S09地区のとある指揮官と戦術人形達の和やかな日常と殺伐とした日常   作:フォルカー・シュッツェン

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前回のラストがAR達の訓練を仄めかす内容でしたがすっ飛ばしました('ω')
…いつか書くと思うから許してね、416ちゃん
それから1話の人物紹介とその他にアンケートを載せてます
良ければご回答のほどよろしくお願いします


ライフル型No.2の登場!

 

 スカーレットが訓練所で人形達と殴りあっている頃

FN49はWA2000の指導の下、必死に訓練に励んでいた

 

「まだまだね。これじゃ及第点も出せやしないわ」

 

「はぁ、はぁ……し、しんどい………」

 

 かれこれ数時間の間FN49はライフルを撃ち続けていた

それは先日のようにただひたすらに1日中撃ちまくるものではなく、しっかりと目標を指定されてそれに沿った狙撃を時間をかけて行うもの

なので撃つ回数は激減し、身体への負担は少なくなっている

しかし狙撃というものはかなり精神力を使うのだ

それを数時間も続けたとなれば疲労は凄まじいものとなる

眼精疲労もまた辛いだろう

そんな疲弊しきっているFN49にWA2000は厳しい言葉をかける

 

「こんな程度でバテてるようじゃ戦場では役に立たないわ。足を引っ張って終わりよ」

 

「ううぅ…」

 

「特にうちの基地では出撃資格を取るのが異様に厳しいからね。指揮官に認めてもらいたければもっと頑張りなさい、貴女筋は良いんだから」

 

「…本当に、私には才能があるんでしょうか」

 

 FN49は自身のライフルを胸に抱き寄せ、不安そうに呟く

WA2000は既にFN49へ「貴女には才能があるわ。細かく鍛えていけばどんな場所でも活躍出来るようになるはずよ。だからこれから私が付きっきりで見てあげる」と言っているのだが、実際に訓練してみると褒められることが一切ないので自信を無くしてしまっているのだ

そんなFN49にWA2000が近づき、両肩に両手を乗せた

少し驚いたFN49が顔を上げるとそこには真剣ながらも何処か優しさを感じる顔をしたWA2000がしっかりと目を見ていた

 

「大丈夫よ。指揮官から最も認められている私が貴女を見込んだのよ、安心なさい。これからも訓練は厳しくしていくけどそれは貴女を信じているからなの。だから私を信じなさい、信じて着いて来なさい。そうしたら必ず指揮官に認められるくらいに強くしてあげる」

 

「ワルサーさん…」

 

 WA2000のその言葉にFN49はその顔にうっすらと涙を浮かべる

それから暫くWA2000の顔を見つめていた

白い肌、長い睫毛、綺麗な瞳にぷっくらとした唇…それらは完璧な調和を誇っておりまるで芸術作品のように綺麗で……そこまで思考がいった所でFN49はハッとしてWA2000から身体を離した

 

「…?どうかしたの?」

 

「な、なななんでもありませんっ!それより訓練の続きをやりましょう!!」

 

「そ、そう?大丈夫なら良いんだけれど…」

 

 FN49はほんのり朱の差した頬をパンパンと叩いて気合いを入れ直すと再びレンジに入って銃を構える

その様子を見てWA2000も思考を切り替えて指導を再開しようとした

しかしそのタイミングで訓練所の扉が開き、誰かが入ってきた

その方向を見やるとそこにいたのはM14であった

 

「あ、ワルサーさん。こんにちは〜」

 

「こんにちは、M14。今日はこっちで訓練なのね」

 

「はい、わたしはマークスマンですからね。色んな距離が指定出来るここは私にとって便利なんですよ」

 

 今3人が居るのは最大距離が800mで1m刻みでターゲットを出現させられるライフル用の訓練所の1つである

レーン数が少ないので1度に使用出来る人数に限りはあるものの風や気圧、果ては角度といった細かい状況設定が可能な高性能レンジである

 

「それもそうだったわね。最近長距離レンジにいることが多かったからちょっとだけ違和感があったのよ」

 

「あはは、そうでしたか。って…そちらは新しく入った人ですか?」

 

 M14はレンジから姿を現したFN49を見てWA2000へ尋ねた

 

「ええ、そうよ。この子はFN49、この娘は見込みがあるからマンツーマンで鍛えることにしたわ」

 

「FN49です、よろしくお願いします」

 

「わぁ〜、ワルサーさんが入れ込むなんて初めてじゃないですか!もしかしなくても才能めっちゃある感じですか?」

 

「そうね、この子には才能があるわ。しっかり鍛えていけば私を超えるかもしれないほどにね。そうそうFN49、この子はM14よ。指揮官に認められて戦場へ出る資格を得た数少ないライフル型人形よ」

 

「えっへん!実は凄いんですよ、わたし」

 

「そ、そうだったんですね。これからよろしくお願いします」

 

 両手を腰に当てて胸を張るM14にFN49は頭を下げて挨拶をする

そして顔を上げた時、彼女が背負っているライフルが目に付いた

M14を実際に見るのは初めてだが、その背にあるライフルが自分の知っているM14とは全く違うことに気付く

通常のM14は自身のそれと同じく木製部品が多く使われており、見た目は似通っているはずだ

しかし実際に背負われていたのは樹脂パーツが多く、バイポッドを初めとした様々なアタッチメントの付いた最新式の銃のように見えるライフルだ

そんなFN49の視線に気付いたのかM14はライフルを手に持って見せながら得意顔で説明を始めた

 

「これが気になります?これはEBR仕様って言いまして、早い話がモダナイズですね。従来のM14にあった弱点を全部克服して取り回しや精度を強化したものになってるんです」

 

「一応特別なカスタムってことにはなるけどM14のEBR仕様自体は他の基地でも見られるわ。でもこの子のは他でも中々見ない改造が施されてるわ。この子の身体にフィットするように1つ1つのパーツが1mm単位で調整されてるしスコープもシュミット&ベンダーの高級モデルをうちで再現したものよ。ストック、バイポッド、モノポッドは全て無段階調整が可能でバレルは完全な円筒のブルバレル。トリガープルも限界まで軽くして撃つ際のブレを最小限に抑えてるわね。グリップとハンドガードもまるで手に吸い付くかのような握り心地よ。勿論フリーフローティングハンドガードにしてあるし、命中精度は1000ヤードで0.3MOA。最高のライフルよね」

 

「そ、そうなんですね…」

 

「そうなんです!しかもわたしが使う弾は7.62×51mmNATO弾じゃないんですよ」

 

「え、どういうことです??」

 

 FN49の頭にはハテナが浮かんでいた

それもそうだろう、とてつもなく緻密にカスタムがなされていて軽く引くレベルではあるがそれは別に可笑しなことではない

しかしそもそも使う弾が違うとはどういう事なのだろうか、と

 

「6.5mmクリードモアって聞いた事ないかしら?従来の7.62mmよりも射程距離と威力の向上及び反動軽減を図って作られた弾よ。うちの基地で作製はしてるんだけどそこまで大量には作れないから指揮官に認められて戦場に出る子にしか渡されないわね」

 

「な、なるほど。そんな弾が…ワルサーさんも使うんですか?」

 

「そうね、他の子達と共有出来るのもあって良く使うわね」

 

「あ、そう言えば今更なんですけど…新人の方って2人居ませんでしたっけ?もう1人は何処に居るんです?」

 

「モシン・ナガンのことね。あの子は長距離狙撃任務に就かせるつもりでいるから取り敢えず1kmオーバーを安定して狙えるようM200に訓練をお願いしているわ」

 

「あぁ、なるほど…そうだ、折角だしわたしもFN49ちゃんの訓練見てあげても良いですか?」

 

「私は良いけれど…貴女はどう?」

 

「わ、私も大丈夫です。寧ろお願いしたいくらいです!」

 

 その後FN49はWA2000とM14から指導を受けながら訓練を再開した

だがやはり急に成長はしないようで、結果は芳しくなかった

それでもFN49は必死に訓練に励み、そんな様子を2人は高く評価した

やがて時間は過ぎそろそろお開きにしようということで訓練は終わりを迎えた

FN49は愛銃をスリングで背負い、疲れ切った様子だったが指導してくれた2人にきちんと頭を下げお礼を言ってから自身の部屋へと帰っていった

後に残った2人は軽く清掃をしてから一緒に訓練所を出る

 

「それにしても…ワルサーさんも酷いですねぇ」

 

唐突にM14が口を開く

 

「…そうね、自覚はあるわ。でもこれも全てあの子の奥に秘められた力を引き出す為よ」

 

「それは分かるんですけど…それにしたってあの訓練方法は酷ですよ。私達だってあんなやり方はしなかったのに」

 

 M14はため息をついた

地獄のような訓練に耐えてスカーレットに認められ、それからも日々厳しい訓練を己に課しているM14が呆れるほどにWA2000がFN49に課した訓練は理不尽なものだった

それは2発撃つ毎に距離も風も気圧も角度も諸々の条件を変えて撃たせたのだ

要は1発で現在の条件での弾道を掴み、2発目で綺麗に当てろということだ

確かに実際の狙撃…特に人質解放作戦等に於ける狙撃では2発どころか1発で必中させなければならないから理にかなっているようにも思える

しかしこんなことをしていては特定の条件下に於ける弾道を把握するのに時間がかかってしまうし、そもそも今までちゃんとした狙撃の訓練など受けていなかった者にいきなりこんなことをさせても訓練にならないだろう

にも関わらずWA2000はそれをさせている

それは何も虐めたり理不尽な目に合わせたいからではなく、彼女なりの思惑がりM14もそれに気付いていた

 

「それにしてもあの人…ワルサーさんが気にかけるのも頷けますね」

 

「あら、貴女もあの子の良さが分かるのね」

 

「勿論です。じゃないとライフル型No.2の名が泣いちゃいますよ」

 

 M14はこの基地でWA2000に次ぐ実力を誇るライフル型人形である

それ故にFN49の異様とも取れる癖の無さに気付いていた

WA2000は特定の条件でずっと撃たせることによってそんなFN49の癖の無さが消えてしまうことを恐れているのだ

だからこそ条件を変えまくることで変な癖がつくのを防ぐと同時にどんな状況でも正確な狙撃が出来るように鍛えている

いくら副官を務めるWA2000と言えども一切の癖がないかと言われると首を横に振るだろう

勿論あらゆる狙撃をこなし、その精度はほぼ100%と言えるほどの正確さを誇るという驚異的な狙撃手であることに違いはない

だが身に染み付いた癖が邪魔をして狙いを付けるのに一瞬遅れが生じることがある

今のところそれが原因で窮地に陥ったことはないが、これからもないとは限らない

FN49にはそれがないのだ…WA2000が彼女に期待して鍛えあげようとするのも頷けるだろう

 

「まぁワルサーさんの気持ちも分かりますしわたしもちょっと期待しちゃってますけど…本人が病んじゃわないようにしっかりとケアしてあげなきゃですよ?」

 

「ええ、勿論よ。その辺は私も指揮官から教わってるから大丈夫。後であの子の様子を見に行くわ」

 

「それなら安心ですね」

 

 2人は談笑しながら食堂へと向かって行った

 

戦術人形達の名前を会話文と地の文で変えようと思いますがどうでしょうか?例:WA2000→ワルサー、MK.23→ソーコム

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