モテる為に異世界転生してヒーロー目指すわ‼ 作:自己顕示欲MAXマン
7.95ってもうあと0.5上がれば赤評価なんだけどな~
こんなんじゃ、俺、世界を救う気なくなっちまうよ
冗談ですって!現状でも割と満足してますって!!
あ、活動報告も更新してますので良ければどうぞ
お気に入りユーザー登録をすれば活動報告の更新時に通知行くんでお勧めですよ!
次回でやっと実技試験行けそうですね…
漫画だったらここまでで2巻ぐらいまで出てるぞ
と、言う夢を見たんだ。
「夢を見たんだ……じゃないよ!!約束の場所には居ないし、電話しても出てくれないし!僕がどれだけ心配してたかわかってるの!?」
あの後、俺は約束の時間を一時間オーバーして眠りこけていたようだ。起きた時には携帯の着信件数が百件を超えてて声にならない声が出た。全て留守電付きだから更に怖い。
俺の体験した話(少女の裸は除く)はもちろん信じてもらえず、落雷があった話を緑谷にしてみたが「こんな晴れた昼間に雷なんか落ちるわけ無いでしょ!!」とめっちゃキレられた。……怖すぎて漏れそう。
かれこれ三十分ほど正座で説教をされているがそろそろ勘弁してほしい。
「ちゃんと話し聞いてるの?○すよ?」
「ゴメンナサイ!聞いてます!!」
何でこんなに凶暴になったの?強化しすぎたんだ……。
「まあまあ。何事もなく無事だったんだし、反省もしてるみたいだから許してあげたらどうだい?」
「オーーーー八木さんがそこまで言うなら!」
絶対オールマイトって言いかけただろ。大八木さんって誰だよ。
緑谷と八木俊典(オールマイト)は二人でワタワタした後、こちらに背を向けてコソコソと何やら話している。十中八九、正体がばれないように発言には気をつけてくれと釘を差しているのだろう。もう知ってるけどな。
「しかし緑谷に個性が出たって話も驚いたが、一人で海岸のゴミ拾いを二ヶ月で半分以上終わらせてるってのも凄いな」
遅れてやってきた十月のヘドロヴィラン事件。そこから二ヶ月でこの進捗なのは理由がある。
そもそも原作の緑谷君はヒーローに憧れてはいたが体を鍛えたりはしていなかった。だが、この世界の緑谷ちゃんはかなり体が引き締まっている。
ゴミ拾いと言うにはハードな運動により、緑谷は真冬だと言うのに額から滝のように汗を流す。ジャージの上着を腰に結び、半袖から伸びる腕は素人目で見てもかなり引き締まっていることがわかる。
「……リード、あんまりエッチな目で見ないでよね」
俺の目線に気がつき注意をしてくる。が、なら何で両腕を上げて伸びをしたり、体を反らしてボディラインを強調するんですか?言ってることとやってること違いません?
「君はヘドロヴィラン事件の時に巻き込まれていた少年だね?緑谷少女から話は聞いているよ」
八木俊典が緑谷の物であろうタオルとスポーツドリンクを片手に俺に話しかけてきた。
前回は話すことも出来なかったが、改めて間近で見ると病的なまでに体が痩せている。しかし、瞳の奥の輝きは彼がオールマイトの姿でなくとも隠しきれないほどの輝きを秘めているように感じる。
「初めまして、導凌空です。単刀直入に聞きますけど、緑谷の個性って現状どれくらい使えてるんですか?」
「……緑谷少女は本当に凄いよ。彼女の個性は扱うために下地が必要でね。その為に考えていた海浜公園の掃除というトレーニングプランだったんだが、彼女は既に下地ができていて、何なら個性の出力をコントロールしながら今もゴミを運んでいるんだ」
はぁ!?じゃあ何か、あいつは既に低出力ながらもフルカウルで動いてるって事なのか?
さよならヴィラン連合。負ける要素ねーわ、風呂入ってくる。
「それに私……じゃなくて、オールマイトから個性の使い方などの指導を任されていたんだが、恥ずかしながら現状では教える事が無い状態でね。今は緑谷少女の運んだ粗大ゴミを運搬する運転手みたいなものさ」
教える事が無い。と寂し気にいいながらも、その瞳は千年に一人の逸材を見つけたアイドルプロデューサーの様な瞳の輝きを隠しきれていない。
そりゃあ誰だって後継者が天才型だったらワクワクもするよな。なら、お暇ついでに平和の象徴から個性の使い方についてご教授頂きたいものだ。
「緑谷に教える事が無いのなら俺に何か教えてもらえませんか?」
「導少年にかい?しかし、君の個性は何とも言えない姿に変身する事だろう?ヘドロ事件の時に見ていたよ」
オールマイト公認の何とも言えない姿……。しかし、過去に人型のまま個性が発現したこともある。条件さえ分かれば人型のまま個性を使用する事だって不可能ではないと思うんだが。
「相葉さんを助けた時には人型だったからわざとあの姿になってるんだと思ってたよ」
山のようにあったゴミをトラックへ乗せ終わり、緑谷がタオルで額の汗を拭きながら話に入ってくる。……男の汗だと何か暑苦しいのに、女の子の汗だと爽やかさを感じるのって不思議じゃね?
あぁ、男が爽やかさを出す条件に『ただしイケメンに限る』があるんだったな。くたばれ。
「俺があの姿でいるメリットが何かあるのか?」
「マスコット的な?」
それだと実力不足で雄英高校に受かれないんだよなぁ!
今までは何となく原作をなぞろうと雄英を目指していたわけだが今は違う。トガちゃんとも一緒に居たいし、ヒーローになって摩花とチームを組むのだって面白そうだ。そして、これから現れるであろう敵に立ち向かう緑谷の力になりたいっていうのもある。……愛美さん?なんかあの人ずっと家にいて家事とかやってくれそうなんだけどどうなんだろうね?通い妻って言われても言い逃れできないよね。
「と言う事は、身の危険や強い思いの時に個性をコントロールできるのかもしれないね。実際、ピンチがきっかけで個性が開花し、そのままヒーローデビューまでした人もいるくらいだからね」
八木さんは緑谷にスポーツドリンクを手渡しながら話す。
そういう事言うとフラグになるからやめてください。俺のフラグ回収率舐めてると大変なことになりますよ。実際に今日すでに回収してますし。
「寒い」
まぁ十二月の海辺なら当たり前の話だ。
真上に上っていた太陽も傾き始め、段々と周りも暗くなり始めた。そんな中、緑谷は上がった体温と下がった外気の差から白い息を吐きながら汗だくで洗濯機をトラックへ積み込む。
海岸に残ったゴミの山は俺と全裸少女が出会った場所のみ。家電製品や業務用の冷蔵庫などが辛うじてバランスを保つように浜辺に突き立っている。この動物タワーバトルで出来上がったような塔を『廃品タワー』と名付けよう。じきに解体されるが。
俺はと言うと、早々に筋肉がお亡くなりになったので緑谷の様子を見学することにした。が、何時間も真冬の海辺に立ってるとか寒いに決まっているわけで……やむなく珍獣に変身した。この姿は夏は涼しく、冬は暖かく、水を弾き、衝撃にも強いという優れものだ。モンスターをハンターする世界だったならさぞかし重宝する素材に違いない。……その場合、俺、狩られるんだけどな。
「リードのその姿って暖かいの?」
現状運べる最後の粗大ごみをトラックに詰め終わり、緑谷が話しかけてくる。
完全にシャツは汗でべったりと張り付き、薄い緑色をした下着が微かに透けて見えている。
落ち着け俺。わだかまりややましさの無い清んだ心。それが明鏡止水。
「どこ見てるの?……あっ!?もう、リードのエッチ!」
「あべし!?」
女性は男性が思っているよりも視線に敏感に気付くって言うけど本当だったんだね。見てた俺が悪いのは認める。
でもな、照れ隠しに笑顔でグーパンチを腹にぶち込むのはただの暴力だろ。「あ~っと、リード君吹き飛んだー!」じゃねぇんだぞ。
俺の体は高く積まれた廃品タワーに打ち付けられる。ふっ、羽毛が無ければ即死だった。
……ガクッ。
「あわわ!ご、ごめんねリード!」
「お前、ツッコミに個性を使うな。同じ学校のゴリラよりも痛かったぞ」
「えっ、リードの学校ってゴリラ飼ってるの?」
「いや、ゴリラが授業受けてるけど?」
誰の事か覚えてない人は四話を読み返そうね!ちなみにゴリラ♀のお父さんはガブリエル・ゴリ美だ。分からない人は七話を読み返そうね!
思ったよりもダメージが大きく別世界と対話を始めている気がするがどうなんだ。
緑谷がすぐに駆け寄り俺を抱き上げる。
「緑谷少女、危ない!」
聞こえたのは八木さんの声だった。俺の体が廃品タワーにぶつかったことで頂点に積まれていた業務用の冷蔵庫が落ちてきていた。
緑谷は俺を抱えたまま横っ飛びで回避するが、勢い余って俺を放り投げる。ってか、俺の扱いさっきから雑じゃない!?なんなの?
上を見ればグラグラと波打つように廃品タワーが揺れている。早く離れないと確実に倒れてくるな。
「助かったよありがとう。……と言いたい所だが、元を正せばお前が俺を殴ったのが悪いんだからな。立てるか?」
俺が緑谷に手を伸ばすも緑谷は首を左右に振る。いやいや、割と危ないからさっさと離れようって―――。
「ごめんね。力加減できなかったのも、さっき放り投げちゃったのも個性の使い過ぎで疲れちゃったからなんだ。それに―――僕は間に合わないから」
緑谷の視線が自身の足へと向き、ゆっくりと上を見上げる。緑谷の右足は巨大な冷蔵庫の下敷きになっていた。
それに俺が気づくと同時に、バキバキと上空から何かが割れる音がした。日も落ちてきて薄暗くなってきた砂浜、俺と緑谷のいる場所に覆いかぶさるように影が重なる。
見上げれば、先ほど落ちてきたもの程ではないにしろ大小様々な電化製品が降り注ぐ。
おいおい、どうするんだよこれ。
確かに俺一人なら悠々と離脱できるだろう。しかし緑谷を置いて逃げるって案は即却下だ。なら俺が緑谷に覆いかぶさってみるか?残念ながら珍獣の体では緑谷を庇いきれない。チビの俺がさらにチビになってるわけだからな。
こういうピンチの時こそ主人公は何かを閃くものだろ?―――いや、それだと緑谷が画期的なアイデアを閃いて助かる流れだが……現実は非情なのか?
……世界が止まっている気がした。あの時の少女の声が脳内に響く。
『―――大丈夫、勇気を出して―――』
勇気出すだけで何でも解決できるなら何不自由ない世界だっただろうな。
俺が今求めてるのは現状を打開できる能力。
想いも理想も実現する力が無かったらただの妄言で現実が見えていないだけだ。
「あなたが何もしなければ私は―――!!」
「本当に仕事を増やすのだけは一丁前だな」
「いつも口だけ。偽善者……」
「もう来なくていいよ。居ても居なくても一緒だしサ」
『―――貴方はこの世界が好き?』
大好きに決まってるだろ!?
前世では居なかった優しい友人に、こんな俺を好きだって言ってくれる女の子に、人の命を救えたよくわからん個性。なにより、この「僕のヒーローアカデミア」の世界が俺は大好きだ!
俺はこの世界に来て救われているんだ!
『なら、もっと変わるべき。―――人はいつも行動しないで後悔する。でも、変わる人はいつだって行動する人……良くも悪くも、正しくても間違いでも』
そんなこと言ったって、この状況で俺に出来るのは八木さんがオールマイトに変身してこの状況を打開するのを祈るくらいしか―――
『―――そのための力を貴方へ託した。あなたが変わる力、大事なものを守る力』
『個性は困難を耐え、自身の限界を凌ぎ進化する。空の様に広く澄んだ心で貴方は人を受け入れ、共に歩み導く』
『―――恐れずに個性を使うべき―――』
……いや、凄くかっこいい雰囲気でマジで異世界転生物の主人公ポジっぽい所、誠に申し訳ないんだが……。
力を貰ったのは聞いて理解したし、俺が今後も不思議展開で色んな人と仲良くしていくのも分かった。でもさぁ、肝心の力の使い方を聞いてないって言うか……。
『………………あ』
おいいいいいいいいぃ!(オタク特有のツッコミ)
バカバカ!メイの馬鹿!!凄く意味深な回想と大きな敵を感じさせる伏線はわかったけど大事なのは現状なんだよ!!
『えっと―――ふぃーりんぐ?かんがえるなかんじろ?』
なんの解決にもなってな『―――時間切れ。ばいにゃん』
あ、はい。ばいにゃん。
ハッ!?よくあるご都合主義な「この間0.2秒の出来事」ってテロップ入る不思議空間の力が切れた!
横目でチラリと緑谷を見ると両目を固く結び、後に訪れる衝撃に覚悟を決めているようだ。
「あーーー!!やればいいんだろ!?フィーリングだろうが、考えるな感じさせろだろうが何だろうがやってやるよ!!」
つまりはイメージだろ!?いつも想像するのは最強の自分って赤色のオカンも言ってた!トレースオン!(やけくそ)
俺が想像するのは摩花が何時ぞや作ってたゲームの技だ。えっと……口から衝撃波を出す『バークエクスプロージョン』だったか!?
イメージだ!イメージしろ俺!腹で何かエネルギー作って、こう……上にあがってきて……何かそれが熱い感じで……えっと、熱さはたこ焼きまるっぱで飲み込んじゃった感じで……。
「なんで離れてないの!!早く逃げてよ!!」
「うるせぇ!今集中してるんだから話しかけるな!」
「なっ!リードみたいなちんちくりんの珍獣が集中したくらいで何かできる訳ないでしょ!早く僕を置いて逃げてよ!それで傷物になった僕を責任取るって言って妻として迎えてよ!!」
「なんかヤベーのが聞こえたから全力で集中するわ」
「ひどい!!」
目線を上に向ける。大小様々な製品が重力に従い勢いを増して落ちてきている。しかし俺が一つ一つの物体に集中すると、それらが少しずつ速度を落とし、最終的にはスローモーションに見えてきた。
頭は妙にスッキリしている。いつの間にか頭の中のイメージ映像が俺の中で『出来るもの』と認識している。
やるからには全力だ!ヒーロー目指すなら必殺技は叫ばないとな!!
「バークエクスプロージョン!!」
ヤバかった。何がヤバかったかって?
まず音。凄い炸裂音だった。打ち上げ花火の爆発音をもっと下品に炸裂させた感じ。ブリュリュ!じゃないよ?
で、次に衝撃。駆け寄ってた八木さんが風圧で吹き飛んでた。オールマイト死んだら流石にダメだよね?無事な事を祈るしかない。
んで、威力。結論から言うと落ちてきていた物は勿論だが廃品タワーも吹き飛んでいた。ついでに緑谷の足に乗ってた冷蔵庫も転がっていった。んで、こんだけの威力のもの口から出した俺の体だが……。
「いやぁ~……この威力で反動もリスクもないのはイカレてるでしょ」
「うぅん、リードが反動で砂浜に埋まってなかったら納得したんだけどね。これ、コンクリートの上で真上に撃ってたら体潰れてたと思うよ?」
だよねぇ。これ、真上に撃った衝撃で俺の足元の砂も一瞬で吹き飛んで無傷だった感じだもんな。……ん?その理論もおかしくない?それだと腰骨とか首の骨が先に耐えれなくない?
……意外と俺の体って丈夫だった説が上がってきてない?
「八木さん大丈夫そう?吹き飛んでたように見えたけど」
「頭から刺さってるけど手足動いてるから大丈夫だと思う」
それは大丈夫と言うのだろうか?犬神家スタイルかよ。
まぁ、緑谷も無事そうでよかった。悪いけど体抜いてくれない?やっぱ脱力感が半端じゃないわ。指一本動かせそうにない。これがめぐ○ん状態か。
「……リードさぁ、僕が妻に行くって言ったらヤバイとか言わなかった?」
……あの、緑谷さん?なんでハイライト消しながら僕を見下ろしてるんでせう?あ、足大丈夫そうですね!痣になってますけど骨に異常が無そうで安心しました!それで本当に、誠に、恐縮なんですけど……僕の体を砂場から抜いていただけると……。
あの、緑谷さん?なんで八木さんを引っこ抜いた後、僕に一瞥もせずに離れるんですか?僕の事大好きなら恩を売る大チャンスですよ!?ねえ!助けてって!!これから潮が満ちてくるんだから本当にヤバいって!!緑谷あああぁぁぁぁ!!
俺はその四時間後に緑谷から掘り起こされた。だんだん迫りくる波の音と暗闇は確実に俺の心を壊しに来ていた。
俺の涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔をハンカチで優しくふき取り―――
「ごめんねリード。でもね、僕だって傷つくんだからね」
と言いながら優しく抱きしめてくれた。もう俺は緑谷を怒らせないようにしようと心に誓った。それと同時に、こんなに優しい女の子に失礼な事を言ってしまったと深く反省もした。
PS.一部始終を見ていた八木さんから
「導少年。君から見えなかったと思うから言わせてもらうけど、君を慰めてる時の緑谷少女は凄く笑顔だったよ。僕が見た事ないほどの……ね」
と言われた。心なしか八木さんは震えている気がした。
どうやら俺の事を好いてくれる女の子はみんな俺を肉体的にも精神的にもいたぶるのが好きらしい。
その日の夜は見えなかった緑谷の笑顔が何となく想像できてしまい、なかなか眠る事が出来なかった。
あ~あ、俺に文才があればなぁ~
もっとすこってもらって自己顕示欲満たせたのになぁ~