S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常   作:フォルカー・シュッツェン

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最近難産続きでなぁ…ちょっとリフレッシュするためと知識を増やすために少しの間更新を止めますね
あ、キャラ紹介を増やしたり施設を紹介したりするので全く更新がなくなるわけではありません
ただ本編の更新は止まりますのでご容赦下さいm(__)m


再会と新たな訓練の始まり

 白で統一された部屋にて、1人の女性が目を覚ました

 

「うっ…ここは?」

 

 彼女の最後の記憶は人身売買組織の組員に見つかって殴り倒されたところまでだ

その後なにが起こったのか、さっぱり分からないが現状を鑑みるに窮地は脱したことを察する

周囲を観察すると病室のように見える…そのまま暫くすると扉が開いて長身の女性が入って来た

その女性を見た彼女は驚きの声を上げる、見覚えがある人物だったのだ

 

「あ、貴女はまさか…スカーレットさん!?」

 

「よう…随分と久しぶりじゃねえか、花梨」

 

 入って来たのはS地区総隊指令基地の指揮官、スカーレットだった

そして病室で寝ていたのは響花梨、V.S.のスナイパーの1人でありその中でも異質な存在だ

彼女は「絶対に誰も傷付けない!」と言って凶悪な犯罪者であっても絶対に身体を撃つことはしない

その為敵の持つ銃器や通信機等を破壊することで無力化してきた

FREEDOM壊滅作戦に於けるキーパーソンであり彼女の功績はかなり大きく、裏社会で一気に名を馳せたスナイパーだ

スカーレットもFREEDOM壊滅作戦に従事したスナイパーの1人であり、彼女とは顔合わせしていた

最初こそ花梨の持つ甘っちょろすぎる考えに嫌悪感を感じていたが何を言っても曲げることのない芯の強さとその信念を貫いたまま作戦を成功に導いたことを評価し、それからは個人的に交友関係を持っていた

第三次世界大戦以降会うこともなければ核によるEMPの影響で通話を繋げることも出来なくなった為にどうなったのか分からず仕舞いであった

しかもその後ELIDによって日本が壊滅したと聞いたのでてっきり死んだものと思っていたが、どうやら逃れていたようだ

そして今こうして再会出来た、勿論スカーレットは彼女をこのままこの基地の所属にするつもりだ

 

「気分はどうだ、何処か傷むところはないか?」

 

「特に問題はないです…あの、もしかしてスカーレットさんが助けてくれたんですか?」

 

「まぁそうなるな。お前がいるとは思ってなかったが再会出来て何よりだ」

 

「そうですね…私はこれからどうなるんでしょう?」

 

「私個人としちゃあこのままお前をこの基地で雇用したいと考えてる」

 

「…あの、私は」

 

「知ってる、誰かを傷付けるようなことはしたくねえんだろ?確かにここは軍事基地で基本的には敵を殺すのが仕事だ…だがな、うちには警察系特殊部隊も存在している。丁度もう一人スナイパーが欲しいと思ってたところだし、そこなら基本的に人命救助の為に銃を持つことになる。当然お前が狙撃する際には犯人を撃つようなことはさせない、どうだ?」

 

 スカーレットの言葉に花梨の目が揺らいだ

彼女は元々普通の女子大生として生活していたところ、急にV.S.の隊員が現れてスナイパーになれと言われた

当然かなり困惑したし最初は信じてなどいなかったが、事件を追うごとに自身を取り巻く複雑な環境を理解して次第にV.S.としての使命に燃えるようになってきた

今となっては人命を守ることに従事することに躊躇いなどないが、それでも彼女には迷うだけの理由があった

それは今現在自分がここにいること、そうなった経緯にある

人身売買組織の捕まった時、花梨は何も出来なかった

彼女はスナイパーとしての訓練しかしてこなかった、そもそも法執行機関のスナイパーであるためにそれ以外する必要などなかったのだ

だがそれが仇となり、接近されたときに自身の身を護る術を持たない彼女はすぐに倒されて捕らえられた

今のままでは足手纏いにしかならないのではないかという疑問が鎌首を擡げてくる

そうして悩み彼女をスカーレットは黙ってみている、彼女の心の強さを信じているからこそ敢えて手を差し伸ばすようなことはしない

 

 数分後、花梨は顔を上げてスカーレットを見据えた

その顔には先ほどまでの迷いなど微塵んもなく、覚悟が決まったことを示していた

 

「私、やります。罪のない人達を守れるのなら、なんだってやります!」

 

「決まりだな。よしお前ら、入って来て良いぞ!」

 

 スカーレットの言葉と共に部屋へ何人もの戦術人形が入って来た

 

「紹介するぜ。こいつらがうちの基地の唯一の警察系特殊部隊『The last shield of people(人々の最後の盾)』、通称LSPのメンバーだ。んでこいつがさっき話した新メンバー候補の響花梨、スナイパーだ」

 

「うちはガリルや、一応この部隊の隊長やで。よろしゅうな!」

 

「あたしはSAA!ねぇねぇ、コーラ飲む?」

 

「ちょっと、DP28さんにダメだって言われたじゃないですか!あ、私はUSPコンパクトです」

 

「私はMP5と言います、よろしくお願いしますね!」

 

「私の名前はMP7。意外といい目してるじゃん、これはからかい甲斐がありそう♪」

 

「じゃあ早速…っとその前に自己紹介だよね、あたしはM870。アホ面晒してると容赦しないよ~」

 

「駄目ですよ2人とも、私の目の黒いうちはそんなことさせません。私は79式です、共に頑張りましょう!」

 

「最後になりましたね、PSG-1です。スナイパー同士仲良くしましょう」

 

「あ、えっと…響花梨です、よろしくお願いします」

 

 全員が自己紹介を終えるとそのまま少しだけ雑談をする

M870がいきなり下ネタをぶっこんでスカーレットにどつかれる光景に困惑したりはしたが、なんとか馴染もうと花梨は彼女達と話していく

数分ほど話したところでスカーレットが手を叩くとそれを合図としてLSPのメンバーが口を閉じる

それに呼応して花梨も口を閉じた

 

「さて、これで一先ず顔合わせは良いだろう。一応言っておくが花梨、お前はまだLSPのメンバーではない…あくまでも候補だ。これから主にPSG-1がお前に訓練をしていく。それを乗り越えて試験に挑み、合格判定を受けて初めてメンバーとなれる、いいな?」

 

「やはりそうなるんですね…分かりました、やってみせます!」

 

「良い返事だが、今は怪我を治すのが先決だ。比較的軽傷だし、あと数日もありゃ完治すんだろ。そしたらこの基地の面々に紹介した後に訓練開始だ」

 

「分かりました」

 

「よし、んじゃPSG-1以外は街の警邏に行け!PSG-1は訓練計画を練っておけ」

 

「「「了解!」」」

 

 スカーレットが指示を下すと一瞬で彼女達は部屋から退出する

1つしかない入り口に9人が一斉に向かうも一切詰まることはなく、それでいてかなりの素早さで移動する姿に花梨はこの部隊の能力の高さを直感した

 

「さて、私もやることがあるからここいらでお暇させてもらうぜ」

 

「あ、はい分かりました。あの、助けてくれてありがとうございました!」

 

「ん?ああ…礼は治安維持で返してくれりゃ良い」

 

「ええ、絶対にやり遂げてみせます」

 

「相変わらずの威勢の良さだな。お前に部隊を任せられる時を楽しみにしてるぜ」

 

「…はい!」

 

 それだけ言うとスカーレットは部屋を後にする

そして向かうのは基地の地下に存在する尋問室だ

以前捕らえたZ地区総隊司令官の尋問がなんだかんだ出来ていない、急に任務が入って来たために仕方のないことではあるがクルーガーからも催促する連絡が来ている

そんなわけでこれから彼への尋問…否、拷問処刑を始める

 

「よう!気分はどうだマルティン?」

 

「…良いとでも思ってるのか」

 

「そんなツレねぇこと言うんじゃねえよ。同じ総隊司令官だろ?」

 

「巫戯けてるのか?ったく、相変わらず気に入らねぇ奴だ」

 

「なんだ、案外気が合うじゃねえか。私もてめぇのことは気に入らなかったんだ」

 

「そうか、ならさっさと殺せ」

 

「おいおい、そんな楽に殺してやるわけねえだろ?社長も言ってたじゃねえか、たっぷり苦しませてやれってよ」

 

「…クソが」

 

 Z地区総隊司令官が悪態を吐くが、今のスカーレットにはそれも心地よい清涼剤にしかならない

獰猛な笑みを浮かべたスカーレットは遅れてやってきたMDR、PPK、KS-23、DP28達と共にマルティン・アーレントへの拷問を開始した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『データは受け取った。………はぁ』

 

「そんなあからさまな溜息着くんじゃねえよヘリアン。私はただクルーガーの意向に沿っただけだぜ?」

 

『分かっている…だがこれを今から見なければならない私の気持ちも考えてくれ。今日は確実に晩飯抜きだな…』

 

「お前も一応軍人だろうが、いい加減慣れろって」

 

『お前のは度が過ぎてるんだ!まったく…取り敢えず内容を確認するから切るぞ』

 

「おう、クルーガーによろしくな」

 

『あぁ…アウト』

 

 翌日、撮影したデータをヘリアンに送ったスカーレットは椅子の上で伸びをする

今のところ依頼された仕事は全て終わっている、後はいつも通りつまらない書類仕事が待っているだけだ

 

「コーヒーを淹れましたよスカーレットさん、ワルサーさん」

 

「おお、こいつはありがてぇ」

 

「あら気が利くわね、ありがとう」

 

 ここでスカーレットの秘書として雇用されたゆかりがコーヒーを淹れて持ってきた

一口飲めばインスタントの割には良い香りとキレのある味わいが広がる

思わず息を吐く2人の姿にゆかりは満足気だ

 

「よっしゃ、やる気も出てきたし片付けちまうか!」

 

「珍しいわね、あんたが書類に対してやる気を出すなんて」

 

「今は色々と気分が良いからな」

 

 言葉通り機嫌も良く、いつもより精力的に書類を片付けていくスカーレットにWA2000は珍しさを感じつつも大して気に留めず書類を片付けていく

ゆかりも雑用に近い仕事をして2人のサポートを行うのだが、その顔には疑問符が浮かんでいた

だが仕事の邪魔をするのも悪いかと思って黙って自分の仕事をしていった

そうして数十分後には全ての書類も片付き、3人はゆかりが淹れ直したコーヒーを楽しんでいた

 

「んで、さっきから何を聞きたそうにしてんだ?」

 

「え、私ですか?」

 

「そうね、ずっと顔に疑問符が張り付いてたわよ」

 

「そ、そんなに分かりやすかったですか…まぁその、不思議に思うことがありまして」

 

「良いぜ、何でも聞きな。機密情報以外は教えてやるぜ」

 

 ゆかりの様子に最初から気付いていた2人に指摘されると、ゆかりは観念したかのように自身が疑問に思うことを話し始めた

 

「えっとですね…どうして色々と最新鋭の機器だったりがあるのに未だに書類で情報の処理をしてるのかと思いまして」

 

 そう、この基地には滅茶苦茶に性能の良い様々な機器があるのに何故か執務は書類媒体で行っており、最終的にはデータルームにて電子情報として保管される

だったら最初から電子媒体で処理してしまえば良いと思うのは当然のことだろう

書類での処理なんて手間がかかるだけである

 

「なんだ、そんなことか…言っちまえばどんな状況になっても仕事が出来るように、だな」

 

「どういうことですか?」

 

「確かにここにはかなり性能の良い機器があるし全部サーバーで処理した方が効率的よ。でもね、例えば停電が起きたりすると何も出来なくなるでしょ?」

 

「電子情報での処理も書類媒体での処理もどっちも出来た方が様々な状況に対応出来る。当然最新式のものも活用するが、だからと言ってそいつに頼り切るのは三流のするこった」

 

「なるほど…そういうことでしたか」

 

 2人の言葉に疑問は晴れた、だがそれでも普通こんなことするだろうか

言っていることは分かるし理にかなってもいる、しかしだからと言って流石に面倒が過ぎるだろう

これにはスカーレットのスナイパーとしての矜持に基づく理念が影響していたりもする

以前スカーレットはFN49とモシン・ナガンに「電池で動くものに命を預けるな」と言った、これもその内の1つとしてみなしているのだ

そのことも掻い摘んで話せば今度こそ納得のいったゆかりはこれからどうするかを考える

と、ここで執務室の扉がノックされた

誰かと思いつつもゆかりが扉を開けるとそこにいたのはM200、FN49、モシン・ナガンの3人であった

 

「お前らが揃って来たってことは…あれか?」

 

「ええ、あれです。2人が希望しました」

 

 入って来た面子を見て一瞬で要件を把握したスカーレットがM200に質問すると、返って来たのは肯定であった

その様子を見ていたWA2000は無反応ながらも何処か嬉しそうな顔をしており、FN49とモシン・ナガンはスカーレットの察しの良さに驚愕していた

 

「いや、まだ何も言っていないのだけれど…分かるのかしら?」

 

「タイミング、面子、それからお前ら2人の決意に満ちた顔を見りゃ流石に分かる。あの時の私とM200を見てもっと本格的な訓練をして欲しくなったんだろ?」

 

「さ、流石ですね…そうです、あの時みた光景が忘れられなくて…モシンさんに話したら同じ気持ちだったようなのでM200さんに相談しました」

 

「良い傾向ね、流石私の見込んだだけはあるわ。でも良いのかしら、これまでやってきたことが可愛く見えるレベルの訓練になるわよ。その覚悟はある?」

 

「…随分怖いこと言ってくれるじゃない、同志。でもその程度で心変わりなんてしないわ」

 

「私もです。もっと強くなってワルサーさんと肩を並べたいんです!」

 

 FN49の珍しく力の籠った言葉にWA2000は一瞬目を丸くしていたが、その後これ以上ないくらいに嬉しそうな笑顔を見せた

どうやら2人の意志はかなり固いようである、こうなればスカーレットが行うことは決まっている

 

「ハッ!良い啖呵を切るじゃねえか…その言葉、忘れるなよ?」

 

「忘れませんし、取り消しもしません!」

 

「私も早くお師匠と一緒に任務に出たいわ。その為ならどんな地獄にだって耐えてみせる!」

 

「モッシー…うん、ボクも君と一緒に戦えるのを楽しみにしてるよ」

 

「良いね良いねぇ…私好みで大変結構だ。そこまで言われりゃ応えないわけにもいかねぇ…明日よりスナイパースクールを開校する!!講師は私、ワルサー、M200の3人。FN49及びモシン・ナガンは各々明日に向けて準備をしろ。おいワルサー、各所に連絡だ!」

 

「もう始めてるわよ。あ、ジェリコ?実はね…」

 

 こうしてS09H基地名物、スナイパースクールでの訓練が行われることが決定した

 




思いっくそ忘れてましたが活動報告の方に質問&要望募集箱を作ったのでリンク貼っておきますね(白目)

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249281&uid=246296
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