モテる為に異世界転生してヒーロー目指すわ‼   作:自己顕示欲MAXマン

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超☆難☆産
6回くらい書き直して心壊れかけたので現実逃避に核の落ちた世界で生活してました。
どうぶつの森?核ミサイル落としてそこもウェストバージニアにしてやるよ(ゲス顔)


俺のこんなSSをお気に入りにしてくれてる人と評価してくれてる人みんなだいすこ


俺はただモテたかっただけなのに世界は許してくれない?(前編)

 人が大勢いる住宅地。その中で三人を囲むように人だかりができている。

 導凌空と摩花氏取に相対しているのは、如何にもヴィラン顔だがどう見てもモブっぽい男。

 

 「行くぜ摩花!!」

 

 「やれやれ、咄嗟になると思い切りがいいですね」

 

 モブに向かって駆けだす凌空。160cmの小柄な体がメキメキと音を立てて変化していく。

 今までの愛でられる珍獣ではなく、羽毛を捨て、黒と紺色の混じったような体表を露にする。

 細く伸びた腕と足には鋭い爪を光らせ、蝙蝠のような大きな羽にしなやかな爬虫類を思わせる尻尾。そして、ウサギとヒヨコを足したような愛らしい容姿ではなく、獰猛さを感じさせる恐竜に近いが、少し細くシャープなフォルムへ変化している。

 全長は約2m程にまでに伸び、口角を上げると覗く牙、鋭く紅い瞳をギラつかせ、両手と羽を広げて迫りくる姿は、ヒーローというよりも戦隊モノに出てくる悪役の幹部と言っても差支えがなさそうである。

 

 「ジャアアアアァァァ!!」

 

 叫びながら迫りくる怪物に対し、男は怯まず凌空の顔めがけて拳を叩きつける。しかし、直撃したはずの拳は空を切り、怪物の体が花吹雪になり舞い散る。

 一瞬、舞い散る花びらに目を奪われ唖然とするも、背後から大きな影が被さったことに気付く。振り返れば、体を捻りこみ『必殺の一撃を撃つ準備ができました』と言わんばかりの姿。紅く鋭い瞳が肩越しに男を捉える。そして―――。

 

 「ッッッガァ!!」

 

 至近距離で口から爆発するような衝撃波を放つ。男は紙切れの様に吹き飛び、ビルに突き刺さる様に叩きつけられた。

 大技の反動のせいか、見慣れたヒヨコウサギモドキの姿になった凌空と摩花が並び立つ。

 

 「加減というものを知らないんですか?」

 

 「……死んでないよな!?やっちまったかあれ!?」

 

 肩をすくめる摩花と、アワアワと焦り散らかす珍獣の姿。

 その一部始終をディスプレイに流しニヤニヤする摩花と唖然と見つめる俺。いや、何作ってんの?

 

 「対戦ゲームの演出っぽく出来てるだろう?僕達の対人訓練もどきの動きをキャプチャーして作ったんだ。君の助けた女の子が手伝いに来てくれるからあっという間に終わったよ。トガさんのもあるけど見るかい?」

 

 いや、ホントなにしてるんですか……。雄英高校の受験まで三ヵ月切った今でやる事じゃないだろ。

 

 

 あれからあっという間に月日が流れた。その間にあった大きなイベントは、トガちゃんの両親説得イベント(強制参加)と、助けた女の子からのお礼(拒否権無し)だった。俺の意思なんてないんですよ……。

 では、説明と言う名のご都合主義な回想を見てもらおう。神様オナシャス!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 「駄目だ駄目だ!お前の個性は人の血を使うんだぞ!ヒーローなんて目指すものじゃない!」

 

 「そんなの関係ないです!ワタシはワタシらしく生きたいんです!!どうしてやりたい事を我慢しないといけないんですか!!」

 

 「そもそも、娘を命の危険に晒すような職業に何故賛成しなければならないんだ!」

 

 帰りたい……(泣)

 もうかれこれ三十分はこれである。堂々巡りの無限ループって怖くね?

 放課後に「凌空君、今日はワタシの家に来ませんか?」なんて首傾げはにかみスマイル見せられたから「やったぜ!これはワンチャンありますぅ!?」って喜び勇んで家に入ったら、トガちゃんのパパンが超笑顔で「大事な話は彼も関係するのかい?」って青筋立てたスマイルしてた。一回死んだ。

 大丈夫。多分、私は二人目だから……。

 はやなみぃ!!

 

 現実逃避しないと心が壊れちゃう。

 パパンはトガちゃんに普通の女の子として過ごして欲しいみたいなんだよね。根底がこれだから、理由をつけて許してくれない感じ。親心なんだろうなぁ。

 だからって全てを頭ごなしで否定するのも違うと思うんだけどな。何事も受容する心とお互いの及第点を見つけることが平和への道ってね。ラブ&ピース!

 

 「もういいです!パパのわからずや!!足クサい!!」

 

 「待ちなさい!!足クサいは関係ないだろう!!」

 

 なんでシリアス展開にギャグぶち込んだの!?あっ、席立つタイミング逃した!!

 あっあっあっ、パパンこっち見ないで……怖すぎて漏らしちゃう。

 

 「ヒーローを目指すようにと君が唆したのか?」

 

 「唆した訳じゃないです。両親としっかり話し合うべきじゃないかって言っただけです」

 

 「……なぜ君は被身子について来たんだ?」

 

 俺が知りたいわい!!いや「一緒に行くから(イケボ)」って言ったからだよなぁ……。

 やだよぉ、帰りたいよぅ。

 

 「……親として子供の夢を応援してやるべきなのはわかっているし、そうしたい気持ちもあるんだ。だが何故かわからないが、そう思った瞬間に娘には普通の生活を送らせるべきだと思ってしまう。先ほどもそうなんだ。あんなに真剣に話す娘の要望を聞いてやろうと思ったはずなのに私の中の何かが拒否するんだ。……おかげで娘とはぎくしゃくしているし……何かの呪いにかかっている気分だよ」

 

 自身の顔を手で覆い、後悔からか大きなため息をつく。

 ……呪い?またまた御冗談を!ここが学園都市ならいざ知らず、今回は呪術なんて無しのヒロアカですよ?イレギュラーなんて……ないよね?

 まぁこんな少ない情報で分かる事なんてないし、一緒に居るって言ったのにトガちゃんをほったらかしにする方が不味いし、パパンも反省してるみたいだしトガちゃんを探しに行こう。その前に―――

 

 「トガちゃんを応援したい気持ちがあるなら大丈夫だと思いますよ。それに、自分の言った言葉でそこまで落ち込む優しいお父さんをトガちゃんが嫌っている事も無いと思います。進学希望を出すまでに時間はまだありますし、ゆっくり自分の心と向き合って、一緒に娘さんの夢を応援しましょう」

 

 よし、それっぽい事言えた気がする!トガちゃんパパンも心なしか頷いて、さっきよりも生きた顔してるし後は娘への愛じゃよ!愛!!

 靴を履いて玄関から出ようとすると―――。

 

 「ところで、最後の方で私の事をお父さんと呼び、被身子の事を娘と呼んでいたが……私は君のお父さんではないし、予定もないぞ?娘とはいったいどういった―――」

 

 お邪魔しましたーーー!!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 「喧嘩して公園のブランコって、なかなか定番感あるよね」

 

 トガちゃんはあっさり見つかった。「トガヒミコを見つけろゲームの事か?簡単だったよ」ってやりたかったのに……。

 

 「……凌空君、パパに何も言ってくれませんでした」

 

 そんなアホな事を考えている俺に対して、俯いたまま言う。いや、あの剣幕の中で俺が発言しても「凌空君は黙っててください!!」ってなるの目に見えてたし……。

 

 「トガちゃんさ、自分がヒーローを目指す理由を話してないよね?憧れてるっていうのは聞いたけど、きっかけを聞いてない。さっきの言い合いの時もそこだけは言わなかった。どんなヒーローに、どのように憧れたのか。それがないとパパ…んんッ!お父さんも共感しづらいとは思うよ?」

 

 俯いたまま動きが止まってしまった。とりあえず隣のブランコに腰かけ、遠くでボール遊びに興じている子供達を眺める。

 数分して、数回深呼吸をする様に大きく呼吸を行うと意を決したように固い雰囲気で話し始める。

 

 「……笑いませんか?」

 

 「内容次第かな。イテテ!わかったわかった、笑わないから!!」

 

 固い雰囲気は俺の言葉で崩壊し、その結果としてトガちゃんが頬を膨らませながらガスガスと俺の足を蹴ってくる。なんでこの子こんなに乱暴になっちゃったの!?……これも俺のせいなの?緑谷と言い罪深い男だぜ(白目)

 

 「……夢を見るんです。主人公はワタシで、緑色の髪をした男の子に恋をしてるんです」

 

 ポツリポツリと話し始めるトガちゃんの表情は遠くを見るようだった。夢だけど、過去を思い出すようにゆっくりと丁寧に話を続ける。

 

 「だけど、その世界のワタシはきっと悪者なんです。人をナイフで切って、血を吸って、恍惚の表情を見せる。きっと、それがワタシの最大の愛情表現」

 

 「ある日見た夢では大けがをしている男の子と出会った夢、そして再び出会う夢。何度も何度も夢の中で彼と会い、その度にワタシなりの最大の愛情表現を彼に向ける。つまり、彼を傷つけて、血を吸って、彼と一つになる事」

 

 一つ一つ、あたかも自分が行ったかのように鮮明に話を続けるトガちゃん。しかし、途中から話が頭に入ってこない。それはつまり―――

 

 

原作の『渡我被身子』なんじゃないか?

 

 

 トガちゃんのお父さんが言ってた事も、原作の罪を犯した娘に対して強く思っていた感情が残っているって事なのか?

 これも神様バグと一言で片づけられるならそれに越したことはない。しかし、俺の背中を這うようなこの悪寒と汗は何だ?

 今までの原作とは違う点は女の子の緑谷、血への欲求がないトガちゃん、気持ちと心が合っていないトガちゃんのお父さん、トガちゃんの夢に出てくる渡我被身子とおそらく緑谷出久。

 今までは深く考えていなかったが、この世界の原作と違う部分は本当にただのイレギュラーなのか?何か別の力が働いてるんじゃないのか?

 俺の思考がグルグルと答えの出ない自問自答を繰り返す。俺自身、なぜここまで焦りが出ているのかわからない。あえて言うなら、今この瞬間、何かフラグが立ってしまったような気がする。

 

 「そして、ワタシはその男の子を殺したんです」

 

 トガちゃんの口から殺した、と言う言葉が出たことにより思考の海から引き上げられる。

 ……緑谷出久を殺した?

 待ってくれ。勝手に勘違いのドツボにハマっている可能性も否定できないけれど、情報の整理が追い付かねぇ!

 

 「夢なのにリアルでした。ナイフを突き立てる肉の感触、温かな血液の温度と独特のぬめり、鉄の香り、彼の痛みにくぐもった声、恐怖で歪む表情。その全てがワタシを突き動かす。彼の血をすすり、人生の絶頂のような感覚を味わう所で目が覚めたんです。……これが最後に見た、ワタシと彼が出てくる夢でした。凌空君に会う数日前だったと思います」

 

 落ち着かない頭と心を無理やりにも整理しながら、トガちゃんの方を向く。

 彼女の表情は、どこか原作の狂気を匂わせるような冷たい目になっていた。そして自身の肩を抱くと、ブルブルと小刻みに震えだす。息も荒く、顔色も真っ青になっていく。

 

 「この夢を思い出すたびに怖いんです。ワタシが……本当のワタシが『どっちかわからなくなる感覚』になるんです!ワタシは他人を傷つけたくないし、血の味も好きじゃないです。でも、あの夢の中では美味しく感じたんです!!男の子を刺してる時、感じた事が無いくらいにキモチイイって思ったんです!それが怖い!!」

 

 ボロボロと大粒の涙を流し、自分の感じた事の無い未知の恐怖に耐えている。そんな彼女を後ろから強く抱きしめる。勢いよく移動したせいで、隣ではガチャガチャとブランコが乱暴に揺れている。そんなブランコの音に負けないように強く抱きしめる。

 

 「凌空君?」

 

 なんて声をかければいいかなんてわからん。こちとら泣いてる女の子を抱きしめるのも初めてだ。ただ、今ここにいるトガちゃんが原作の渡我被身子とは別だって事はわかる。この先の事なんてわからないけど、確かな事は俺がトガちゃんと友達で、絶対に味方で居たいって事だ。

 

 「……そんなもう一人のワタシになりたくなくて、ヒーローを目指すんです。ワタシは違う、夢は夢だって乗り越えるために。憧れも最初はこじつけでしたけど、最近、ちょっと本当になってるかもです。誰かさんの影響を受けてるかもしれないです」

 

 誰だトガちゃんの憧れになろうとしてるヒーローは!!同じ血を使うブラドキングか!?おっさんやんけ!俺も中身おっさんやで!!

 って、だめだ!シリアスが長すぎて……

 

 「……トガちゃんシャンプー変えた?」

 

 「雰囲気ぶち壊しです」

 

 俺のシリアスモードは長く持たないんだよ。トガちゃんに大きくため息を吐かれ呆れられた。

 顔を見合わせると、そんな不器用な感じが可笑しく感じてお互いに少し笑った。

 

 「不思議と凌空君に会ってからは、あの夢を見なくなりました。それでも寝る前には不安になりますけど……」

 

 「大丈夫だよ。これから先も俺は一緒に居るからさ」

 

 抱きしめっぱなしだった事を思い出して、トガちゃんを離し、照れ隠しに移動しながら夕日を見る……って、もう夕方じゃねぇか!?意外とシリアス出来るじゃねぇか……。

 

 「じゃ、そろそろ帰ろうぜ」

 

 振り向き、トガちゃんを見る。

 夕日に照らされて真っ赤になった顔、どこか惚ける様に俺を真っ直ぐに見つめている。

 もしかして惚れ直した?

 

 「……はい、前回に引き続いて今回もやられちゃいました。プロポーズまでされちゃいましたし」

 

 ……ん?プロポーズ?

 俺が頭上に「?」を浮かべているとブランコから立ち上がり、俺の両頬に手を添えて、数分見つめ合ったのちに口を開いた。

 

 「絶対、一緒に居てくれるんですよね?」

 

 …………アッー!!?しまったアッー!!?緑谷の時の失敗を再びやらかすとかまるで成長していない!

 いや、それは言葉の綾って言うか、坂本ま○や、平野○!

 

 「そうかそうか、泣いてる娘を抱きしめただけでは飽き足らずそんな事まで……」

 

 トガちゃんの頬に添える手をゆっくりと退かし、恐る恐る後ろを向くとトガちゃんのパパンが立ってた。

 言い方的に途中から聞いてたんですか!?

 

 「お、お父様…これには誤解が」

 

 「まだお父様じゃない!それに誤解もイソメもソメワケもあるか!今日は晩御飯を食べていきなさい!!そこでゆっくり話を聞こうじゃないか!!」

 

 ぴ……ぴぇん。

 

 トガちゃんの顔色を窺うと、それはそれは嬉しそうに微笑んでいましたとさ。 

 

 

 

 

 

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