モテる為に異世界転生してヒーロー目指すわ‼   作:自己顕示欲MAXマン

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俺のやる気が出る


中学生
このフラグだらけの世界で生きていける気がしない。


 漫画風に言うと中学校編ってやつか。

 小学校編の内容が薄かったのは、そもそも中身が28歳のおっさんとガチの小学生が同じ様に仲良く出来ますか?って話なのよ。想像してくれ。

 

 小学生が1クラス30人居る中に、一人だけおっさんが混じって勉強してるの。

 

 もう不審者じゃん。幸い見た目は子供だけれども俺の心境はそんな感じよ?かと言って、体育とかで当たり障りなく過ごしてたら「お前何手ぇ抜いてんだよ!」ってその日からイジメのターゲットになるとか最近の子供恐ろしすぎるでしょ…。

 俺の取った行動は、主犯格以外の取り込めそうなやつに賄賂(お菓子やカード類)を配り、少しずつ少しずつコチラの陣営に引き込みながら引き込んだ奴のツテで更に勢力を拡大し、地盤が整った所で一斉に主犯格を裏切り「え?前々から俺達仲良かったけど?」って超笑顔で主犯君と話し合いをして丸く収まったよ。主犯君のその後?小学校では良くしてもらったよ(ニッコリ)

 

 そんな俺も今日から中学生なわけで、精神時間的には28歳+12歳でもう40歳なんですよ。おっさんからおじいさんになりそうですね。こうやって考えると、転生者ってかなり歳食ってるよな…。

 

 「うぃ~っす…」

 

 初日の登校だが俺は自分らしさを崩さない。なぜならこの同年代よりも明らかに落ち着いた(ジジくさい)雰囲気に「え、格好いい(トゥンク…)」ってなる女子がいるはずだ!

 

 「きゃ~!すご~い!!」

 

 「どうやってるのそれ!?綺麗―!!」

 

 ほら見ろ。俺に集まる黄色い声援。俺の時代始まったな。

 ……んなわけねぇだろ!!もう既に教室の中心に人だかりができてて、俺の前世の一生分でも太刀打ちできないくらいの黄色い歓声を浴びてる野郎が既にいやがる!!中学生のくせに!!中学生のくせに!!中学生のくせにぃ!!

 

 『3回も言った!や○やでも2回なのに!!』

 

 いや、落ち着け俺。ここはCOOLになるんだ!所詮は毛も生えてない(俺も)、皮も剥けてない(俺も)、尻の青いアザも取れてない子供(俺も)だ。イチイチ目くじら立ててたら精神が持たないぜ。

 

 『全部自分にも刺さっとるけどええんか?』

 

 こまけぇこたぁいいんだよ!(AA略)

 とりあえず、俺の席は中心人物の後ろの席。そう、今、完全にメスゴリラの個性が入ってる筋肉モリモリマッチョマンの女子が腰掛けてる席なんだよ。…やめてよね……君が机に座ったら、机が耐えれるわけ無いだろ?ばばっば!メキメキ言ってるから!!初日から机無いとか絶対変なあだ名つくヤツじゃん!!俺、動きます。

 

 「申し訳ないけど、ここ俺の席だからどいて「ウッホホ!!」グホォ!!?」

 

 

 ゴリラ女子の肘うち みぞおちに当たった 効果は抜群だ

 

 

 『流石だぞ!人間の急所を野生の本能でわかってるんだな!』

 

 言ってる場合じゃねぇえええええええええ‼

 あまりの激痛に膝から崩れ落ち四つん這いになる。アカン、三途の川の向こうで守山が手を振ってる…。

 

 『勝手に殺すな。守山君、今日は彼女とデートじゃよ。彼女はアスナに似てる』

 

 守山アアアアアアアアアアァァァァ‼

 

 「君達、すまないけど道を開けてくれないか?」

 

 守山への怒りで痛みに耐えていたところに手が差し伸ばされる。

 顔を上げて手を伸ばしてきた相手を見れば…クッソ優男系のイケメンやんけオイコラ。

 ほんの少しだけ青みがかった長い白髪を靡かせ、中学生とは思えない落ち着いた雰囲気。しかしその中には、掴み処の無い雲をイメージさせる不思議な佇まいがあった。

 

 「いや、大丈夫だ。自分で立てるング」

 

 なんか癪に障ったから無理して立ち上がったら痛みで変な声出た。パンパンとホコリを払う。まだみぞおちが痛むが、初日から情けないのはさすがに恥ずかしい。

 一通り落ち着いたところで冷静に周りを見ると、何やら周りの生徒達がヒソヒソと話をしている。

 これはもしかして…。俺、また何かやっちゃいました?

 

 「君はこれを見ても何も感じないのかい?」

 

 目の前に立つ優男が自身の上。空白の部分を指差す。

 なぁにこれぇ?えっ、裸の王様ゲームしてるの?馬鹿には見えない何かがあるの!?いやいや、俺は結構な秀才よ?

 

 

 

 

ば な な

 

 

 

 戯れはこの辺にしておこう。

 

 「俺の目が悪いからか、天使や悪魔の類は見えないな」

 

 俺の返答に優男の眉がピクリと動く。それと同時に周りの生徒がザワザワと口々に話し始める。

 

 「嘘でしょ?これだけの蝶々が飛んでるのに何も見えないの!?」

 

 「花も奇麗だし、きっと個性が羨ましくて見えないふりをしてるのね!なんて浅ましい男!」

 

 「ウッホ!ウッホホホ、ウッホウッホ!!」

 

 誰かこいつを動物園に連れて帰れ。

 

 「…面白い。僕の名前は摩花 氏取(まばな しや)。勝手に名乗っておきながら図々しいとは思うんだが、名前を教えてくれないか?」

 

 ニコニコと笑っている目がほんの少し開かれ、俺を観察した。…ような気がする。その前に、こいつ本当に中学生か?ぶっちゃけ怖いんだけど。

 

 「…導 凌空(みちびき りくう)だ」

 

 「凌空か。凌は『しのぐ』や『越える』といった意味がある。両親は君に空を越え、不幸を凌ぐ他者を導くような人間になって欲しくてそんな名前を付けたのかもしれないね」

 

 「しらんがな」

 

 あっ、思わず口から出てしまった。

 摩花は俺の反応が意外だったのかポカンと呆気にとられた。そして、俺のあまりにも心無い返事に周りの反応は凄まじかった。主に女子が。

 イケメンの相手の名前を褒めるカッコいいムーブにあてられ、それを最悪のリアクションで返した俺に対して超がつくブーイングの嵐。ゴリラに至ってはドラミングをする始末。お前ホント動物園に帰れ。

 そんな中、摩花はクスクスと笑う。おぉん!?お前人の不幸が楽しいタイプか?

 

 「そういう事じゃないよ。ただ、僕の個性が効かないという事は……君と一緒ならヒーローを目指していけそうだ。もうすぐHRが始まるのが本当に残念だよ。また休み時間にゆっくり話そう」

 

 そういうと、俺の両手をギュッと握る。やめろ気色悪い!

 俺が心底嫌そうに手を振り払うのを見て、満足そうに俺の前の席に座る。気付けば周りの生徒もみんな席についており、立っているのは俺とゴリラだけだった。

 

 「さっきは肘当ててごめんウホ」

 

 「話せるんかい!!」

 

 俺のツッコミと同時にチャイムが鳴った。…これは中学生活の先行きが早くも不安になってきたぜ…。

 

 

 

 

 そして、学校生活の初っ端といえば恒例の自己紹介タイムである。思い思いに好きなアーティストだったり、食べ物だったり、自分の個性だったりを話していく。

 

 「僕の名前は摩花 氏取。この通り、自然を見せる程度の個性さ。これから仲良くして貰えると嬉しいな」

 

 そして、周りの女子が口々に「カッコいい」だの「美しい」だの「氏取×凌空…ありですね」とか…オン!?一人おかしい奴いたぞ!?しかも俺が受けなの!?やだよ!!

 確実に敵が一人いる事に冷や汗をかいていると、前の席の摩花が戻ってきた。そして、席に座ると早々に後ろを振り返る。つまり、俺の顔を見る。

 

 「さぁ、次は凌空の番だよ。出来れば個性についても一言欲しいな」

 

 コイツもう名前で呼んできやがる…。俺はため息を一つ吐くと気だるげに教壇まで歩いていく。ここは一発、ガツンとインパクトのある自己紹介で女子の注目を……?

 

 前に立って、生徒を見回すことで初めて分かった。一番後ろの窓際の席、退屈そうに窓の外を眺める金髪の少女。髪の毛を特徴的なお団子ヘアーにしてるアイツ。原作を知っていればわかる…アイツは…。

 こちらの視線に気づいたのか目線を向けてくる。思わず顔を下に向け、あたかも緊張してますよ感を出して誤魔化す。心臓がバクバクと早鐘を打つ。

 待て待て、落ち着け俺!KOOLになるんだ!深呼吸して、前を向いて、何もなかったようにさっさとこんな自己紹介を終わらせよう。

 改めて正面を向いた時、背筋を無数の針で刺されるかのように鳥肌が立つ。

 

 『トガヒミコ』が笑っていた。真っ直ぐに俺を見つめて。

 

 ヒュッと息が吐きだされる。吸ったはずの息が栓をなくしたように漏れていく。震えそうな声を隠し、ゆっくりと自分の名前だけ告げる。

 

 「…導 凌空」

 

 名前だけ言うと早足に自分の席へと戻り、突っ伏して外の情報を遮断する。前の席から「意外だな。あがり症なのかい?」と言われるが、今の俺に答える余裕はない。今はとにかく、焼き付いてしまったアイツの笑顔を振り払いたかった。

 

 俺の原作知識は文化祭編までだ。だからこそ分かりかねるのは、あの笑顔が偽りなのか、自然なのかだ。俺の記憶では連続失血死事件の主犯。だが、いつからだ?あいつはいつ、どこで犯行に及ぶんだ?

 頭の中をグルグルと恐怖が支配していく。人間はわからない事に恐怖を感じるとよく聞く。まさしくそれだ。原作通りの殺人鬼のなのか、それとも、緑谷の様にイレギュラーを含むのか。

 

 「ワタシの番ですね!」

 

 俺の肩がびくりと跳ねる。要領を得ない自問自答を繰り返しているうちにアイツの番が来てしまう。トントンと軽い足取りが後方から教壇へと向かって遠のいていく。俺はゆっくりと顔を上げて、恐怖の対象を見る。

 普通だ。見る限りは普通の女の子だ。その、普通の女の子が話し始める。

 

 「トガです!トガヒミコ!!楽しい学生生活にしたいと思っています!」

 

 「トガちゃーん!好きな男の子のタイプはー!?」

 

 生徒の一人が冗談交じりに声を上げる。周りからは笑いや「やめなよー!」と諫める女子の声が聞こえる。至って普通の学園生活の風景だ。きっと俺だけだろう、ここまで恐怖を感じているのは。

 

 「好きなタイプですか?そうですね~…」

 

 周りの生徒は摩花を見たと思っただろう。だけど、違う。

 アイツは俺を見ている。勘違いかもしれない?確かにその通りだ、でも俺にはわかる。その証拠に―――

 

 

 

 「今、目が合ってる人が気になります!」

 

 

 俺を真っ直ぐに見据え、彼女は笑顔でそう答えた。

 




元ネタ(抜けてたら切腹しません)

『3回も言った~』
・某黒酢のCM

『こまけぇこたぁいいんだよ』
・アスキーアート

『筋肉モリモリマッチョマン』
メイトリックス

『さすがだぞ!~』
・ホップ君

『ング』
・ジオング

『ば な な』
頭のいい人、悪い人ツイッターで一時期はやった絵

『KOOL』
ひぐらしのなく頃に、前原圭一
ネットではやった造語


余談ですが
『背筋を無数の針で刺されるかのように鳥肌が立つ』
って表現ですが、俺が肝試しにお墓に行った帰りに感じた感覚です。
なんだったんでしょうねぇ…。
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