S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常 作:フォルカー・シュッツェン
本当にお待たせしました!!!!
今回のお話を書いていて途中で小休憩を取った時に腰の痛みがぶり返して来て死にかけたのでそこから書くのを止めて腰が完治するまで手を付けないようにしていました……禁断症状っぽいものが出たりもしましたが私は元気です、ご安心下さい
ただ治ったとは言えまだ様子見の段階ではあるので暫くは1話当たりの文字数が少なくなると思います……取り敢えず週一での投稿を目指して頑張っていきたいと思いますのでお付き合い頂ければ幸いです
では、どうぞ!
「おら起きろお前ら!狩の時間だ!!」
「おわわわわわわわ!?」
まだ外も暗い時間、スカーレットはいきなり大声を上げる
それを受けてモシン・ナガンは何事かと己の銃を抱えながら起き上がり、FN49は完全に混乱して声も上げられずにいる
「ふむ、モシンは一応反応出来たか。FN49は何も出来てねぇみたいだが、まぁそりゃそうなるわな」
「な、なんなのよ一体……敵襲かと思ったじゃないの」
「朝早く起きれたろ?」
「それはそうだけど……」
「兎に角起きたんならさっさと準備しろ!今日はお前らに狩猟の心得を叩き込んでやる」
スカーレットの言葉を聞いたFN49とモシン・ナガンは身体を完全に起こして身支度を済ませる
2人共いつもの服ではなくハンターらしい素朴な服に着替えて朝ごはんを食べる、因みにメニューはジンギスカンとレタスのサラダに特製ソースをかけたものである
食べ終わると各々銃を担いでログハウスを出る、その際にスカーレットはライフルではなく上下二連散弾銃を担ぐ
そのままスカーレットは森の中へずんずんと歩いていき、2人はそれに必死に付いて行くと、途中で立ち止まった
「何かあったの?」
「見ろ」
「それは……糞ですね。昨日も見ましたが」
「湿気が多い……ってことはまだ新しい?」
「そうだ。だがこれは昨日の糞とは違う、分かるか?」
そう言われた2人はスカーレットの指差す先にある糞をじっくりと眺める
確かに昨日見た糞よりも眺めで、1つしか落ちていない
僅かに白い部分もあるが、それだけだ
それ以上の情報は見えて来ない2人は素直にそのことを報告する
するとスカーレットは僅かに感心したように息を吐いた
「ほぅ……そこまで分かるなら十分だ。要するにこの糞は昨日の鹿とはまた別の生き物の糞ってことだな。んでこいつは狐の糞だ、犬や狸の糞と似てるからちょいとした見分け方を言っておく。まず狐は溜め糞をしない、要するに一個一個がバラバラに落ちてることが多いんだな。これは狸の糞との差別化だ。そして野生の狐は野鼠を食ってることが多いから鼠の毛や歯が糞に紛れてることが多い、この白いのは鼠の歯だな。それに近くで見ると細かい毛も紛れてるだろ?犬の糞は犬種にもよるが、ドッグフードを食ってる場合は他よりも白いが……野生にんなのはあんまいないからな。野生の犬の場合は狐と見比べるのは難しいぜ、まぁどっちにしろ食えるから狩る価値はあるんだけどな」
「ふ、糞にも詳しいのね……てか犬も食べるのか……」
「あんまり想像したくないような……」
「なぁに言ってんだ?その内虫も食わせるってのに犬くらいで足踏みしてんじゃねえよ」
「「……は?」」
スカーレットの言葉に2人の時間が止まる
虫を食う、確かにスカーレットはそう言った
そういう文化があるのは2人共知っているが、自分が食べるとは微塵にも思っていなかったのだ
「ね、ねぇ指揮官……さっき言ったのって……」
「ああ、ガチだ」
「う、嘘ですよね?そんなの……」
「このご時世虫は貴重な食料だし苦手意識さえ克服出来りゃあかなり旨い御馳走だぜ。それに私の基地に所属してる奴は全員虫を食うどころか調理出来るように訓練している、諦めな」
「「…………。」」
絶望、2人の表情を言葉で表すのなら正しくその言葉が最も適切だろう
絶望に暮れる2人を無視してスカーレットは講義を続ける
「それと見るべきはこの足跡だ。ただ単にあっちの方に得物がいるとかそんな程度で終わらすのはヌーブだな、それ以外にも様々なことが分かる。一番デカいのは足跡の深さと大きさだ。デカけりゃデカい程得物のサイズもデカくなる。深い場合は体重が重かったり‘足跡が付いた時点で’地面がぬかるんでいたなどの情報を知ることが可能だ。糞からも古い新しいは分かるが、足跡からも分かる。踏みつぶされてない落ち葉とか雑草がどれくらいあるとか、な。更に今回は狐だと確定してるから見る必要はないのかもしれんが、足跡から動物を同定することも可能だ。特に蹄の有無は一発で分かるぜ。蹄が無い場合は比較的下側が半球状になるが、蹄がある時は比較的四角だな」
「な、なるほど……追跡するだけじゃないのね」
「たりめぇだ。これを応用すると敵兵の足跡を見付けた時にただそれだけで様々なことを知ることが出来る。足跡の間隔と数から敵兵の人数、深さから装備の多さや運搬物の重量とかな。人数が2人でも足跡が異様に深いなら何か重量物を運んでることが分かるし、外骨格やパワードスーツの類かもしれねぇ。気を引き締めた方が良いだろうな」
「そういうことですか……狩猟がスナイパーに必要な素質を鍛えられるってこういうことなんですね」
スカーレットの話を聞いて2人は感心する
そこから彼女達はスカーレットの話を熱心に聞いてそれをメモしていく
ある程度話をし終えたスカーレットは追跡するぞと言い放って足跡の追跡を始める
2人も急いでそれに続こうとして「足音立てまくるんじゃねぇ」と怒られて静かに付いて行くのであった
「ねぇ、指揮官……あれ」
「お、気付いたか。良い目をしてるなモシン」
暫く後、歩いているとモシン・ナガンがスカーレットに小声で話しかけてきた
それに対してスカーレットも小声で誉め言葉を送る
その様子にFN49は何が何だか分からない様子だ
「何のことでしょう?」
「あれを見てみな」
「ん?あれは……」
スカーレットの指し示す先を見てみると僅かに何かが揺れたような気がしたFN49は目を凝らす
しかしその先に何があるのかハッキリとは分からなかった
それにスカーレットは特に落胆を見せることなくモシン・ナガンに指示を出す
「モシン、やれ」
「分かったわ……でも当てられるか分からないわよ」
「構わねえよ」
モシン・ナガンはスリングで肩に負っていた己の半身を前に持って来てkneeling unsupported positionを取る
座学で学んだことを早速活かして己のモノとしている様子にスカーレットは僅かに微笑んだ
そんな彼女には気付くことなくモシン・ナガンは銃を構えて呼吸を整える……数秒した後轟音が響いた
するといつの間にか双眼鏡を覗いていたスカーレットが満足そうに口を開く
「上出来だ、一撃で仕留めたな」
「スパシーバ!」
「もしかして…先程の足跡の主ですか?」
「そうだ。あそこの木陰で休んでたぜ」
「良く見えましたね、モシンさん」
「運が良かったのよ。ちょこっと頭を動かした時にそっちを見てたからね」
「そうだとしても見えるのはホンの僅かだった筈だ。それを見逃すことなく捉え、ただの草木の揺れとは違うと判断出来たのは紛れもねぇお前の実力だろうが。ここは胸を張るところだぜ」
「そう、そうね……ありがとう」
掛け値なしの賞賛を送るスカーレットにモシン・ナガンは少し照れ気味だ
話しながら仕留めた得物に近付くと、綺麗にヘッドショットが決まって頭の上半分が吹き飛んだ狐の死骸があった
その悲惨な光景にFN49とモシン・ナガンは心を痛めるがスカーレットは痛みを感じる間もなく意識を吹き飛ばせたんだ、寧ろ優しい殺し方だぜと言い放つ
おまけに、この程度で心痛めてっと戦場じゃやっていけねぇと言われた2人は納得したのか表情を少し明るくした
その後は仕留めた狐を持ち帰り、スカーレットが2人に解体の仕方を教えながら実践させる
その日の昼食は狐肉、と言いたいところだが狐は肉食性だ
肉食動物の肉は筋張っていて固く、食すには基本的に向いていない
この狐は剥いだ毛皮を利用して獣の臭いを纏う術を教える為の教材となり、残った肉は熊を誘き出すための罠用に保管されることとなった
その為昼食には保管庫内にあった猪の肉を使ったステーキとなり、これもまたスカーレットが2人へと教えながら作らせた
慣れない作業にヘトヘトになる2人だったが食事を摂るとその美味しさに疲れが取れるのを感じ、少しの休憩の後は先日と同様にスカーレットの格闘訓練を受けることとなった
そしてボコられた2人はそのまま休憩することなく周囲を一望出来る櫓に登らされ、そこで距離目測の実地訓練を受ける
その後はそのままレンジカードの作成、櫓から観測出来る範囲内に存在するLP/OPとして優れた地点の発見に移動……移動後にはまたレンジカードを作成しそのままスナイパーズハイドの構築と休みなく次々と動かされる
先日とは打って変わって色々とさせられることに疑問を感じつつもそれをスカーレットにぶつけることは出来ない、何故ならこの時のスカーレットの様子は正しく鬼教官であり少しでも逆らえば蹴りが飛んできそうな気配があったからだ
常に僅かな殺気を纏いながら2人に指示を出し様々な訓練を施し、ミスがあれば檄を飛ばす
この日だけでもスカーレットは2人にレンジカードを数十枚以上描かせ、否が応でも描くことに慣れさせた
そして夜には夜間行動に於ける訓練を施し、スナイパーやスポッターとして作戦を実施する際の動きを叩き込む
翌日もまた早朝から2人は叩き起こされ朝に狩り、昼に格闘とレンジカードと作戦行動及びハイド構築、夜にまた作戦行動や夜間の距離目測に夜間狙撃訓練などなど……一気に様々なことをさせられる
今までとは比べ物にならない位の密度だ、これにより本当の訓練が開始されたかと感じる2人だったが……その答えはNOだ
濃密な訓練が始まって3日が経った夜、2人が疲労により寝静まるのを見計らってからスカーレットは外に出てとある相手に通信を掛ける
「予定より早いが、明日の夜頼む」
『おや、こりゃまた性急だね。基礎訓練はもう良いのかい?』
「ああ、もう十分だ。あれだけ出来るなら……そろそろこの基地の本当の訓練って奴を味合わせても良い頃合いだろうよ」
『うわぁ、悪人顔してるのが容易に想像出来る……ともかく了解!64式と89式にも話しておくよ』
「頼んだぜ、あいつらに地獄の洗礼を受けさせてやれ」
『任せなさい!試作機の本気って奴を見せてやるわ♪』
「てめぇも今悪人顔してんだろ……まぁ良い、遠慮は要らねえから全力でやれ。良いな?」
『はーい!それじゃあね、指揮官』
「おう」
通信を切ったスカーレットはニヤリと笑みを浮かべると闇夜の森の中へと消えていく
何も知らないFN49とモシン・ナガンはログハウスですやすやと眠り続けるのであった
人形用の睡眠薬が盛られていたことにも気付くことはないままに
最後に出て来た通信の相手……一体誰なんでしょうねぇ('ω')
喋り方がMDRに似てますが彼女ではありません、正体は次回で分かる「予定」です
取り敢えずFN49とモシン・ナガンには地獄を味わってもらいましょう、慈悲はない(ニッコリ)
暫く更新を止めていたので忘れられていないか不安ですが……感想等下さるととても励みになります、下さいお願いします何でもs...
というか部隊&組織紹介で音楽隊のこと書いてないやん……次はそこを更新するとします
ではまた次回(@^^)/~~~
ゆかりさんが何処に配属されるか
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