S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常   作:フォルカー・シュッツェン

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状況説明の文が長すぎて戦闘描写を切り詰めなければならなかった…悔しい
しかも次回も戦闘描写はかなり短くなる予定やし…スカーレットの狙撃を利用した動きとなるとどうしても地味なものになるしかないからなぁ…まぁいっか

というわけで他作品のキャラが初登場です!(そもそもスカーレット達がゴーストリコンワイルドランズからの登場だろとか言ってはいけない)



民間人救出ミッションpart1

「全員聞け、今しがたヘリアントスから緊急連絡が入った。S08地区にて民間人の反応があったとのことだ。既に周囲には鉄血が展開している上にハイエンドモデルの反応もある。処刑人(エクスキューショナー)狩人(ハンター)だ…よって、これより民間人の救出任務を発令する!」

 

 定例会議の翌朝、ヘリアントスより入った緊急の通信を受けたスカーレットはすぐさま基地全員に通信をかけて任務の発令を行う

 

「今回出撃するのは私、M200、一〇〇式、HK416、G11、LWMMG、トンプソン、AK-74U、Vectorの9人だ!私とM200がスナイパーとして動き、HK416とG11とLWMMGは予備部隊として待機。一〇〇式とトンプソンとAK-74UとVectorで最初の突撃を敢行する!執務室にはWA2000が待機する、急を要する連絡以外はそこを通せ。それとFN49とモシン・ナガンは私に付いて来い、任務ついでに戦場の空気と本当のスナイパーの動きってもんを見せてやる…総員、出撃準備だ!30秒で支度しろ!!!」

 

 スカーレットは一瞬で作戦を構築してメンバーを選出すると通達し、自身もすぐさま愛銃の確認をするとバックパックを背負って愛銃を手に持ちヘリポートへと全力で走る

M200は訓練中だったモシン・ナガンを連れて移動しFN49と合流、ヘリポートへと急ぐ

一〇〇式や他のメンバーも各々準備を一瞬で整えてヘリポートへと向かい、一分もしない内に全員が集まった

 

「全員いるな?よし、じゃあライフル組は私と一番ヘリに、416とG11、LWMMGは二番ヘリ、他は三番ヘリに乗れ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 スカーレットの言葉に全員が迅速に動く、動きが遅れそうになるFN49とモシン・ナガンはM200が手を引っ張ってヘリに誘導する

今回の作戦はまずトンプソン率いるSMG組が現在判明している民間人のいるポイントに向かい、敵性存在が確認されればその場で戦闘を開始

必要とあればスカーレットとM200がスナイパーチームとして狙撃を敢行、完全鎮圧が確認され次第民間人の確保と事情聴取を行う

もし鎮圧に時間がかかるようだったり敵の規模が大きくて民間人に危険が及びそうであれば待機しているHK416率いる予備部隊が戦闘に参加し、その間にAK-74Uが民間人の救出を行う

民間人への事情聴取等で別のポイントにも要救助者がいることが判明した場合、そのポイントが近ければHK416の部隊とスナイパーチームが向かい遠い場合は基地へ連絡して待機している人員を派遣する

その際のメンバー選定等はWA2000に一任される、このことは一言も話されてはいないがWA2000は理解しているので話す必要もないのだ

その証拠に既にメンバーの選定を行い、通信してヘリポートに敷設されている待機所にて待機させている

 

「ねえ同志…どうして私達まで連れて行くのかしら?まだ試験に挑んですらいないのだけれど」

 

 ヘリに乗り込み離陸した頃、モシン・ナガンは不思議に思っていたことを吐露する

 

「どうもこうも…通信で言った通りだぞ。任務ついでに戦場に於けるスナイパー…所謂ミリタリースナイパーの実際の動きってやつを見せようと思っただけだ」

 

「大丈夫、指揮官は新しく入ったライフル型の子は絶対にこうして一度は戦場に連れて行くから君達だけじゃないよ。ボクもそうだったしね…典型的なスナイパーチームとして動くし接敵することは基本的にないから安心して」

 

「で、でも不安です…本当に大丈夫なんでしょうか?」

 

「お?私が近くにいるってのに不安を感じるのか?…って言いたいところだがお前達にはあんまり私の実力を見せつけたことはなかったな」

 

「いえ…狙撃能力に関してはとんでもないのは知ってるし近接戦闘もあの指揮官大脱走事件で思い知ったわよ…」

 

「そう言えば…」

 

 FN49が不安を呈すがモシン・ナガンの言葉にハッと思い出して僅かに心配が和らぐ

正直2人にはあの時のミレニアム8同士の戦闘は目で追えなかった

この基地の面々の実力は自分達の理解の及ばない領域にあるのだとあの時思い知ったのだ

そして何より恐ろしいのはいずれは自分達もその領域に到達しなければならないことである…ぶっちゃけ今の2人には想像も出来ないことであった

 

「取り敢えず今回の戦場となるのはそこそこ開けた場所で身を隠す場所もそれなりにある、周囲の光景としては草原と言うのが一番近いだろう。岩や盛り上がった土なんかが隠れられる場所だ…私達が今回展開するのはその戦域を一望出来るこの山だ、見ろ」

 

 スカーレットは2人の不安を理解しながらも誰もが通る道であるため敢えて寄り添うことはせず、冷静にマップを広げて説明を始める

それを見てモシン・ナガンは怪訝な顔をしてスカーレットを見つめた

 

「ねえ…どうしてこんな紙製の地図なんて広げてるのかしら?ホログラムで表示させれるんでしょ?」

 

 彼女の言うことは尤もだ、技術が進歩して更にはこの基地独自の技術であるエーテルまで用いてるのであればもっと楽は出来るはずである

にも関わらず何故前時代的な紙製の地図など使うのか、今時そんなものを使う者は非常に少ないであろうに

 

「それに関しちゃ詳しくは後々行う訓練でしっかり説明する、だから今は簡単に言わせてもらうぞ。『電池で動くものに命を預けるな』」

 

「なるほど…なんとなく分かったわ、妨げてごめんなさい。続けて?」

 

「ああ。じゃあ続きだが……」

 

 スカーレットは説明を続けていき、他のヘリでも似たような光景が広がっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 S08地区のとある区画にて3人の少女達が何かから逃げるように走っていた

そこに余裕なんてものはなく服は擦り切れ息も完全に切れていたが、それでも少女達は走る

 

「ハァッハァッハァッハァッハァ……い、いったいど、どこまで逃げればいいの…?」

 

「諦めたあかん!ここで諦めたら、ゆ…かりさん達が身体張って、うちらをにがしてくれたんが無駄になってまう!」

 

「で、でも…もぅ、足が……アゥ!」

 

「きりちゃん!大丈夫?」

 

「あかん、足挫いとる…仕方あらへん、うちが負ぶっていくで!」

 

「そ、そん…な、無茶、ですよ…!」

 

「そうだ、よお姉ちゃん…お姉ちゃんだって、もう…」

 

「せやったらきりたん見捨てていくんか!それはあかん…それだけは絶対に、あかんのや!!!」

 

 ピンクに近い赤い髪をした少女が他の2人の少女…赤の少女と瓜二つだが髪や目の色が水色の少女と小豆色の髪と和服が特徴的な少女を引っ張っていたが、どうやら小豆色の少女が度重なる逃避行に遂に限界が来たようだ

それでも諦めないとばかりに赤い少女が連れて逃げようとするが、限界が来てるのは彼女も同じだ

背負って立ち上がろうとするも何度も倒れる

 

「もう…良いんです。私に、構ってい、たら…ハァッハァ……お2人まで手遅れに」

 

「うるさい、怪我人は黙って言うこと聞いとき!!…ぅぶっ!」

 

「お姉、ちゃん…私も、手伝うよ…!」

 

「ホンマか、ほな頼むわ…!」

 

「どうして、そこまで、して…私なんかの」

 

「自分なんかとか言うな!!きりたんはうちらの、ごっつ大切な…友達やろが!」

 

「っ!?うぅ……!」

 

 赤い少女の言葉に小豆色の少女は顔を歪めて感情が決壊したかのように涙が溢れてくる

それまでも涙は流していたが、逃げるのに必死で感情的に流してはいなかった

だが今は内から込み上げてくる激情に耐えられなくなって次から次へと涙が溢れて止まない

そして自分のことを諦めかけていたが心を持ち直して絶対に助かってやると意気込む

その様子を見て2人のそっくりな少女も笑みを浮かべて気概に満ちていく

しかし絶望というものは得てしてそういう時に訪れる…

 

「みぃーつけたぁー♪」

 

「「「ヒッ…!」」」

 

 3人がいた岩場にゆっくりと手をかけて現れたのは鉄血のハイエンドモデル『処刑人』だ

右手に洗練された長大な刀を持ち、その顔には愉悦に満ちた笑みを浮かべている

その上周囲には彼女が引き連れる鉄血兵が展開して周囲を固めている…最早ここまでだろう

誰も助けに来なければ、だが

 

「おう、良くもまぁちょこまかと逃げてくれたなぁ小娘どもぉ…安心しろ、てめえらを逃がしたあの2人なら俺の(ダチ)が始末しに向かってっからよ」

 

「そ、んな…」

 

「そいじゃあ…死ね」

 

 処刑人が右手に持った刀を大きく振り上げる

そのまま更に顔を愉悦に染めるとその刀を振り下ろして赤い少女の顔が真っ二つに…はならなかった

 

「なっ!てめえ…!久しぶりじゃねえかよ、ええ?」

 

「貴女の思い通りにはさせませんよ、処刑人」

 

「いつもいつも俺の邪魔ばっかりしやがって…いい加減ぶっ殺してやらぁ!!」

 

 処刑人の刀が少女を斬り裂くより前にその間に躍り出た人影がその刀を刀で受け止めていた

S地区総隊指令基地所属、一〇〇式だ

彼女の今の服装はいつもの巫女服ではなく戦闘用に用意した戦装束である

白い桜の意匠が施された桃色の和服の上に紫色の紐で固定されている黒色の肩当、同じく黒と紫の手甲、白地に桃色の模様が付いた袴に足甲を付けて草履を履いている

愛用の赤いマフラーは今は付けていない

その姿は美しく、華やかで、戦場には似つかわしくない程に艶やかであった

そんな一〇〇式の姿に最初こそ戸惑いしかなかった少女達だが他にもトンプソンとAK-74UとVectorが現れて周囲に展開している鉄血兵を蹂躙し始めたことで漸く助けが来たのだと実感が湧いてくる

だがまだ安心は出来ない、今目の前にいる処刑人はハイエンドモデル…勿論少女達に詳しく知る由はないがそれでもその身から発する覇気が他の鉄血兵とは格が違うのは分かる

そんな相手に助けに来てくれた一〇〇式はたった一人で挑もうとして、いやもう既に戦闘を開始している

お互いに、特に一〇〇式のものはこの時代には見ることの少ない刀剣での斬り結び…一瞬で自分には理解の及ばない領域に入ったため良くは分からないが兎に角まだ確実に助かったとは言えない状況であることは分かる

 

「クソが、相も変わらず何でんなつえぇんだよてめえは!!」

 

「無駄口を叩いていると舌を噛みますよ。一〇〇式流『十二段付き』」

 

「ちぃっ!」

 

 瞬間、処刑人を襲う十二本の刀による突き

速すぎて最早残像が映っているのだ、そんな早い突きを処刑人は捌き切れず何太刀か喰らう

それでも致命傷にならないよう逸らしているのだから彼女の実力もかなりのものであることが分かるだろう

しかし、今回に至っては相手が悪すぎる

この一〇〇式はあのスカーレットとクレアの師匠に当たる人物から直接剣術を叩き込まれているのだ

当然そんな一〇〇式の実力は常軌を逸したもの…一対一という安定した状況とは言えたった1人でハイエンドモデルを相手に押している

そうこうしている間に一〇〇式の刀は処刑人の身体を徐々に斬り裂いていく

致命に至るようなダメージは与えられていないが体力は削れているだろう

 

「これで終わりです…一〇〇式流『朧月夜』」

 

 一〇〇式の動きが急に緩やかなものになり予測が付かなくなる

それに焦る処刑人だがそれでもなんとか喰らいついていく…が、それもここまでだ

暫くゆらゆらとした動きをしていた一〇〇式だがいきなりハッキリとした動きで逆袈裟斬りを放つ

それに処刑人は当たり前のように反応して防ぐ為にその手に持つ刀で迎え撃つ

だが…

 

「な、しまっ…ガァ!ア、ハァ……!」

 

「言ったでしょう、終わりだと」

 

 迎え撃ちに来た処刑人の刀だが、一〇〇式は刀を自身の方へ引き戻すとそのまま踏み込んで突きを放ってコアを貫いた

そして斬り払うようにして刀を引き抜くと懐から紙を取り出して血を拭い、使い終わった紙をその場に放る

ハラハラと舞い散る血の紅で彩られた白い紙…その光景は何処か美しさすら感じる

刀を鞘に納めた一〇〇式が周囲を見ると丁度トンプソン達も鉄血兵の掃討が終わったようだ

 

「そっちは…終わったみたいだな。なら私とVectorで周囲の警戒を行う、クリンコフはヘリまでの道の安全を確保しろ。一〇〇式はその子達を頼む」

 

「分かりました、任せて下さい!」

 

 状況を把握したトンプソンは瞬時に指示を出し、周囲の警戒に移る

刀を収めた一〇〇式は普段の快活な様子に戻って少女達へ話しかける

 

「大丈夫でしたか、お怪我はありませんか?」

 

「あ…あ、ああ……」

 

「大丈夫ですよ。ゆっくりで構いませんから、まずは落ち着いて下さい」

 

 話しかけるが極限状況に置かれていたせいか真面に喋ることが出来なくなってしまっていたので、一〇〇式は竹製の水筒を差し出して水を飲ませる

少女はそれを零しながらも飲んでいき、一〇〇式に肩を抱かれて頭を優しく撫でてもらったからか次第に落ち着きを取り戻していった

 

「あ、ありがとうな…うちはもう大丈夫や。それよりきりたん…あの小豆色の髪の子が足を挫いてもうとる、負ぶったってくれへんか?」

 

「なるほど、どれどれ…あぁ、これは酷く捻ってますね。一先ず応急処置をしますから動かないでくださいね?」

 

「は、はぃ…うっ!」

 

 きりたんと呼ばれた少女の傍に寄って傷の処置を始める一〇〇式

道具は腰に取り付けていた巾着から取り出している

鈍い痛みに小豆色の少女が呻くが青い少女が後ろから抱き留めて動かないようにする

勿論そんなもので怪我人の痛みに悶える際の動きを抑制できるわけはないのだが、今の少女にはもう激しく動くだけの体力もなければ助かったんだという安堵に青い少女が傍に居てくれるという精神的な支えが彼女の痛みを和らげてくれる

 

「はい、これで良しっと。ではこの子は私が背負いますが、他の2人は自分で歩けますか?」

 

「うちは大丈夫やで…」

 

「私も、平気です…」

 

「うん、そう言えるだけの気概があるなら大丈夫ですね。では…」

 

「はっ…そうや!ちょっと待ったって、実はまだ居るんや!」

 

「他にも要救助者が?」

 

「せや、ゆかりさんとずん子さん…紫色の髪と黒色の髪をした、22歳の女性達や!あの人らはうちらを逃がすために囮になったんや…頼む、2人を助けてくれんか!?」

 

 赤い少女が一〇〇式に縋りつくようにして懇願してくる

それを一〇〇式は優しく抱きしめながら受け止め、しっかりと答える

 

「勿論、私達が絶対に助けてみせます!ですからその為にももう少し詳しく教えてくれませんか?」

 

「も、もももちろんや!それで、何を教えればええ!?」

 

「彼女達と別れてからどれくらいの時間が経ちましたか?」

 

「えっと、えっと……数十分ってところやな!」

 

「分かりました、それだけ分かれば十分です。さぁ、ヘリに向かいますよ」

 

「え、そんなことよりもはよう…」

 

「大丈夫です、貴女達の救助に来たのは私達だけではないんです。万が一に備えて他に待機している仲間がいますし今の会話はその人達にも聞こえています。もう既に捜索を開始していますよ!」

 

「そ、そうなんか…」

 

「ですから今は自分達が助かることを考えて下さい、その人達が助かった時に貴女達が元気じゃなかったらその人達も悲しむんじゃないですか?」

 

「せ、せやな…分かった、頼むわ…行くで、葵」

 

「うん…お願いします、えっと…」

 

「私は一〇〇式機関短銃…気軽に一〇〇式と呼んで下さい」

 

「その名前…戦術人形、でしたっけ?」

 

「ええ、でも詳しいことは後です。今はとにかくヘリに向かいましょう!」

 

 一〇〇式はきりたんと呼ばれた小豆色の少女を背負うと安全の確保された道を通ってヘリに少女を乗せると他のメンバーと協力して3人の手当てを行う

それと並行して基地にも連絡を入れて医務室に負った怪我の種類や重度、施した応急処置など状況を伝えて受け入れ態勢を整えてもらう

そのまま処置の終えた彼女達からより詳しい情報を聞き出してそれをそのまま別動隊…HK416の部隊に伝えていく

まだまだ不安は消えないがそれでも幾らかは安心したのだろう、これまでの疲れも相まって小豆色の少女と青い少女は寝入った

赤い少女は寝ることはなくただただ2人を抱きしめている

そんな様子を見る一〇〇式はただただ残りの要救助者の無事を祈るのであった

 




はい、VOICEROIDよりゆかりさん、琴葉姉妹、東北姉妹を登場させます
他作品というか微妙と言ったのはこういうことですね(白目)
だって彼女達には明確な作品ってないし…まぁ細かいことは良いでしょう!
あ、あと気分次第で次回にもう一人別の作品から出てくるかもしれません
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