真・恋姫†夢想-革命- 世界の破壊者   作:サラザール

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他のキャラの拠点フェイズと組み合わせることもあります。


拠点フェイズ1

<警備兵>「檜山(ひやま)さまっ!」

 

<司>「ああ、そっちに行ったぞ!」

 

<盗賊>「ええい、こんちくしょうっ!」

 

 俺は警備兵と共に陳留の街で盗みを働いた盗賊を追っていた。相手は大きな(おの)で俺たちに向けて振り回してくる。

 

<盗賊>「そこをどけー!」

 

<司>「ふんっ!」

 

 盗賊は俺に向かって斧を振り下ろしてくるが、紙一重でかわして顔面に蹴りを喰らわす。

 

<盗賊>「ぐはっ!?」

 

 痛みで顔を手で覆いながら地面を転がる盗賊に、俺は手首を持って押さえつける。

 

<司>「今のうちに縄で(しば)れ!」

 

<警備兵>「は、はいっ!」

 

 俺は警備兵の一人に指示を出し、縄で縛りつける。

 

<警備兵>「檜山さま! こちらの賊も捕まえました!」

 

 後ろからは二人のゴロツキを縄で引きずる警備兵が現れた。

 

<司>「そいつらも牢屋にぶち込んでどけ」

 

<警備兵>「はっ!」

 

 そう言って警備兵たちは捕まえた盗賊を連行していく。

 

<司>「今日で四度目か。全く……人手不足にも程があるぞ」

 

 俺は溜息(ためいき)を吐くが、こればかりは仕方ないと諦める。

 

 陳留にやってきて数日が経ち、俺は華琳から警備隊の隊長を任された。

 

 最初は一警備兵として加わったが、一日に何度も盗賊やチンピラを逮捕していくうちに華琳から高く評価されて街の警備隊長を任されるようになった。

 

 警備隊のみんなとは仕事していくことで信頼を得られはじめたように感じる。

 

<司>「さてと、そろそろ休憩するか」

 

 この世界に来てワームやオルフェノクたちを倒して以来、怪物たちと戦うことはおろか姿を見ることはなかった。念のために休憩を取らずに街を巡回しても人間に化けている気配はなかった。

 

 しかし、華琳からの報告では怪人の目撃情報が度々耳にする日はある。今のところ被害は出てないようだが、いつこの街に潜り込んでもおかしくない。(えん)(しゅう)に逃げ込んだ盗賊を追っているイマジンも気掛かりだ。

 

 アンノウンやオルフェノクあたりは "太平要術" を狙ってもおかしくないが、イマジンがあの書を持っても何の意味もない。もしかしたら偶然あの三人に取り()いた可能性がある。

 

 それはともかく、今は何処かで食事をすることが先だ。俺は屋台通りへと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<司>「……で? 何のようだ華琳?」

 

 翌日、俺は華琳から謁見(えっけん)の間に呼び出された。彼女の隣には春蘭と秋蘭も居る。

 

<華琳>「秋蘭」

 

<秋蘭>「は。檜山(ひやま)、これを」

 

 秋蘭から渡されたのは、一枚の書類だった。俺はさっと流し読みして書かれている内容を理解する。

 

<司>「…… 城の治安維持向上の計画書か。それも草案ってことはまだ完成してないのか」

 

<華琳>「ええ。あなたにはその草案を本案に仕上げてもらいたいの」

 

<司>「それは構わないが、いいのか?」

 

<華琳>「何が?」

 

 華琳は何でもないようにそう言うが、来て数日しか経ってない人に重要な案件を任せるのかと疑問に思う。

 

<司>「俺に任せていいのかってことだ。計画書もほとんど白紙の状態だし……」

 

<華琳>「自覚がないようだから言うけど、来て数日でここまで成果を上げられるなんて逸材としか言いようがないわ。警備に加えて春蘭たちの書類整理も手伝ってるそううね」

 

<司>「まあ、少しは慣れてきたからな。それに政務にも付いてもらうって言ったのは華琳だろ?」

 

 華琳の城に来てからは配属になった警備隊を含めて、手伝えるところは自分から率先している。警備隊が人手不足であることから春蘭と一緒になることはあり、たまに彼女の代わりに書類整理を引き受けている。

 

<華琳>「ええ、確かに私は言ったわ。だからこそ、ここの要人となったあなたに任せるのよ。世界を救うために来たのなら、目の前の命を救えなきゃ所詮はその程度ってことになるんじゃない?」

 

 最もなご意見だ。世界を救うこと事態大変なことなのに、目の前の命すら救えないとなると怪人を倒しても意味がない。

 

<司>「分かった。やってみるよ」

 

<華琳>「よろしい。なら、期限は三日とするわ」

 

 三日か。いくらなんでも短いが、警備をやっていて気付いたこともいくつかある。そのくらいの期間なら十分だ。

 

<司>「了解した」

 

<華琳>「その言葉、確かに聞いたわよ」

 

<司>「ああ。じゃ、今から取りかかってくる」

 

 そう言って俺は計画書を手をして謁見(えっけん)の間を後にする。

 

 

 

 

 

<春蘭>「華琳さま……」

 

<華琳>「どうしたの?」

 

<春蘭>「今回の件……本当によろしかったのですか?」

 

<華琳>「何が?」

 

<秋蘭>「檜山(ひやま)に任せた案件です。……少々無茶が過ぎるのでは?」

 

<華琳>「あら、私に意見するつもり?」

 

<秋蘭>「そんなつもりはありませんが……。しかし、いくら檜山でもあれを三日で仕上げるのは……荷が重いかと」

 

<華琳>「そうかしら? 私はそうは思わないわ」

 

<春蘭>「……と、言いますと?」

 

<華琳>「そうね……ここに来て司を見てきたけど、彼は私たちとは違う視点で物事を見ている傾向があるわね」

 

<春蘭>「はあ、それはアイツが天の国から来たからだと思いますが……」

 

<華琳>「確かにそういうことかもね。でも、彼が書いた書類を見たけどなかなかのものだったわ。学生をしてたって言ってたけど、それだけであそこまでできるとは思わなかったもの」

 

<秋蘭>「確かに、そう考えと期限を三日も設けるのは妥当だとお考えで?」

 

<華琳>「そうね。あるいは……」

 

<春蘭>「どうなさいましたか?」

 

<華琳>「いえ、何でもないわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<司>「やっぱりここに詰所を造るべきだな」

 

 俺は華琳から重要な案件を任されて、まずは街を巡回しながら状況を確かめる。

 

 城の治安維持向上をどうにかするのが仕事なんて、学校に置き換えれば学校内での風紀や、生徒の授業態度、学習意欲など生徒会や教師がやる仕事と同じようなもの。

 

 中学生の頃に先生や先輩の推薦で、仕方なく生徒会に入っていた俺は生徒会副会長として放課後でも学校に残って仕事をしていた。

 

 この頃から人を導くことは慣れていない。誰かを守るより、守られる側の人間だった俺だが、今となっては良い経験をしたと思っている。

 

 仮面ライダーになって怪人たちを倒し続けて世界を救ってきた。そのせいでどうしてか俺の力は皆を救うためにあるのだろうと思い始めた。

 

 そんなことを口にすると、思い上がりだの調子に乗ってると言われるかもしれない。自分でもそう思っている。けれど大きな力には責任が備わるのだからしょうがない。

 

 話が脱線したが、こうして街を巡回している理由。華琳に連れて来られてから警備兵が少ないと直感で分かった。それが確信したのは警備隊に配属されてすぐだ。

 

<司>「ここに建ててもすぐに駆けつけることはできないか。かと言って城から遠かったら急な連絡が来るまで時間が掛かるからな」

 

 巡回しても駐在所も陳留に一つしかないことも分かった。経費のことを含めて考えねばならなくなる。だからこそ、改めて街を回って何処に建てるのかを地図を見て目で確認する必要があった。

 

 しかし、詰所をどこかに建てたところで解決とはならない。最初に知った通り、人手が足りないということ。

 

 俺が来たことで少しは良くなっているそうだが、いつまでもそのままではダメだ。改善すべきところはまだあるが、一番の問題はどうすれば華琳たちが納得してくれるかだ。

 

 華琳は陳留という街を収める太守……日本でいう市長のようなもの。今の俺が付け焼き刃で彼女のやり方を真似、あるいは応用してもどうにかなるわけではない。

 

 つまり、俺が今まで経験してきたことや日本の経済や社会、あらゆる政策をこの陳留に合うようにアレンジしていく必要がある。

 

<警備兵>「檜山(ひやま)さま。大通りの警備、異常はありません」

 

<司>「分かった。お前、今日はもう終わりだろ? 休んで構わんぞ」

 

<警備兵>「はっ!」

 

 彼は最近、警備隊に入った新人だ。少し間抜けだがガッツはある。何度か話しても仕事熱心なのが伝わる。

 

 新人だからお給金も少ないが、それでも食らい付いて来ている。俺も新参者なんだけどね。

 

<司>「給金か……」

 

 彼の背中を見送っていると、あることを思い付いた。

 

<司>「そうだ。アレなら……」

 

 

 

 

 

<司>「華琳、計画書を俺なりにまとめてきたぞ」

 

<華琳>「そう、楽しみにしてたわ」

 

 翌日、俺は華琳の部屋に訪れて完成させた計画書を提出する。

 

<華琳>「…………」

 

<秋蘭>「…………」

 

 部屋にいる華琳と秋蘭は計画書に目を通す。正直自分では出来ているつもりではあるが、判断するのは彼女たちだ。少しは不安になる。

 

<華琳>「……秋蘭、ここはどう思う?」

 

<秋蘭>「……は、恐らく、こちらと関連しているかと」

 

<華琳>「……ふむ、なるほど」

 

<司>「…………」

 

 しばらく沈黙が流れるが、華琳は資料を一通り目を通すと口を開いた。

 

<華琳>「司。ここ、一町ごとに詰所を作って、兵を常駐させるとあるけれど……。これはどういう計算なのかしら?」

 

<司>「今は四町から五町の間に、詰所が一つしかないからな。それだと騒ぎが起きてもすぐに駆けつけられないことがあったんだ」

 

<華琳>「でもそれだと、人手も経費も馬鹿にならないわ」

 

<司>「平日は半数を本体の兵士から回してもらいたい。残りはこちらで募集を掛けるつもりだ」

 

<華琳>「義勇兵ということ? それなら……」

 

<司>「有事でもないと、義勇兵は集まらないからな。給金はちゃんと払うつもりだ。兵役や雑役を免除して待遇を良くすれば、今より人は集まるだろうし……本体に所属したい人がいるなら、そっちに推薦状を出してもいい」

 

<華琳>「なるほど……兵役を課さない代わりに、本隊の予備部隊としての性格を与えるわけね」

 

 基本は同じ戦闘部隊だから、数が集まればできる幅も広がる。

 

<司>「人が増えれば、本格的に本隊の訓練部隊にも加えていいと思う」

 

<華琳>「それで、経費の方はどう考えているのかしら? これだけの規模だと、活動費も今と桁が違ってくるけれど」

 

<司>「そのことだけど、募集する人数を制限しようと考えている」

 

<華琳>「人数を制限?」

 

<司>「ああ。確かに規模が大きくなると活動費や人件費も高くなるから、まずは雇う人数を決めて経費の出費と街の治安の様子を見ようと思う」

 

 急に兵士を増やさせば治安は良くなっても、こちらに掛かるコストは大きくなる。会社が新入社員を応募する場合、有望な人材を選ぶために定員を設けている。ならばこちらもそうする必要があると俺は考えた。

 

<司>「数人増えたからといって治安がすぐに良くなるわけじゃないが、こういうのは時間を掛けて様子を見るべきだと思っている。だから年に何度か募集を掛けて定員の数を設ける必要がある。それに……」

 

<華琳>「それに?」

 

<司>「昨日、街の商人に聞いたんだが、治安が良くなれば安心して商売もできて他の街から来てくれるそうだ。場合によっては出資してくれるようなことも話してたし」

 

<華琳>「…………」

 

<司>「まあ、話を聞いただけで勝手に約束するわけにはいかないが、今の商人は商売のことだけじゃなくて身の安全を心配してたから、少しずつ治安が良くなれば商人も陳留に集まると思う」

 

 勝手に約束してしまえば、それは根回しになってしまう。俺は華琳から計画の立案を任されただけだ。そうなれば華琳の顔に泥を塗ることになる。

 

<司>「最後の方は話を聞いただけで確証じゃないから話にはならないと思うが……やっぱり考え直した方がいいか?」

 

<華琳>「……いいえ。この計画は認めましょう。確かに最後はあなたが勝手に聞いただけで本当に出資してくれるとは思えないけど、たった二日で仕上げたことは認めましょう」

 

<司>「そうか……」

 

<華琳>「ええ、早速明日朝儀で上げておくわ」

 

<司>「分かった……」

 

 こうして華琳に任された案件を仕上げた俺は、警備隊の仕事へと戻る。

 

<華琳>「……くっ」

 

<秋蘭>「華琳さま?」

 

<華琳>「くくくくく……ぷっ、あははははははは!」

 

<秋蘭>「華琳さま……」

 

<華琳>「おかしいったらありゃしない……。まさかここまで私を驚かせるなんて。やっぱり三日では長かったわね。いいわ秋蘭。今日の私は最高に気分がいいから……眠れなくなるくらい、たっぷりかわいがってあげる。嫌とは、言わせないわよ?」

 

〈秋蘭〉「……はい!」

 




次回は夏侯姉妹の話になるかもしれません。そこは未定です。
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