S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常   作:フォルカー・シュッツェン

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今回ちと短めです
流石に空挺に関する知識に造詣は深くない……勉強するにも最近ちと忙しくてですな……
YouTube活動の方も近々再開しようとしてるので余計に('ω')
あと訓練編をちょいと短めにして早いとこ世界種子貯蔵庫行かなきゃ……

では、どうぞ!


実践編:空挺訓練

「ね、ねぇ……本当に行かなきゃダメ?」

 

「うん、行かなきゃダメ」

 

 モシン・ナガンは冷や汗を流して自分の膝の上に乗っているM200に訊く

しかし返って来たのは非情なもので、それに呼応するかのように彼女の冷や汗は増える

まるで人間のように早鐘を鳴らす駆動部に静まれと命じるもその命令を聞く気配はない

 

「……ったく、しゃあねえなぁ」

 

 動けずにいると同じ場所に居るスカーレットが頭をガリガリと搔きながら立ち上がって近寄って来た

嫌な予感を感じたモシン・ナガンは逃げようとするも今の彼女はM200を膝に乗せて座っている……逃げられるわけもなくスカーレットに捕まった彼女はM200毎担ぎ上げられてしまった

 

「ちょ、ちょっと同志!?こ、心の準備ってものが……!」

 

「ガタガタ抜かすんじゃねえ、んなもん待ってたら日が暮れちまうだろうが!さ、やるぞ……イーサン、ハッチを開けろ」

 

「了解。くれぐれも気を付けるんだよ?」

 

「安心しろ、後のことはM200がやっから」

 

「…僕は君の心配をしたんだけどなぁ」

 

 イーサンは苦笑しながらボタンを押して操作をし、ハッチを開いた

途端に強風が吹き込み、体温を奪ってくる

 

「ねぇ、お願い……後生だから………」

 

「後は任せたぞ、M200」

 

「任せて下さい」

 

「い、いや……」

 

「さぁ……鳥になって来い」

 

「行ってきまーす」

 

「イヤアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ……………」

 

 モシン・ナガンはM200共々飛行機から投げ捨てられる

空中に放り出され、人間でもないのに内蔵の浮き上がるような嫌な感覚を味わう

何故こうなってしまったのか……モシン・ナガンは昨日のことを振り返る……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!」

 

「うぐぅっ!……良いね、良い感じだよモッシー」

 

 モシン・ナガンはM200に対して今しがた教わったばかりの絶紹を放ち、見事当てていた

それを受けたM200はその場に崩れ落ち、苦しそうに呻きながらも彼女を称えるのであった

 

「う、うそ…お師匠が……って大丈夫!?」

 

「ああうん、大丈夫…だよ。まぁ、その技を真面に喰らったら……ボクでもキツイけどね」

 

 脂汗を流しながら苦しむM200をモシン・ナガンは介抱し、やがて彼女の容態は落ち着いて来た

 

「ありがとうモッシー、もう大丈夫」

 

「良かった……それにしても、私にあんなことが出来るなんてね」

 

「元々才能はあったし、ボクや指揮官に加えて色んな人形達が協力してくれたからね。戦術人形ならこれくらい数日で出来るようになるものだよ」

 

「そんなものなのね……ってことは、これで一応は格闘訓練はOKなのかしら?」

 

「そうだね、取り敢えずは十分かな、鉄血や人類人権団体なら普通に戦えると思うよ。勿論ボクが本気を出せばまだまだ相手にもならないけどね」

 

「そりゃそうよね……さっきのだって手加減してくれてるのがありありと分かったし……」

 

「こればっかりは経験だね。これから実戦を何度も経験することで磨いていこう」

 

「ええ、分かったわ!」

 

 笑顔になるモシン・ナガンを見てM200も笑顔を見せる

まるで母娘のような光景でありながら精神的には娘が母側という摩訶不思議な空間を形成した後にM200はモシン・ナガンに絶望を突き付ける言葉を放った

 

「てことで……明日からは空挺訓練だね。イーサンさんの操縦する航空機から何度も飛び降りるよ」

 

「……え゛」

 

「楽しみだね、モッシー」

 

「……これほど明日が来て欲しくないって思ったことはないわ」

 

 笑顔のM200とは対照的にまるでこの世の全てを諦めたような表情をするモシン・ナガン

彼女の感じた絶望感は翌日、想像以上のものとなって襲い来ることに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――回想終了――――

 

「ほらモッシー、目を閉じないでちゃんと景色を見て」

 

「無理無理無理無理無理無理無理!!」

 

「ああそれと、あんまり大きく口を動かすと舌噛み切るかもしれないよ?」

 

「―――――――――っ!!」

 

「目を開けないと訓練にならないし余計に怖いよ?だってどのタイミングで開傘(プル)すれば良いか分からないし……最悪時速約200kmで地面に叩きつけられてバラバラになるかもね」

 

「それは嫌……!」

 

「じゃあ目を開けてしっかりと見て」

 

「……っ!」

 

 モシン・ナガンはようやっと目を開けた

顔には大型のゴーグルが着用されている為目を開けるのに物理的な苦労はない

むしろガードされていない口を動かす方がしんどいくらいだ

しかしそれでも地面が見えない程の高度から飛び降りている最中、目を開けてその様子を見るというのは非常に怖いものがある

その恐怖を必死に抑えつけて目を開くとそこには雲が広がっていた

 

「ちょっ!?どんだけ高いところからやってるのよ!!!」

 

「HALO降下するって言ったでしょ?」

 

「それにしたって高過ぎよぉ!!普通少しずつ高くするんじゃないの!?」

 

「普通はね。でもここは普通じゃないから」

 

「来るんじゃなかったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 モシン・ナガンは叫びながらも目を閉じることなくしっかりと目の前の光景を見据えていた

やがて雲海の中へ突入する

恐ろしい数の水滴が全身を叩き、猛烈に痛い

それに高度が高いため気温も低く、更に水滴で濡れて余計に冷える

雲海を抜けると終端速度に達した彼女達に途轍もない風が襲い掛かり、濡れた身体はすぐに乾く

その代わり体温は滅茶苦茶に下がる

ガクガクと震えてくる身体に鞭を打って事前に教えられていた姿勢を維持する

両手両足を広げてお腹を突き出して背中を引っ込ませる

とは言え両手両足以外は自身のお腹側にいるM200の姿勢によって強制的に同じ体勢を取らされている

本来2人で降下する際には経験のある者が背中側へと来るが、M200の背丈の都合上それは難しかったのでお腹側へと来ている

それと同時にパラシュートの操作もお腹側のM200が行えるよう専用に改造されたものを用いている

モシン・ナガンは精一杯両手両足を広げるが恐ろしいまでの空気抵抗に襲われて姿勢が崩れそうになる

己の筋力のみで維持しているが正直かなりキツく、おまけにどんどんと地面が近付いて行くのが見えるので恐怖心も半端ない

最早何かを感じることも出来ない程に余裕のなくなってきた彼女は只管に姿勢を維持することだけに集中し始めた

それを感じたM200は少しだけ感心していた

 

(ふうん…思ってたよりもこうなるのが遅かったね。想像してたよりも度胸があるみたいで良かったよ)

 

 そんなことを考えながらM200はモシン・ナガンに話しかける

 

「もうちょっとでパラシュートを開くよ。2人での効果時にはまず減速用の傘を開いてから本命の傘を開くんだ。結構衝撃が来るから覚悟しておいて」

 

「――――っ!(コクコクコク)」

 

 モシン・ナガンは言葉を発する余裕もなく、何度も頷く

それを感じ取ったM200は表情を変えずに地面を見据える

 

(800……700……600……500……400…開傘(プル)!)

 

 M200は高度400mを過ぎて少しした後に減速用のパラシュートを開いて減速する

その後300mを過ぎた辺りで本命のパラシュートを開いてゆっくりと降下していく

パラシュートを巧みに操り柔らかい土の上に降り立ったM200は一先ず自分とモシン・ナガンを繋いでいる固定具を外した

その直後モシン・ナガンは地面に倒れ込むようにしがみつき、土に指をめり込ませていた

 

「ああ地面……大地は良いわね大地は……そもそも中国拳法って大地から力を得ることが多いってお師匠も言ってたじゃない、そうよだから大地を愛するのは自然なことでもう絶対ここから離れないわ……」

 

「気持ちは分かるけど支離滅裂すぎるよ、モッシー。それと地面に恋しかけてるところ悪いんだけど……これで終わりじゃないからね?」

 

「………………………」

 

「昨日も言ったよね?『何度も飛ぶ』って。さ、もう暫くしたらFN49とWA2000も降りてくるだろうしそしたらもう1回飛ぶよ」

 

「……やだ」

 

「だめ、飛ぶよ」

 

「やだやだやだ」

 

「だめだめだめ」

 

 まるで駄々っ子のようになったモシン・ナガンを揶揄うかのようにM200は言葉を返し、遊んでいた

愛弟子に対するちょっとした悪戯心である

そんな遣り取りを繰り返しているとやがてFN49とWA2000のコンビも少し離れた地点へと降り立ち、FN49は腰が砕けて地面にへたり込んでいた

涙目になって「もう勘弁してください…」姿に罪悪感が湧き起こるものの、これは訓練だ

WA2000はそんなFN49の襟首を掴んで引き摺るようにして航空機の着陸ポイントへと向かう

M200も同様にモシン・ナガンの右脚を引き摺りながら移動を開始する

 

「いやいやいや、もういやよぉ……!」

 

「も、もう……やめて下さい………」

 

 彼女達の嘆願は聞き入れてもらえず、結局その日の内に数十回も飛ぶ羽目になるのであった

流石に十回以上熟すと慣れて来たのかグズることはなくなったが、それでもまだ嫌なことに変わりはないらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃イーサンは……

 

「ねぇスカーレット……見ててかなり心苦しいんだけど、もう少し優しくしてあげられないかい?」

 

「諦めろ、これが一番早い。元空軍のお前もそれは分かんだろ」

 

「空挺部隊と混同してないかい、それ」

 

「似たようなもんだろ」

 

「……暴論だなぁ」

 

「取り敢えずこれでちったぁ慣れたろ。後は1人で飛べるようになってもらって、そこから技量向上していきゃいい。それまでの間、頼んだぜ?」

 

「仕方ないね……分かったよ。やり過ぎないようにね」

 

「安心しろ、私達が受けたのよりは優しくする」

 

「……あの子達にとってはそれでも地獄なんだろうなぁ」

 

 しみじみと彼女達の今後を心配していた

 




慈悲はない(ゲス顔)
泣こうか喚こうが訓練は止まらないのです……可哀想だけど仕方ないね、スカーレットだもん
因みに私本人がスカーレットの立場だとここまで鬼畜には出来ないと思います……どうしても情に止められる
情を持ちながらここまで出来るスカーレットって凄いんやな……(お前が作ったキャラやぞ)
取り敢えず次回は……何にしましょうかね?
希望があればお聞かせください!

ではまた次回(@^^)/~~~

ゆかりさんが何処に配属されるか

  • 諜報部隊
  • LSP
  • その他(例:音楽隊のサブボーカルなど)
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