モテる為に異世界転生してヒーロー目指すわ‼ 作:自己顕示欲MAXマン
更新遅いって?ほならね(略
今回も割と難産だった……
2話分書いたところで「この展開変じゃね?」ってなって書き直せそうなところ探していったら1話目の三分の一からとかほぼ全部書き直しやん?俺の脳みそGOサインガバガバすぎやろ。ちゃんと判定して。
なんか読みました報告をツイッターに投稿できるようになったんですか?自己顕示欲MAXマンの鬼エゴサが始まってしまう……。
季節は十月。雄英高校の受験日まで約三ヵ月といった所である。
使い古したイヤホンを装着し、トレーニングと試験対策の為に早く家に帰りたい僕の前には幼馴染とは認めたくない人物が立っていた。ちょうど教室の扉の前に立たれているため、文字通り足止めである。
「おいデクぅ、お前まだ雄英受ける気なのかァ?」
爆豪勝己。子供の頃からの腐れ縁。
今年の進路希望に雄英高校と書いてからは毎日のように絡んでくるようになった。
「僕の勝手でしょ?」
「無個性のお前が受ける意味なんてないって言ってんだよ。平凡な中学校から『初めて』の、『唯一』の、『雄英進学者』って『箔』がお前一人で台無しになるって言ってんだよ!」
両の手から個性である爆破を小さく発動させ、高圧的に迫る。そんな彼に一つため息をつく。
「僕一人が受験するくらいで台無しになるような箔なんてメッキと一緒じゃない?すぐに剥がれるよ」
「ンだとぉ!?」
よほど僕の言い方が気に入らなかったのか、もともと吊り上がっている目をさらに吊り上げ、オマケに額に青筋まで立てて睨んでくる。
はぁ~、本当に昔から変わらない。
「爆豪君は自分に自信があるんでしょ?」
「その呼び方もやめろクソが!当たり前の事をいちいち聞くんじゃねぇ!お前の『無個性』と俺の『爆破』、どう比べても、逆立ちしたってお前よりも俺が優れているのはわかりきってる話だろうが!アァン!?」
「じゃあ、個性のない僕なんかに構わずに好きにすればいいじゃない。流石に毎日毎日無個性無個性って言われると事実でもヘコむからさ」
僕は『彼』との約束を守るために今も努力はしている。それでも無個性と言う事実は変わらず、受験日が近づくにつれ不安により心身共に蝕まれていく。それでも今も流れる彼の声が、折れてしまいそうな僕の柱を支え続ける。それほどまでに僕にとっては大きな存在だ。
「無個性を無個性って言って何が悪いんだァ!?ンなにヒーローになりてぇなら来世に託して屋上からワンチャンダイブしろや!」
屋上からのダイブ―――。
「………クスッ」
「アァ!?なに笑ってんだ!」
「あぁ、ごめんごめん。ちょっと思い出し笑い」
屋上からダイブと聞いて浮かんだのは、卒業式の日に言いたい事だけ言って飛び降りた『リード』の姿。
僕のおかしなテンションのせいで黒歴史とワンセットになっていたから忘れていた。
うん、やっぱり落ち込んでる暇なんてないよね!かっちゃん……爆豪君に割く時間なんて僕にはないんだから。
「悪いけれど、早く帰りたいから通るね」
「話はまだ終わってねーぞデク!イヤホンくらいとれやクソが!」
かっちゃんの手が僕のイヤホンコードを掴む。イヤホンはかっちゃんの元へ引き寄せられて行き、僕の胸ポケットから使い古された、それでも大切に磨いている再生機能付きのボイスレコーダーがするりと顔を出す。
気付いた時にはかっちゃんの腕を掴み、間違ってもレコーダーがポケットから落ちないように留める。自分の大切な物を乱雑に扱われた苛立ちと、咄嗟の行動の為に掴む腕にも力が入る。
ギリリとかっちゃんの制服の袖が音を立てる。想像していた力よりも強かった為か、ハッとした表情で僕を見るかっちゃんを真っ直ぐに見据えて言う。
「 離 せ 」
「……チッ!」
忌々しそうにコードを離す。僕はイヤホンの差込口が歪んでないかなど一通り確認し、特に問題がないことを知るとレコーダーを守る様に胸に抱えた。よかった……。
「……そんなにソレが大事なのかよ」
かっちゃんが今までの荒々しい口調とは打って変わって静かに聞いてくる。
顔を見れば先ほどの怒りの表情ではない。その瞳に敵意はなく、純粋に疑問として投げかけているのだと理解する。
「うん、とても大切な宝物なんだ。僕の大切なだんn……親友からのプレゼントなんだ」
思い出すだけで心臓が高鳴り、顔が赤くなっているのが分かる。我ながら自分の気持ちの大きさに気恥ずかしさすら感じる。
「……クソがァ!」
かっちゃんは近場にあった椅子を力いっぱい蹴り飛ばし、荒々しい足音と共に去っていった。
急に荒れた理由はわからないが、年がら年中荒れている幼馴染の事はさほど興味がないので考えないでおく。
そんな事よりも早く帰ろう。どれだけ険しい道のりだとしても、僕は雄英高校に行かなければならないのだから。
「長かったですー……」
雄英高校の説明会を終えて、俺と摩花とトガちゃん。そして、保護者として同伴してくれた愛美さんの四人で近場にあったドドールコーヒーで休憩を取っていた。
トガちゃんはコーヒーを飲むよりも先に両手を伸ばし机に突っ伏してしまい、机の上に無防備に置いていた俺の両手をにぎにぎと弄ぶ。コーヒー持てないけどトガちゃんの手の感触を感じれるならむしろコーヒーいらないよね。
「しっかし、長いだけあって流石の情報量だったな。学校説明のパンフレットだけでも赤本くらいの量あるぞ」
むしろこれはパンフレットにする必要あるか?俺は鞄からパンフレットを取り出そうとして、良い様に弄ばれている両手の事を思い出す。う~ん、贅沢な悩みだ。すると、隣に座っていた愛美さんが俺の鞄からパンフレットを取り出し、俺に見えるようにペラペラとページを捲ってくれる。
「君のその姿を雄英の教師が見たらそれだけで受験資格はく奪な気もするけど…今更だね。それよりトップニュースを見ていたんだけど、僕達が学校の説明会を受けている間にヴィランが暴れていたらしいよ」
マジぃ?チョベリバじゃん。あ、チョーベリーバッドの略ね。
東京もヴィランのニュースには事欠かないが、静岡も変わらず治安が悪いんだなぁ。んで、どんなヴィランよ?
「怪物化の個性を持った人みたいね。対応したヒーローはシンリンカムイと本日デビューのMt.レディってヒーローよ。動画見る?」
隣にいる愛美さんが俺に体を寄せてスマホの画面を見せてくれる。ふわりとシトラス特有の柑橘系の匂いが鼻腔をくすぐる。俺が芳香剤など、好んで柑橘系を選んでるから合わせてくれたんだろうか。
「ワタシも見たいです!」
行儀が悪いのも関係なく、机から乗り出しスマホを逆さから見るようにのぞき込む。俺のおでことトガちゃんのおでこが触れてしまっているが些細な問題だ。トガちゃんからはフローラルな優しく甘い香りがした。
「僕も見せておくれ」
お前も来るんかい!って、狭い狭い!しかもお前の香水はウッディ系の落ち着きある香りなのがむかつく!って言うかお前だったら何つけててもむかつくって言うわ!ごめんな、でも言うわ!
「キャニオンカノン!!」
俺がトガちゃんや愛美さんの接近にドキドキしている間に動画は半分ほど進んでしまっていた。ちょうどM.tレディがヴィランを見事な飛び蹴りでノックアウトした場面だった。
「本日デビューと相成りました、Mt.レディと申します。以後おみシリおきを!」
お尻がえっちだぁ……あ痛ぁい!!
トガちゃんからの頭突きを貰い目の前に星が散る。トガちゃんは「フンッ!」と鼻を鳴らしながら席に着くと、すごい勢いでコーヒーをストローですすっていく。が、シロップを入れてなかったため途中で「うぇ~」と苦味からか舌を出す。は?可愛すぎかよ(半ギレ)
……ん?ちょっと待ってください、これってもしかして『僕のヒーローアカデミア』の一話だったりします?
おいゴラァ!原作ぅ!今何月だと思ってんの!?十月よ、十月!本来四月に行わないといけないイベントを六ヵ月も遅らせてどうすんだ!……いや、マジでどうすんだ!?
「そろそろ帰りましょう。長居して帰る時間が遅くなると親御さんも心配するわ」
愛美さんが椅子から飛ぶように降りる。足がついてなかったからね。
それに続くように摩花とトガちゃんも席を立つ。どうする!?せめて事の顛末くらいは確認しといたほうが絶対いいよな?何より、緑谷がオールマイトから力を譲渡してもらえないとマジでこの世界のタイトルが変わっちまう!
店を出た三人から少し離れるように俺も店外へと出る。何かいい理由ないか?何か……何か……。
「離せゴラァ!くっそおおぉぉぉ!!」
(。´・ω・)ん?何か俺の後ろ騒がしくない?
怒号にも近い声に気付いて振り向いた時、俺の視界はきちゃない水分と、鬼のような形相で爆破を繰り返す爆発頭の男が目に入った。
「雄英高校の筆記は問題ないとして、やっぱり実技がどうなるかだよね。過去五年の実技試験の情報を集めてみたけれどどれも信憑性が薄くて―――」
口癖になってしまっている独り言を言いながらも、雄英高校の過去問を読みながら帰路につく。風は追い風で、今の気分とは真逆の様にグイグイと背中を押してくる。
「無個性……か」
自嘲気味に呟いてみる。どれだけ自分を鼓舞して、リードの声に励まされても事実は変わらない。それでも努力を続けるのはそんな不安に押しつぶされないためでもある。自分の納得いくまで努力して、雄英高校に落ちた時、僕はどうなるんだろうか?いや、個性がない時点で落ちることはほぼ確実なのかもしれないけれど……。
「だ、駄目だ駄目だ!マイナスな気持ちなんてよくないぞ、緑谷出久!周りの言う事よりも、僕自身が目標を強く思って前に突き進まないと!!」
自分を落ち着けるように大きく息を吸い込み、気合を入れる。その時、臭ってきたのは下水のような不愉快な匂いだった。
とっさにイヤホンを胸ポケットにしまい、耳を澄ませる。自分の背後から微かに水分が狭い管を通って出てくるような音が聞こえる。
大きく前へ転がる様にいた場所から距離を取る、直感による行動。すると、さっきまで立っていた場所にベシャリ!と泥の塊が覆いかぶさった。よかった、何もなかったら今頃羞恥で顔が真っ赤になっていたところだ。
「どうやって気づいたのかは知らないが、俺好みの可愛い女の子じゃないか。悪いけれど、その体を貸してくれないか?」
振り返って声を発している方向を見ればヘドロの様な体の人が立っていた。
体を貸してくれって事は乗っ取ったり出来るという事か。それに、あいつの後ろにあるマンホールから水が足元まで続いている。僕の背後をとれたのは、マンホールの蓋を開けることなく出れたからか。つまり、あの体は水分なんだ。
ここまでの分析を行いながらもヴィランへの目線は逸らさない。
「悪いけど、この体は未来の旦那様の為にあるんだ。他をあたって欲しいな」
じりじりと距離を取りながらも策を考える。打撃が効かないとなると僕にできる有効な手段は逃げるだけだ。
「初物っぽい発言だな。へへへ、こいつは楽しめそうだ!」
目の前のヘドロヴィランの大きな口がニチャアと口角を上げる。それと同時に悪臭が此方に漂ってくる。間違っても捕まりたくない。こんな奴の為に僕の貞操があるわけでは無いのだから。
やっぱり初めてはリードと付き合って二年目くらいのクリスマスデートでプレゼントの交換なんかしてリードはネックレスか指輪をくれて僕が感動して涙ぐみながらお礼を言おうとリードの顔を見上げた時にそっと唇を奪われて僕は何も言えなくなってしまってリードの腕に抱き着く事しかできなくてそのまま二人で夜の街に消えていくように―――。
「抵抗するんじゃねぇぞ!!」
「うわぁ!!」
幸せな未来予想図(妄想)を描いているって言うのに容赦なく攻撃してくるなんて!
体が水分だからか、思ったよりもリーチのある右手をサイドステップで避けて距離を取る。そして、胸ポケットのイヤホンをスマートフォンに差し替えアプリを起動する。これは緊急時に一番近くにいるヒーローに自動的に繋がるSOSアプリだ。
コールが二回なると「もしもし」と男性が出てきた。なんだか聞き覚えのある声の気もするが今は気にしている場合じゃない。何せ現在もヘドロ男の攻撃を掻い潜りながらの通話なのだから。
「現在ヴィランに襲われています。場所は―――」
欠かさなかったイメージトレーニングのお陰か、場所と近くの目標物を伝える。しかし、その姿にヘドロ男が気付かないはずもなかった。
「くそ、チョコマカしやがって!お前はまたの機会に可愛がってやる!」
悪役っぽい台詞を残し、ヘドロ男はマンホールの隙間から逃走した。それと同時に通話していたイヤホンからは力強い男性の声が響いた。
「もう大丈夫!なにせ―――私が来た!」
イヤホン越しから聞こえていた声が自分の背後から聞こえた。振り返れば、自分の憧れで、目標で、ヒーローになりたいと思わせてくれた人物。オールマイトが立っていた。
ってオールマイトぉ!!?
「ハッハッハ!少し遅くなってしまってスマナイ!何せ今日はそこかしこでヴィランが活動するものだからてんやわんやでね!慣れてきたとはいえ半年では知らない道も多くて困ったものだよ!で、そのヘドロのヴィランはどこに行ったんだい?」
オールマイトは自分の額に手を当て、周りを見渡すようにぐるりと回る。
僕はヘドロヴィランの特徴を改めて伝え、出てきた場所と逃げた場所がマンホールからであることを伝える。
「今日はヴィランも多く出ているからヒーローも多い。私は高い所から見張り、迅速に対応する方がよさそうだ。ヴィランの報告ありがとう!次は液晶越しで会おう!」
「ま、待ってください!僕はあなたに―――」
「おっと、すまないがサインはまた次の機会だ!今日は割と余裕が無くてね!さらばだ!」
こちらと話す余裕がよほどないのか、腰を落とし飛ぶ体制に入る。
僕の体は自然とオールマイトの両足を掴む。次の瞬間には、途轍もない重力と風圧を感じ空を飛んでいた―――。
言ったかもしれませんが、凌空と摩花の外見の説明が少ないのはワザとです。
皆さんに想像して読んでもらいたいからです。
でも、そのうち細かいキャラ紹介とか書かないとあれですよね。雄英高校入学前くらいには書こうと思います?ってか、いります?
何にせよ楽しんで読んでいただけることを祈ってます……(謙虚)