S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常   作:フォルカー・シュッツェン

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まさかの3連続投稿って言うね…頭おかしいよ(白目)
いやまぁ筆が乗ってしまいまして…はっはっは
因みに今回のスナイパーチームの動きなんですけど説明を放棄している部分が多々あります
それに関しては後々新人2人に課す本格的な訓練の様子を書く際に細かく説明しますので今は「ほへー」くらいに思っていて下さい

では、どうぞ!


民間人救出ミッションpart3

「ランディングポイントに到達、これより着陸態勢に入ります!」

 

「了解!お前ら、自分の得物はしっかり保持しとけよ!」

 

 少し時を遡ってスカーレット達が該当区域に到達した直後

ヘリが高度を落として着陸すると中からスカーレット、M200、モシン・ナガン、FN49の順番で降りる

彼女等の乗っていたヘリは他の二機とは任務の性質が違うため別なポイントへ降りており、近くに他のメンバーはいない

 

『チームの展開を確認!本機はこれより離脱します、ご武運を』

 

「ああ、帰りも頼んだぜ」

 

『お任せください、では!』

 

 全員が降りて離れたのを確認すると、ヘリのパイロットは離陸する

これで一先ずインフィル(侵入)の第一段階は完了だ

ここからは徒歩で移動して事前に設定した狙撃地点へ就くことになる

ちなみに今のスカーレットとM200の格好や装備は普段の物とは大分異なっている

まず服は山岳迷彩の施された野戦服になっている、着替えは移動中のヘリの中で行った

更にスカーレットとM200は狙撃銃を簡易分解してソフトタイプのライフルケースへと仕舞うと右掛けにして保持している

その代わり今手に持っているのはHK416だ

アクセサリーとしてEOTech557、ブースター、M203、LRF(レーザー測距計)を装着している

サイドアームとしてSFP9をタクティカルベストに付属しているホルスターに納めている

サプレッサーが装着されていないが、それは別段必要ないからだ

またベストのベルト部分には加工を施して左側にスモークグレネード1個とフラググレネード2個を装着

他には2人とも大きなバックパックを背負っているのもそうだ、M200は普段からバックパックを持っているが今はそれとは違うものを背負っている

そしてスカーレットはその目立つ髪を隠すためにミリタリーキャップを被っている上に電子式イヤーマフのCOMTACを被っている、勿論M200もCOMTACを付けている

サングラスも外しているし普段と同じ所は精々髪型くらいなものだ

勿論これらの装備は全て山岳迷彩が施され、山に入れば視認することは難しいだろう

FN49とモシン・ナガンは野戦服にこそ着替えさせられたが他は普段と変わらず、2人の変わりようにかなり衝撃を受けていた

特に戦術人形であるM200が自身の半身とも言える銃を仕舞って別の銃を、それもスナイパーライフルではなくアサルトライフルを手にしている姿は通常であれば考えられないであろう

 

「さて、ここからは狙撃地点に着くまで一言も喋るなよ。指示は全て私がハンドサインで伝える…お前ら2人はM200からの秘匿通信を元に動け、指示以外の行動は決してするな。良いな?」

 

「了解」

 

「わ、分かったわ…なんとかやってみる」

 

「は、はい!」

 

「おい、大きな声を出すな。スナイパーは隠密が大前提だ、覚えておけ」

 

「す、すいません…」

 

「今は構わん。だが次からは気を付けろ…じゃあ行くぞ、作戦開始だ」

 

 スカーレットは口頭による指示出しを終えるとそこからは一切口を開くことなく歩いて山へ入る

その後ろにM200が、更にその後方を残りの2人が付いていく

常に背を屈めながら移動し、時には立ち止まったりしながらもかなりの速度で進んでいく

FN49とモシン・ナガンは置いていかれないように着いていくのに必死だが、スカーレット達からすればこれでもかなり抑えめにしている

専門の訓練を受けていない2人にとっては慣れないことだらけで全てが未知のため、行軍が遅くなるのは仕方がないだろう

しかしそれはスカーレットも織り込み済み、この速度でも十分間に合うように予定を組み立てているため問題にはならない

そのまま進んで十分ほどすると少しだけ開けた場所に出た

下を見ると崖になっており、向こう側には草原が広がっている

ここが事前に設定しておいた狙撃地点となる、ポイントについたスカーレットとM200は周囲の安全確認を綿密に行う

数分かけて確認した結果周囲に敵性存在はおらず、また離れた位置にこの地点を視認している敵がいないことも把握出来た

2人はその場でバックパックとライフルケースを置いてタクティカルベストを脱ぎ、近くの木の根元に立てるように置く

アサルトライフルはすぐ手に取れる位置に置いておく

それから屈みこむとマップとコンパスを取り出して地面に置き、時折双眼鏡を使用しながら小声で会話を始めた

 

「現在位置はここ、視界は大体北東方面で標高は2200m…凡そ想定通りだな。ここをLP/OPとする」

 

「ええ…O、F共に問題なし。Cは…双方問題ないですね」

 

「2つ目のOは特に見当たらないが、今回の任務じゃ問題にはならんな。同じくKも無視して良い」

 

「最後のAですが…地上進行は困難、水上は存在せず航空は無視出来るのでこれも問題ありませんね。OCOKA(オコーカ)、全てクリアです」

 

 FN49とモシン・ナガンは2人の会話を聞いてこそいたが何の話をしているのか一切理解が出来なかった

だが2人の間では意思疎通が出来ているのか頷きながら話し込んでいる

OCOKAがどうたらと言った辺りでスカーレットとM200は揃ってバックパックを開くと中から数個ほど道具を取り出し、ベリーハイドを作成する

その後簡易ギリースーツを取り出して着込み、ライフルケースを開けて中に仕舞っていた狙撃銃を取り出して組み立てる

組み立て終われば各可動部のチェックやスコープのズレなどが出ていないかを調べ、それが終わるとバックパックをベリーハイドの前方に置いて中に入り、バックパック上に狙撃銃のハンドガードが接するように置くとストックのモノポッドを伸ばして銃が安定するように調整していく

後はプローン姿勢を取って構えてみて違和感がないことを確認すると一旦ライフルはそのまま置いておいて通信を始めた

 

「こちらスカーレット、狙撃位置に就いた。そっちの状況はどうだ?」

 

『トンプソンだ。今要救助者を探してるが見つからない、そっちで探せないか?』

 

「了解、これより観測を開始する。スカーレット、アウト」

 

 通信を終えたスカーレットはM200と共にプローン姿勢のまま観測を始めた

スカーレットはライフルのスコープを、M200はスポッティングスコープを小型トライポッドで軽く固定して接眼レンズを覗いて周囲をくまなく探していく

因みに2人ともマガジンを挿してボルトハンドルを操作して薬室に弾を送り込んだ後ボルトハンドルを上げたままにしておく作業を既に終えている、当然セーフティの解除もしっかりやってある

そして1分としない内に対象を見付けると今度はM200が通信を開始する

スカーレットはプローン・サポーテッド・ポジションを取ってグリップに手を添え、ストックを肩に当てるとしっかり引き寄せて固定しチークパッドに頬を乗せてボルトハンドルを降ろしてからスコープを覗く

 

「こちらM200、ターゲットを確認。人数は3、座標はNNE103:37…南東へ向かって凡そ時速10km前後の速度で移動中、そちらとの距離は1000」

 

『流石、仕事が早いな。お前らも聞いてたな?目標へ向かって全力で走れ!!』

 

「尚ターゲットの後方より処刑人率いる鉄血の部隊が接近中、距離は500。状況が危険だと判断した場合そちらの指示なく発砲する、許可を」

 

『ああ任せたぞ!GO!GO!GO!』

 

「了解、状況に変化があり次第逐次報告する、アウト」

 

 M200は通信を切るとスポッティングスコープを覗いたまま微動だにしない、スカーレットも然りだ

その上彼女は一瞬でターゲットとの距離、風向き、風速、角度、摂氏、高度、緯度及び方位等の計算をし終えていつでも撃てるよう待機している

やがて状況の変化を観測したM200は通信を再開する

 

「こちらM200。ターゲットの内1名が転倒、移動が止まった…鉄血がすぐ近くまで来ている、急げ」

 

『奴らの予想到達時間は!?』

 

「凡そ30秒」

 

『ならなんとか間に合いそうだな!私達はあと40秒くらいで付きそうだ!!』

 

「了解。こちらから狙撃する可能性も高い、射線に立たないよう注意せよ」

 

『分かってらぁ!見えた…がこりゃ不味いな。一〇〇式、行け!!!』

 

 トンプソンの指示を受けた一〇〇式が縮地で接近し、処刑人の刀を受け止めたのを確認したスカーレットはトリガーに掛けていた指をトリガーガードに移す

 

「アルファ部隊のターゲットとの接触を確認。狙撃中止、待機へ移行せよ」

 

「移行完了」

 

「了解、状況が動き次第指示を出す。引き続き警戒せよ」

 

「了解」

 

 M200がスポッターとなりスカーレットへ逐次指示を出している

普段彼女はスカーレットに対しては敬語を用いているが今はそれを取っ払ってかなり簡潔に、淡々とした口調になっている

その声も普段の落ち着きながらも優しさの籠っている声ではなく、非常に冷たいものだ

スカーレットに至っては最早冷徹とすら言っていい程に冷たく、その上今の彼女からは普段の覇気を感じられないばかりかその存在感が希薄になっていた

後ろで見ているFN49とモシン・ナガンの目には彼女達は山と一体化しており、こんなに近くにいるというのにまるでそこに誰もいないのではないかと錯覚するほど

いくらスナイパーハイドに隠れていると言ってもここまで存在を気取らせないことは難しく、その上今回構築しているのはベリーハイド…言ってしまえば簡易的なものだ

それを考えるとハッキリ言って異常である

特にモシン・ナガンは何度か部隊のスナイパーとして鉄血と戦闘を行った経験があるが、これを前にすると自分は全く以てスナイパーなどではなかったのだと思い知った

今までの自分のしてきたことが児戯に等しいと言外に突き付けられた気分である

しかし不思議とそれを不快には思わなかった、寧ろ感動を覚えているとすら言って良い

恐らくは今目の前にいる本物の、それも伝説級のスナイパーの教えをこれから先受けることが出来るのだと理解しているからであろう

これまでの自分とは比較にならない程スナイパーとして強くなれる…否、本当の意味でのスナイパーに成れる

戦うことを至上目的として作られた戦術人形がそれに心躍らない訳がないのだ

 

「処刑人の撃破を確認。残存敵性反応もなし、一時的に完全待機状態へ移行せよ。目を休めろ」

 

「こちらも確認した。これより完全待機状態へ移行する」

 

 モシン・ナガンが人知れず感動しているとM200が声を上げた

それにスカーレットも続き、ストックから頬を外して顔を下に向けて目を閉じる

狙撃というものは非常に神経を使う上に眼精疲労も問題となる

その為今回のように任務は終わっていないが一時的に完全な安全が確認された場合には、しっかりと目を休めるべきである

疲労回復に効く目薬を用意しておくのも良いが、使用する際には周囲の環境や確保出来る休憩時間などをしっかりと考慮した上で使用しなければならない

今回はまだまだ気は抜けず、すぐさま観測へ戻らなければならないことが考えられるため使用しない

そしてそれは正解であった、一〇〇式とターゲットとの会話から他の地点にまだ要救助者がいることが判明したのだ

それを知った直後、2人は一瞬で気を張り直すと再びスコープを覗いて周囲の観測を開始する

そして一〇〇式の通信機から聞こえてきた『別れて数十分』という情報から観測範囲を狭め、倍率を少し上げて観測を続けるとM200が2人の人影を発見した

 

「ターゲットと思しき人影を発見、座標はNNW151:15。人数は2、特徴が一致する。確認を」

 

「補足、紫と緑の成人女性…確認した」

 

 スカーレットもその地点を見て確認を取った

倍率を更に上げると紫が緑に肩を貸しているのが見て取れる

 

「こちらスカーレット、対象を補足した。座標NNW151:15、2名…端末に写真を送る、そちらで確認を取れ」

 

『こちらAK-74U、了解。…………被救助者に確認を取った、その2名がターゲットで間違いない』

 

「了解、ブラボーはポイントへ急行せよ」

 

『こちらHK416、既にポイントへの移動を開始している。到達時間は凡そ4分』

 

「了解。そちらにも鉄血が接近中…狩人(ハンター)だ。1個中隊、距離700…斥候として5人分隊を5つ前方に展開させている、ターゲットとの距離300。急げ」

 

『了解』

 

「状況に変化があり次第逐次報告する、アウト」

 

 スカーレットとM200の観測によって得た情報をHK416の部隊へと流し、観測を続ける

そのまま暫く経つと斥候の1つがターゲットの近くまで接近するのを確認した

 

「こちらM200。斥候がターゲットに接近、紫が緑を降ろして戦闘準備をしている…武装はハンドガンとナイフ、手榴弾が複数」

 

『まだ到達には時間がかかる、そちらの判断で狙撃せよ』

 

「了解、狙撃待機…ターゲットがスモークを炊いた。TVFを使用せよ」

 

「了解、TVF作動、ターゲット補足。戦闘を行っている………戦闘終了、ターゲットは無事」

 

「確認した。引き続き待機せよ」

 

「了解」

 

 紫の行動によって視界が遮られたが瞬時にスコープのサーマル機能を使って視界を確保、一切慌てることもなくターゲットを補足し続けて危険が迫り次第狙撃するつもりであったが杞憂に終わったようだ

だが…

 

「こちらM200。ターゲットを狩人が補足、接近した。そちらのポイントへの到達は確認している、奴らを外周から包囲せよ」

 

『了解、突撃のタイミングはそちらの狙撃に合わせる。狩人を狙え』

 

「了解…ターゲットの武装が破損及び負傷。命に別状はなし」

 

「あと少し奴らの包囲が狭まるのを待て。……撃て(ファイア)

 

「了解」

 

 狩人が紫のハンドガンを弾き飛ばしたことで危険性はもうないと判断したのか周囲に展開していた鉄血兵が包囲を狭める

その狭まりが一掃しやすくなるまで待つようM200は指示を出し、良い感じになったところで発砲命令を下す

それを聞いたスカーレットはトリガーに掛けていた指をスッと引く

瞬間、竹を割ったような音と共に弾頭が射出され飛翔する

緩やかな放物線を描いた338ラプアマグナム弾はハンドガンをターゲットへ向けた狩人の頭部へヒット

瞬間空洞によって頭が弾け飛び、首から上がなくなった

それを見たHK416とG11の本体が閃光手榴弾を投擲、防御姿勢を取る

閃光と爆音によって機能不全を起こした鉄血兵の数々をHK416とG11はダミーを率いてターゲットに近い鉄血兵から撃ち殺し、LWMMGは1km離れた位置から338ノーママグナム弾を撃ち込んで狩人の後方に展開していた鉄血兵から撃ち殺す

彼女達の殺戮は1分としない内に終わり、ターゲットを回収してヘリまで運んでいく

それを確認したスカーレット達はそれでもまだ休むことはなく、まだ残存している敵がいないかを探す

やがて新たなターゲットもヘリに乗せて飛び立ったところで漸くスコープから目を離してWA2000へ通信を繋げる

 

「こちらスカーレット、オールアチーブ。繰り返す、オールアチーブ」

 

『こちらHQ。了解、速やかに帰投せよ』

 

「了解。これより帰投する、アウト」

 

 通信を終えたスカーレットとM200は後始末を開始する

ライフルからマガジンを抜き、ボルトを操作して薬室の弾を排出するとマガジンに詰め直す

それが終われば簡易分解をしてライフルケースに収め、他の道具を全てバックパックに戻す

そしてタクティカルベストを着直すと作成したハイドを破壊してネットなどは回収してバックパックへ、他の枝や葉などは適当に処分する

それからバックパックを背負い直してライフルケースを右掛けに掛けてアサルトライフルを手に取って土を払い作動確認を行う

全ての準備が整うとスカーレットは移動を開始し、M200がFN49とモシン・ナガンに秘匿通信を行って付いてくるように指示を出す

勿論一言も喋らないでいるように指示するのも忘れない

そして来た時と同じように背を屈めながらもかなりの速度で山を下るとスナイパーチームの回収地点へと到着する

そこにWA2000が予め通信で手配しておいたヘリが丁度到着し、すぐさま乗り込む

こうして本任務に於けるスナイパーチームの任務は完了である

この基地に来てから初めて戦場へ来た2人は何一つさせてはもらえなかったが、それでも非常に貴重な経験をしたのは確かだ

今日この場所で見たものを2人は生涯忘れることはないだろう、そして基地に帰るとすぐにでももっと本格的な訓練を施してくれと志願するつもりだ

だがそれはまだ先の話…とにかく今は基地へと無事に帰って救助した民間人に聴取を行って今後の身の振り方をどうするか決めなければならない

それに何もしていないとは言えかなりの速度(スカーレットに取ってはかなり控えめ)で山を登り降りする行軍によって疲れていた

とにもかくにもこれで2人にとっての初任務は終了である

 

 




これ今からでも書いていいんじゃね?と思って書き始めたら1時半になるって言うね
バイトあんのに何してるんだこの筆者は…
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