モテる為に異世界転生してヒーロー目指すわ‼   作:自己顕示欲MAXマン

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このお話どこに向かってるんだろう…


俺はまだ変身をあと2回残してるって思いたい…。

 憂鬱だ…学校に行きづらすぎる。

 どれくらいかというと、嫌いな上司に無理やり飲みに連れて行かれて自慢話だけされつつありえないくらいのアルハラを受けて次の日、遅刻で二日酔いの中満員電車で出勤する感じ。もう仮病使うよね。

 

 今が小学校6年生の11月。冬休み前だ。

 引っ越し自体は卒業してからになるので今の時期に言う必要もないかもしれない。ただ、今の緑谷の状態を考えると早めに言っておかないと不味い。

 卒業する直前に「俺、引っ越しするから一緒の中学校には行けないんだ」なんて言った日には大泣きして俺の羽毛という羽毛を全てむしり取られる気がする…。

 ただのハゲモドキになっちゃう。………ただのハゲモドキってなんだ。もうそれ唯のハゲなんだよな。

 

 とりあえず、こういう事は日にちが経てば経つほど言いにくくなるんだ。納期までの書類が一人では間に合わなさそうだけど言いづらくて、ズルズル日にちが経って、ギリギリに言ったら「なんで早く言わねぇんだ!!」って言われるやつだ。前世で数え切れんくらいした。正直すまんかった守山…。

 

 『ちなみに、守山君は君の葬式出席してないぞ。旧友とのカラオケのほうが大事だったみたいじゃよ』

 

 守山ァァァァ!!一応同期なんだからそこは出席しろや!!ってか、自分の葬式事情聞くの複雑だわ。でも聞いちゃう!ちなみに可愛がってた後輩の式守ちゃんは来てくれてました?

 

 『式守ちゃんはそもそも君の事を仕事が出来ないのに先輩面してくる顔面偏差値23.19の男。通称ブサイクって評価だから来るわけないよね』

 

 聞くんじゃなかった!!神様のありがたいお言葉、しっかり胸(心)に響きましたよ!!

 …涙出るわ。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 「昨日はいつもとランニングのコースを変えて走ってたんだけど、ヒーロービルボードチャート上位のシールドヒーロークラストがヴィランと戦ってるところでね―――」

 

 今日も変わらず絶好調でヒーローオタクっぷりを披露してくれる緑谷。そんな中、俺は気が気じゃない。今は優しく触られている自慢である頭部の羽毛だが、言うタイミングを失敗すれば空に舞うことになるだろう。

 緑谷の今日の機嫌は上々。ヒーローの戦いを間近で見れたこともありテンションも高い。この状態であれば、案外すんなりと受け入れてくれるかもしれない。

 

 「あ~…緑谷?」

 

 「それで相手の―――。え?どうしたの?」

 

 普段から緑谷の会話を遮ることが少ないからか、物凄く不思議そうに尋ねてくる。とりあえず、もしもの事を考えて緑谷の腕の中からスルリと抜け出ると座っている緑谷の正面に立つ。

 やべぇ、なぜか緊張する。思ったよりも挙動不審になってるかもしれない。

 

 「え~っとだな…その、大事な話があるんだが……いいか」

 

 何を言われたのか分からずに一瞬キョトンとした表情を見せる。しかし、見る見るうちに表情が明るくなり、目をキラキラと輝かせながら同じ様に俺の正面に立つ。

 

 「うん。いいよ!」

 

 よし、落ち着け俺。深呼吸だ…ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。ってラマーズ法やないかい!

 もう使い古されたクソみたいな一人ボケツッコミを脳内で行っていると、正面の緑谷がなにかブツブツと言っているが―――。

 

 「やっぱり冬休み前だし、返事は早めにして計画を立てようって思ってくれたのかな?それにしても返事が遅いよ…フフッ。恋人同士になったらやっぱりデートだよね。水族館とか映画館にも一緒に行きたいし、何だったら一緒にトレーニングとか部屋で勉強会もいいよね。何よりクリスマス!クリスマスデートで、そ…そのまま良い雰囲気になって……とか。駄目だよ!僕達まだ小学生なのにっ!でもでも…リードも人間の姿を見せてくれるだろうし…凄く、ドキドキしてきたかも…」

 

 ちょっと聞こえねぇなぁ。屋上だと風もあるから小声の独り言は流石にな…。懸念点は、体くねらせながら物凄い速度で唇動いてるところなんだよな。あれ、分析中のブツブツと一緒の速度なんだけど俺が分析されてるの?むしりやすい所?やめてよね…。

 一つ咳払いをすると、独り言を続けていた緑谷がハッと我に返る。俺は一つ大きく息を吸い、意を決したように声を出した。

 

 「緑谷、俺…引っ越しすることになった!」

 

 「はい!不束者ですが………えっ?」

 

 「え?不束者!?」

 

 こいつ俺の引越し先に居候する気なの!?嘘でしょ!?

 

 「ひ、引っ越し?嘘だよね?だってこの間居なくなる予定はないって言ったじゃんか!!」

 

 物凄い剣幕で言い寄ってくる。コワイ!!そして、そのまま押し倒され肩を抑えられてしまえば体長100cmしか無いか弱い珍獣はもう身動きすら出来ないのだ。やめてよね…君が僕と本気で喧嘩したら、僕が君に勝てるはずないだろ?

 って言ってる場合じゃないぞ!?完全にハイライトオフだし肩を抑える力はどんどん強くなイデデデデデ!鳥の骨は脆いんだからやめろ!あれ?骨はウサギなのか?もうこの体ややこしすぎる!

 

 「痛いし重い(精神)からどいてくれ。ちゃんと説明す…あだだだ!」

 

 グリグリと力を強めてくる。もうコイツ凶暴すぎる…原作の緑谷君の面影ないよ!誰だこんなゴリラに育てたやつは!?……俺か。

 

 「引越し先はどこなの?遠かったら……僕、何するかわからないかも」

 

 ヒェ!?一体、何をする気なんでしょうねぇ…。ってか、本当に小学生なの?ガチで緑谷出久転生者説無いよね?

 

 「東京だ東京!ここから新幹線で1時間程!そんなに遠くないから顔を離せ!近すぎる!!」

 

 東京と1時間という言葉を聞いた途端にパッと離れる。

 そして、ハイライトの戻った瞳で笑みを見せる。

 

 「なぁんだ!!東京だったら休みの日とかに会えるね。遠くに行っちゃうのかと思ってびっくりしたよ。……ホント、ビックリしたよ」

 

 俺はお前の鬼気迫る言い寄り方に命の危険を感じたわ。クソザコ珍獣なんだからもっと優しく丁重に扱えよな。

 俺は背中についたホコリを手で払おうとして、手が届かないことに気づいた。もうこの体痒い所に手が届かないとかそういうレベルじゃないんだが。

 緑谷はそんな俺の行動が分かっていたのか、ポケットから動物用の櫛を取り出しゴミを取ってくれる。…そんなの常備してたの?いつから?もう付き合いも長いけど初めて知ったんだけど…。

 

 「それで、何時から引っ越しなの?」

 

 「来年の春だな。卒業までは居れるみたいだ。つっても、どうせ中学校の途中で帰ってくることになりそうな気がする。勘だけどな」

 

 「リードの勘は結構当たるもんね。個性が動物だから第六感?が鋭いのかな?」

 

 第六感は霊感とか電磁波とか五感で感じれないものであって、実は別世界で28年生きてましたっていう経験則から放たれるテストのヤマ勘は含まれません。

 

 「じゃあ連絡先教えてよ!今までは何かとはぐらかされて来たけど引っ越しするなら良いよね?」

 

 「駄目です。絶対調べて住所割ってくるでしょ」

 

 「そそそ、そんな事しないよ~?」

 

 目が泳いでるし滝のように汗かいてるんだよなぁ…。それくらい教えても良いじゃんって神様がニヤニヤしながら言ってるけど、第六感がそれは絶対にやめとけって警笛を鳴らしながらブレイクダンスするくらいに自己主張激しいから絶対教えない。このロリコン神は絶対に俺の困惑を楽しむ気だ。

 

 「ううぅぅ…じゃあ、僕はこれから何をモフって生きればいいの…」

 

 用法用量を守るためにモフり離れしてください。俺もこの個性をこのままマスコット的な立ち位置で置いておく気はないので。

 

 「えぇ!?じゃあその愛くるしい姿でヒーロー目指さないって事!?それは駄目だよ!人類の損失だよ!?正直色んな人に可愛がられる所は見たくないけど、リードの可愛らしさと共に共存するおっさん臭さは絶対に人気でるよ!?」

 

 おっさん臭い言うな。愛らしいテディベア座りしてるだけやろがい。雰囲気はしゃ~ない。中身おっさんだし。

 

 「…じゃあ絶対に帰ってきてよ!!中学校で待ってるから!!」

 

 気がはえーよ。まだ引っ越しまで期間あるんだから。…あぁ、原作よりも現時点では強くなってるだろうに、精神面だけはどうにもならないなぁ。女の子だもんな。

 

 「ほら、泣くなって。まだまだ引っ越しまで時間あるのに会う度に泣くのか?引越し後にストレスで禿げたらどうするんだ。俺がな」

 

 「それは駄目。僕が毟るためにあるのに」

 

 「毟るな!!」

 

 軽口を叩きながらも、俺の腹あたりに顔を埋める。そして、埋めた所がジンワリと湿っぽくなっていく。…あの時は後頭部ガビガビになってたんだよなぁ。

 あれから8年か。長い付き合いになっちまったなぁ。

 

 「俺が居なくなったら愚痴聞いてやれなくなるけど大丈夫か?爆豪に好き勝手言われても我慢できるか?」

 

 「…負けない。リードが居なくても頑張る」

 

 「ちゃんとトレーニング続けていけそうか?」

 

 「…やる。リードとの約束で、僕の夢だから。だからヒーローになるのを諦めない」

 

 それだけ聞けたら十分だ。…いかん、俺も今生の別れみたいな雰囲気を出してしまった。緑谷のくせっ毛だが、サラサラとした髪を撫でる。

 急にガバっと顔を上げると、緑谷は決意したように宣言した。

 

 「僕、卒業式まで一人で頑張ってみる」

 

 「それは昼休みの会う時間を無くすってことか?」

 

 「うん。今までずっとリードに甘えてきてたから。引っ越ししたら毎日会えないし…今のうちから慣れとくよ」

 

 弱々しくも笑顔を作る緑谷に心が揺る。もう正体も見せて良いんじゃね?と、神様のセルフナレーションが入るが俺にその気はない。もうホント嫌な予感しかしてない。言ったが最後、俺のタイトル回収できなくなる未来が見える。このままエピローグからのスタッフロールな展開が見えた。縦読みで早く助けに来て展開だこれ!

 

 「そうか、頑張れよ!!」

 

 いてぇ!!お前蹴るな!や、やめて!ぼ、暴力反対!暴力反対ーーー!!

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 まだ続くのかって?あんな中途半端な所で切られたら微妙だろ?今回はもうちょっと頑張るわ。神様同士の動画投稿サイト『GodTube』略して『GT』で俺の生き様が人気らしいからな。ちなみに、再生数と高評価はロリコン神の神界評価になるらしい。俺にも還元しろや。

 

 話が大きく逸れたが、俺はあれ以降個性は自宅でしか使ってない。なぜかって?緑谷が学校中探し回ってるんだよ。俺の正体を、冬休み前からも、冬休みが明けてからも。

 こえぇよ…一回俺のクラスまで来てたが目がマジだった。完全な猛禽類の目をしていた。「ウサギとヒヨコの混ざった99.2cm台に変身する男性の個性の人知りませんか?」って聞き回ってた。

 もちろん俺にも聞きに来てたよ。普通に「知らん」って素っ気なく言ったらもうどっか言ってた。俺100cmなかったんだな…何時測られたの?

 

 ちなみに下校中に緑谷に絡む爆豪を見たが凄かった。

 もう完全なガン無視。爆豪の口汚い暴言なんて意にも介さず校門前で俺の情報を聞きまわってた。爆豪は自分以外の男を探し回ってる緑谷に苛ついてるみたいだった。

 最初の方は「ソイツとはどういう関係なんだ!」とか「無視してんじゃねぇぞクソナード!」とか「俺がソイツ見つけてぶっ殺してやる!」とか言ってたな。

 ちなみに最後の言葉は言った瞬間に空気が死んだ。ニコニコと色々な生徒に声をかけていた緑谷がピタッと止まったかと思えば、ハイライトの消えた目で何を言うわけでもなく振り返った姿勢のまま爆豪を見つめてるのが印象的だった。1粗相。

 爆豪は「何見てんだクソが!」って気づいてないみたいだったけどお前そういうとこやぞ!?

 

 何とか正体がバレることもなく卒業式まで来たんだが、緑谷が限界だった。こいつ中学生活大丈夫なのか?

 恐らく見つけれるだろうと根拠のない自信があったのだろう。小学生なんてそういうものだ。若いって良いな(白目)

 とりあえず、卒業式後に屋上の何時もの場所で待機する。校門前は親と写真を撮ったり、友達同士でワイワイと賑わっている。

 

 「リード!!!」

 

 「おっ、やっときどうわぁ!!?」

 

 おもっくそ飛びつかれた。内臓出るかと思った。

 

 「んんんんんんん!!もふもふ!もふもふ!スーハースーハー!!」

 

 えぇ…(ドン引き)

 これがお腹あたりとかなら引かないんだけど、何で股ぐらに顔突っ込んでくるの?あれか?猫大好きおばさんが「猫はね、肛門の匂いを嗅ぐのが挨拶なんですよ。スゥ~…うん、グッドスメル!」ってやつと一緒なの?

 

 「やめろバカ!流石にそこはタグにR-18入れないと駄目になるだろ!わきまえろ!!」

 

 バシバシと緑谷の頭部を叩くと、すでにある程度満足したのかスッキリした顔だった。小学6年生にしてこの将来性。有望株ですね(?)

 

 「うん、グッドス「言わせねーよ!!?」」

 

 キャラ崩壊ってレベルじゃないんで勘弁してくれ。一応あなたのベースは主人公の緑谷出久君なんですから…。頼みますほんと。

 

 「ごめんごめん。久々の珍生物に我を忘れてた」

 

 もう特殊性癖じゃん…。誰のせいだ!?はいはい俺俺。知ってる知ってる。

 

 「……ねぇ、本当に引っ越しちゃうの?」

 

 「何を今更。そうなると思って決まってからすぐに報告したってのに。まぁ、緑谷が寂しがるのは分かってた。だからこんな物を用意した」

 

 俺は録音と再生ができるボイスレコーダーを緑谷に渡す。これは親にお願いして買ってもらったものだ。誕生日とお年玉とかを貰わないので、頻度によっては色々と高価なものでも買ってもらえるのだ。今の所は筋トレの道具とギターと今回のボイスレコーダーだ。

 

 「こ、こんな高価なもの貰えないよ!!」

 

 「んじゃ、貸しとくわ。俺が戻ってきた時に返してくれ」

 

 「…リードって本当に優しいね。気が変わっちゃった」

 

 …え?気が変わ…ってあぶねぇ!!?

 緑谷の全力のタックルを横っ飛びで回避する。小学生の身体能力だが、この世界の人間はぶっちゃけ体の上限が普通よりも高い。相澤消太が個性以外は一般人なのにあんなに動けてることが証明だろう。

 つまり、屋上の扉の前に陣取って姿勢を低く構えをとっている緑谷の身体能力は既に小学生を超えているってことだ。

 

 「何のおつもりでございますの?」

 

 「このままお別れは寂しいから、思い出を作ろうと思って」

 

 舌なめずりをし、ギラリと眼光が光る。あー、もうめちゃくちゃだよ(キャラブレイク)

 

 「どんな思い出かは気になるが、今回は遠慮しておこうかな。久々に会ったおかしなテンションで黒歴史を作らせるわけにはいかないからな」

 

 そして、お前は一つ勘違いをしている。俺が何時までもマスコットキャラだと?そんな未来は否だ!見せてやるぜ!俺の華麗な進化した個性ってやつをよぉ!!

 

 「ドラアアアアアアアアアア!!」

 

 「え!?キャアアアアアアアアアア!!」

 

 俺は緑谷とは逆方向へ走り、一回の跳躍で転落防止の金網を飛び越える。校舎は3階建て。高さは約14メートル。そのまま落ちれば即死だ。

 俺がクルリと空中で姿勢を変えて後ろを見ると、緑谷が真っ青な顔で金網にしがみついている。

 その緑谷の目の前で、俺は背中へと力を込める。背中からメリメリと肉が裂ける音が聞こえ、数秒の後コウモリのような翼が生える。そうなんです、天使の羽じゃなかったんです。ランドセル背負ってたのにね(?)

 

 「緑谷。正直、本当に中学生の間で帰ってこれるかは分からない。だから、雄英高校で会おう!俺もそこを目指して頑張るからさ!じゃあな!!」

 

 呆気にとられ、安心からかペタリと座り込んだ緑谷に元気に声をかけると、物凄い怒号で叫んでいる教師から逃げるように全力で帰宅した。だ、大丈夫だ俺。個性登録は変身だけど『ヒヨコ』で登録してるからバレへんバレへん。…神様、隠蔽お願いします…。

 

 

 

 

 

 『余談じゃが、自宅に帰った緑谷少女は今日の自分の行動を無事に黒歴史認定したようじゃ。「あんなの…あんなの僕のキャラじゃない…ッ!」と言いながら布団を被り、枕に顔を押し付け悶えまくったそうじゃ』

 

 『レコーダーの中身?それは流石に無粋じゃろう。神様だってやって良いことと悪い事の線引くらいあるよ。…ベルセルク送りは違うのかって?…まぁ、神様は気まぐれじゃし是非もないね!』

 

 

 

 「ううぅぅぅぅ!リードのアホー!!」




元ネタ解説

『やめてよね~』
ガンダムSEEDの主人公がイキって「やめてよね。僕と本気で喧嘩したら、君が僕に適うはずないだろう」から

『縦読みで~』
パワプロくんポケット4?あたりのエンディングネタ。

『グッドスメル!』
中川翔子

『天使の羽』
ららんら~んランドセル~は~
ててんてん天使の羽~





世代バレたりしないよね?
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