S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常   作:フォルカー・シュッツェン

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片っ苦しいのが嫌いで軍規やら規則やらで縛るのを好まないスカーレット、しかし締めなければならないところはしっかりと締める
そんなお話に‘なっちゃいました’
…こうなるはずではなかったのに、どうしてこうなったのでしょう?
取り敢えずMDRには後で謝りたいと思います、はい(白目)
そしてそのまま終わるとちょっと暗い感じになっちゃうと思って最後にもう少し先にする予定だったお話を急遽差し込ませていただきました

では、どうぞ!


小話その6 やっちゃったね、MDRちゃん…

「終わったよ。特に問題はないね、寧ろメンタルモデルが以前よりも洗練されてる。頑張ってるね」

 

「そうですか?そう言ってもらえると訓練のし甲斐があります!」

 

「ここの子達は皆頑張ってるからいつも見てて楽しいよ。さ、次の子の番だからそろそろ戻って」

 

「はい、ありがとうございました!またよろしくお願いしますね!!」

 

 S09H基地の整備室、そこではこの基地の人形整備部部長のイーサンがM14の定期メンテナンスをしていた

彼の他にも何人かの整備士がいるが、彼の仕事量は他の部員を遥かに超えている

日々の整備を施す人数もさることながら他の部員が行った整備に関しての情報も全て管理しているのだ

これには月の最終週を家族水入らずで過ごす為に一週間の休みを取ることも関係しているが、やはり彼がそれだけ優秀であることを示している

兎も角M14のメンテナンスを終えたイーサンは彼女が退室するのを見届けると、次にメンテナンスに来る人形が誰かを確認した

その瞬間、彼は少し苦笑した

 

(あー、この子かぁ…悪い子じゃないんだけどちょっと苦手なんだよね)

 

 彼はとても優しく、この基地に所属している人間人形問わずほぼ全員から『優しさが服を着て歩いているような人』と評される程に優しい

しかしそんな彼にも苦手な人員が極少数…というより人形只一人を苦手としている

別に悪感情を持っているわけでもないし相手から向けられているのは好意であるため嫌ではないのだが、少々困るのだ

そんな彼の心配を余所に件の人形が彼のいる部屋へと入って来た

 

「やぁやぁ、愛しのMDRさんだぞ~♪久しぶりの再会に心が躍るねぇ!」

 

「いらっしゃい、MDR。一昨日会ったばかりだろう?久々と言うには期間が短すぎるんじゃないかい」

 

「やぁん、そんなツレナイこと言わないで素直に喜びなよぉ~。ダーリンだって私に敢えて嬉しいだろう?」

 

「その呼び方と絡み方をもう少し控えめにしてくれたらね」

 

「相変わらずだねぇ…ま、いいや。今日も整備し・っ・か・り・と、お願いするよ♪」

 

「全く…じゃあそこに寝てくれるかい。ああ、そのジャケットは預かるよ」

 

「ここで脱げって言うのかい!?ま、まさか整備と称してあんなことやこんなことを…奥さんがいるのにイケないんだぁ♪ま、あたいはいつでも良いけどねぇ♡」

 

「…ねぇ、この遣り取り毎回しなくちゃダメかい?取り敢えず脱ぐのはジャケットだけにしてくれよ。他のを脱ごうとしたら強制スリープさせるからね」

 

「眠姦!?み、見かけによらず結構ケダモノな……」

 

「MDR?進まないし後に控えてる子もいるからその辺にして欲しいな。じゃないとクレアを呼ぶよ」

 

「いやマジすんませんそれだけは勘弁つかぁさい」

 

「分かってくれれば良いんだ。じゃ、始めようか」

 

「あいよ~」

 

 最早いつも通りの光景となってしまったMDRからのそれもう逆セクハラなんじゃねえの?と言わんばかりの露骨すぎるアピールを避けつつもこのままでは仕事が出来ないので伝家の宝刀を抜くことで彼女を大人しくさせる

そう、この基地のMDRは何故かイーサンのことを異常な程に気に入っておりなんとか取り入ろうと必死にあれこれとアピールしてくるのだ

しかしそのどれもが余りにも露骨すぎる上に過剰なスキンシップを行ってくるためその光景をクレアに見つかっては彼女にシバかれるという構図が出来ている

とは言えこれは彼女に限った話ではなく、とても穏やかで紳士的で丁寧に整備をする上に戦術人形達を『女の子』として扱ってくれる彼に対して好意を抱いている人形は少なくはない

彼女達もイーサンに気に入られようとあの手この手でアピールしている光景が見受けられる

その行為の数々が大人しくて乙女チックなものであればクレアも多少は目を瞑りもするが、MDRのは流石に度が過ぎ過ぎだ

よって彼女は度々シバかれるわけだがそれでも反省の色は大して見えず、クレアの目を盗んではイーサンに接近して来る

因みに目を瞑って見て見ぬ振りをしたその日の夜、クレアは決まってイーサンにベッタリと甘えている

そして今日も2日前にしっかりと整備したばかりだと言うのに情報を改竄してまでこうしてやって来ていた

その行動力やある意味一途とも取れる想いは良いのだが、もう少し大人し目にしてくれれば…とイーサンは常々思うのであった

情報を改竄するのは勿論イケないことであるし、スカーレットにバレればキツイ仕置きが待っているだろう

しかしもうここに来てしまった以上仕方ないと割り切って彼女の整備を始めるのであった

因みに彼は一度もMDRに対して怒ったこともなければ問答無用でクレアを呼んだこともない、彼なりの優しさではあるがクレア曰く『優しすぎる』とのこと

そう言われてもこれは自分の性分なのでどうにもならないと諦めているし、クレア自身そんな彼のことを好きになって結婚したのもあり結局は強く言えず仕舞いとなっている

 

(各可動部に異常はなし、なんだかんだ言ってやっぱりこの子もスカーレットの試験を突破しただけはあるね。情報部だから直接の戦闘は少ないとはいえ闇に隠れた戦闘があるのに一切の損傷がない、それに自分でもしっかりと整備出来てる…先日の事件の際にも戦闘を行ったらしいけど怪我をしてないみたいで良かった)

 

 イーサンはまず彼女の身体のメンテナンスを開始していた

機械的な内部の可動部や生体パーツの調子を見て異常がないか探すが一切見当たらない、2日前にやったのだから当然かもしれないがそのことに安堵する

因みにこの時通常は人形をスリープモードに移行させてから行うが、MDRの場合だけ彼女の希望により覚醒状態で行っている

ちゃんとした整備に支障が出るからと決して動かないように運動機能に関するシステムはダウンさせているものの、彼の手の感触等は彼女のメンタルにしっかりと伝わっている

その度に至福の感情が渦巻くが、身体を動かすことが叶わず発散出来ない

MDRはそんなもどかしさすらをも楽しんでいた

10分程で身体のチェックを終えた彼は今度はマインドマップのメンテナンスに移行する

この時ばかりは流石に起きているとどんな支障を来すか分からない為強制的にスリープモードにさせる

しっかりとスリープしたことを確認した彼はMDRに繋いだPCのモニターを見つめながらキーボードを叩いていく

 

(ふむふむ…メンタルモデルにも異常は見当たらないね。……相変わらず僕に対する感情のパラメーターは狂ってるけど、これも普段と変わりはない。猟奇的な嗜虐心があるっていうのにどうしてここまで綺麗なのか気になるくらいだ。って、これは…極秘ファイル?絶対に見ちゃダメだぞとか書かれてるけど…これわざとだよね?碌なものじゃなさそうだし見たくはないんだけど、見なかったら見なかったで後で煩そうだし……ハァ、仕方ないか)

 

 彼女のマインドマップの中に隠されていたあからさま過ぎるファイルに嫌な予感がするも、これを見なかったらそれはそれで後々MDRが見た方が良かったと言わんばかりのことをしてきそうである

というか過去にされた

なので仕方なく見ることにしたイーサンは重い指を動かしてそのファイルを開く、するとそこにあったのは…

 

(…………いやまぁ、そうだろうなと思ってはいたけどね。にしてもまた随分と大胆なことを…というかどんだけ人間の性癖に興味があるのさ……)

 

 そこにあったのはMDRの自撮り集であった、それも随分と際どい感じの

それを見たイーサンは思わず机に片肘を付いて頭を抱える

嫌な予感的中である、こんなところをクレアに見られたらなんと言われるか…いやMDRに関しては最早いつも通りだし説明の必要もなく速攻で彼女をシバき倒しそうではあるが

取り敢えず見たことは見たしこれで夜MDRに自分の端末へ直接自撮り写真を送りつけられるような事態は回避出来たのでデリートしておく

整備が終わった後に感想を聞かれるだろうが次の子がいるから、で回避すれば良いだろう

そう決めたイーサンはその後もメンタルモデルの深くまでしっかりとメンテナンスをしていき、やがてそれも終わると一呼吸置いてからMDRを覚醒させる

 

「んぅ……あふっ」

 

 強制的に深い眠りに就かされ、起こされたMDRは頭がハッキリとしないのか眠そうに欠伸をする

今この時だけはただの少女然とした彼女を見ることが可能であり、ここだけを切り取るのであればこのMDRも普通の美少女だ

しかしそんな時間は長く続くわけでもなく、次第に覚醒して来たMDRはわざとインナーを少し乱しながらイーサンの方へすり寄って来る

 

「整備ありがとね~、それでどうだった?削除されてるし見たんでしょ?ねぇねぇどうだったのさぁ♪」

 

「取り敢えずすり寄って来るのをやめて欲しいかな。次の子もいるから早く退室してくれると尚嬉しいよ、あと服を乱さないで」

 

「そんな冷たいこと言わずにさぁ♪結構頑張って情報とか集めたんだよ?出来ればダーリンの性癖が知りたかったから部屋に隠しカメラとか仕掛けたけど、全部見付かって壊されちゃったし…だからこういうのが好きなのかなぁ、とかこんなのはどうかなぁ、とか色々と考えながら研究したんだよ?ちょっとくらい感想をくれたって良いじゃないか」

 

「やっぱりあれを仕掛けたのは君だったんだね……クレアには黙っといてあげるからもうあんなことはしないでくれよ?自分の部屋くらいは息を抜きたいんだ」

 

「はぁい、もうしないよ。それで、感想は~?」

 

「ああもう、抱き着いてこないでくれ。僕にはクレアがいるし次のメンテナンスを待ってる子だって…」

 

「今日はもう私で終わりってことにしといてあげたよ、だから……ね?」

 

「…そこまで改竄してたのか、感心しないな」

 

「これもダーリンへの愛の成せる業さ♡」

 

「取り敢えず離れてくれないかい?そうくっつかれると困るんだ」

 

「何が困るのさ、こ~んな美少女がデレデレなんだぞぉ?男として、本当は嬉しいくせにぃ♪」

 

「遺言はそれで良いかしら、MDR?」

 

「え……やばっ!」

 

 唐突に聞こえてきた第三者の声にMDRは危機を察知して逃げようとするが、気付いた時には床に激突していた

クレアに見付かり、速攻で投げ飛ばされたのだ

 

「全く、情報部からデータが来るのが遅いと思って来てみれば…毎度毎度人の夫に何をしてくれてるのよ!今日と言う今日は徹底的にシバき倒してあげるわ」

 

「い、いやぁ、えっと…ダ、ダーリンがあんまりにも魅力的過ぎるのが悪い!こんな人に惹かれない子なんていない、よって私は悪くない!閉廷!!」

 

「ええそうね、確かにイーサンは魅力に溢れてるわ。でもそれとこれとは別よね?それと人の夫のことをダーリンって呼ぶのもやめてくれないかしら、そう呼んで良いのは私だけよ」

 

「お、なんだいなんだい。クレアもダーリンなんて呼ぶんだねぇ」

 

「確かに夜の時にそう呼んでくれるね」

 

「ちょっと、余計なこと言わないの!ああもう……とにかく行くわよ、今日は私が疲れるまで輪廻煉獄手毬の刑だから」

 

「え゛……あ、あの、クレア様?それだけはちょおっとご勘弁願いたいのですが…何とかなりませんでしょうか」

 

「ならないわ」

 

「いやあの本当お願いします後生ですから!って、あ、あ……イヤアァァァァァァァァァァァァァ……

 

「……結局後で僕が修理するハメにならないかい、これ」

 

 クレアに引き摺られるようにしてMDRが去ると整備室に平和が戻る

取り残されたイーサンは取り敢えずMDRが改竄してしまった情報を元に戻し、他の人員へ渡っていた人形達のメンテナンスをやっていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇゆかりん」

 

「なんでしょう?」

 

「あれ、なに?」

 

「…私に分かるとでも?」

 

「ゆかりんなら不思議パワーで分かるかなって」

 

「私にそんな謎の力はありません」

 

 夕方頃、訓練室では何かが激突するような音と少女のくぐもった悲鳴が断続的に続いていた

その光景を見ているゆかり達日本組はポカンとしており、目の前で行われていることが理解出来ずにいた

そこにはクレアがMDRを只管に床に叩きつけているのだが、そのやり方が異常である

クレアはMDRの後頭部を掴むとそのまま彼女をうつ伏せの大の字になるよう床へ叩きつけるのだが、その直後彼女の身体が浮き上がってクレアが再び後頭部を掴む

そして後頭部を掴んだ手をまた下へ振り下ろして彼女を叩きつけるのだ

MDRの身体はクレアによって床へ激突させられると同時に特殊な力のかけ方をされていることから強制的にバウンドし、またクレアの臍付近まで持ち上げられている

これこそがクレアが持つ技の中でも喰らう者からすれば最も絶望するものの1つ、『輪廻煉獄手毬』だ

クレアが技を放つのを止めない限り永遠に床や地面に激突し続けなければならず、彼女の体力は無尽蔵に近いものがある為気分次第では兎に角酷い目に遭う

そして今回クレアは割とキレているのでもうかれこれ1時間程続いていた

そこへ新たな人物がやってくる

 

「なーんか聞き馴染みのある音がするなと思ったら…おいゆかり、あれいつからやってんだ?」

 

「さぁ…P7さんは1時間位前だと言ってましたが」

 

「全く、流石にやり過ぎだろクレアのやつ…しょうがねえな」

 

「助けてあげるんですか?」

 

「ああ、あいつは情報の改竄とかやらかしてるしお灸を据えようと思ってたが…あれだけシバかれてんならもう十分だろ。仕置きがてら一発叩き込んで終わりにしてやる」

 

 そう言ってスカーレットはクレアに近付くと床に叩きつけられてバウンドするMDRに向かって蹴りを放つ

 

「ぶべらっ!?」

 

「ちょっと、何するのよスカーレット。まだ私の気は済んでないわ」

 

「やり過ぎなんだよ馬鹿野郎。確かに罰を与える必要はあるがここまでやるこたねえだろ、後で罰則は与えとくからこの辺で終わりにしてやれ」

 

「…分かったわ、今回はこれで許してあげる。後は煮るなり焼くなり好きにしてちょうだい」

 

「あいよ。……さて、MDR。てめぇイーサンに好意があるのは良いがちょいと今回のは目を瞑ってやれるもんじゃねえ。情報の改竄なんざしやがって…その所為で整備部に混乱を招き、人形達のメンテナンスに支障を来している。分かるな?」

 

「ゥ、ゴホ…ハ、ハイ」

 

「それが基地にとって重大な危機に繋がりかねない事態となる可能性は十二分にある。今回はやり過ぎちまったな、だから私はお前に罰を与えなきゃならねえ。よって…MDR、明日から一ヶ月間イーサンへの接近を禁ずる。もし破った場合は懲罰房でPPKに可愛がってもらうことになる、良いな?」

 

「え……ダーリンに、近付いちゃダメ…?そ、それだけは!」

 

何か文句あっか?

 

「あ、いえ…何もありません……」

 

「…ま、今回のことは流石に反省しろよ。イーサンに迫るなとは言わねえが、やり方は考えな。次情報の改竄なんざしてみろ、そん時ゃ私が直々に地獄を見せてやる…()()()()()()()()()()()()

 

「すいませんでした…」

 

「分かれば良い。んじゃ罰則はしっかり守れよ、それ以外は好きにしてて構わねえから。それと…整備部にはちゃんと謝っとくんだな」

 

「あい…」

 

 完全に意気消沈しているMDRをその場に放置してスカーレットは歩き出す

仲間として慰めてやりたい気持ちはあるが、指揮官として、この基地の責任者として今は寄り添うことが出来ない

なので部屋を出る前にゆかりの肩に手を置いて「頼んだ」とだけ言い、部屋を後にした

その一言で彼女の意図を察したゆかりはマキと共にMDRに近付き、肩を貸して医務室へと連れていくのであった

その後ゆかりとマキはショックから泣くMDRの話を聞き、慰めてあげるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、とある部屋にて1人の少女が白猫を膝に乗せてその背中をゆっくりと撫でていた

とても緩やかに時間は流れ、やがて時計の針が9時を指す

その瞬間少女の部屋の扉に変則的なノック音がした

それを聞いた彼女は白猫を抱き抱えながら扉へと近付き、開ける

 

「来たわよ、ワルサー」

 

「時間通りね、入って」

 

 そこにいたのはHK416であり、左手に何やら大きなケースのようなものを持っている

そんな彼女を部屋の主である少女、WA2000は中へ招き入れるのであった

これより行われるのはWA2000とHK416による定期裏会議と呼ばれるものだ

この為にHK416は誰にも付けられることのないよう最新の注意を払ってここまで来ており、今までこの会合はこの基地の誰にもバレてはいない程の気合いの入れようである

部屋へと入ったHK416は左手に持ったケースを降ろし、側面に付けられた蓋を開ける

すると中から一匹の黒猫が出て来た

 

「さぁ、始めるわよ」

 

「ええ、それじゃあ早速…」

 

 2人はそれぞれ自分の猫を仰向けになるように抱き、顔を見合わせると同時に頷き……猫のお腹へ顔を埋めた

 

「「スゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………」」

 

 長い、長い時が流れた

この間2人は微動だにせず、只管に猫のお腹へと顔を押し付けて吸っている

やがて満足したのか2人は同時にゆっくりと顔を離すと

 

「「はぁ……♡」」

 

 恍惚とした表情を晒して息を吐いていた

そう、これはWA2000とHK416による裏会議(互いの猫を愛でまくる会)である

 

「あぁん、ツィラちゃん相変わらず可愛いわねぇ~♪」

 

「そう言う貴女のシリル君も愛らしいじゃないのよぉ~♪」

 

 完全にキャラ崩壊である

2人とも普段の凛とした立ち振る舞いは何処へやら、お互いの猫に完璧に魅了されていた

因みにWA2000の飼い猫である白猫が雄のシリルでHK416の飼い猫である黒猫が雌のツィラだ

彼女達は完全防音が施された部屋で思う存分猫達と戯れる

おもちゃを使って猫と遊び、床に転がりながら猫に頬ずりをして撫でまくる

時として構い過ぎたのか引っ掛かれたりもするがそれすらも喜んで享受している彼女達に、普段の面影は欠片もなかった

そのまま彼女達は何時間もの間キャーキャーと叫びながら遊びまくり、その後部屋に備え付けられた簡易的な浴室に向かうと猫達を洗う

そして自分達もそのままお風呂に入り、上がると猫の身体を乾かした後にもう一度猫を吸引する

彼女達の裏会議(互いの猫を愛でまくる会)は猫吸引に始まり猫吸引に終わるのだ

そして彼女達は猫と共に床に就く

2匹の猫を間に挟んで向かい合いながら眠る彼女達の顔は満たされており、だらしなく緩み切っていた

 

 そして翌明朝

 

「さて、私はそろそろ行くわ。この会合を知られるわけにいかないしね」

 

「そうね、そうして頂戴」

 

「そうそう、とびっきりのおもちゃを発注してあるから次の時に一緒に遊びましょう」

 

「へぇ…それは楽しみね」

 

「私もよ。それじゃあね」

 

「またね」

 

 昨日の騒ぎっぷりは何だったのか、そこには普段の冷静な様子を取り戻したWA2000とHK416がおりHK416が部屋を出ようとしているところであった

彼女の左手には大型の猫用ケースがあり、既に中にはツィラが入っている

HK416は部屋を出る前に扉に耳を寄せて意識を集中し、気配を探る

どうやら外に誰もいないようだ、確認を終えた彼女はノブに手を掛けて音を立てずに扉を開けると僅かな隙間に身体を滑り込ませるようにして退室した

それを見届けたWA2000は着替えようかと思うも視界にシリルが入る、時計に目をやるとまだまだ早い時間だ

 

「うん、ちょっとだけ…」

 

 その後彼女はシリルを思いっ切り撫で回し、頬ずりをするのであった

その顔は昨日の時と同じく緩み切ったものであるのだが、そんな状態でも時間をしっかりと把握していてしっかりと仕事(スナイパースクールの講師役)の為に早めに部屋を出るのは流石と言う他ないだろう

 

 因みにその際1度部屋を振り返ってシリルを見やり、名残惜しそうな表情をしていたのは余談である

 




ごめんよMDR…こうなる予定ではなかったんや、本当に(´・ω・`)
きっと良いことあるからさ…イーサンのことだし何かしてくれるよ、多分
そしてこの基地きっての無類の猫好き2人組の秘密の会合、結構高頻度で行われてたりします
実は今回のお話、かなり初期段階で思いついていたという…出すのに時間かかり過ぎでは(白目)
次回は多分モシンさんが悲惨な目に遭う訓練回になると思います(FN49もなるけど)
ひょっとしたら小話がもう一回あるかもしれませんが…どうなるのかは私にも分かりません('ω')

ではまた次回(@^^)/~~~

ゆかりさんが何処に配属されるか

  • 諜報部隊
  • LSP
  • その他(例:音楽隊のサブボーカルなど)
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