S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常 作:フォルカー・シュッツェン
しかしそれではやはり分かり辛いと思いますのでもしも『ここにある画像とかどうですか』と言ったように何かお勧めのサイト等ありましたらご教授いただけると幸いです…
では、どうぞ!
「お待たせ、それじゃあ授業を始めるよ」
FN49とモシン・ナガンが屋内射撃場にて講師役を待っていると、M200とWA2000がやって来た
どうやら今回も2人で授業を行うらしい
そしてメインの講師はM200が務めてWA2000が補助役という少し意外な配役であった
「大丈夫よ、それより今回は何について教えてくれるのかしら?」
「今から教えるのは主に2つ。1つ目は『狙撃銃を構成するシステム』について、まぁぶっちゃけるとこれはアタッチメントについてだね。もう1つは『射撃姿勢』についてだよ。この射撃姿勢を教える時にわーちゃんに実践してもらう感じだね」
「誰がわーちゃんよ」
(ワルサーさんをわーちゃん…呼んでみたい)
M200の言に遺憾を示すWA2000だがFN49が何やら企んでいることには気付かなかった
そんな彼女を無視してM200が授業を始める
「まずは『狙撃銃を構成するシステム』だね。これはさっきも言った通りアタッチメントの類になるわけだけど、まず必須なのが『サプレッサー』だよ」
M200の言葉に合わせてWA2000が手に持った銃を2人に見せた
しかしそこに握られているのは彼女の半身ではなくM24SWSであった
勿論彼女とはシステムで繋がってなどいないが最早今更である、2人ともその事に驚きはしなかった
「このサプレッサーは今や必要不可欠と言っても良いね。スナイパーにサプレッサーが与えられているか否かで、その軍隊が二流以上かそれ以下か判断出来ると言って良いくらいにね。そしてサプレッサーは『消音器ではない』ことは前にも軽く説明したよね?正しくはサイレンサーでその意味は『減音器』だって。サプレッサーは『抑制器』だから本当は『何を』抑制するものなのかちゃんと言わなきゃイケないけど…面倒だから省くよ。取り敢えず大事なのはサプレッサーを付けてたってそれなりに大きな音がするってこと。なのにどうしてサプレッサーなんて使うのか、その理由は分かる?」
「簡単なことね、それでも尚利点があるからよ。大きな音がするって言ってもかなり軽減出来ることに変わりはないわ、遠くからではその音を正確に聞き分けるのは困難だし超遠距離ともなればそもそも聞こえなかったりね。後は他の大きな音に紛れさせて撃つことで疑似的な減音効果を発揮させてより銃声を分からなくさせたりとかもあるわね。とりわけ重要なのが『射撃地点の方角が分からない』点よ。何処から撃ってるのか、その正確な位置を音から判断するのが難しくなるわ」
「他には夜間に於けるマズルフラッシュの大幅な軽減でしょうか。昼まではそれほど目立ったりはしませんが夜間ではマズルフラッシュが非常に目立ちます、しかしサプレッサーは火薬の燃焼ガスを一時的に閉じ込めることで減音効果を発揮するので同時にマズルフラッシュを軽減する効果も持ちます。その為夜間作戦時にはマズルフラッシュから敵に捕捉されるという危険を最小限に減らすことが出来て、これは生存率だけじゃなくて2回目、3回目の攻撃の成功率を上げてくれます」
「うん、良い感じだね。でも他にもあるよ、例えば人間の場合だと射手の聴覚器官の保護とかね。ボク達は人形だからあんまり関係はないけど、指揮官みたいに人間の兵士からするば狙撃銃の銃声って言うのは鼓膜が耐え得る音量を遥かに超えてるから『騒音性難聴』になる危険性がある。こうなってしまうともう兵士として終わりなんだ、音が聞こえない兵士なんて戦場では足手纏いでしかないからね。サプレッサーは音を消すことは出来ないけど人間の鼓膜が耐え得るレベルにまで減音してくれるからこの点も非常に重要だよ。まぁ耳栓があればサプレッサー無しでもいけなくはないんだけど…そうなると今度は声による連携に難が生じるよね。当然耳栓をしてるわけだから小声では聞こえない、耳栓を外すか少し大きめの声で会話をしなくちゃいけなくなって面倒だし被発見率も高くなる。その点サプレッサーがあれば耳栓も要らないから会話でのコミュニケーションも取りやすいって利点だね。これは狙撃銃だけじゃなくてマシンガンにも言えることだからこの基地ではLWMMGを始めとして殆どのマシンガンにサプレッサーを標準装着させてるよ。とは言えこれに関してもボク達はCOMTACを使うことが多いからそこまで気にすることでもないかもね」
「COMTACっていうのはこれね。電子式イヤーマフって言われる類のもので、普段は内蔵マイクによって周囲の音を増幅するんだけど銃声みたいにかなり大きな音は自動的にシャットアウトしてくれる優れものよ。当然こんなものがなくても作戦の遂行は出来るけどあれば安全性が増すわ。そうそう、これはちょっとしたことなんだけどとある都合で私達の通信を妨害することはほぼ不可能になってるからジャマーの効果を気にすることもないわね」
「それからサプレッサーにはスナイパーにセカンドチャンスを与えてくれるものでもあるよ。もし一射目を外してしまった時、サプレッサーがなければ敵は当然銃声に反応してこっちの方角を警戒して直ぐに遮蔽物に隠れる。でもサプレッサーを付けてれば発砲音が減衰するから遠距離では聞こえないことも多々あってね、着弾音に反応しがちになるんだ。つまり射手とは反対方向を向いちゃうってことだね。当然精鋭部隊なんかは着弾音から速攻で方角を察知して適切な位置に隠れたりするけど、そんな部隊は一握りしかいない。大抵は着弾した方を無意識に向いちゃうから警戒が遅れるんだ。それに警戒したとしても何処から撃ってるのかが分からなければ正しい遮蔽物に隠れられないこともあるよね、本人は隠れたつもりでもスナイパーから見ると丸見えなんてこともあるからやっぱりサプレッサーは重要なんだ。とは言えそんなサプレッサーも欠点がないわけじゃないのには注意してね。サプレッサーを付けると延長バレルみたいな効果もあってその分弾道が変化するよ。当然射程距離は伸びるし、端的に言えば『威力は上がる』んだ。それにサプレッサーの工作精度が悪いと制度に悪影響を及ぼす可能性もあるね、クレアさんが作ってくれたものなら心配はないけどそこら辺の誰が作ったのか分からないものを使うのはお勧めしないよ。大丈夫な場合も多いけど粗悪品である可能性が捨てきれないからね」
「それに燃焼ガスを閉じ込める以上はその熱の影響に曝されるわ。現代では耐熱サプレッサーを使うのが普通だけどそれでも完全な耐性を持ってるわけじゃない、連続して射撃し続ければ壊れたり歪んだりして弾道が可笑しくなるわよ。最悪の場合異常腔圧からの銃身が裂け跳ぶ危険があることも頭に入れときなさい。自分の使うサプレッサーが自分の扱う弾丸にどれくらい耐えられるのか、それも把握して状況に合わせて素早く交換出来るようにしておきなさいよ」
「あとこれは因みに情報だけど、軍務上の理由で難聴になった退役兵士には補償を払い続ける必要もあるんだ。全員に配備するとなると結構な金額にはなるけどそれでも補償払い続けるよりは低コストで済むね。勿論これはボク達には関係ない話ではあるけれど人間の兵士を持つPMCに取っては無視出来ない問題だからそういう理由もあってサプレッサーの配備って言うのは進んできた歴史があるね」
「なるほど、結構意外な理由もあったりするのね」
「私達人形では及ばない発想ですね…それも指揮官からですか?」
「勿論そうよ。私だってそんな理由思いつかなかったもの。G&Kにもそういう補償はあるらしいけど、ぶっちゃけ指揮官みたいに前線に喜んで出て行く奴なんてあんまりいないから使用例はないみたいね」
「そりゃそうでしょうね…」
「…あんまりってことはいることはいるんですね」
「まぁ話には聞くね。でも本当に少数だよ、っとサプレッサーだけで結構話しちゃったね。次に行こうか。次は『NVGとIS』についてだね。NVGが暗視装置でISがサーマル、赤外線スコープのことだね。NVGは僅かな光源増幅することである程度ハッキリとした映像を提供するもので、ISは温度差を感知して映像化するものだよ。とは言ってもこれはこの基地に配属になった以上はいずれ改造を受けて内蔵されるし、この基地特性スコープには最初から双方の機能が付いてるから状況に合わせて使い分けてねって位かな。人間的な目線で話すと長時間のNVGやISの使用は目の疲労が溜まるからある程度肉眼を混ぜて目を休ませることも重要だね。昔はどっちもサイズが大きかったしスイッチを入れてから映像が見えるまで数分間もかかるものばかりだったみたいだけど、今では数秒で映るしサイズも小型化されたからかなり便利にもなってるよ」
「そしたら次は『IRレーザー』ね。これはさっきのNVGやISと併用して使うアイテムで、IRレーザーは肉眼では見えない赤外線レーザーを照射する装置よ。私の経験で言わせてもらえればHK416とPEQ-2型レーザーの組み合わせで250m先の敵に腰だめで命中させることが出来たわ、現行のカービンアサルトライフルの射程距離が大体300mってことを考えると結構凄いことなのよ?それにIRレーザーには『コミュニケーションツール』としての役割もわるわ。例えば山岳地帯の
「他には『小型ドットサイト』とかもあるよ。遠距離に視点を置いてるスナイパーが不意に近距離で敵に遭遇する可能性がないわけじゃあない。だからこそあの時ボクと指揮官はアサルトライフルを持ってたわけだけど、それが出来ない状況じゃあ高倍率のスコープは近距離に於いて不利だよね。そんな状況に対応する為に小型ドットサイトをスコープリングの上にマウントしてるスナイパーもいるよ。この基地だとマークスマンになることが多いM14やわーちゃんなんかが「誰がわーちゃんよ」付けてることがあるかな。ボクや指揮官は個人的にこの小型ドットサイトをマウントするのが好きじゃないからすることは少ないね」
「それって好き嫌いでやっていいものなんですか?」
「うん、大丈夫だよ。言ってしまえば『そういう状況に対応出来れば良い』んだからね。それこそアサルトライフルを持っていれば良いし、なくても近距離なら腰だめで当てるのも難しくはない(この基地基準)から。特に指揮官なら150m以内だと格闘で対応することも多いよ。まぁそれよりも先に気付いて隠密に処理することの方が多いんだけどね」
「なるほど…って納得しそうになるけど150m以内なら格闘で銃を持った相手に対応出来る指揮官ってやばくないかしら?化け物なの?」
「化け物よ。貴女達もいずれは指揮官と戦うことになるでしょうし、その時にあの化け物っぷりを味わうわね。覚悟しといた方が良いわよ」
「…聞きたくありませんでした」
「付け加えると150m以内なのは『格闘でも対処しやすい』ってだけだからね、別に200mでも対応出来ないわけじゃないんだ。でもそこまで離れてるなら流石に撃った方が良いからしないだけって感じかな。それとアフガニスタンみたいに開けた場所だと格闘は厳しいから普通に銃撃したりね。逆に密林地帯は指揮官の独壇場だよ、あそこで指揮官と戦うのは本当に骨が折れるから…」
「憂鬱よ…」
2人の話を聞くFN49とモシン・ナガンはゲッソリとした顔をしていた
この基地では試験を突破しなければ戦場に出る資格を得られない、その試験のどの段階化はまだ分からないが確実に何処かでスカーレットと戦わなければならないのだと突き付けられたのだから当然だろう
「とまぁ絶望するのも良いけど説明の途中だから戻るよ。最後に紹介するのは『スリング』だね。これもスナイパーにとって無視出来ない要素の1つだし、上手く使えば心強いアイテムになるよ。主な使い方は移動中に銃を安定して持ち運ぶのに使うことになるね、例えば梯子の昇降やラぺリングロープで崖から降りる時とかにスリングで背負えば銃を落とす心配がないよ。でもスリングの使い道はそれだけじゃない、特に重要なのが狙撃をする際の銃の固定に用いる方法だね。狙撃っていうのはいつも安定したプラットフォームに恵まれてるわけじゃないんだ。
「因みにカフ・スリングは今私が持ってるM24に付いてるのがそうよ。後で実践してあげるからしっかり見ておきなさい」
「さて、じゃあ必要不可欠なアタッチメントについての説明も終えたし射撃姿勢の説明に移ろうか。わーちゃん、お願い」
「だから誰がわーちゃんよ…まぁ良いわ。よっと…」
M200の言葉を受けたWA2000が不平を漏らしながらも指示に従ってレンジに入って伏せる
「さてここからは狙撃にとって最重要と言っても過言ではない姿勢についてみていくよ。RF型戦術人形の多くは立射で撃ったりしてるけど指揮官曰く『馬鹿としか言いようがない。第一次、二次世界大戦か?時代錯誤が過ぎる』らしいからね。少なくともスナイパーにとってあんな姿勢で撃つことは厳禁なんだ。勿論立射自体はあるけれどそれでもあんな撃ち方はしない、それはまた後々教えるね。今から教えるのは基本となる5つの姿勢だよ、因みに右利き前提で話を進めるね。じゃあまず1つ目、『
M200の言葉に従いながらWA2000は1段階ずつ動いて射撃姿勢を取る
2人はその様子を近くで見て記憶に叩き込んでいった
勿論伏せ撃ち自体は知っているが、そこまで細かい部分までは知らなかったので1つたりとも見逃さないよう必死である
「これが最も基本になるプローン姿勢だね。射撃姿勢の中で一番安定してるからこの姿勢を取れるなら絶対に取って、これ以外の姿勢を取るのはこれが出来ない時だけにするんだよ。じゃあ2つ目に移るね、次は『
FN49とモシン・ナガンはWA2000の姿勢を見て今まであった認識と正しい姿勢とのズレを修正し、新たに記憶していく
特にモシン・ナガンは何度か鉄血との交戦経験を持つため『正しくない姿勢の癖』がある、これを修正するのは何気に骨が折れるだろう
「さ、次々いくよ~。次は
「こんな姿勢もあるのね…知らなかったわ」
「一見して撃ちにくそうに見えますけど…」
「まぁプローンよりはどうしても安定性は落ちるわね。でも意外としっくりくるわよ、後で実践させてあげるからその時に実感すると良いわ」
「さて、次が『
「スリングをこういう風に使うのは思いつきませんでした…」
「腕部を環状のナイロンストラップで固定するのも重要よ、これによってスリングが緩まないからより安定した射撃が可能になるわ」
「この部品よね…これを戦場で素早く正確に付けるのは結構難しそうね」
「そうだね、難しいよ。でも慣れれば数秒で取れるから何度も何度も練習するしかないね。さて、最後に説明するのは『
「あの指揮官が…?なんか想像しずらいけれど、それだけ安定しない姿勢ってことなのね…確かに見てるだけでもやりにくそうなのが伝わって来るわ」
「ですね…」
「あと他にも『
M200のその言葉に彼女達は自身の銃を手に持ってレンジに入ると、先程教えられたばかりの姿勢を一つ一つ何度も繰り返し動作確認をする
そしてその姿勢に慣れてから実際に射撃へ入り、ターゲットの何処へ着弾したかを見て評価を下される
1つの姿勢に於いてバイタルゾーンへの命中率90%に至るまで繰り返し行われ、2人には疲労の色が見えるが適宜アドバイスを送っていたお陰か2人の射撃能力は目に見えて向上していった
ただしこれはあくまでも同一条件でしかも距離が600mという中距離での射撃でしかない、実際には千変万化というべき状況の変化があるためこれで満足しないようにと注意してその授業は終わりを告げるのであった
うーん、紹介する項目も結構減ってきたでござる
いやもっと細かい話も出来るんですがクソ分かり辛い上に蛇足になりそうなので泣く泣くカットですね(´・ω・`)
それと長銃身なら精度が良いと言うのは嘘、という件に関して説明しようかどうか迷っています
この件に関してはこのスナイパースクール編の趣旨を考えるとあまり細かく書く必要もないのかなとも思っていまして…書いた方が良いのでしょうか?
ただ書くとしてもどうやってその話を挟むかなんですよね…まぁその辺は適当にやれば良いですよね!
ではまた次回(@^^)/~~~
ゆかりさんが何処に配属されるか
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諜報部隊
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LSP
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その他(例:音楽隊のサブボーカルなど)