人組に近づいていたんだ」

 

<華琳>「それがどうしたの?」

 

<司>「怪人たちの中には妖術を使う奴もいるんだ。もしそいつらが太平妖術とかいう書を手に入れたら……」

 

<秋蘭>「……とんでもないことになるということか」

 

 秋蘭の言葉に華琳たちは理解する。あの三人組に太平妖術の書を持っていたことを知っているなら、ワームが人間に化けて近づいてきたのも納得がいく。

 

<司>「くそっ! あの時一緒に懲らしめておけば良かった。怪人たちも何処で現れるか分からんからな」

 

 知らないとはいえ、そんな物があるなら悪用されてもおかしくない。後悔しても仕方ないが、あの盗賊が何処にいるかは分からない。

 

<司>「怪人退治も含めてこの世界のことを調べようと思ったが、そいつらの捜索もしないとな。あと金も必要だから何処かで働かないと……」

 

<華琳>「……ねえ、司」

 

<司>「なんだ?」

 

<華琳>「貴方……私たちの捜索に協力なさい」

 

<司>「え?」

 

 華琳からそんな申し出を受けて驚く。

 

<司>「いいのか?」

 

<華琳>「ええ。私たちもその盗賊を追ってたもの。三人組の顔を知ってるようだからね。それに……」

 

<司>「それに?」

 

 華琳は真剣な眼差しでこちらを見つめる。

 

<華琳>「貴方のその仮面ライダーという力も、一人で行動すれば混乱を招く可能性があるわ。もし私の元で怪人を倒してくれるのなら、民たちも少しは安心してくれるわ」

 

<司>「いいのか?」

 

<華琳>「構わないわ。その代わり、こちらに協力すること。怪人については優先してもいいけど、賊の討伐も行うの。もちろん、政務にもついてもらうわ」

 

<司>「それは分かったが、本気なのか?」

 

<華琳>「私は本気よ。貴方はこの世界とやらを救うためにやって来た天の御使いなのでしょ?」

 

<司>「そんな大層なものじゃない……とは言えないが、まあ、そういうことにしとくか」

 

 通りすがりの仮面ライダーとしてやってきた俺には、若干違和感がある。しかし、単独で行動すれば誰もが不審に思うだろう。

 

<華琳>「話が(まとま)ったわ。春蘭と秋蘭もいいかしら?」

 

<秋蘭>「華琳さまがおっしゃるのなら……」

 

<春蘭>「……仕方ない」

 

 二人も納得してくれたようだ。

 

<司>「……香風はどうする? さっきの名乗りの通りだと、今は自分の意思で野に下ってるんだろ? この人たちに協力するってことは、また宮仕えに戻るってことになるかもしれないけど……」

 

<香風>「んー、お兄ちゃんが残るなら、シャンも残る。……いい?」

 

<華琳>「都で騎都尉(きとい)まで務めた貴女を拒む理由はどこにもないわよ。歓迎するわ、徐公明」

 

<香風>「シャンのことは、シャンでいい」

 

<華琳>「……ええ。なら、これからは私の事も真名で呼んで構わないわ、香風。春蘭、秋蘭も構わないわね?」

 

<春蘭>「はっ」

 

<秋蘭>「御意」

 

<華琳>「ああ……そういえば、まだ二人には名乗ってなかったわね。私の名は(そう)(もう)(とく)。それから彼女達は、()(こう)(とん)と夏侯(えん)よ」

 

<司>「なにっ!?」

 

 俺は彼女たちの名前を聞いて驚いた。まさか———。

 

<司>「曹孟徳……魏の曹操だと。それに夏侯惇に夏侯淵……」

 

<華琳>「ちょっとまって。どうして今、その地名を口にしたの? それに、私が名乗らなかった操という名も知っているの?」

 

<司>「未来……いや、天の国でも曹操の名は常識だ。魏という国を立ち上げた武将としてな」

 

<春蘭>「何を言っている! ここは華琳さまが治めている陳留で、魏郡はもっと北だ!」

 

<秋蘭>「姉者、落ち着け。先程檜山(ひやま)(つかさ)は未来から来たと言っていた。知っているということは華琳さまはこれから先、天の国の歴史に名を残すほどになると言っているのだ」

 

<春蘭>「な、なんと……」

 

<華琳>「驚いたわ。まさか天の国にも知れ渡っているなんて……」

 

 彼女たちの会話で今の時期がまだ魏を立ち上げる前だと知る。まさか曹操に出会うとは思いもしなかった。しかしまさか、さっきの(ちょう)(うん)を含めてこの世界の武将は女だということが驚きだ。

 

<司>「俺も驚いてるよ。まあ、そんなことは今はどうでもいいか。とりあえず、三人組の盗賊についてだな」

 

<華琳>「ええ、それともう一つ。司の真名も聞いてなかったわね。教えてくれるかしら?」

 

<司>「そのことだが……俺には字もなけれは真名は無いんだ」

 

<春蘭>「どういうことだ?」

 

<司>「天の国には真名というのがないんだ。……強いて言えば、司ってのが俺の真名になるな」

 

<華琳>「……っ!?」

 

<春蘭>「なっなんと……」

 

<秋蘭>「むぅ……」

 

 華琳たちは真名がないことに驚きを隠せないようだ。

 

<司>「そういえば、ここの流儀では真名は信頼できる人しか呼ぶことができないだったっけ?」

 

<香風>「真名をいきなり呼ぶのは……ちょっとない」

 

 香風にだけは言われたくない。ワームたちを倒した後自分から真名を名乗ったじゃないか。

 

<秋蘭>「うむ。少々、予想外だったものでな……」

 

<春蘭>「ならば貴様は初対面の我々に、いきなり真名を呼ぶことを許していたと……そういうことか?」

 

<司>「そうなってしまうな……。知らない人に真名を呼ばれるのは命を奪われてもおかしくないと聞いているが……」

 

<華琳>「ええ。私たちにとって真名は魂の半分なの」

 

 そんなに重いものだと思い知る。文化の違いというやつだな。

 

<華琳>「そう……。ならば、こちらもあなたにに真名を預けないと不公平でしょうね。私のことは華琳と呼んで良いわ」

 

<司>「いいのか?」

 

<華琳>「私が良いと言っているのだから、構わなくてよ」

 

<司>「……分かった」

 

 こうして俺は華琳たちに真名を預かった。秋蘭は構わないようだが、春蘭は最後まで抵抗していた。アレや貴様や犬と呼ぶと言ったときは少し反論したが。

 

<司>「よろしくな。華琳」

 

 これから曹操……もとい華琳の所に厄介になることになるが、これからどうなるかは俺にも分からない。

 




ゲームではこの後にオープニングとなるはずです。誤字や自分の都合の良いように解釈しているかもしれませんので、YouTubeでもう一度確認して見ようと思います。
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