S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常   作:フォルカー・シュッツェン

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序章
始まりの日


 荒れ果てた大地を1台のジープが走っている

座席には無骨な車には似つかわしくない2人の少女の姿があった

 

「ほ、本当に大丈夫でしょうか…?」

 

「大丈夫、大丈夫。何も初めてってわけじゃないんでしょ?」

 

「それでも、急に最前線だなんて…不安です」

 

「そういう時はこれよ。これを飲めば不安なんて消し飛ぶわ!」

 

 そう言って運転席に着いている少女…モシン・ナガンはウォッカの入った瓶を掲げ、飲もうとする

 

「ちょ、ちょっとそれお酒じゃないですか!ダメですよ運転中に飲むなんて!」

 

「あぁやめて取らないでぇ〜!」

 

 助手席の少女、FN49がウォッカを取り上げ、それに悲鳴を上げるモシン・ナガン

運転中ということを除けば微笑ましいやり取りをしながらジープは彼女達の目的地であるS09地区の基地へと向かっていく

 

 彼女達が向かう基地はグリフィンが所有する基地の中でも鉄血との最前線となるS09地区にある

S09地区には幾つかの基地があり、今回彼女達はそのうちの1つへと着任することになったのだ

2人とも以前に別な基地への着任経験はあるが、そこはどちらかと言うと街に近い基地だった

その為仕事になるのは鉄血との戦闘よりも街の治安維持が主だった所に今回の異動だ、FN49が緊張するのも無理はない

寧ろモシン・ナガンのように余裕でいる方が可笑しいのだろう

 

そんなこんなで基地へと着いた2人は車を停めて降りると、別な戦術人形が話しかけてきた

 

「遠路遥々ご苦労さま、この基地の副官を勤めるWA2000よ」

 

「え、FN49です!よ、よよよよろしくお願いします」

 

「オーチンプリヤートナ、モシン・ナガンよ。よろしくお願いするわ」

 

「ええ、よろしくね。それと貴女、そんなに緊張しなくても良いわ。何もいきなり出撃しろとか無茶なことは言わないんだから。まずはこの基地に慣れてもらうわ」

 

「そ、そうですよね…ふぅ」

 

「ね?言ったでしょ、大丈夫だって」

 

「でもいつかは出撃するんですよね、あわわわわどうしましょう!?」

 

「…大丈夫よ、ちゃんと鍛えてあげるから。その時になったら自信を持って戦えるようになるから。とにかく、まずは指揮官へ挨拶に行くわよ、着いてきて」

 

 このまま話し続ける訳にも行かないのでWA2000は2人を連れて指揮官のいる司令室へと連れていった

 

 

 

 

 

 

「指揮官、私よ。今日着任の2人を連れてきたわ」

 

「ん、思ってたよりも早かったな。まぁいい、入ってくれ」

 

 扉の前に立ってノックをすると返事が返って来たので遠慮なくノブを捻って中に入るWA2000

彼女に続いて入ってみると中には190cmに届くのではないかと思える程長身の女性と、それよりも低いが長身であることに変わりはない女性の2人組がいた

 

「ほ、本日着任のFN49です!よ、よよよよよよよよよよよよよろしくおねが…あいたっ!」

 

「私はモシン・ナガンよ。同志、よろしくね!」

 

 緊張のあまり舌を噛んでしまうFN49と特に緊張することなく挨拶をするモシン・ナガン

その2人を見て指揮官はニカッと笑い

 

「私がここの指揮官のスカーレット・ミッチェルだ、よろしくな!あとそんなに緊張しなくてもいいぞ?私は堅苦しいのは好きじゃない、もっと気楽で良いんだ」

 

「あたしはトンプソンサブマシンガンだ、気軽にトンプソンと呼んでくれ」

 

 スカーレット指揮官が握手を求めるとまずモシン・ナガンが流れるように握った

 

「私も背は低くないって思ってたけど、貴女を前にすると自分が低身長に感じるわ。頼りになりそうな指揮官ね」

 

「はは、よく言われるぜ。ともかくよろしくな!んで…」

 

 モシン・ナガンとの握手を終えた指揮官が次にFN49と握手をしようとするが…

 

「あ、あわわわわわ…」

 

 緊張からか身体がガタガタと震え、手を上手く動かせてない様子だった

 

「そんなに緊張しなくてもいいって…まぁこれから少しずつ慣れていきゃ良いさ」

 

「…緊張してるだけじゃなくって怖いんじゃないの?あんた人相悪いし」

 

「なっ…!?」

 

 WA2000の言葉に動揺した指揮官がトンプソンの方を向き

 

「私って…怖いのか?」

 

「…まぁあたしが言えたことじゃあないかもしれないが、少なくともあたしよりも余っ程怖いと思うぜ?」

 

「そうか、そうなのか…」

 

 それを聞いた指揮官は項垂れた

この指揮官、顔立ち自体は整っているのだがまず目付きが鋭い

更に右目には縦に走る傷跡があり、かけているサングラスで隠しきれてない

トンプソンを見下す程の長身でその身からは歴戦の猛者のみが発する一種の「凄み」が感じられるのだ

明らかに堅気には見えない

子供が見たら泣き出しかねない外見をしている

そして本人にはその自覚が一切ないのだから質が悪い

 

「私は…フレンドリーさを心がけているのに……」

 

「まぁなんだ、ボス…どんまい」

 

「あぁ…ありがとう」

 

 落ち込む指揮官とそれを慰めるトンプソン

両方どこかのマフィアに居ても可笑しくない2人のそんな光景にWA2000は呆れ、FN49はオロオロし、そしてモシン・ナガンは面白い人達ねとその状況を肴にウォッカを飲んでいた

 

 

 これはグリフィン本社から優秀な問題児として扱われているスカーレット・ミッチェル指揮官とその他大勢の戦術人形達による物語である

戦術人形達の名前を会話文と地の文で変えようと思いますがどうでしょうか?例:WA2000→ワルサー、MK.23→ソーコム

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