モテる為に異世界転生してヒーロー目指すわ‼ 作:自己顕示欲MAXマン
申し訳ないですが、無言低評価に対して「一言残していけや」って気持ちが強くなってきたので一言制度実施しました。
次回は息抜きドタバタコメディを挟んで雄英高校編へ行きたい所存。
「夏休みも終わって一年生で初めての冬休みが来るわけだけど……僕達が雄英高校を目指しているという認識に間違いはないね?」
摩花の父親が所有するビルの地下。そこには中学校の体育館程の広さをした空間があった。
なんでも、身に着ける体感型の装置の起動実験の際に使われるところらしい。今はもっといい土地があるので現在ではただの空きスペースなんだとか。
そこにホワイトボードを立て摩花が立っている。ちなみに、俺とトガちゃんと愛美さんはジベタリアンである。
せめてパイプ椅子くらい用意しろや。
「凌空君、お尻が痛くなってきたので膝を貸してください」
「左がヒミコちゃんで右は私が使うわね」
ふにゅっとした感触が俺の両太ももへとかかる。
チラリと振り返る様にトガちゃんと愛美さんが俺の顔を確認する。そして、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
……摩花、もう今日はこれでいいんじゃないか?
「早くもやる気をなくさないでおくれ。そもそも、これは雄英高校に受かるために必要なトレーニングなんだ」
で、その棒の先にボクシンググローブつけた奴は何?
俺知ってる、亀田棒ってやつだろ?
「僕がこれで君を突くから、君はこれを避ける。あ、目を瞑るたびにペナルティがあるから」
ファッ!?
無理無理カタツムリ!お前それを目を瞑らずに一般人が出来る訳ないだろうが!
そもそも避けれるかすら―――
「トガさ~ん」
「ほっ!よっ!はっ!……もっと早くても大丈夫ですよ!」
「ね?」
軽々と避けていくトガちゃん。と言うか、摩花の突きのスピードも結構速いんだが…。なんでトガちゃんちょっと楽しそうなの?
そもそも何が「ね?」なんだよ。トガちゃんが規格外すぎるだけだろ。
……いや、まてよ。俺だってヒロアカ世界に転生したわけだし、漫画補正が掛かってて案外できるかもしれない?
よっしゃどんとこい!!
「へぶち!!」
「はい、目を瞑ったのと当たったのでペナルティ」
慈悲をくれ……。
「無理無理無理無理!!」
「凌空君、ちゃんと手加減するから大丈夫です」
「じゃ、はじめ~」
摩花はマジで何考えてるの!?手合わせで俺がトガちゃんと戦えるわけないでしょ!?
しかし、やるしかない。もしかしたら個性も進化するかもだし!手が事故で胸に当たるかもしれないし!そう、事故で(強調)
兎にも角にも目の前のトガちゃんから目を逸らさないように……そら―――(。´・ω・)ん?
「つ・か・ま・え・た」
「―――ッ!?―――ッ!??」
「あぁ、そんなに暴れると……あんっ!」
なんでトガちゃん背後にいるの?
ってか、何か息できないし意識が―――。
ハッ!……夢か。
「おはようございます!」
あぁ、トガちゃんおはよう。
いやぁ、恐ろしい夢を見たよ。なんかいきなりトガちゃんと手合わせするってなって容赦なく首絞めてオトすんだもんね。雄英入学の為のトレーニングだからって優しいトガちゃんがそんなことするはずないもんね。
「はい!じゃあ二回戦行きましょう!」
……夢じゃない?
「どんどん行きますよ!これも凌空君の為です!」
おいおい、死んだわ俺。
「―――!―――じょうぶ!?」
何か声が聞こえる。って言うか、あれは皆でトレーニングを始めた初日だったか?
そもそも、俺は何してたんだっけ?
「君、大丈夫!?聞こえてる?」
目を開けるとマスクをつけた女性のヒーローがいた。
「ミッドナイト?」
「そう、私はミッドナイトよ。立てる?実技試験は出来そうなの?」
「実技試験?……あああぁ!!」
実技試験と聞いた瞬間に一瞬で脳が覚醒する。
そうだ、プレゼントマイクの開始の合図で生徒が一斉に駆けだした。
その時、誰かに突き飛ばされて転倒。そのまま我先にと先頭を争う大勢の生徒に蹴られるわ踏まれるわで意識がなくなったのか。
って待て!今始まってどれくらいだ!?
「開始して一分経過って所よ。それを聞くって事は続行するのね?」
当たり前だろ!トガちゃんと摩花に励まされ、愛美さんからスーツのプレゼントをもらい、緑谷に励ましの言葉を送った俺が落ちる訳にはいかない!!
幸い体はどこも痛くない。このスーツのお陰だ。
愛美さんマジ天使!
「ありがとうございました!俺、試験に戻りますんで!」
「本当に大丈夫?」
「一分なんてちょうどいいハンデですよ!何より、俺を信じてくれてる友達を裏切りたくない!」
個性を使用した姿へと変身をする。
体長自体は変わっておらず、相変わらずのウサギとヒヨコを足したような真っ白な羽毛に包まれた姿。
しかし、決定的な違いがある。それは腕が生えた事。
今までは例えるならポケ○ンのアチャ○的な感じだった。それが進化して体長そのままにワカシャ○に進化した感じ。これで背中がかけますね!
急いで生徒たちが走って行ったであろうルートを追いかけるように走っていく。
駆けていく際に後ろから「あぁ、青臭い性格といい個性を使用した愛らしい姿……イイッ!飼いたい!!」って聞こえた気がするが…でも今は、そんな事どうでも良いんだ。重要な事じゃない。
……さすがの俺も分かるよ?多分、フラグなんだろうなぁ。
流石に一分も出遅れたら絶望的か?
残っているのはぶち壊された仮想敵の残骸だけ。恐らく市街地の裏手とかにまだ数体は残っているんだろうけど、一体一体を探して撃破するんでは圧倒的に時間が足りない。ここに引き寄せる手段でもあれば別なんだが……。
「……あるじゃん!」
そもそも仮想敵は何で俺達生徒を発見している?
恐らくは視覚と音だろう。そして俺にはきったねぇ花火みたいな爆音を出す技がある。
「3割くらいプロージョン!!」
海浜公園の時のように全力で打つと動けなくなるので三割くらいの力をイメージして上空にぶっ放す。
それでも衝撃は相当のもので、周りのビルのガラスがビリビリと揺れる。ヒビの入っていたガラスに至っては乾いた音を鳴らしながら窓枠から外れ、地面に落ち、軽い音を鳴らす。
「ブッコロス!!」
「ブッコロス!!」
おっ!来た来た。こんな感じで後追いしていけばそこそこのポイントには―――。
「ブッコロス!!」
「ブッコロス!!」
「ブッコロス!!」
お……おぉ、なかなか来るじゃん?
だが、俺の血と汗と涙と血尿が出るほどのトレーニングに比べれば五体くらい朝飯前ってや―――。
「ブッコロス!!ブッコロス!!」
「ブッコロス!!ブッコロス!!」
「ブッコロス!!ブッコロス!!」
「ブッコロス!!ブッコロス!!」
「ブッコロス!!ブッコロス!!」
「ヌッコロス!!ヌッコロス!!」
あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!?
何これ!リスポーン地点なの!?馬鹿じゃないの!?ってかまだまだ集まってきてるんですけど、これ下手したら前の方まで音が響いてて全ての敵を俺が集めたりしてないよね!?
……いや、むしろチャンスだ!(白目)
人間に気軽に撃てない俺の必殺技だが、この雄英高校の試験に関しては超絶メタなチート技である。
恐らくこれが撃ち納めになるだろう。……なるよね?
その為にも技を撃つ方向が大事だ。
このまま脳死で「^q^あう~」って正面にエクスプロージョンすると破片はどこに飛んでいく?恐らく俺よりも先にいる生徒大多数に被害が出るだろう。そんな事すれば即失格だ。
俺は目の前じゃ飽き足らず、全方面に展開する数えるのも億劫になる仮想敵へと突っ込んでいく。
右、左、正面とメカの腕やミサイルが飛んでくる。その全てを避ける。
『目を瞑るって事は恐怖心に負けているって事さ。そして、目を瞑るという事は無防備な時間が出来るという事。恐怖を乗り越える、これはヒーローになる為に最低限の素養だと僕は思っている』
普段のニヤケ面はどこへやらな摩花が真面目に言った一言。あぁ、本当に言ったとおりだ。
振り下ろされる鉄の腕を避け、背後から撃たれるミサイルや弾丸を正面の仮想敵の背後に回り、射線を塞ぐ事で回避する。
『凌空君は相手からどう見られているかわかりますか?ワタシは全てわかります!だから認識からズレる様に動くと相手が見失っちゃうんです。人の意識、視線、予測からワタシという存在がズレる事で、その人の世界から一瞬だけワタシという存在を消す事が出来るんです!』
俺を数百回と失神的な意味でオトしたトガちゃんの言葉が脳裏に過る。
正直、発言の内容は天才過ぎて「トガちゃんまつ毛長いなぁ」と全然関係ないことを考えていたが、手加減なしでオトされまくりながらの手合わせは確実に力になっている。
完全に四面楚歌な状態ではあるが、むしろここまで密集してしまうと図体の大きい仮想敵は小回りが利かない。それに引き換え俺の小柄な体はネズミの様に狭い隙間をすり抜けていく。ネズミ……ウサギ?ヒヨコ?
誰がヒヨコウサギモドキだ!!
『導さんは一つの事に集中して視野が狭くなることがあるの。視界は広く持つこと。柔軟な発想は大切だけれど、情報はそれ以上に有利を生むわ。情報を制してこそ選択肢の幅も可能性も広がるのよ』
愛美さんが俺達の動きをデータとして処理しながら話してくれた。
状況把握に情報整理は戦闘を有利に運ぶためには必要なファクターだ。それは現在の立ち回りに生きている。
最後尾の仮想敵、その股下を抜ける。
振り返ればざっと見た感じで……わかんねぇくらいの機械が蠢き、ひしめいている。
何度挫けそうになっても根気よく俺を励ましてくれた三人の顔が浮かぶ。それと同時に、誰よりも努力してスタートラインに立った緑髪のあいつが励ましてくれている気がした。
任せろって、俺も絶対合格するから!
大きく息を吸い込み、体の奥底でマグマの様に煮え滾るエネルギーをイメージする。
鳥の様な鍵爪でコンクリートを砕き、一歩も引かない気持ちを表すように強く踏みしめる。
新しく生まれた両の腕は重心を支えるため地面に。
そして、必ずみんなと一緒に入学するという強い気持ちを一撃に籠めて放った。
実技試験から二日後。
雄英高校の正規教職員と臨時職員が一同に集まり、会議室にて評論会を行おうとしていた。
「それじゃあ、今年の入学生の総評をはじめようか」
ネズミの姿ではあるが二足歩行の足でしっかりと立つ『根津校長』が二度手を叩く。
大きなディスプレイには入学が確定した実技総合成績という名の生徒のリザルトが映し出される。
「まずは異端な動きを見せた渡我被身子ちゃんだね!」
モニターが移り変わり、複数のカメラ画面を映した。
多くの動画が再生されていく。その中で複数のカメラに彼女が移りこむ事が一切無い。
「見ての通り、彼女は絶対に一つのカメラにしか姿を現さなかったのさ!物陰、人影、仮想敵の影……あらゆる視線を遮るものを利用して静かに仮想敵を排除していく。ヒーローの表現としては良くないとは思うけれど、暗殺者という表現しか浮かばないよ」
「彼女の個性は変身。純粋な戦闘には一切関わりが無い、しかし身体能力と類稀なる才能で成果を出した。文句のつけようが無いな」
「存在に気付かず、彼女が停止させた仮想敵に他の奴らが目線を取られる。その間に自分は次の目標へ動く。実に合理的だ」
教員であるブラドキングとイレイザーヘッドが唸る。
その言葉の裏には、カメラの位置をも瞬時に把握し、最小限の露出で任務をこなすヒーロー像が既に出来上がっているからだ。
テレビへの露出を避けるアングラヒーローのイレイザーヘッドからすれば他人の気がしない部分もあるのかもしれない。
「うんうん。じゃあ次は彼さ!」
続いて映し出される画面には長身の美男子。ジャージ姿で実技試験に挑む人が多い中で気品のあるローブに身を包んでいる。
「正直、彼を合格にするかは判断が難しかったのさ。何せ『妨害行為は即退場』な訳だからね」
動画の中では爆破の個性の生徒についていき、取りこぼした仮想敵を漁夫の利の様に撃破する姿だった。
不自然な点があるとすれば、その取りこぼしが程よい破損具合であるという点である。
「彼ノ個性ダト、合格スルニハソレシカナイ」
「勿論それも分かっているさ。幸いにも彼が個性を使用した生徒はみんな合格しているからね。今回はお咎め無しという事にしておくのさ!」
「……何より、個性が強すぎる。雄英高校に入学させないのは後々の不利益にしかならない」
エクトプラズムの発言に対し、根津校長が理解を示す。それに対して臨時の職員達からも賛同の意見が聞こえる。
中には「カンニングと一緒の行為ではないんですか?」と発言する者もいたが、今回の試験内容では一部の生徒は完全に無力になってしまう場合もある。今回は彼が合格するための工夫であり、不合格者も出なかったため不問とし、来年の試験内容を見直すことでその場は収まった。
「話が少し脱線してしまったね。次はこの子さ!」
画面が変わり、緑髪の少女が映し出される。
純粋な体術と周りを察知する洞察力で仮想敵を撃破しながらも、負傷した人や危険が迫っている人を助けていく。
動画を見ていた教職員からは口々に「これが受験生なのか?」と疑問の声が聞こえる。
そんな中、オールマイトは心の中で鼻を高くし、ガッツポーズを決めている。
「撃破ポイント、救助ポイント合わせて79ポイント。文句なしの動きさ!将来が楽しみな生徒が入ってきたね!」
「新米ヒーローでも通用しそうね」
「少しパワー不足かもな!」
次々耳に入ってくる後継者の高評価にオールマイトの耳はピクピクしっぱなしである。
根津校長はその姿を見ながら気づかれないように微笑み、ある意味、本題である生徒の名前を挙げる。
「導 凌空君」
今までの喧騒が嘘のように静寂に包まれる。
かくいうオールマイトもその名を聞いた瞬間に気持ちが切り替わる。
「筆記試験一位、実技試験も撃破ポイントのみで80点の一位。人格も学校からの推薦状やミッドナイトから聞いていた。だけど、色々と問題があるのも確かさ」
モニターの画面が切り替わると、ドローンにより上空から取られたであろう動画が流れる。
数える事も億劫になるほどの仮想敵の密集地帯をスルスルとすり抜けていく白い物体。それが密集地帯を抜け、四つん這いのような姿勢になった所で映像が途切れている。
「これについては現場にいたミッドナイトから直接話を伺った方が早いね」
根津校長がミッドナイトへ視線を向ける。視線の先には頬杖をつき、うっとりしたような表情で画面を眺めるオンナの顔をした香山 睡の姿だった。
数秒してから自身へ集中する視線に気づき、急いで姿勢を正し、いつものミッドナイトの表情になる。
「すみませんでした。私は負傷した生徒や、興奮して個性の調整を行えなくなった生徒への対応の為に現場で待機していました。彼はスタート時に複数の生徒に足蹴にされ、気絶していました。声をかけた際にも大きく取り乱すことなく、真っ直ぐに試験に復帰したのを確認しています」
淡々とした口調で話す。聞いている限り、不幸ではあるが普通の生徒である。
「それから数分後に遠くで爆発のような音と衝撃があり、セットしていたカメラが破損したと連絡があった為、不測の事態の可能性を考え現場へ急行しました」
再びモニターにはひしめき合う仮想敵を潜り抜けていく場面になる。
「軽く五十はいるんじゃないのか……」
「いやいや、もっといるだろこれ」
誰かが呟く。まるで波紋が広がる様に次々と口を開いていくのはその異常性からだろう。
オールマイトは海浜公園での出来事を思い出していた。
落ちてきた数多くのガラクタを一瞬で粉砕した衝撃波。
あの威力も私と緑谷少女を気遣っての一撃だったのかもしれない。その一撃を今回は躊躇いなく放ったのだ。どういう状況になるのか想像するのはそれほど難しくはない。
動画が流れ続ける。そして、一撃を放った後の衝撃で画像が乱れていた映像の続きが流れ始める。
「おいおい……」
「この威力で怪我人が出なかったことが奇跡なんじゃないのか?」
「彼が最初の方向からこの一撃を放っていたら確実に怪我人は出たわ。でも、わざわざ撃つ方向を変える為に仮想敵の間を潜り抜け、ポジションを変えた」
その一撃の痕跡はオールマイトの攻撃を連想させるような威力だったことを物語る。
地面を抉り、市街地のガラスは全て割れ、仮想敵は跡形もなく消滅したものから大破したものまで様々である。
皆が一様に冷や汗を流し、唾を飲み込む。もし、彼が敵になってしまったら誰が止めるのか?と。
「正直に言うとこの80点も憶測の採点なのさ。何せ一瞬で粉々に吹き飛んだわけだから、点数を送る為の信号すら発信できなかったんだからね。何にせよ文句なしの合格には変わりないよ」
その後、全力の攻撃の為か地面へと倒れ伏してしまう。
戦闘ではちょうど巨大敵が現れ逃げ惑う生徒たちが引き返してきている所だった。
『え、ちょちょちょ!また俺踏まれる流れなのでわ!?……ギエピー―――!!!』
映像は丁度ここで終わっている。
今年の合格者の一覧を見る根津校長は人知れず確信していることがあった。
二年前に入学した生徒は今ではビッグ3と言われる程だ。だけど今年の生徒はそれを超えるほどの粒ぞろいであると。
雄英高校の黄金期を知らせる鐘の音が聞こえる様だった。
リードの個性
当初と予定が変わって着地点が迷子気味なのは作者がよく分かってる
でも伏線だから。
IFストーリーで補完されるから(メソラシ